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日本国内 日本語教師経験談

国内 日本語学校 学生は「かわいい!」、でも報酬は低い

tomo1960さん・ 59歳・ 男性 🧑 ・ 日本語教師歴 2.5年

総評

  • 国内の日本語学校
  • 雇用形態:非常勤講師
  • 期間: 2.5年(2015~2018年) 退職
  • 月収:10万2,000円

日本語教師の仕事はやりがいがある、と言われればその通りだろう。日本にあこがれを持ち、留学生活に夢を抱いて来日する学生は多い。教師を尊敬し、親しみ抱いて接してくれる。

しかし、エージェントへの支払いを含めて日本円で100万とも150万ともいわれる渡航費の返済を前提にやってくる学生がほとんどとされ、家庭内事情で母国への仕送りを期待されて来日する学生も少なくない。

勉強とアルバイトの両立に常に悩んでいるのが彼らの現状である。教室で寝込む学生を見るにつけ、そういう環境に同情を禁じ得ない。

最初に受け持ったクラスはネパール人だけの20人弱のクラスだったが、同じ母国というせいもあってか、団結心に富み、必死に授業についてこようとする姿は、20~29歳にいたる青年男女であっても「かわいい」としか表現できないほどの親しみを覚えた。「先生いくつですか」「先生、恋人いますか」と覚えたての日本語で質問してくる若者たちはすなおで憎めない存在だった。

学習が進むにつれ、コミュニケーションが密になり互いの距離感が縮まる。異文化への相互関心、世代間交流の面白さというのが、特に中高年の日本語教師にとっては最大の妙味だった。

しかし、当初は熱意にあふれていても学習能力の差が明らかになるにつれて、投げやりになる学生も少なくない。

クラスは学期ごとに能力別編成されるので、最底辺のクラスに移った学生は荒れるようになる。母国語での私語が増え、授業が成り立ちにくくなる。一種の学級崩壊現象も。「できる学生」と「できない学生」の差が極端に表れ、統制がとれないクラスが出来ていくのが業界の暗部の一つである。

非常勤、隔日で3クラスを受け持っていたが、週計12コマとはいえ、授業の準備で休みはほとんどとれない状況だった。小テストの採点、宿題の点検、授業報告書の記載で半日近い残業が恒常化していたが、残業代が支払われることはなかった。業務に対する報酬は明らかに少ないと言わざるを得ない。常勤講師以外は生活を成り立たせるのは難しい。

他の教育機関と比較・検討しましたか?

ハローワークで就職相談したとき、公文など学習塾での講師はどうかと勧められたことがあった。しかし、小学生のような低年齢の子どもを教えた経験がなく、自信もなかった。

また中高生の学習塾に関しては英語・数学が最も需要があるが、それに応えられるだけの知的能力に欠けていた。しいていえば英語が考えられたが、TOEIC、TOEFLなどでの具体的実績が示せなかった。

日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

2015年後期入学のスリランカ人学生6人の学習能力が高かったので、勤務先の学校が現地エージェントと交渉、2017年前期入学生からスリランカ人の入学を大量に増やした。

だがエージェント側は入学者の事前選抜を十分実施しておらず、「日本には仕事を見つけにきた」と口外してはばからない学生が多数を占めるという状況だった。現地で前提となっている日本語のごく初歩的レベルの導入さえなされておらず、全くの白紙、50音からのスタートで、その習得にも最初から関心を持たない学生が少なくなかった。授業は全く進まず、頭を抱えた。

さらに、学校側が紹介したアルバイト先を勝手に拒否、企業側が今後採用しないと通告すると、今度は別の仕事先を紹介するよう、多数のスリランカ人学生が集団で事務室に乗り込んできて要求、学校長を初め、経営者側ともめるという騒動まであった。

なぜこの日本語学校を退職しましたか?

