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日本国内 日本語教師経験談

国内 専門学校 留学生の夢をサポートできる仕事

yukiさん・ 36歳・ 女性 👩 ・ 日本語教師歴 10年

総評

  • 国内の専門学校
  • 雇用形態:常勤講師 *非正規雇用・フルタイム
  • 期間: 3年(2018~2021年) 退職
  • 月収:20万5000円

専門学校で常勤講師として勤務していたので、学生との関わりが深かったと思います。日本語を教えるだけではなく、学生の生活指導や進路指導なども担当していたので、大変なことももちろんありましたが学生の生活や、一人一人の人生に関わるような貴重な体験ができました。

ネパールやベトナム中心のクラスだったため、学生の質や熱意はまちまちでした。正直にいうと、アルバイト目的で日本に来ているだろうと思われるような学生もいましたが、素朴で人がよく、先生や目上の人のことを敬う、という態度はしっかり持っている学生がほとんどでそういった面では指導がしやすかったです。

学生が病気になった時などは、まだ日本語が上手に話せなかったり、書類に日本語で記入ができないといったこともあり、付き添って行くことが多かったです。3年間の勤務の中で、おそらく20回近く一緒に病院に行ったと思います。

そういった生活面でのサポートなども必要になってくるので、常勤でクラスの担任をされる方は、世話好きな方が向いていると思います。そして、異なる文化や習慣を寛容する気持ちや忍耐力が強いことも、この仕事では大切だと思います。

私自身日本の教育機関で働いたのは初めてだったので、慣れないところや大変なこともありましたが、学生たちと深く関わることができ、信頼関係が築けたことや、異文化体験ができたことはとても良い経験になりました。

学園祭の時に、ネパールやベトナムの食べ物を作って販売したり(コロナ前の時)「先生、これ食べてください」と言って、国のお菓子やお土産を持ってきてくれたこともありました。振り返ってみると、私にとっても新しい発見・新しい価値観を学生たちから教えてもらうようなことも多かったと思います。

他の教育機関と比較・検討しましたか?

日本で日本語教師として働いた経験がなかったため、他の学校法人の専門学校や、日本語学校とも比較しました。実際に面接を受けたのは2校です。

選ばなかった理由は、他の学校の常勤講師は学生の募集活動など営業的な内容の仕事も多く、教えることに専念できないと感じたため。

日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

私が担当したクラスの留学生は、ネパールやベトナム出身の留学生がほとんどで、日本と習慣やマナー意識に違いがあったため、それらの点を指導することに最初は苦労しました。

例えば、教室で食事をする際にゴミを捨てないでそのままにしておいたり、机が汚れているのに拭いたりしない、などが最初の頃は見られました。公共の物を綺麗に使う、ということを学生一人一人に意識してもらうことは大変でした。

なぜこの専門学校を退職しましたか?

コロナウイルスの影響で、2021年以降の留学生募集に見通しが立たなかったことで、専門学校の他学科のサポートに回る必要があったことと、その時期ちょうど主人の転職で他の県に引っ越しが決まったため、退職することになりました。

給与

給与:20万5000円/月 ・常勤講師 *非正規雇用・フルタイム

私の場合は常勤講師だったので、手取りで月に20万円ぐらいの給与だったため、日本語教師のみでの生活ができていました。独身の方で、一人暮らしの方やルームシェアなどで生活している方は問題なく生活できるレベルだと思います。

勤務先が専門学校で日本語学科の学生数が少ない方だったため授業準備や採点などにそこまで時間がかからず、残業もほとんどありませんでした。その点については恵まれていたと感じます。もっと学生数が多い学校であれば、残業することも多いと思います。

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月収 20万5000円

  • 基本給:20万円
  • 担任手当:5,000円

待遇

  • 交通費
  • 有給
  • 雇用保険・労災保険
  • 社会保険
  • 健康診断
  • 残業代
  • 担任手当

勤務時間

  • 1日 8時間・週5日勤務
  • 残業 残業なし

長期休暇中の給与保証

  • 勤務している教育機関で給与が発生する仕事がある

仕事のかけもち

  • かけもちしていない

給与や待遇面でおすすめできる、国内のその他教育機関を教えて下さい。

420時間の日本語教師養成講座を終了していることは基本で、日本語教育能力検定試験に合格していれば、さらに有利になると思います。英語や中国語などの言語ができると、留学生サポート業務もあるため、常勤講師としての採用に有利になることもあると思います。

教育機関としては、学校法人の方がお給料や福利厚生などしっかりしていることが多いイメージです。

授業形態・勤務スケジュール

クラス運営で大変だったことは?

クラスの留学生たちは、みんなアルバイトをしながら学校に通うという生活だったので、慣れてくると遅刻や欠席などもありましたし、疲れていて授業中寝ているというような学生もいました。

また日本人よりはおおらかで時間にもルーズなため、時間を守ることやルールを守ることを徹底することが大変でした。授業時には毎回出席をとり、出席率80%以下になった学生には個人的に面談をして引き締めるなど、厳しくするところはしっかり厳しくしていました。

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主なクラスの授業形態

  • クラス授業  1クラス10〜15

学習者層

  • 学生

学生の主な出身地

  • ベトナム
  • ネパール

スケジュール管理で大変だったことは?

