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日本国内 日本語教師経験談

国内 日本語学校 自由に働け、なにより興味が尽きない面白い仕事

りるさん・ 39歳・ 女性 👩 ・ 日本語教師歴 11.7年

総評

  • 国内の日本語学校
  • 雇用形態:非常勤講師
  • 期間: 11年(2007~2019年) 退職
  • 月収:約14万円

日本語教師は様々な社会情勢に振り回されたり、専任(社員)の枠があまりなかったり、不安定な仕事ではある。しかし、非常勤(フリーランス)でも、自由に働きたい方で、自分で努力ができる人にはとても向いている仕事である。

基本的にこの仕事は外国人に日本語を教えるのだが、日本語学校について言えば、学生の多くが若いため、日本語以外の指導も必要であり、それが楽しいところでも、大変なことでもあった。

また国内日本語学校は直接法が多いので、日本語を日本語で、日本語がわからない学生にどうやって教えるか常に考えねばならない。(授業で使う教材は写真のように全て日本語で書かれたものを使う。)

最初は初級だけでも、中級、上級と教えていくと、教える内容も日本語教育というよりは高校の国語の授業のような感じになっていき、担当する仕事内容も 授業、担任業務、進学指導、面接練習、jlpt対策、EJU対策と請け負う内容も増えていくので様々な方面からの勉強が必要になってくる。専任ならこれらの仕事にプラス様々な事務的な作業やエージェントや進学先の窓口になるやら様々な仕事が入ってくる。

こう書くと大変なばかりの仕事だが、学生たちからは毎度あらぬ方向から質問をもらったり、(日本人から見れば)不思議な行動を見せられたりして、今まで信じてきた日本の生活の中の“当たり前”の脆さを突きつけられたり、そうかと思えば、一緒に泣いたり笑ったりして、国が違い、言葉は通ぜずとも、人として通じるものは同じなのだということを思い知らされたりする。

日本語の勉強にしても日本語のまとまりの無さにイライラしつつも、感覚的なことを教えることの難しさに苦しんだり、逆にその自由さや感覚的なものに日本を感じて面白いと思ったりと、授業に臨む度、授業に入る度に何かに驚いたり、考えさせられたり、発見したりできて、とても面白い仕事だと思う。

他の教育機関と比較・検討しましたか?

私は日本語学校の他に、一時的に企業で社会人相手のマンツーマン授業の仕事をしていた。

企業の方には日本語学校より、こちらの方の仕事を増やしてくれと言われたが、学生が個々で求める日本語のニーズが違い、また、学生の勤め先ごとに求めてくるレベルも違う。当然教科書も個々で違うが、その企業の人が簡単な面談をもとに教科書を決め、それ以外は使ってはいけなかったので、教材作りが大変だった。

一日にそういう人を何人もマンツーマンで授業をしなければならず、学生の勤め先に出す報告書なども何枚もあり大変だった。しかし、コマ給が日本語学校の半分くらいで特に昇給もないとのことだったので、割に合わないと思い長くは働かなかった。

日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

国際情勢やその時の国の教育などによって、時々国同士の憎しみや、同じ国同士でも地域による偏見や差別のようなことを教室内に持ち込む学生がいる。

例えば、中国がベトナムの海域まで領土を広げようとした際はクラスの半分が中国人、半分がベトナム人だったので一触即発のような雰囲気になった。

また、同じ中国人でも出身地域によって差別のようなものがあるらしく、都市部の学生が地方の学生を軽んじる発言をすることもあった。最近はあまりないが、日本という国にあまり良い印象を持っていないのか、壁に張っている日本地図の日本海という文字に激怒したり、何かのふしで私に日本がどれほど酷い国なのか言ってくる学生がいたこともあった。

こういった感覚は日本の中で日本人として日本の教育を受けて生きてきた私にはあまりピンとこない感覚で(確かに尖閣諸島付近の中国の領海侵犯のことは知っていたが中国人をみてどうこうとは思わないし、韓国の反日教育のことは知っているが、だからといって韓国人をみてどうこう思わないし、そもそも嫌いならその国には行かない、留学までしている国で嫌いだと騒ぐ気持ちがわからない。また同じ日本人同士でも出身地がどこであれそのことで差別するような感覚はない)ひどく戸惑った。

大体こういった問題は初級クラスでおこることが多いので、込み入った話もできないが、事務の通訳、教務主任、校長などにも出てきて対応してもらうことが多かった。

なぜこの日本語学校を退職しましたか?

