養成講座420時間って何を勉強するの?
理論(62回) |
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日本語の歴史や教授法、発音やアクセント、文法のルールなどを勉強します。基本的に講義形式。 |
実技(36回) |
理論で勉強したことを活かしながら、実際にどのように教えるのか?を勉強します。教案の作成方法、各文型を教える際の注意点や模擬授業を自分で行います。 |
実習(11回) |
実際に教壇に立って教えます。 |
420時間コースのサンプルとして、授業見学&取材したヒューマンアカデミーの養成講座を記載します。
各養成講座、名称や時間の割合に違いはありますが、どの養成講座も上記のような流れになっていることが多いです。
養成講座 各区分の名称と時間数の違い
全ての養成講座が 1.理論 2.実技 3.実習 と分かれているわけではありません。名前は各養成講座によって名称や区分は少し異なります。
カテゴリーの種類等は違いますが、座学が中心となる「理論」→実際の教授法を学ぶ「実技」→実際に教壇に立つ「実習」の流れはおおよそ同じです。
それぞれの割合も、実習が多いインターカルト日本語学校などは5:5の割合ですが、おおよそ理論:実技・実習が 6:4 ぐらいが平均的な数字のようです。
【最大手・全国29校舎】 ヒューマンアカデミー |
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理論:62回 実技:36回 実習:11回 |
千駄ヶ谷日本語教育研究所 |
理論:232時間 実技:82時間 実習:106時間 |
インターカルト日本語学校 |
理論:210時間 実技:210時間 実習:210時間 |
東京中央日本語学院 |
理論:86回 実技:84回 実習:2回 |
「理論」での学習内容
具体的には「日本語学系」(歴史と文字表記・文法・中上級の表現など)「言語学系」(言語学・対象言語学・音声学など)、私が某スクールの養成講座に通っていた頃はひたすら講義形式でした。
もちろん、教え方のテクニックも理論が身に付いてこそとわかってはいたものの、これらの知識がどう活かされるのか授業では説明があまりなく、その点がとても残念でした。
理論を学習する際にも、ただ理論だけではなく、「現場でどう活かされるのか?」など実践的な内容も盛り込んだ授業なのかも養成講座選びのポイントだと思います。
「実践(実技)」+「実習」での学習内容
理論で勉強したことを活かしながら、以下を主に学びます。そして実際に教壇に立って外国人対象の授業で教えるのが実習です。
- 実際にどのように教えるか
- レベル別に初級や中級での教え方
- 各文型を教えるときの注意点
私自身が以前通っていた某スクールの養成講座 実践の授業を受けて、感じたことは
こういった経験から、実践の授業で多く自分が模擬授業を行う機会がもらえる、また実践の授業で実際のベテランの講師の授業を見ることができればベストだと思いました。
- 実技科目(180時間)と一見多そうだったが、自分の模擬授業の回数が1回だけ。特に今回さまざまな養成講座を調べたところ、模擬授業の回数はスクールによってかなり差があることがわかった。
- 回数が多ければ良いというわけではないと思うが、模擬授業が1回のみは少なすぎるのではないか。
- 模擬授業を何十回も経験している受講生と1回しか行っていない受講生だと修了する頃、だいぶ差が出てくる気がする。
- 結局、実際の教師の授業は420時間の実習の最後の最後で1回見られただけだった。(しかもアクシデントがあり、たまたま見られた)実際の授業は現場でもあまり見られないので、養成講座でもっと見たかった。
実践(実技)・実習クラスの進め方 具体例
いくつか養成講座の具体的な進め方を見てみましょう。養成講座によって違いがあります。
※実践の授業は養成講座により、”実技””演習”など名称が異なります。
ヒューマンアカデミー2・3回に1回の割合で模擬授業
実際に配られた教案見本。※ぼかしています。
- 2週間に1回程度の割合で模擬授業を行う。
※1人25分前後の持ち時間で全員が行う。結構大変だと思います(^^;) - 自身でICレコーダー等の録音がすすめられる。
- 自分が模擬授業を行った後、それぞれの模擬授業の振り返りを用紙に書く。
提出後、講師のコメント入りで用紙は返却される。 - ベテラン講師の実際の授業をビデオで閲覧できる。
※これは良かったです。実際の授業のビデオなので、学生の反応などがリアル。またその反応に対して臨機応変に対応している講師のテクニック等も垣間見られた。 - ベテラン講師の実際の教案もプリントで配布される。※これは後々重宝しそう。
- 教育実習で教壇に立つ回数は最低2回。実習する際にはビデオで録画をして、振り返りを行う。
ヒューマンアカデミーは実際に授業見学させてもらいましたが、資格大手ということで、ビデオ等も含めた補助教材が豊富でフォローが手厚く感じました。
千駄ヶ谷日本語教育研究所
千駄ヶ谷日本語教育研究所では実習1と2があり、実習1が実習の前の練習・実践のクラスで、実習2が実際に教壇に立つ実習です。
- 実習クラスではまずは講師のモデルを真似るところからスタートできる。
※やはり、実際の授業が見られるのはありがたいです。
グループに分かれて練習。 - 受講生を相手に模擬授業を行う。自分自身を振り返るVTR撮りを1回行う。
- 実習では1ヶ月~1ヶ月半にわたって教える※長期にわたって教えられるのはとても良い環境だと感じました。珍しいと思います。
インターカルト日本語学校
- 理論3ヶ月210時間+演習3ヶ月210時間と理論と演習(実践)の割合が1対1。
- 演習・実習は1人30回 ※かなり多いですね。
- 初級の重要基本30項目の習得。初級レベルの全ての指導ができるようにする。 ※だいたい新人教師は初級クラスを受け持つことになるので、初級の30項目をしっかり養成講座で練習ができるのは興味深い。
- 実習の後に、ティーチング・アシスタントとして、日本語学校の授業に参加できる。 ※実習の後に続きがあるのは珍しいです。ティーチング・アシスタントとして参加できるということは実際の授業を見ることができ、非常に参考になりそうです。
実践(実技・演習)・実習と言ってもスクールによって、特色がありますよね。進め方、内容、実習の回数、期間など様々です。
私自身、養成講座を選ぶときは実践(実技・演習)・実習のカリキュラム内容まで検討するという発想すらありませんでしたが、少し頭の片隅に入れながら養成講座を選ぶのも良いのではないかと思います。
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