教えることってこんなにあったんだ

注意点

この記事は2012年に執筆いただたい内容のため、状況等が大きく変わっている可能性があります。ご留意の上お読みください。

言葉だけなの?

教えることは盛りだくさん

日本語教師の仕事には、言葉を教える以外にも、まだまだたくさんあります。日本の習慣やマナー、文化やその違い、とにかく、日本に関する、気になることはなんでも教えられます。学校によっては、日本語教師ならではの授業ということで、言葉を教える以外の授業も大歓迎!ということもあります。

中国女子もびっくり!

さて、ここで、普段どんなことを教えているのか、少し紹介しましょう。日本の女性の習慣の一つに、むだ毛処理がありますね。これをある日、ビジネスマナーの授業で、身だしなみの一つとして取り上げたところ、これが、思った以上に盛り上がってしまったのです。

「どうして日本人女性はそんな面倒くさいことをするの?」「そんなこと、したことない!」と、意見がどんどん上がります。

そこで、賛成(ある程度)派と反対派に分けて、日本語でディスカッションすることにしました。途中、考えを変えて、相手側へ移動したり、一生懸命に日本語で意見を言おうとしたり。生徒さんたちは「日本語を使う」「文化の違いを考える」ことができたようです。

ちなみに、この次の授業では身だしなみの続きとして、お化粧の方法と服装を取り上げたところ、半ばファッションショーになってしまいました。

真面目なことも

上記はかなり楽しめるものでしたが、もちろんそれだけではありません。わりと真面目なことも、もちろんあります。例えば、ここ中国では、市・省・全国規模でのスピーチ大会があります。

学校側が出場すると決めたら、生徒の選考、練習などを手伝うこともあります。生徒さんの書いた原稿をチェックし、アクセント、テンポ、表情などを指導します。学校にとっても名前を売り出すチャンスですから、力も入ります。見事生徒さんが入賞したときは、こちらも嬉しさと達成感で、胸がいっぱいになります。

他にも、日系企業に就職したい生徒さんのために、履歴書の書き方や、面接の練習もします。日本ほど日本語での面接は厳しくないのかもしれませんが、やはり練習しておくと、生徒さんも度胸が付き、緊張の度合も違ってくるようです。

こうみてくると、言葉だけではなく、自分の経験や興味のあること、一見日本語とはかけ離れているようなことからも、いろいろ教えることができる、ということも、日本語教師に求められる能力の一つだと思います。

文化は大事です

文化のない言葉なんて・・

外国語は、教科書や参考書で勉強はできます。しかし、それはあくまでも、理論上の言語であって、生きている言語ではありません。教科書や参考書には出てこない若者言葉もあれば、伝統文化に関する言葉もたくさんあります。やはり、その国の文化を理解してこその言葉というものです。

日本の伝統行事

みなさんは子供の頃、ご両親と一緒に、いろいろな伝統行事を楽しんで育ったと思います。1月はお正月、2月は節分、3月はおひなさま・・・。このような行事、ただ本を読んで知識とするよりも、実際に経験したほうが楽しく、理解もしやすいはずです。

どうしてこのような行事をするのか、その説明とともにやってみる。年中行事はほぼ月一でありますから、教材としても事欠きません。生徒さんにとっても、楽しく身につきます。

少し子供っぽいかもしれませんが、折り紙と年中行事を結び付けて、おひなさまやクリスマス(実際これは伝統行事ではありませんが・・・)などの飾りを作るのもいいですね。子供の頃を思い出して、一緒にやってみましょう!

他にもまだある日本文化

年中行事だけでなく、食の文化も大事だと思います。ここ中国では一人っ子が多く、料理をしたことがない生徒さんもたくさんいますし、日本のように家庭科の授業もありません。

でも、日本食は人気がありますから、生徒さんも興味津々です。ですから、学校側がOKであれば、調理実習みたいな授業もアリです。

例えば、人気の日本食のひとつ、お寿司。さすがに生ものは気をつけなければいけませんが、巻き寿しなら具も簡単に用意できて、安心です。少人数のグループを作り、グループごとに準備をさせ、始めます。

巻き方の動画や、実演で説明をし、やってもらいます。これはかなり盛り上がる授業です。他にも、おにぎり、花見の時期にはお団子など、簡単にできることはあります。実際に、私の調理実習の授業のあと、実家に帰ってご両親に作ってあげたら喜んでくれたなど、反応がとても良かったですよ。

上記ではわりと真面目な例を紹介しましたが、まだまだあります。例えば、話し言葉は年々変わっています。若者言葉がその代表ですね。これらはアニメやドラマを教材にすると分かりやすいです。

言葉以外にも、服装文化、流行など、興味深いことが盛りだくさんです。いろいろな文化とともに言葉を覚える。文化を実感してこその、言葉なのではないでしょうか。

聞くことの大切さ

聞くって一体何を?