・学校側が専任教師陣ふくめ、経営に走りすぎていて、もはや日本語学校が教育機関というよりも進学先と留学生の仲介業者にしかなっていなかったので。

・私はお金がほしいだけの進学先(留学生に勉強など教えない、酷いとこだとビザさえ発行しない)と、ただ海外にいたい留学生(日本に興味などない、日本語など勉強するつもりはない)の仲介業者をしたくて日本語教師になったわけではないから。

・私は非常勤ながら、一部専任の仕事もやっていたが、学歴を理由に決して専任にはさせてもらえなかったし、昇給もなかったから。

給与

給与:約14万円/月 ・非常勤講師

給与や待遇については本当にその日本語学校によるが、私が日本語学校で経験したり、見聞きした限りでは日本語学校業界においては全体的にあまりよくはないという印象だった。

私が行っていた学校では基本的に非常勤に福利厚生などはなかった。責任者が変わって有休という制度ができたが、その他に福利厚生と呼べるものはほとんどなかった。他の学校でも働いたことがあったが、似たり寄ったりだったので、日本語学校の非常勤というのはそんなものなのだと認識している。

「日本語教師のみで生活できるか」について言えば、できることはできると思う。

ただ、一つの日本語学校では入れるコマ数には限りがあり、最初の駆け出しの時は特にコマ給も安い。また、授業準備に慣れていなかったり、しっかり教案チェックされる学校だと授業準備に時間がかかるのでコマ数はさほど入れられないのが現状である。

その中でも工夫して掛け持ちができれば日本語教師のみでも一人で生活するくらいのお金は稼げるだろう。

勤続年数が長くなったり、常勤講師になればコマ給も上がるので、多分普通のOLさんくらいは無理しなくても稼げるようになるが、授業以外の準備や自分自身の勉強や採点業務、生徒指導、進学先とのあれこれ(学校によって専任以外の先生にどこまで仕事をさせるかというのは違うと思うが…。)を考えると決して割にあった値段ではないと思う。

常勤講師や専任になれば月給制になるので、給料は安定するが、いくら授業に入ってもお金にならないので稼げはしない。専任になっても給料は大体20万円半ばくらいでボーナスも出ればいい方という感じのようだった。なので結婚して家庭がある(もしくは家庭をもちたい)男性はあまり専任にはいなかった。

給与の詳細 情報を読む...

月収 約14万円

  • 1コマ 45分 2,800円 *諸手当込み
  • 担任手当 上級クラス担当時 1,000円

待遇

  • 交通費
  • 有給
  • 年間昇給
  • 担任手当

勤務時間

  • 1日4コマ 週3日勤務
  • 残業 1ヶ月 計10時間

長期休暇中の給与保証

  • 給与保証がない

仕事のかけもち

  • かけもちしている 他2ヶ所

給与や待遇面でおすすめできる、国内のその他教育機関を教えて下さい。

国内の日本語学校でいうと私が日本語教師になった時代は高卒で420時間しか資格が無くても働けていたが、最近は4大卒業(感覚では4大を出ていれば日本語教育でなくともよい)+検定試験や420時間がないと就職できるところが狭まってしまうようだ。

企業向けだと上記プラス外国語だったり、大学の別科だと上記プラス院卒だったり、学校関係でボランティアでない場合は教員免許が必要だったりと働く場所によってプラスの資格なり能力なり学位なりが求められる。

当然ながらそういったものをたくさん求められる所の方がより給与や待遇がよい印象だ。

授業形態・勤務スケジュール

クラス運営で大変だったことは?

目的意識もなく、何もやる気がない、ただビザだけほしいから日本語学校にきている学生が多く、クラスとしてどこに方向性を合わせていいのかわからなくなり大変だった。

授業内容をどんなに頑張っても、そもそも日本や日本語に興味がない。それでも一定の期間日本語学校で出席さえしていれば進学できる大学や専門はたくさんあるので困らない。日本語学校としては出席してもらわないと入管に睨まれるし、そもそも学生の学費が減るのが嫌なので退学などはさせない。教師は何のためにそこに存在しているのかわからずに本当に苦しかった。

乗り越えられたかどうかはわからないが、工夫したことは、自分の趣味のつてを最大限活かして着物教室や茶道教室をやったり、近所の小学校訪問をしたり、私の母校の大学の学生を呼んで交流会を開いたり、なるべく興味を持ってもらったり楽しいと思ってもらえるようなことをやってみた。学生たちは最後までなんとか学校には来てもらえていたので学校としては良かったんだと思う。

受け持ちのクラスの詳細を読む...