学生を差別してはいけないとは思うが、ネパール人、ベトナム人学生は学習意欲が低い場合でも、それなりにモチベーションを高めようとするとまだついて来る余地があったが、留学前のスクリーニングを受けていないスリランカ人学生の2017年春の大量入学は、学校に創設以来といっていいほどの混乱を招いた。

どんなに授業の事前準備をしても、発話練習に取り組もうとしない底辺クラスを複数受け持つようになり、やる気をかなり喪失していた。そんなとき、中国で日本語講師をする話が知人を通じて持ち込まれ、そちらへ行くからと言って辞めた。

この中国就労は当初労働ビザ取得に苦労、現地での勤務環境が整い軌道に乗ったところで私のパートナーのがん再発が明らかになり、半年の短期間で契約を解いて帰国に至った。以後、日本語教育の業界から離れている。

給与

給与:10万2,000円/月 ・非常勤講師

月収として記入した10万2,000円は、月額の最大賃金で、祝日休講などがあると授業数は減るため、非常勤講師の場合、直接手取りに影響する。

夏休み、冬休み、学期間を挟んだ2週間程度の休みなども収入が途絶えるため、3日の隔日勤務だった私の場合、学校給与だけで暮らしていける金額ではなかった。週8コマで月収7万円台のときもあった。

勤務地があったF市は人口150万人を超える政令指定都市。1Kアパートに暮らしながらも15万円程度の収入がなければ生活はかなり苦しい。私は不動産の賃貸収入が若干あり、これでしのいでいたが、20代の若手女性の非常勤講師はコールセンターなどでのアルバイトと組み合わせなければやっていけない、とこぼしていた。

ベテラン非常勤講師で月~金フルタイムで働き、クラス担任もやって、交通費込みでも20万円に達しないと言っていた。常勤講師(中堅)の場合は、健康保険、共済制度加入などの制度はあるが、それでも諸経費を差し引くと手取り17万円から18万円と聞いた覚えがある。

残業は講師の力量・要領によって差が大きいが、私は勤務日は当日のテスト採点、宿題点検に加え次の授業準備などにも追われていたため、授業後4時間以上は残業をしていた。ベテランの非常勤講師でも2時間以上の残業はごく普通という印象だった。残業代はない。

学校側も改善策として一時、1日の残業代として2時間以上1000円上限で支払っていたが、運営の経営本体からクレームがついて、数か月で取りやめた。

非常勤講師だけでは厳しい生活環境に陥るのを覚悟でやるしかない。単独校フルタイムでなければ、かけもち必至。男性の場合、常勤講師でも家族(子ども含む)を養えるだけの報酬を手にすることは極めて難しい。共稼ぎが前提となる。

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月収 10万2,000円

  • 基本給:1コマ50分:2,000円
  • 担任手当:2万円/1クラス
  • 講師クラス会費:2,000円/月

待遇

  • 交通費

勤務時間

  • 1日4コマ 週3日勤務
  • 残業 1ヶ月合計60時間

仕事のかけもち

  • かけもちしていない

給与や待遇面でおすすめできる、国内のその他教育機関を教えて下さい。

日本語教師として国内で働く場合、留学生向けに設置している大学の日本語別科の学部・学科の教師(講師・准教授・教授)になるのが一番お勧めである。私立大・短大で力を入れているところが多い。日本語の主要専攻大学院で修士の資格をとっておくことが最低条件となる。

私の周りでも国際交流基金の日本語パートナーズに参加した後、JICA日本語教師派遣を経て、国立大大学院に入学、大学講師を目指す20代女性や、常勤と非常勤講師を繰り返しながら社会人枠で国立大修士号を取得、大学講師を視野に入れ就職活動する50代女性などがいる。

授業形態・勤務スケジュール

クラス運営で大変だったことは?

2017年4月に入学してきた学習意欲の低いスリランカ人学生のモチベーションをいかにあげるかが大変だった。説明は最小限にとどめ、とにかく質問を切らさず発話を促すように努めた。

語彙の導入がどうしても不足するので、パソコンで画像を探してきて、文例・単語の板書後、プリントアウトした絵を貼りだすか、または備え付けのテレビ画面にiPadをつなげてみせて、イメージとともに定着できるように工夫した。この教材は多数作った。担任と協力し、復習課題プリントの量を増やし、分かるまで繰り返した。これは教科書の進行を計画より遅らせることになったがやむを得ない措置であった。

受け持っていた2クラスのうち、進級度の比較的高いクラスでは効果が出てきたが、低いほうでは相変わらず私語が止まらず、苦労は絶えなかった。席を離れてふざけ合う学生が数人出てきたときは、教室からの退出を求め、事務室での自学学習を強制したこともあった。事実上の懲罰であるが、着席して講義を聞くのは最低限のモラルで、他の学生へ同様の行為が波及しないよう、断固たる態度で臨んだ。

受け持ちのクラスの詳細を読む...

