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日本国内 日本語教師経験談
国内 日本語学校 学生の目標実現のためのカリキュラムと授業方法
たんぽぽさん・ 37歳・ 女性 👩 ・ 日本語教師歴 10.6年
総評
- 国内の日本語学校
- 雇用形態:常勤講師 *非正規雇用・フルタイム
- 期間: 4年(2015~2020年) 現在も勤務中
- 月収:21万5,000円
私がこの学校を選んだのは、以前中国と関わる仕事をしていたため、現在中国籍の学生が減少傾向にあるなかで、中国籍の学校が比較的多い点に興味を持ったためです。
生徒の質は比較的よい印象があり、居眠りをしたりといった生徒は見受けられません。休日は土日ですが、授業準備や添削物のために休みの時間を使うことも多くあります。
現在の勤務校の良いと思う点は協力体制が整っている点です。学生に何か問題が起これば共有し、相談できる体制が整っています。これは教師の働きやすさという点以外に、学生に最も良い解決方法を提供することができ、よいのではないかと思います。
また、クラスも日本語のレベル別で分けられているのですが、これにもしっかりした基準が存在します。これは教師、学生にとってわかりやすいのはもちろん、レベルがはっきり分かれているのでより効果的な授業を提供しやすいという強みであると思います。
苦労したのはカリキュラム作成です。現在の勤務校は進学ということを重視するため日本語能力試験、日本留学試験など試験対策に、他校と比べ非常に力を入れていると思います。
写真は能力試験対策で使用しているテキストです。クラスや学生によって適切な勉強方法は異なりますので、合格率を上げるためにどのようなカリキュラムを作成すれば良いのかという点が苦労する点です。
また、レベルがしっかり分かれていますので、日本語レベルが低いクラスを担当した場合、いかに早くレベルを引き上げ、合格率を高めるかというのも課題の一つです。
そのために、授業外の時間でできるだけ学生とコミュニケーションを取り、例えば好きなアイドルなど、興味を持っていることを把握し、それを例文に取り入れるように心がけました。そうすることで学生も授業を熱心に聞いてくれたように思います。
他の教育機関と比較・検討しましたか?
ほかの教育機関との検討はしました。ただ、やはり現在の勤務校のほうが中国籍の学生が多いこと、また、進学や試験対策に力を入れていることなど、私の経験や得意分野が生かしやすい環境であるという点に強い魅力を感じたことが、現在の勤務校に決めた一番の理由です。
日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?
習慣の違い、文化の違いなどから精神的に問題を抱える学生も少なくはなかったことです。ストレスの要因はほかにもあり、母国から良い進学先に合格しろというプレッシャーをかけられ、それもストレスの原因になってしまう学生がいます。
さらに、様々な国籍の学生が混ざっていることで学生同士の衝突とを起こす場合もあり、そうなった場合クラスをまとめることに苦労した経験があります。
給与
基本給のみでも贅沢はできませんが生活はできると思います。定期的な昇給もあります。また、現在の勤務校には実績に応じた手当が出ることもあります。これで贅沢とは言わないまでも、ちょっとした旅行などの娯楽を楽しむことは可能になっていると思います。
ただ、担当する学生数が非常に多いため、授業準備以外の志望理由書などの添削物も多くなっていることを考えると。もう少し高まればうれしいという気持ちもあります。
給与の詳細 情報を読む...
月収 21万5,000円
- 基本給:20万円
- 担任手当:1万5000円
待遇
- 交通費
- 有給
- 賞与 年2ヶ月分
- 健康診断
- 年間昇給
勤務時間
- 1日8時間 週5日勤務
- 残業 1ヶ月合計30時間
長期休暇中の給与保証
- 勤務している教育機関で給与が発生する仕事がある
仕事のかけもち
- かけもちしていない
授業形態・勤務スケジュール
クラス運営で大変だったことは?
クラス運営で大変だったことは、学生をまとめることです。性格の違いや、文化背景の違いから学生同士でトラブルになることもあります。また、意見をはっきり言える学生とそうでない学生がいますので、特に意見を言えないでため込んでしまう学生に対するケアをしっかり行うことも大変です。
これらの解決には普段からの対話が重要になるのだろうと思います。普段から学生としっかり話し、信頼関係を作っておけば、何か問題があった時には学生のほうから連絡してきますので、大きな問題になる前に対処することができます。
受け持ちのクラスの詳細を読む...
主なクラスの授業形態
- クラス授業 1クラス20人
学習者層
- 高校生
- 大学生
学生の主な出身地
- 中国
- ベトナム
スケジュール管理で大変だったことは?
授業準備に時間が取れない点が大変でした。特に進学が本格化してくると、授業外の時間が学生との面談で埋まってしまいます。ですので、繁忙期には、家事をしながら例文を考えるという状態になることもありました。
工夫したのは、とにかくアイディアが浮かべばすぐメモして蓄積しておくことです。それで授業準備も楽になってきたとおもいます。また、面談も初めに時間を決めておくことにしました。そうすることで集中力を切らさず話をすることもできました。
1週間のスケジュールを読む...
