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日本国内 日本語教師経験談

国内 専門学校 やりがいは大きいが、慎重に

リンさん・ 25歳・ 女性 👩 ・ 日本語教師歴 2.3年

総評

  • 国内の専門学校
  • 雇用形態:非常勤講師
  • 期間: 2年(2019~2021年) 退職
  • 月収:7万円

実際に働いた総合的な感想は「やりがいは大きいが、大学卒業後すぐに働くことはおすすめできない」です。

私は大学で日本語教育を副専攻し、卒業後すぐに働き始めました。

副専攻として日本語教育について学んだものの、実際に働き始めると、知識不足を痛感することが多々ありました。授業準備と並行して日本語教育に関する勉強をするのにはとても苦労しました。

教壇に立ち始めてすぐの頃は、緊張で授業を予定通りに進めることで頭がいっぱいでしたが、慣れるにつれ、冷静に周りを見ることができるようになりました。

授業内容をより面白くするためにクラス全体で楽しく学べるゲームを考えたり、クラスの雰囲気に合わせて授業の組み方を変えてみたりと、試行錯誤し、授業を作ることは非常に楽しかったです。

普段はあまり授業に積極的ではない学生が楽しそうに進んで授業に参加する様子は今でもよく覚えています。授業準備は時間と労力がかかりますが、学生が授業を楽しみ、積極的に学ぼうとする姿勢を見ることができるので、非常にやりがいがありました。

しかし、やりがいはあるものの、給与は非常に低かったです。家での仕事や残業もあり、仕事量に給与が見合っていないと感じました。非常勤なので、授業は週に2~3回ほどしかなく、ひと月の給料では到底一人で生活していけません。私は、大学卒業と同時に日本語教師になったので、同年代の人たちが新入社員として働き、給料をもらっているのを見るのがとても辛く、負い目に感じることも多々ありました。

コロナウイルスの影響で、学生数も減少し、将来のことを考えると、続けていくことは難しいと思い、やめましたが、職歴としてカウントされず、転職活動も難しいです。

日本語教師は若い人よりも4、50代の先生が多いので、ある程度社会人経験を積んで、お金をためてから420時間の養成講座を受けて、日本語教師になるほうが良かったかなと思いました。

他の教育機関と比較・検討しましたか?

就職活動を行っていた際に、講師の募集が出ていた民間の日本語学校数校と比較をしました。

比較した結果、勤務していた学校の募集要項が一番自分の希望に近かったため、そこに応募しました。待遇面と自宅からの距離が特に大きな決め手でした。他の学校は自宅からの距離やアクセスがあまり良くなかったため選びませんでした。

日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

一番戸惑ったことは教案を0から考えなければならないことです。

働き始めるまで教案を作ったことが殆どなかったため、研修の際に作成して提出してくださいと言われたときに非常に困りました。先輩方がいくつか例として教案を見せてくださったものの、手書きで、どれも統一されたものではなく、自分が見やすく授業しやすいものを作成してくださいと言われ先輩の教案やインターネットで見つけた教案を見よう見まねで参考にしながら作成しましたが、非常に大変でした。

それに加え、基本となる教案がないことにも戸惑いました。

学校では基本的に毎年同じ教科書を使用し、授業を行っています。

なので、複数の先生が同一内容の教案を作成しているはずなのに、以前の教案や授業案は一切共有されず、毎回授業をまた1から担当の先生が組み立てなければならないので大変でした。

基本となる教案や過去のものが共有されていれば、授業準備もスムーズにできるようになりますし、その年のクラスやレベルに合わせて修正を加えたり、内容を変更したりとより良い教案作成にも繋がるのではないかと思っていましたが、下っ端の私が意見する勇気もなく、自分なりに作成していました。

なぜこの専門学校を退職しましたか?