主なクラスの授業形態

  • クラス授業  1クラス18~20人

学習者層

  • 大学生

学生の主な出身地

  • 中国
  • ネパール
  • ベトナム

スケジュール管理で大変だったことは?

2015年10月から全くの新人教師としてスタートしたので、まず授業の教案を書くことに集中した。ネットに出ている教案例も参考にして切り抜けた。隔日勤務でも私の場合、ギリギリの印象が否めなかったのは教案作成に追われていたせいだと思う。

他の非常勤講師はある程度年数を重ねていて教案を作ることなく授業に臨んでいた。新人教師として学校長からは必ず教案を用意することを求められ、忠実に実行していくことは時間を要し、大変だった。

学期末テストなどが重なると、午後の授業後、学校事務所が閉まる午後10近くまで残業することがあり、疲弊しきったことも。スケジュール管理を意識できない状態で、始終教案・教材作成に追われていた。

1週間のスケジュールを読む...

スケジュール

月曜日
  • 9:00~12:30  
    2年生(2-2)上級クラス4コマ(1コマ50分)
  • 小テスト採点、授業中の課題チェック、宿題チェック、日報記載
木曜日
  • 9:00~12:30  
    2年生(2-3)中級クラス4コマ(1コマ50分)
  • 小テスト採点、授業中の課題チェック、宿題チェック、日報記載
金曜日
  • 9:00~12:30  
    2年生(2-7)中級クラス4コマ(1コマ50分)※学習遅滞者クラスのため内容は初級復習に近い
  • 小テスト採点、授業中の課題チェック、宿題チェック、日報記載
  • 日曜日
    ほとんど月曜の上級クラスの授業準備に追われていた。教案・教材作成
  • 火曜日
    半日は休み、しかし午後は木曜の授業準備で学校に出向いていた(カラーコピー機使用のため)。教案・教材作成3~4時間。
  • 水曜日
    半日休み、しかし午後は木曜・金曜の授業準備で学校へ出向いていた(同)。教案・教材作成3~4時間
  • 土曜日
    終日休み。日本語教育能力検定試験の勉強も。月数回、ボランティア日本語教師グループでつくる検定試験対策研究会に参加。

教案作りで参考にしているサイトは?

  • 日本語教師のN2et
    みんなの日本語を教科書にしていたときに、大いに参考にしていた。懇切丁寧な内容。当然、丸写ししていたわけではないが、導入が分からないとき必ず頼っていた。また「現在・過去・未来形」の時系列の板書例などを取り入れていた。ブログ形式の「雑記」が多彩なテーマで授業の内容を深めるのに役だった。
  • できる日本語ひろば
    できる日本語はイラストが豊富なのはいいが、基本例文の導入をどうするかがいつも悩みのタネだった。イラストを見て日本語でどういうか、まず既習の言葉で表現を考えさせるタスク先行型だったが学生の発話はなかなか活発にならない。学生に会話を促す方法を丁寧に解説している内容をいつも熟読していた。
  • 篠研の”日々成長する教師”
    別府大准教授・篠崎大司氏の有名な無料メルマガで、当初は日本語教育能力検定試験の準備のため、配信を受けていたが、現役日本語教師からの授業に関する質問・応答など、教案作成に応用できる内容が少なくなかった。また「何のために日本語教師になったか」を振り返り、初心を忘れないためのコメントも常に用意され励まされた。日本語教師の精神的健康を保つのにも有効だった。

教案作りで参考にしている書籍は?