主なクラスの授業形態

  • クラス授業  1クラス20人

学習者層

  • 学生

学生の主な出身地

  • 中国
  • ベトナム
  • ネパール

スケジュール管理で大変だったことは?

進学クラスを持つとクラス全員分、それぞれ学校説明会のひどり、願書の提出期限、必要書類の提出期限、納入金期限、進学先とのやりとり、面接練習、本国への書類の確認などが重なる。学生自身もスケジュールやそろえなければならないものがよくわかっていないので、カレンダーを何個か用意してクラスの進学希望者の予定をそれぞれ書き込み、確認確認しながら進学準備をしていった。

そこまでやっても直前になると学生から何かが足りないや不安だから受験をやめるなどの電話が来ててんやわんやすることになり、私自身他にも授業をしなければならないので授業準備もしなければならず。テストの採点などもあり、入試時期は結構な地獄だった。

身体が持たないので専任とも話し合い、進学については私がやれること、やれないことをしっかり線引き、学生にもそのことを伝え、専任の先生と分担で進学には対応した。

私がいない時の対応はしっかりと報告してもらい、引継ぎは徹底してもらった結果、無事学生たちを進学先に送り出すことができた。

教案作りで参考にしているサイトは?

  • Langoal(アプリ)
    みんなの日本語の教案やらイラストがたくさん載っているので参考になるし、そのままイラストなども使える。私は古い日本語教師で、イラストを描くのが好きだったので基本的に自分で絵カードなどは一から作成していたが、時間がないときなどはここのサイトのものを参考にさせてもらった。教案も何回も自分で作り直していると本筋からずれていってしまうこともあるので、このサイトの教案を参考に立て直すこともあった。 メイン教科書が「みんなの日本語」を使っている教育機関に務めている人で、日本語教師を始めたての人にはもちろん、教案、教材つくりの指針になると思うが、ベテランの人でもう一回教案を練り直したい人、絵カードの案が欲しい人などには向いていると思う。
  • 虹色日本語教室 スパイス効いたゲーム・教材・活動集
    基本的に活動は書籍の活動集を使っていたが、(その方がすぐにコピーして使えたり、使い慣れていたので)書籍の活動集で良いのが見つからない時にはこのサイトをよく見ていた。もちろん活動を入れたいとき使っていたが、導入のヒントにも使っていた。 クラスが変われば導入の仕方や活動の種類も変えなければならないので、初級教案を作らなければならない人には全般的におすすめできるし、中級の教案を考える場合もヒントになることがあるので見ておくといいと思う。

教案作りで参考にしている書籍は?

  • 初級日本語文法と教え方のポイント 対象:初級
    教案を作る際、中心の文法理解のためによく使った。教案を作っていて混乱してきたら読んで根本的な所に立ち返るようにしていた。 みんなの日本語の手引きから卒業したい人や、何回も初級をやったことがある人でも、もう一度教案を練り直したい時などに確認するのにぴったりの書籍だと思う。
  • “生きた”例文で学ぶ 日本語表現文型辞典 対象:中級
    中級くらいの文法は似たような言い回しでも細かな違いを教えたり、微妙なニュアンスを伝えるものが増えてきて、文法書を読んでも混乱することが多いが、本書はとにかく分かりやすく大づかみで文法を説明してくれている。例文もわかりやすく、イラストもそのまま導入で使えたりもする。 ただ文型の数があまりなかったり、説明が物足りない時もあるので、これだけで授業に臨むのは危険なことも多い。中級初心者や文法を考えていて迷路に迷いがちな人におすすめ。

就職活動

この日本語学校で働くきっかけ・決め手を教えて下さい。

日本語教師養成講座で募集していたので、ひとまず未経験がOKで国内の通いやすい日本語学校を選んで応募した。

全く何もわからないまま応募したので特に何も条件などは見ていなかったが、サポート体制、研修などがあるところだとありがたいと思っていた。

面接ではどのようなことを聞かれましたか?