非常勤講師としてスタートし、数か月間研修と実践を行ったのちに専任講師として勤務できるという条件だったので、その教育機関で働くことにしました。

しかし、コロナの影響で留学生が来日できず、話が白紙になってしまったため、非常勤講師として働き続けるだけのメリットがやりがいだけになってしまい、生活基盤を整えられる見立てが無くなってしまったため辞めることにしました。

給与

給与:7万円/月 ・非常勤講師

1コマ1800円で給料は一見よさそうに見えますが、前日の授業準備に3~4時間、授業後の宿題添削、テスト作成などに2~3時間ほどかかっていた為、それらを含め、時給に換算すると700円ほどでした。

それに加え、非常勤の場合は授業が週に2、3日しかないのでアルバイトをするよりも給料が低かったです。別の学校、若しくはアルバイトを掛け持ちをしないと到底生活をしていくことはできません。しかし、先ほども述べたように、授業のない日も自宅で授業準備やテスト作成などをしなければならないので掛け持ちをできるだけの気持ちの余裕がありませんでした。

非常勤の場合、実家暮らし、もしくは主婦などでなければ厳しいかなと思います。

給与の詳細 情報を読む...

月収 7万円

  • 1コマ 60分 1,800円

待遇

  • 交通費
  • 休日出勤手当

勤務時間

  • 1日 4コマ・週2~3日勤務
  • 残業 1ヶ月合計20時間

長期休暇中の給与保証

  • 給与保証がない

仕事のかけもち

  • かけもちしていない

授業形態・勤務スケジュール

クラス運営で大変だったことは?

クラスは日本語の学習進度でレベル分けされていましたが、その中でも学生の理解度にばらつきがあり、授業の内容や問題、課題のレベル調整が難しかったです。

クラスの中でも、できる学生に焦点を合わせると、授業についてこられなくなり、授業を放棄してしまう学生が出てきますし、全員ができるレベルに設定すると、早々に解き終わった学生が時間を持て余してしまい、集中力が切れたり、手持ち無沙汰になり話し始めてしまうこともありました。

先輩に相談すると、難易度はちょうど中間くらいに設定するといい。言い方は悪いかもしれないが、集団で授業をする限りはある程度の見切りは必要だ、とアドバイスを頂きました。たしかにそれが一番バランスがいいと思ったので、授業内容の難易度を中間に設定するようにしました。

しかし、それだけではメリハリがないと思ったので、それと同時に時々難しい問題をあえて出して、理解度が進んでいる学生もしっかり考えられる時間を作ったり、全員ができるように難易度を低く設定するなど工夫をしました。

読解であれば、終わった学生にはより文章の内容理解を深めるための追加問題を配布したり、エクストラ問題を板書して、早く終わっても暇になってしまわないように、かつ教科書をどんどん先に進んでより進度が開いてしまわないように調節するようにしていました。

受け持ちのクラスの詳細を読む...

主なクラスの授業形態

  • クラス授業  1クラスクラスにより人数が異なる

学習者層

  • 専門学校生

学生の主な出身地

  • 中国
  • ベトナム
  • インドネシア

スケジュール管理で大変だったことは?

初級クラスを受け持った際のスケジュール管理が大変でした。

初級クラスの授業準備は上級クラスと比較すると、視覚教材や、グループワークに必要なもの、単語カードなど、準備しなければならない教材が多く、また、教案の内容も既習の単語のみしか使用できないため、何度も確認が必要で作成に非常に時間がかかります。

しかし、授業内容の引継ぎ連絡が前日の授業後にしか来なかったため、準備がいつもぎりぎりでした。引継ぎをもらった後は毎日深夜3時ごろまで授業準備を行い、翌日は6時に起きて出勤をしていました。

さすがにそれでは体がもたないと思ったため、自分が担当する授業範囲を事前に予想し、2,3日前から準備を進めるようにしましたが、他のクラスの準備もありますし、授業範囲がずれることも多々あったので調整が難しかったです。

この問題は経験を重ねて、同じ範囲の授業をするのが2回目、3回目と重なってやっと解決されるのではないかなと思います。初めて授業で扱う範囲はやはりどうしても時間がかかるので大変でした。

教案作りで参考にしているサイトは?

  • 絵でわかる日本語
    主に文法の接続、意味、例文、説明がイラスト付きで載っているため、非常に見やすく、自身が文法を理解する際や、文法の授業で使用する例文作りに困った際に非常にお世話になったサイトです。文法の授業が得意ではない方におすすめです。

教案作りで参考にしている書籍は?