  • 日本語文型辞典 対象:中級
    日本語の文型を総覧した文例辞典。とにかく豊富な文例が紹介され、その文型の解説も詳細で分かりやすい。どういう表現に使われるかの用法についても実例を列挙、特に上級クラスでの文型導入時には欠かせない本だった。上級クラス文型導入では最低、5つの文例を用意していたが、この辞典を参考にオリジナルの例文を作成することができた。いつも傍らに置き、大変助けられた。
  • 初級日本語文法と教え方のポイント 対象:初級
    初級から中級に及ぶ文法の典型例が要領よくまとめられている。「学習者からよく出る質問」「学習者の誤用の例」などは、他の本にない特色。「指導法あれこれ」では著者の豊富な授業経験に基づいた解説が役立つ。学習者がどのような点でつまづくのか、学生サイドに立って書かれた貴重な本。授業で想定される学生の疑問点を想像しながら教案を作成するのに役だった。
  • 日本語の教え方ABC―「どうやって教える?」にお答えします 対象:初級
    シラバスは「みんなの日本語初級Ⅰ」に沿っている。文型導入の教師の発話例を懇切丁寧に記述しており、自分でどう指導を展開していくべきか、大いに学べる。正直、そのまま教案に用いることのできる指導発言のやりとり例も多い。どういう板書をすべきか、イラストを用意すべきかも一目瞭然。新人教師向けに手取り足取り指導するというイメージの本。

就職活動

この日本語学校で働くきっかけ・決め手を教えて下さい。

ヒューマンアカデミーF校の養成講座420時間修了間近の時点で、市内の日本語学校が教員を募集する同アカデミー主催のセミナーに参加した。学校説明の中で、A校長の学校紹介が整然として大変分かりやすく、また校長の人柄から学校内の雰囲気も良さそうな印象を受けた。

地下鉄で通いやすいというのもよかった。HPを見て、市内では実績のある伝統校であることを確認。応募、面接、実技テストをへて採用が決まった。

面接ではどのようなことを聞かれましたか?

「なぜ日本語教師になりたいのか、職業として目指したのか」という動機をまず聞かれた。私はアジアを主に海外旅行によく出かけていたが、現地で日本への関心が想像以上に高いことに強い印象を持ち、日本へ夢を抱いて留学してくる学生たちを少しでも助ける場に立ちたいと願っていた、答えた。この職業を通じて、アジアと日本との相互交流・関係を強めることになれば幸いです、とも述べた。

授業は開始当初は週6コマからしか担当できず、報酬(1コマ 2,000円)を考えるとそれで暮らしていけるのか、という経済面での率直な問いがあった。所有不動産の賃貸収入が別にあり、これを合計するとなんとか生活できると言うと、とりあえず納得された様子だった。

模擬授業ではどのような課題が与えられましたか?

「みんなの日本語第23課」の条件文の文型「~と」の導入を模擬授業として披露した。

パソコンでイラストを用意、「このボタンをおすと、コーヒーがでます」などの文例のビジュアル化に努めた。またこの文型は「道案内の文型」とも言われ、「ぎんこうは どこですか」「あの交差点(こうさてん)をまがると、ひだりにあります」などの練習が求められるが、自作の大きな地図を用意して、模擬学生に発話させた。

導入説明はゆっくり、大きな声を心がけた。授業中の表情を明るくするように心を配った。30分程度。

この日本語学校で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

資格や職歴ではないが、イラスト・絵がうまいとかなり有利に立てる。もちろんテキストに合わせたイラスト集はあるが、それでも初級学生は語彙が少ないため、絵を板書し、説明すると伝わるということが多い。ベテラン講師の中には初級学生への文型導入もすべて自作のイラストを存分に使い、分からせてしまう人がいた。

資質としては声が大きいこと、また多少無理してでも明るい笑顔を常に忘れない、といったことが求められる。授業の活性化には体を使ったパフォーマンスも必要なので、演劇経験などがあると役立つ。

就職活動で参考にしたウェブサイトは?

  • 日本村
    国内・都道府県別、海外・国別で求人情報が掲載されている有名サイト
  • 大谷書店 福岡
    九州内の日本語教師募集情報が多いが、関東・関西地方の情報も紹介。海外の募集情報が豊富。
  • 日本語教育学会
    大学、専門学校の募集が多い。経験豊富なベテラン、あるいは修士以上の学位を求められる案件が多そう。新人教師が就職先を探すには敷居が高いかもしれない。

就職 教育機関選びで特に重視した点

  • 学校の規模
  • 学習者が学生
  • 通勤時間

応募時に必要とされた資格

  • 日本語教師養成講座420時間修了

就職 選考方法

  • 書類
  • 面接
  • 模擬授業

日本語教師全般に関する質問

どうして日本語教師を目指しましたか?

