掲載日:
日本国内 日本語教師経験談
国内 小学校 児童の自立を目指す日本語教育

enaieneiさん・
27歳・
女性
・
日本語教師歴 10年
総評
- 国内の小学校
- 雇用形態:非常勤講師
- 期間: 10年(2015~2025年) 現在も勤務中
- 月収:15万円
私は外国人家庭に生まれ、小学1年生で初めて日本語に触れました。当時、通っていた学校では外国籍の生徒がほとんどおらず、日本語が全く分からない中で、他の子どもたちと同じペースで学ぶ必要がありました。両親の助けもなく、自力で日本語を覚えていく過程は大変でしたが、最終的には流暢に話せるようになり、自信を得ました。この経験から、日本語を学ぶことに苦労している子どもたちを支えたいと思うようになり、日本語教師を目指すきっかけとなりました。
高校卒業後、語学力を活かそうと県内のリゾートホテルに就職しました。しかし、英語圏の顧客対応がうまくできず、自分の限界を感じ、2ヶ月で退社。その後、地元に戻る際、中学時代の先生から「市役所で通訳を募集している」と教えていただき、面接を受けて採用されました。市役所では学校現場に派遣され、外国籍の児童の通訳や日本語指導を担当することになりました。
市役所で働き始めた頃、私が担当する学校には外国籍の児童が1人しかいませんでした。その子の日本語を教えながら日常生活の通訳も行う中で、外国籍の子どもたちが増え、次第にグループでの日本語指導が必要となりました。当時、学校での日本語指導の重要性を感じ、「もっと多くの子どもたちを支えたい」という思いが強まりました。この教育機関を選んだのは、自分が辛い思いをしなければいけなかった過去を思い出したのが、大きなきっかけです。
学習者は、山梨県の公立小学校に通う外国籍の子どもたちで、家庭内では日本語を使わず、学校生活で大きな壁を感じている子どもたちが中心です。特に多いのは、数ヶ月前に来日して、親も日本語がわからないため学習支援ができなかったり、日本の学校のルールや集団生活自体を覚える必要があるレベルの学習者です。
私が特にやりがいを感じるのは、最初は全く意思表示ができなかった児童や、会話が難しかった児童が、成長して日本語で自分の意見をはっきり言えるようになったときです。中でも、児童が日本語で喧嘩を始める姿を見ると、「一人前になったな」と感慨深く思います。喧嘩は一見ネガティブに見えますが、言い返すためには豊富なボキャブラリーや理解力、分析力、表現力が必要です。それができるようになったということは、日本語がしっかりと身についてきた証拠だと感じます。
非常勤という立場や人員不足の中での兼務には大変さもありますが、児童が日本語を使いこなせるようになり、自信を持つ姿を見るたびに、この仕事の意義を実感します。特に、彼らが自分の言葉で表現し、社会の中で少しずつ自立していく過程に関われることは、教職員としての大きな喜びです。
他の教育機関と比較・検討しましたか?
他の教育機関と比較・検討は何度もしました。
同じ非常勤でも、県によって給料が大きく違いますし、現段階ではキャリアが積めない立場でもあるので将来への不安は大きかったですね。
一般企業の事務や市役所の通訳なども視野に入れたことがありました。
転職しなかった理由としては、やはり今向き合っている児童の顔が毎回浮かんできたからです。
この子が私を必要としているのに、給料を基準に転職できない、、と思うようになり、10年目に突入したという状況です。実際今でも転職は諦めきれないので、いつか罪悪感なしに新しいことに挑戦できたらいいなと思っています。
日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?