年間スケジュールを作って、授業を行うようにしていたのですが、専門学校の休みと連動していたので夏休み・春休みなどが長く、調整することが難しかったです。提出した写真の「学ぼう!日本語」という教科書を使用しており、2年間で初級1〜中級までの4冊の教科書が終わるようにスケジュールを組んでいました。

また、1年に2回JLPTの試験があるのですがその試験に合わせて、合格できるようにスケジュールを組んでいくことも大変だったと記憶しています。

教案作りで参考にしているサイトは?

  • かわいいフリー素材集 いらすとや
    フリー素材のサイトで、かなり色々な種類のイラストがあり全て無料です。 絵カード作成の際に使ったり、パワーポイントで文型を導入する際に、補助的に使ったりして使い勝手が良く、便利でした。 日本語教師をしている方なら、常勤非常勤や、フリーでしている方など幅広くおすすめできるサイトです。

教案作りで参考にしている書籍は?

  • どんどんつながる漢字練習帳 初級 対象:初級
    各漢字に、イラストと意味の説明がついているので、視覚的にわかりやすく、漢字が苦手な留学生や初級の学習者でも楽しく漢字が勉強できる教材です。漢字の導入の際に使うと効果的と思います。

就職活動

この専門学校で働くきっかけ・決め手を教えて下さい。

海外の日本語学校で経験を積んだ後、地元に戻って就職したいと考えていたので地元にある日本語学校というのが前提条件でした。また、安定した給与や福利厚生も重視していたので、学校法人で常勤という点も条件の一つでした。

これらの点を踏まえて、いくつか実際に学校へ行って面接を受けたなかで、今回レポートした学校は設備も整っており、教室の雰囲気が良かったので決めました。

面接で何を聞かれましたか?

面接では、今まで日本語教師としてのキャリア(どのような学生を対象に、どんなレベルの教科書を使って教えてきたかなど)を中心に聞かれました。また、日本語教育能力検定の合格の有無なども質問されました。面接を行う上では、自分の日本語教師としての良さや長所が伝わるように、わかりやすく答えることを意識していました。

これから面接に挑む方も、自分の長所をわかりやすく伝えることができるように整理しておくといいと思います。

この専門学校で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

・強みになる資格:日本語教育能力検定試験、TOEICなどの語学系試験の高スコア、上級資格

・日本語教師に向いている人の資質:さまざまなタイプの日本語教師がいるので、一概には言えませんが、サービス業なので、相手(学生)に対して、授業に満足してもらうことや、楽しませようといった気持ちがある方は長く続けられると思います。

また、日本語を教えることに飽きずに、教え方などを日々ブラッシュアップしていける方も向いていると思います。

就職活動で参考にしたウェブサイトは?

  • 日本語オンライン
    国内から、海外まで幅広く日本語教師の求人があり、日本語関連のイベントなどの情報量も多いと思います。

就職 教育機関選びで特に重視した点

  • 学校が法務省告示校
  • 給与・待遇

応募時に必要とされた資格

  • 日本語教師養成講座420時間修了
  • 日本語教育能力検定試験合格

就職 選考方法

  • 書類
  • 面接

日本語教師全般に関する質問

どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

大学は英文科だったので英語やドイツ語を勉強していたのですが、もともと語学を勉強することや異文化体験などは子供の頃から好きで興味がありました。

卒業後、一般メーカーに就職したのですが事務的な仕事が合わず退職し、その後自分は何が好きか、得意かなどを考えた上で、自分の好きな語学や教えることに関連した仕事がしたいと思い、日本語教師の養成講座に通い始めました。

海外で働いてみたいという昔からの夢もあったので、日本語教師という仕事は海外でビザをもらって働けるチャンスがあると思ったため日本語教師を目指しました。

「日本語教師をやってよかった!」どのような時に実感しますか?

日本語教師をやって良かったと思うのは、やはり学生の日本語が上達して、話せるようになった時です。最初はほとんど話せなかった学生が、日本語で色々なことが話せるようになった時やりがいを感じます。

また、専門学校で働いていた時は進路指導もしていたので、学生が希望の進学先に合格した時には本当に嬉しいと思いますし、夢を叶えるお手伝いができたと思います。卒業時に、学生たちから日本語で書いたメッセージカードや寄せ書きをもらった時は感動しました。

日本語教師を辞めたいと思ったことはありますか?

海外で日本語教師をしていた時は辞めたいと思ったことがあります。未経験だったので、授業も最初は慣れなかったこともあり、また日本語学校の勤務時間(拘束時間)が長く、夜11時近くまで授業準備などで残業することもあり、体力的にきつかったため辞めたいと思いました。

しかし、ある程度日本語教師の経験を積まなければ意味がないと思い、またその国の言葉も勉強して身につけたいと思っていたので辞めないで乗り越えました。

学生のみなさんへ 進路のアドバイスはありますか?

大学で日本語教師の資格などを取得し、絶対に日本語教師になりたい、という強い気持ちがあれば卒業後すぐに日本語教師として就職してもいいと思いますが、社会人経験を積むために、会社や他の業種で働くのもいいと思います。

ビジネス会話などでは実際に会社で働いた経験が役に立つと思いますし、学生に具体的なアドバイスもできると思います。

社会人のみなさんへ 進路のアドバイスはありますか?

まずは420時間の養成講座に通って、資格を取得して、その後できれば日本語教育能力検定試験を受けた方がいいと思います。この試験は、1年に1度だけなので計画的に学習を進めるようにしてください。

また、ボランティアでも良いので、実際に外国人の方と接し、会話をしたり教えてみることはとても大切だと思います。国籍によって、話し方・発音の癖なども違いますし好きな話題なども、変わってくると思います。

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