2000年冬、ミャンマーに旅した折、「大学を出た息子が日本に行けるように相談に乗ってもらえないか」とある女性から言われ、ルビーをもらったことがあった。多少傷が入っていたが大きなルビーだった。

そのときは「申し訳ないが自分にやれることはない」と手紙を送るしかなかった。しかし現地での若者の日本に対する関心の高さには驚くべきものがあった。もちろん「仕事を探したい」という切実な願いがあったには違いない。

30年勤めた会社を2013年に早期退職したが、今後人口減少が進む日本は外国人の受け入れがますます重要になると確信した。

良き労働者となるためには日本語教育が欠かせない。アジアの若者の夢実現を助ける仕事がしたいと願い、日本語教師を目指すことにした。同時に日本語教師をしながら海外生活を体験してみたい、という希望も抱いていた。

日本語教師をやってよかった!どんな時に実感?

ある程度会話能力がついてくると、男子学生の中には「先生と酒を飲みたい」と、親しげに近づいてくる学生は少なくない。「先生、私の国に来て。案内します」という女子学生もいる。社交辞令が多少入っているかもしれないと思いつつ、学生との距離感が縮まったことを実感するとき、うれしさがこみ上げてくる。

ネパール人学生に「きみたちの国に行ったことがある」と話すと「どこを見ましたか? 何を食べましたか?」と懸命に聞いてくる。興味津々、笑顔を見せる学生たちをみていると「かわいい」と愛情がわく。

2年生中級クラスでの授業中、「ダチョウ」をうまく説明できずに、ヘタなイラストを描いたが、直後「先生、足が4本ある!」と言って、大爆笑を誘ったことがあった。「なんだ、どんな動物か分かっているんじゃないか」と恥じつつ自分も爆笑、学生との一体感に包まれたときの喜びが忘れられない。

日本語教師を辞めたいと思ったことはありますか?

スリランカの学生たちで、どうしても50音のひらがなの段階でつまずく例が少なくなかった。きれいな文字が書けるまで何回も繰り返し練習させるのだが、これは学生にとっても、また教師側にとっても、無味乾燥な課題であり、楽しいものではない。

まして自分自身が「字」がきれいではないという自覚があるので、指導にはただ骨が折れるばかりだった。多少「字体」に問題が残っていても、読める範疇なのだからこれでいいのではないか、と思われる場面でも、担任教師が許さず、指導が永遠に続きそうな雰囲気の時期があった。大切な初歩には違いないのだが、その「訂正」の量の多さに心底嫌になり、「辞めたい」と一瞬頭をよぎった。

学生のみなさんへ 進路のアドバイスはありますか?

外国人と触れ合う経験を積むためにまず海外旅行をお勧めします。そして現地の若者と積極的に話してください。未知の日本への率直な印象を聞いて、彼らが来日への希望と夢実現を語ったとき、自分に何ができるかを考えてみてはいかがでしょう。

その一つとして日本語教師の仕事が胸にわきあがってくるかもしれません。なぜ日本語教師になりたいか、動機が大切です。

私の知人大学院生には、外国人労働者として来日した親についてきて、日本で未就学のまま過ごしている外国人児童をどう救えるか、十分な教育制度を確保するか、研究している人がいます。今後日本が迎えるであろう多文化共生社会への広い視野も同時に養っていただければと思います。

社会人のみなさんへ 進路のアドバイスはありますか?

中高年の第二の人生を考えるとき、日本語教師の仕事は魅力的なものとなります。若い世代と交流、共感できる世界は代えがたい価値があると信じます。

今後政府は日本語教育に公的資格の導入を検討しており、資格を得る関門は厳しくなる可能性もありますが、職業としての社会的地位は向上することが予想され、また問題となっている低額報酬へも何等かの公的資金助成で改善される兆しもあります。

一方、学生はさまざまで必ずしも意欲あふれる学生ばかりではありません。むしろその逆というパターンに失望させられることが多いかもしれません。教える行為には我慢強さが求められます。

社会人ならではの経験を生かして乗り越え、学生と信頼関係を築く自信のある方に、やりがいのある仕事としてお勧めします。

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