日本語教師として苦労したことの一つは、学習者の日本語レベルや文化的背景の違いに応じた指導方法を工夫する必要があったことです。特に、学習者の中には母国語での文法理解が弱い場合や、漢字が初めての方も多く、そのギャップを埋めるのに苦労しました。
具体的なエピソードとして、ある初級クラスで、学習者が「て形」を理解するのに大変苦労していたことがありました。母国語での文法構造が異なるため、「どうしてこうなるのか?」という質問が相次ぎました。そのときは、教科書の例文だけでは足りないと感じ、ジェスチャーや絵を描きながら説明したり、日常生活の場面に当てはめてロールプレイングを取り入れるなど、視覚的で具体的な方法を使いました。また、クラス全体で一緒に「て形」の歌を作り、リズムを使って楽しく覚える工夫をしました。
結果として、学習者たちは徐々に「て形」の使い方に慣れ、自分の言葉で文章を作れるようになりました。この経験を通じて、学習者それぞれの背景に寄り添い、多様な指導法を試すことの大切さを実感しました。また、自分自身の指導スキルを高める良い機会となりました。
給与
会計年度任用職員として、待遇自体は良く、公務員扱いのため収入や保証が安定している点は魅力です。
しかし、給料が上がらないため、モチベーションを維持するのが難しいと感じることがあります。安定性はあるものの、長期的な成長や報酬面での改善が望まれる部分です。実際、市役所の職員として非常勤で生活することはできません。そのため、私は1年目の時からアルバイトや副業をしています。
授業準備や採点、教材作成など、授業以外の業務に多くの時間を割く必要があります。これらは細かな作業が多く、特に初めて扱う内容や新しい教材を作成する際には労力がかかります。これらの業務は家に持ち帰ってすることが多く、給与に直接反映されないため、負担を感じることもありますが、授業の質を高めるためには欠かせない重要なプロセスだと考えています。そのため、効率化やスケジュール管理を工夫しながら取り組むようにしています。
給与の詳細 情報を読む...
月収 15万円
- 時給1,288円
待遇
- 交通費
- 有給
- 雇用保険・労災保険
- 社会保険
- 健康診断
- 残業代
- 休日出勤手当
- 賞与:5ヵ月分
勤務時間
- 1日7時間・週5日勤務
長期休暇中の給与保証
- 勤務している教育機関で給与が発生する仕事がある
仕事のかけもち
- かけもちしている 他1ヶ所
給与や待遇面でおすすめできる、国内のその他教育機関を教えて下さい。
企業の社内日本語研修が魅力的に感じます。
外国人従業員向けに日本語教育を提供する企業も給与面で優れています。特にITや製造業の企業が多く、実務的な日本語を教える機会があります。
ベースとなる学位や資格の他には教室での実践経験はあったほうがいいです。ボランティアでも良いので、指導経験を持つことが強みになります。そして、異文化コミュニケーション経験です。海外留学や外国人と関わった経験があるとプラスになります。
授業形態・勤務スケジュール
クラス運営で大変だったことは?
授業形態で大変だった点の一つは、学習者の日本語レベルや学習目的の多様性に対応することです。特に、クラス内に初級者と中級者が混在している場合、全員が満足できる授業内容や進度を設定するのに苦労しました。初級者がついていけず、中級者が退屈する、といった状況が生まれることもありました。
年度はじめに個別の指導計画書を作り、保護者の要望と児童の実際のレベルを考えながら半年ないしは1年の授業計画を組むことは、最初の数年間はハードルが高いように感じました。
受け持ちのクラスの詳細を読む...
主なクラスの授業形態
- 児童クラス
学習者層
- 小学生
学生の主な出身地
- ブラジル
スケジュール管理で大変だったことは?
小中学校では毎年時間割が変わるため、取り出し授業をするタイミングを毎年調整したり、児童によっては昨年より授業数が減ってしまう状況が起こります。仕方ないことですが、何人もの担任と交渉ややり取りを繰り返したり、保護者の要望を聞いて合わせることはかなり大変な作業です。
教案作りで参考にしているサイトは?