随分昔のことなので詳細は忘れてしまったが、何故日本語教師になろうと思ったか、何故この日本語学校を選んだのかというようなことを聞かれたと思う。私は「昔から日本語教師に興味があって…。」「こちらの学校は新人へのサポート体制がしっかりしていたので…。」のような感じで普通に答えていたと思う。

面接官は、この人はうちの学校で先生になったらどんな感じなのかとか、一緒に仕事をしていける人なのかというところが見たいと思うのでそこを意識してはきはきと笑顔で答えた。(非常勤の採用だったがスーツでいった。)

これから面接へ挑む方へアドバイスがあるとすれば、一緒に仕事をする人として、先生として信頼されるような言葉選びや表情、身だしなみで行けばいいと思う。

この日本語学校で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

強みになる資格はあらかた書いたので、日本語教師に向いている人の資質について。

これはいろいろあると思うが、ひとまず国内の日本語学校の専任になるのなら、日本の企業のような、いわゆる一般の組織でも働けるような常識人である必要がある。責任感や協調性、ある程度の事務作業能力、日本の会社で求められるものは一通り必要である。

日本語学校といえど働く人は日本人であり、取引先も日本企業・学校なのである。また、学校というのは組織なので組織人として動かなければ統制がとれない。

非常勤である場合もやはりそういったものは必要である。専任ほど組織人というものは意識しなくとも良いが、結局日本的な常識を持てていなければ信頼されることはなく、仕事をさせてはもらえない。

就職活動で参考にしたウェブサイトは?

  • 日本語オンライン
    日本語学校に務める日本語教師は使っている人が多いサイトだと思う。国内求人もよく載っている。

就職 教育機関選びで特に重視した点

  • 未経験者歓迎
  • サポート体制がある
  • 通勤時間

応募時に必要とされた資格

  • 日本語教師養成講座420時間修了

就職 選考方法

  • 面接
  • 筆記試験

日本語教師全般に関する質問

どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

私は就職氷河期世代で、高校卒業後はフリーターをしていたが、いつか海外に行って人のために働きたいという気持ちがあり、海外青年協力隊の説明会に行ってみたところ、隊員募集のパンフレットに日本語教師のことが書いてあり、そこで初めてこの仕事を知り、日本語なら自分も教えられるかもと思い養成講座に行ってみた。

「日本語教師をやってよかった!」どのような時に実感しますか?

現実的なことを言えば、職探しの時にこの仕事で良かったと感じる。

あくまで日本語学校の非常勤という前提だが、この仕事は職歴があまり重視されない。
職歴に何年か空白があっても、転職がある程度あっても、アルバイトしかしてなくても、あまり採用には関係ないように感じる。

また、一回辞めてしまってもまた復職しやすいし、明確な定年もない。(あくまで私が務めてきた日本語学校ではという話だが…。)たくさん働きたければ働けるし、働きたくなければセーブできる。

今までの経験は皆授業に生かせるし、新人もベテランも若い人も若くない人も男も女もそれぞれ強みを生かせるので、この働き方が飽きたとか、もっと違った教え方を勉強したい、逆にこの学校とは合わないと思ったら別のところで仕事が探しやすい。

次に仕事の面白味という観点から言えば、思いもしなかった考え方や価値観に出会ったり、逆に国は違えど同じものもあるのだということを思い知らされたり、日本語の面白さや難しさに気づいたりしたときに、この仕事で良かったと思う。

例えば、私が見てきたアジア圏の学生は自分で想像して何か自主的に行うということが苦手な子が多かった。自分の意見や意思というものを表すことが苦手で、(その場のわがままや無茶なことは言えるのだが、じゃあ、どうしていくのか、自分はどうしていきたいのかなど、きちんと考えて話すことや行動することが苦手な学生が多かった。)

基本的になんでも親の言うことを素直に行うことが良しとされているので、進学なども親の意向のままするのが普通で、自分で選ぼうとする学生は少なかった。極端な学生などは、何をするにも親御さんの確認を取らないと何もできない子もいた。(毎日毎日朝学校についた連絡や授業の一環の発表会に参加してもよいか、遠足に行ってもよいかなどをその場で電話して聞いている子もいた。)

みな18,9歳くらいのもう少しで社会にでようという年の青年なので、最初はこれからの人生が心配になるやら、(失礼ながらも)どんな育て方をされたんだとあきれるやら、とにかく面食らったものだが、彼らは一生親族の中で守られて生きていくため、目上の者の言うことを聞き、親族の中のルールを守って秩序を乱さず生きていくことが一番よいのだということを知り、そういった考えや生き方もあるのだとびっくりしたことがある。

他にも王様みたいなカースト上位の学生、女性に触ってはいけないミャンマーの若いお坊さん、文字を書く習慣のない国からきた学生など、なかなか普通の職場では会えないような面々と遭遇し、その度に視野狭窄の私は驚いたものだった。