聞く、という言葉を、あなたはどう考えますか?誰が、誰に、何をいろいろ浮かんでくると思います。日本語を教えるときに大事な「聞く」をいくつかに分けて考えてみましょう。

「聞く」その1.日本語を聞く

ここ最近、日本語の試験において、聞き取りの部分が以前よりも重視されるようになりました。そこで、教科書でただ読解力をつけたり、テープを聞き取る授業だけではなく、日本人教師との会話を通して理解力・会話力をつける授業が以前よりも重視されています。

ただ、ここで注意したいのが、生徒さんのレベルにあった速さ・言葉で話さなければならないことです。上級者には、普通に、日本で話すような話し方のほうが良いのですが、初級・中級ではまだ、生徒さんには理解できません。そうして、理解できない=つまらないとなり、興味をなくしてしまうことが起こってしまうのです。

ですから、そのようなことが起こらないためにも、「誰が」あなたの日本語を聞くのか、いつでも気に留めて、それぞれに合ったレベルの話し方を考えておきましょう。

「聞く」その2.先生に聞く

前に、中国では、どちらかというと、先生から生徒へ一方通行な授業が多いと書きました。生徒さんもそれに慣れているので、受身で授業を受けることがよくあります。しかし、生徒さんが、疑問に思ったことをそのままにして、違った解釈をしてしまってはどうしようもありません。

ですから、普段から、どんなに小さなことでも、気になったことや疑問はそのままにしてはいけない、と、口を酸っぱくしておきましょう。「先生に分からないことを聞く」大事さを、きちんと解ってもらうのです。もちろん、質問の内容によっては、そんなことまで・・・ということもあります。

自分で調べるべきこと、先生に聞くべきことは、あなたのほうでしっかりとライン引きして、上手に生徒さんに話すことを忘れずに。

「聞く」その3.生徒に聞く

授業中に説明したことなど、生徒さんがどの程度理解しているのか、やはり気になるところです。それを確認せずに、どんどん授業を進めてしまうのは、やはり教師としてはちょっと・・・ですね。ですから、先生も「生徒に理解できたかどうか聞く」ことを忘れてはいけません。

気をつけたいことは、その時、ただ「分かりましたか?」と聞いても、「はい」という返事が返ってくることがほとんどですから、そこで安心せずに、じゃあ、と、逆質問をしましょう。

物事の言い換えは、理解できてこそ、です。クラスの中の優秀な生徒さんはすらすら答えてしまうので、普通程度の生徒さんに聞くことがポイントです。

口を開いてもらいましょう

使ってナンボの語学勉強

よく、「海外に住むとその国の言葉が話せるようになる」という話や、逆に、「いくら英会話を習っても海外旅行でうまく話せない」という話をよく耳にします。例えば、自転車に乗ることを考えてみてください。

いくら説明してもらっても、頭では分かっていても、乗る練習をしなければ、いつまでたっても自転車には乗れませんね。言葉も、それと全く同じことです。使って、使って、使うことが大事なのです。

ですから、生徒さんのために「日本語を使う」機会をどんどん増やすのも、日本語教師の大事な仕事です。

反復練習は飽きるけど

初級の生徒さんを教えるとき、一番大事なことは基本をしっかり身に付けてもらうことです。

特に、動詞や形容詞の活用は、彼らの苦手とするところ。ですから、授業の始めの10分間を反復練習に使います。そのときは、書かせるのではなく、口に出してもらうことがポイントです。「リピート・アフター・ミー!」ですね。

先生:書く(生徒:書く)書かない(書かない)書きます(書きます)書いて(書いて)書いた(書いた)書けば(書けば)書こう(書こう)

で動詞一つのワンセットです。これをいくつもします。もちろん、いきなり全部は無理ですから、まずは習った形だけ、最終的に全部にもっていけば良いのです。イントネーションも覚えられるし、無意識に活用ができるようにもなります。

ただ、先生にとっては、体力&声を使いますから、普段から健康には気をつけましょう。私はこれで、以前より声が大きくなってしまいました。

質問攻撃!

中級の生徒さんは、日本語が使えるようになってきて、自分の言いたいことを少しずつ話すようになります。そこで、そんな生徒さんには、質問攻撃で、さらに話してもらいましょう。

例えば、生徒さんに「昨日は何をしましたか?」と聞きます。生徒さんは「昨日私は買物をしました」と答えます。そこから、次々と、何を、どんな、など、突っ込んで聞いていくのです。

そのときに気をつけたいことは、もし、生徒さんがちょっと微妙な日本語だった場合、ただ「うん、うん、」と相槌を返すのではなく、「○○だったんですね?」と、正しい文章で聞き返すのです。それによって、生徒さんは正しい言い方を聞いて覚えることができます。

中級後半なら、スピーチ形式にして、それを聞いた生徒さんに質問してもらう手もあります。先生は、ポイントを抑えて正していく程度にして、生徒さんの受動性を育てていきましょう。

恋愛でも、気になる人に話しかけられるのを待っていてはことは進みません。やはり、相手と話をしたければ、自分から話しかけますよね。日本語教師の仕事も同じです。生徒さんに口を開いてもらうには、先生からきっかけを作ってあげなければいけません。そして、微妙な会話にも、辛抱が大事です。気力&体力をしっかりつけて、お仕事に臨みましょう!