スケジュール
- 月:13:40~17:00 上級クラスを4コマ
- 火:13:40~17:00 中級クラスを4コマ
- 水:13:40~17:00 中級クラスを4コマ
- 木:13:40~17:00 上級クラスを4コマ
- 金:13:40~17:00 中級クラスを4コマ
- 土:のんびりと過ごします
- 日:翌週の授業準備や添削などを行っています
教案作りで参考にしている書籍は?
- 『どんなときどう使う日本語表現文型500 』
対象:中級・上級
文法の例文や接続、意味などを調べるとき使うことができます。 - 『日本語文型辞典』
対象:中級
文法の例文や意味、接続を調べる時に使うことができます。 - 『くらべてわかる日本語表現文型辞典 』
対象:全レベル
文法の例文や意味、接続を調べる時に使うことができます。
就職活動
この日本語学校で働くきっかけ・決め手を教えて下さい。
前任校を退職することになった時、インターネットで新しい勤務先を探し、面接を受けました。日本語教師として一通りの業務は経験している点、また、専門学校、大学のみならず大学院指導の経験もあったという点が現在の勤務校の状況とマッチしたため、勤務することになりました。
面接で何を聞かれましたか?
前任校を退職した理由、これまでの進学指導の経験や実績、どのレベルのクラスを担当してきたのか、また、授業において気を付けている点は何かということを主に聞かれました。そして、待遇に関しても説明を受け、質問の機会をいただきました。
この日本語学校で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?
直結する強みは、海外での日本語指導経験だろうと思います。また、日本語指導以外にも海外での在留経験があれば学生を理解するために大変役立つと思います。
また、語学レベルに関しては、授業で学習者の母語を使うことはありませんので、そこまで高いものは要求されないと思います。ただ、基礎的な知識はあったほうが学習者は親しみをもってくれますし、初級レベルの学習者であればある程度コミュニケーションを容易にしてくれるかとは思います。
就職活動で参考にしたウェブサイトは?
-
『 日本語オンライン』
載っている求人の地域が幅広い印象です。新規校などの求人情報も載っています。 -
『 大谷書店就職情報』
日本語学校が作成した求人原稿がそのまま載せられているので、1件の情報量が豊富な印象です。 -
『 日本村』
掲載数はあまり多くありません。ただ、ほかのサイトに見られない求人が載っていることもありますので、チェックしておいて損はないかと思います。
その他就職活動で有効な手段は?
-
各養成講座
日本語学校担当者が募集に行くこともあるようです
就職 教育機関選びで特に重視した点
- 学習者が学生
- 給与・待遇
- 通勤時間
応募時に必要とされた資格
- 日本語教師養成講座420時間修了
- 日本語教育能力検定試験合格
- 大学 日本語教育主・副専攻
就職 選考方法
- 書類
- 面接
日本語教師全般に関する質問
どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?
以前中国で日本語を教える機会があり、そのときこの仕事の魅力を知ったことから本格的にこの仕事を目指すに至りました。海外で教えたことで、日本が外国からどう見られているのかを知ることができたことは、本当に勉強になったと思います。
私は語学にもともと興味を持っていたこと、また、語学を通して日本の魅力を世界の方に伝えていきたいと思ったことがこの仕事を目指したきっかけです。
「日本語教師をやってよかった!」どのような時に実感しますか?
大きくは苦労が報われた時です。例えば希望の進学先に進学できると、学生から感謝の連絡が入るのですが、その時は本当によかったと思います。合格させるまでには大変な苦労が伴いますが、その時は本当に苦労が報われた思いがします。
また、日常では、授業で話した文型を学生が使ってくれた時も、この仕事をやって良かったと思います。
日本語教師を辞めたいと思ったことはありますか?
繁忙期にはプライベートなど存在しなくなります。この仕事は体力的にもかなり厳しいので、休日はゆっくりしたいですが、学生から急な依頼などの連絡が入り、休日であろうと対応しなければならないことも多いです。
また、感染症などを除き、体調が悪くとも授業を休むことは基本的にできません。このように、休みたいのに仕事から解放されないときには仕事を辞めたいと思うこともあります。
また、人を相手にする仕事ですので、どうしても合う合わないがあり、学生と大きな衝突をしたり、クレームを付けられたりすることもあります。そういった時にもやめたいという思いが頭をよぎることもあります。
学生のみなさんへ 進路のアドバイスはありますか?
資格の取り方はさまざまありますが、養成講座や大学などの機関で取ったほうが実践も可能ですし、就職の紹介なども受けることができます。
また、この業界は経験がものをいうところがありますので、もしこの仕事で食べていくことをお考えでしたら、学生のうちに非常勤などで経験を積んでおかれたほうが後の就職にスムーズかと思います。
社会人のみなさんへ 進路のアドバイスはありますか?
資格の取り方はさまざまありますが、養成講座などの機関で取ったほうが実践も可能ですし、就職の紹介なども受けることができます。時期や、国際情勢にもよりますが、非常勤であれば仕事の口は比較的みつかりやすいのではないかと思います。もし常勤をご希望であれば、何年か非常勤として勤務するうちに常勤の声がかかるかもしれません。
ただ、海外での日本語指導の経験がおありの場合、養成講座修了など必要とされる資格さえ満たしていれば、経験の内容にもよりますが初めから常勤で採用されるケースもあるようです。
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