このように、学生は様々な考え方や風習を持っており、それが故に誤解があったり、譲れないものがあったりして、うまく物事が進まなく、悩んだりもしたものだが、一生懸命学生と向き合えば、意外とこちらの意向を組んでくれたり、気遣いをしてくれたりもする。また、情熱や意欲を注げば、それに応えてくれようとすることも多々ある。

ある時、私が持ったクラスに校長や教務主任と揉めに揉め、校長達からも「一切構わなくていい」とお達しがあった学生がいた。彼はそれでもビザのために毎日学校に来ていたが、授業中、どんなに話しかけても、ピクリとも表情を変えなかったし、話そうともしてくれなかった。

だが、話しかけるうちに、少しずつ笑ってくれ、少しなら受け答えをしてくれるようになり、最後の卒業式の時には「先生、ごめんなさい。ありがとう。」と言って笑っていた。その時の顔を今でも覚えている。こういう人としての気持ちのやり取りは日本人との間のものと変わらないように感じた。

また、日本語の難しさと面白さに関してだが、これは本当に一言では言い表せない。ひとまず日本語は覚える表記が多い、ひらがなもカタカナも字が似ているものが多い。漢字が無限にある。活用も多い、似た表現が多い、明確なルールがいちいちあまりない。授受表現が複雑、助詞が多い、数え方が複雑などと基本的に取っ散らかっている言語である上に、ネイティブゆえに何となくニュアンスで使っているので何故なのかと聞かれるとよくわからない。

この「何となく」が曲者で、日本の文化的なものや日本人の感覚的なものに根ざしているため、明確に答えることは難しい。まして日本語学習者に日本語でそれを理解させることは至難の業である。

それゆえに中級以上になったとき、本気で日本語を学びたい学習者には日本のテレビや本やとにかく日本語の媒体に触れるように指導するのだが、それでも授業をやるからには自分で答えを持っていかなければならないので一生懸命勉強していくのだが、毎回試行錯誤をしなければならない。

それを繰り返していくうちに、段々と日本語の面白さや独自性が見えてくる。例えば、待遇表現が4種類もあり、その中でも丁寧さに段階があったりしてやたらと小難しいのも、「~させていただけませんか。」「~させてもらえませんか。」のようにちょっとした気持ちの変化で似たような表現がやたらとあるのも、「ありがとうございます。」「ありがとうございました。」のように必ずしも時制の縛りだけではなく、自分が会話発話時どの瞬間を切り取って話しているかによって表現が変わるなどの自由さも、細かい日本語のあれこれを知っていくことで、自分の中でちょっとした表現に現れた気持ちや、日本人の考え方について日々発見ができるようになっていくのである。

こういった経験を経て、自分たちのこと、つまりは日本や日本人とはどんな考え方をしているのか、どんな感じ方をしているのか、それは何故なのかということにも興味が出て来て、もっともっと勉強したくなる。

このように驚きや発見や新たな疑問が常に出てくる、知りたいことばかりが次から次へと出てくるところが一番この仕事をしていて良かったところである。

日本語教師を辞めたいと思ったことはありますか?

授業がうまくいかない、クラス運営がうまくいかない、日本人なのにつきつめると日本語がよくわからない、学生の質問にうまく答えられない等々、大体これらのうち一つがもとで3か月に一回は辞めたいと思ったことがあった。(日本語学校は大体一学期が3か月なので、学期が終わるごとに猛省することばかりだった。)

しかし、色々考えたり、思い出したりすると、ふつふつと自分に対しても学生に対しても悔しくて仕方がなくなってくる、そのうちに「仕事の借りは仕事で返す」という気持ちが湧いてきて、文法書や書籍を読み漁って勉強したり、自分の教案を見直したり、他の先生方にアドバイスを仰いだり、授業や教案を見せて頂いたりして、とにかく授業に対してこれ以上ないほど準備をしていった。

大体そうやって臨んだものは前よりは少しは上手くできるようになっていて、その小さな成功例が次の授業の勇気や自信に繋がっていった。

学生のみなさんへ 進路のアドバイスはありますか?

ひとまず4大は卒業すること、プラスで検定試験か420時間も取ってしまうと就職が楽だと思う。できれば院も行っておくこと、そうすれば国内の日本語学校、専門学校、大学で働けるし海外でも働ける。

社会人のみなさんへ 進路のアドバイスはありますか?

ひとまず検定試験か420時間をとった方でも、日本語教師としてどこかに勤めるなら、どこまでいっても学歴は求められるので、最終学歴が高卒、短大、専門卒の方は、通信でもなんでもいいので早いうちから4大に行き、卒業したほうがいいと思う。

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