日本語試験を受けてみたい!

日本語版「英検」?

日本でも、英語学習者向けに「英検」や「TOEIC」など、いろいろな試験がありますが、日本語学習者向けにも、そういったような試験がいくつかあります。

それらの試験の合格証や成績は、日本留学のためのビザ発給や、就職のために役立ちます。ですから、日本語学習者のほとんどは、この試験のための勉強をし、合格を目指すのです

重要度ではナンバーワン!

まず、絶対に合格したい試験がこれ、「JLPT 日本語能力試験」です。7月、12月と、年に2回実施されるこのテスト、マークシート解答式、合否判定制です。

レベルは5段階、N1~N5に分かれています。実際、初級レベルならN3から、中級でN2、上級でN1を受ける傾向があります。留学のビザならN2、就職ならN1は欲しいところです。ですから、日本語教師としても、この試験に対応した内容を、授業にうまく取り入れる工夫が必要になってきます。やはり、教え子にはぜひ合格してもらいたいですからね。  

しかし、N1の参考書を見てみると、日本人の私でも、説明に頭を捻ってしまう言葉もあります。例えば、「いかんによらず」「いかんにかかわらず」「いかんを問わず」の違い、確かにあるのだけど気にして使ったことがない・・・。改めて自分も日本語が勉強できます。

自分の能力はどのくらい?

合格・不合格では、不合格だったときのショックはかなり大きいです。でも、自分はどのくらい日本語ができるのか知りたい!という場合は、「J.TEST 実用日本語検定」があります。

これは、年に6回実施、点数制の試験です。2つのレベル(A~D、E~F)に分かれています。マークシート・記述解答があります。

実用というだけに、能力試験に比べて、特に読解問題はいろいろな題材を使っていて、慣用句も多く出てきます。日本語版TOEICといったところでしょうか。

ビジネスにはこれ!

仕事で使う日本語の能力を測るために、「BJT ビジネス日本語能力テスト」という試験もあります。年に2回実施、点数制の試験です。

名前の通り、ビジネスに関する日本語に重点を置いています。ですから、敬語やビジネス用語が盛りだくさん、上級者向けです。この試験で高得点を取れば、就職にもかなり有利になってきます。

試験対策と授業

試験は嫌いでも

私個人としては、言葉に関しては「使えてナンボ」と思っています。しかし、昨今の証書類がなければ通用しない、厳しいという状況も痛いほど良く解ります。

ですから、自分の経験も踏まえて、生徒さんにはぜひとも、取れる時に試験の合格証を取って欲しいと思っています。そのためにも、普段の授業で、試験対策になるような内容も取り入れるようにしています。

まずは計画から

中国では、先の「JLPT日本語能力試験」の実施日と、期末試験が同じ時期に重なることもあります。ですから、学期の始めに、ある程度、その生徒さんたちのレベルにあった、必要な語句を調べておきます。

すべての語句を教えるにはかなり時間がかかりますし、中国人先生の読解の授業でも勉強しますから、間違えやすい語句をいくつか組み合わせるようにします。 例えば、N2文法の「~にとって」「~によって」「~に対して」は間違えやすい組み合わせです。このような組み合わせを、次はどうやって使っていくかを考えます。

授業のタイプに合わせて

まず、語句の説明は、どんなタイプの授業でもすることです。図や例文を使って説明します。次に、授業の内容が会話の場合、それらの語句をうまく使えるようなトピックを考えます。例えば、「日本語能力試験」について、というトピックでは、

1.あなたにとって、能力試験とはなんですか?
2.試験に対して、どう取り組んでいますか?
3.何によって、試験の申し込みをしたり、文法を知ったりしますか?

など、語句を使った質問をします。それをグループやペアに分かれて練習していきます。使うことによって、使い方を覚えてもらうのです。  

また、作文の授業では、それらの語句を使った文章をいくつも作って、違いを確認し、覚えてもらいます。他にも、聞き取りの授業では、その語句を聞き取らないと答えられないような質問を用意したりします。

もちろん、教科書も能力試験の文法に合わせたものも多いので、すべて自作しなくても大丈夫ですが、ある程度は作っておくと便利です。

そうして、学期末前までには一通り終わるようにしておきます。試験対策だけなら、集中的に模擬試験をばんばんすればいいのかもしれませんが、それでは日本語教師としての意味がありません。試験対策も考えながら、使える日本語を教えていくのが、その意味のひとつだと思っています。

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