  • 初級日本語文法と教え方のポイント 対象:初級
    文法事項の説明と具体的な指導方法が記載されているので、教案を作る際に使用していました。会話の例文や、学習者の誤用の例についても触れられているので、事前に学生からの質問も予想できるため、とても重宝していました。日本語教師になったばかりの方や、文法の教案作りに悩んでいる方におすすめです。
  • 初級を教える人のための日本語文法ハンドブック 対象:初級
    教科書やウェブサイトには載っていない文法の細かい解説や図解が載っているので、より詳しく文法のことを調べたい時や、授業での解説方法に困った際に参考にしていました。基礎的なことから例文、解説まで載っていますし、項目ごとに似た使い方をする表現がまとまっているので、細かな意味や使い方の違いなどについても簡単に知ることができます。日本語教師になったばかりの方におすすめです。

就職活動

この専門学校で働くきっかけ・決め手を教えて下さい。

日本語教師の仕事を探していた際に、地元の求人雑誌に非常勤講師の募集が掲載されているのを見つけました。

ホームページなどで学校の情報を収集し、告示校であること、中華圏の学生が多いこと、経験不問であること、そして非常勤として働き続けると、いずれは専任講師として働くことができるという点が私の希望と一致していたため応募し、採用されたので、勤務していた教育機関で働くことになりました。

面接ではどのようなことを聞かれましたか?

面接に関してはほとんど覚えていませんが、よくある面接内容(学生時代の経験や留学経験、資格)に加え、外国語能力や、日本語教師としての将来像を聞かれました。

外国語能力に関しては、英語と中国語が日常会話程度と答えました。直説法を使用している学校でしたので、実際に使用する機会は少ないが、是非その能力を生かしてほしいと言われました。将来像については、いずれ中華圏で日本語教師をしたいと返答しました。

面接を行う上で注意したことは、未経験で日本語教育の知識が全くない状態で、日本語教育に関してアピールできるだけの経験がなかったため、自身の外国語スキルや留学経験などを積極的にアピールするようにしました。

この専門学校で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

TOEICや中国語検定などの語学系の資格や、外国語の学習経験、留学経験があると強みになると思います。

どの様な外国語の資格を持っているとよいかというのは、志望する教育機関に、多数在籍する留学生の国籍及び母語によって違うと思います。私は中国語が分かるので、中国からの留学生が多い学校を中心に選びました。

留学経験に関しては、面接時の1つの大きなアピールポイントになることはもちろん、学生の気持ちを理解することの役立つと思います。

慣れない異文化の国で生活することや、うまく理解できない言語しか使えない場所で生活し、学ぶことは簡単なことではありません。自身も留学をし、学生の立場で同じような経験をしていれば、学生に寄り添った指導ができるのではないかなと思います。

日本語教師に向いている人は、「事前準備作業を苦に思わない人」「教室や学生の様子を観察し臨機応変に対応できる人」「文化や習慣の違いを理解しようとする姿勢がある人」です。ほかにもたくさんありますが、この三つが重要だと思います。

授業準備は毎回行わなければなりませんし、非常に時間のかかるものです。日本語教師として仕事をする中で授業準備はかなりの割合を占めるので、これが苦手な人は厳しいと思います。

観察力があり、対応できるという点に関しては、授業は教案通りに、自分の予想通りに進むわけではありません。優先度の低いものをとっさに削ったり、学生の理解度に合わせて内容を変更することも多々あります。また、学生の出席率や、モチベーションの状態なども考慮しなければならないので、観察し対応する力は必須です。

そして異文化理解ですが、学生たちのほとんどが外国人ですから、日本人の考えだけでは対応できなこともあります。それぞれに文化や習慣があるのですべてにおいて郷に入っては郷に従えというのではなく、きちんと話し合い、理解し、受け入れたり、折り合いを付けたりしなければなりません。そういったことに抵抗のない人は日本語教師に向いていると思います。

就職活動で参考にしたウェブサイトは?

  • indeed
    日本語教師の募集は出ていますが、私の場合は応募してもあまり連絡がなかったのでお勧めしません。

その他就職活動で有効な手段は?