- 『ちびむすドリル』
プリントやひらがな表、九九表、日本地図を扱っているサイトです。 主に子供向けのサイトなので、在籍学級で学習している内容を、レベルを落として教えたり、指導した後の確かめとして使ったり、知育ゲームや遊びを印刷するために使っています。 小学生や中学生の年齢層の指導にお勧めできます。 - 『日本語NET』
日本語教師向けのサイトです。 ガイドがあったり、教材や指導案などが入っていてとても参考になります。 学級を持っている講師や、大人に教えている講師にもおすすめできます。
教案作りで参考にしている書籍は?
- 『きこえない子のための新・日本語チャレンジ!』
対象:初級
耳が聞こえない人への指導に注目した書籍です。 私自身もこの書籍を元に指導するようになりました。 耳が聞こえなくても指導できる、という、とんでもなく高いハードルを基準とした指導法です。それから、指導してて思いましたが、色盲の生徒さんにも有効な指導法であることもわかりました。色や言葉ではなく、形で強調するので、言ったら白黒で授業ができちゃいます。
就職活動
どのようにお仕事を探しましたか?
スカウトだったため、就職活動はしませんでした。
面接で何を聞かれましたか?
10年前のことですので、覚えていません、、、
ただ、高校を卒業してすぐだったため、子どもっぽさや無知なところを出さないように頑張った記憶があります。笑
就職 教育機関選びで特に重視した点
- 学習者数
- 学習者が多国籍
応募時に必要とされた資格
- 英語能力
- ポルトガル語能力
就職 選考方法
- 面接
日本語教師全般に関する質問
「日本語教師をやってよかった!」どのような時に実感しますか?
5年生の児童の思い出です。
授業でスピーチの練習をしたとき、緊張して言葉が出なくなる子がいました。そこで、好きなアニメのキャラクターになりきって話す「なりきりスピーチ」を取り入れました。その子はアニメの真似をしながら話すうちに、声が出せるようになり、みんなの前でも堂々と発表できるように。発表が終わった後に「もっと話したい!」と言ってくれた瞬間は感動しました。
2年生の児童の思い出です。
教科書の音読を嫌がっていた子がいましたが、「声の高さを変えたり、ロボットや動物の声で読んでみよう!」と提案すると、とても楽しそうに取り組んでくれました。毎日少しずつ練習を続けるうちに、自信がつき、家でも自主的に音読をするようになったと保護者の方から報告がありました。その成果を授業で発揮して、友達に「すごいね!」と褒められた瞬間、その子が満面の笑みを浮かべていたのが印象的でした。
日本語教師を辞めたいと思ったことはありますか?
時間的な負担がありました。授業準備や教材作成に多くの時間をかける一方で、プライベートな時間が削られ、自分の生活が圧迫されていると感じることがありました。
文化や価値観の違いへの対応においても日本語をやめようと思ったことはありました。学習者の文化的背景や価値観の違いから、授業の進め方や目標の共有が難しく感じたこともありました。どれだけ工夫しても理解が得られないとき、無力感を覚えたことがあります。
学習者が日本語を使えるようになり、「ありがとう」「先生のおかげで生活が楽しくなった」と感謝を伝えてくれる瞬間を振り返ることで、「この仕事は誰かの人生に役立っている」と再認識できました。
授業準備や教材作成をテンプレート化することで、時間を節約し、自分の負担を軽減するように努めました。
今後どのような日本語教師になりたいですか?
日本語を学ぶ理由は人それぞれで、「生活を快適にしたい」「仕事の幅を広げたい」「日本の文化を深く知りたい」などさまざまです。そのため、画一的な教え方ではなく、個々のニーズに合わせた指導を行うことで、学習者が本当に「使える」「役立つ」と感じる日本語を提供したいからです。
また、言葉だけでなく、異文化への理解を深めることで、学習者が日本での生活をより楽しめるようになってほしいと願っています。
現在は、オンライン授業が増えているため、ICT(情報通信技術)を活用した効果的な指導法を学ぶことが欠かせません。
学習者が「すぐに使える」と感じられる教材や練習問題を作成するよう心がけています。特に、会話中心の活動やロールプレイを重視しています。
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