  • 地元の求人広告
    新聞の折込の求人広告に募集が掲載されていました。あまり見たことがないので珍しいと思います。私はここで見つけた学校に応募し、実際に勤務していました。

就職 教育機関選びで特に重視した点

  • 未経験者歓迎
  • 給与・待遇

応募時に必要とされた資格

  • 日本語教師養成講座420時間修了
  • 日本語教育能力検定試験合格
  • 大学 日本語教育主・副専攻

就職 選考方法

  • 書類
  • 面接

日本語教師全般に関する質問

どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

語学を勉強することが趣味で、かつ教育にも興味があったので、ずっと英語教師を目指していました。

しかし、大学時代に留学し、現地の語学学校で異文化や言語を学び、自分の生まれ育った国や文化との違いを知ったことを機に、日本語に興味を持つようになりました。

帰国した後に大学で日本語教育を副専攻として履修し学ぶうちに日本語教師を志すようになりました。

「日本語教師をやってよかった!」どのような時に実感しますか?

日本語がほとんどわからない状態で入学してきた学生たちが、卒業式の後に入学当時とは比べ物にならないほど上達した日本語で別れの言葉を述べ、それぞれの道に進んでいく際に、日本語教師になってよかったなと感じます。

特に印象に残っているのは卒業式後、学生が「先生、初めての授業の時すごく緊張してたでしょ、声が震えていたこと、覚えてますよ。でも、今は先生の授業が一番好きです!」と言ってくれた言葉です。

とても恥ずかしかったですが、初めて会った日のことを覚えてくれていて、今では好きになったと直接言葉にして伝えてくれたことがとてもうれしかったです。

少しでも彼らが留学生として日本で過ごし、学んだその経験の一部になれたと思うと、すこしうれしく思うと同時に、私も成長できただろうか、私はどんなことができただろうと振り返り、次の学生により良い指導を経験をすることができればと頑張るきっかけにもなるので、卒業式の後に日本語教師になってよかったなと強く感じました。

日本語教師を辞めたいと思ったことはありますか?

日本語教師を辞めた一番の大きな理由は、給与及び待遇面です。

これは日本語教師という職業全体に言えると思うのですが、労働の量とそれに対する給料が見合っていないと感じました。

さらに、非常勤講師として採用される割合が高いので、給与が低いだけではなく、出勤日数も少ないため、どの教育機関で働いても十分に暮らしていけるだけのお金を得ることはできません。

もちろんお金が欲しくて日本語教師になったわけではありませんが、1か月間家で授業準備をし、クラスのことを考え、授業をし、残業もありと、いう環境で、仕事はとてもやりがいがあって楽しいけれど、学生のアルバイトにも満たないほどの給料しか貰えないまま続けていくことはできないと考えるようになりました。

そして、そこに追い打ちをかけるようにコロナウイルスが影響し、学生が来日できない、日本から海外の学校に勤務しに行くことも出来ない状況になってしまったため、将来のことを考え、日本語教師を辞めるという決断に至りました。

学生のみなさんへ 進路のアドバイスはありますか?

日本語教師としてずっと働き続けたい、学校の専任として働きたいと考えるのであれば、大学で日本語教育を専攻すると良いと思います。

私は日本語教育を副専攻していたのですが、そこで学んだことはほとんど実際の教育現場では役に立ちませんでした。そして、専門的な知識も学ぶことができなかったので、日本語教師になると決めているのであれば専攻した方がよいと思います

もちろん副専攻として日本語教育を学び、日本語教師になることも可能です。

しかし、学べる内容や得られる情報が非常に少ないので、教育機関で働き始める前に自分自身で情報収集や日本語教育に関する知識をしっかりと勉強しておくとよいと思います。

実際に授業が始まると、授業準備に追われ、勉強している暇がないので、働き始める前に知識を付けておくことはとても大切です。

社会人のみなさんへ 進路のアドバイスはありますか?

私は卒業後すぐ日本語教師になったので経験はありませんが、同じ学校で働いていた元社会人の先生方は、ほとんどの方が420時間の日本語教師養成講座を受講したとおっしゃっていました。

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