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日本国内 日本語教師経験談

国内 大学 大変!だけど、得られる学びと達成感

nihongoさん・ 39歳・ 女性 👩 ・ 日本語教師歴 12.2年

総評

  • 国内の大学
  • 雇用形態:非常勤講師
  • 期間: 2年(2018~2020年) 現在も勤務中
  • 月収:7万円

短期大学の留学生別科で日本語を教えています。

少人数クラスのため学生の日本語習熟度に合わせて教科書を選んだり、授業を組み立てたりできる点がいい点だと思います。ただ、1~2年後には短期大学や大学に入学することを目標としているため、非漢字圏から来る学生には漢字の習得に苦労する者もいます。

また、日本語に自信がなかったり、シャイな性格の学生が多かったりするために、同じ校舎内にいる日本人学生達と友達になるのが難しく、教師以外の日本人との触れ合いが少ない点が残念です。

ホームシックになって学校に通えなくなる学生や、互いの考え方の違いから教室の雰囲気が悪くなるといったトラブルも起こるため、教師は学生の様子に細やかな目配りをすることや、様々な文化や考え方に対するバランス感覚が必要とされるように思います。

それでも、入学当初は日本語の挨拶もままならなかった学生達が協力しながら日本語学習に励み、無事短大や大学に進学する姿を見ていると、教師としての達成感に包まれます。また、世界各国から来る留学生に囲まれる中で、自分自身の学びにつながることが本当にたくさんあります。

授業は90分×2コマで週に5日間あります。複数の講師がチームを組んで授業をするため、チーム間の連携も欠かせません。その日の授業が終わったら一斉メールで授業内容を共有し、問題が起こったときや相談が必要なときはオンライン会議を開くなど常に全員で話し合うことを心掛けています。

他の教育機関と比較・検討しましたか?

いくつかの学校・教育機関で仕事をしましたが、いつも人とのつながりや縁で仕事や仕事の情報を得ることができたので、その時その時のタイミングにあわせてその仕事をしてきました。ですので、他の教育機関と比較検討をしたことがありません。

日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

学習に対する考え方は人それぞれです。教師として学生の日本語習得レベルにあわせた教科書を選んでも、自分のレベルがそれより高いと学生が感じている場合、授業の進め方に苦労することがあります。

また、クラスの中で日本語能力差が大きい場合どこに焦点をあてたらいいか、というのは難しい問題だと思います。日本語での意思疎通がスムーズにできても、できなくてもクラスの中で疎外感を感じることがないよう、サポートできる範囲でサポートしようと努力していますが、必ずしもうまくいくとは限りません。

給与

給与:7万円/月 ・非常勤講師

日本語教育機関では社会保険加入の条件を満たしていないため、すべて個人で加入しています。また、大学、短大での担当時間数が少ないので、他の日本語教育機関でも仕事をしないと生活していくのは大変です。

授業時間以外の仕事に関していえば、初級のレベルの学生を担当するときは授業準備にかなりの時間がかかりますし、宿題のチェック、レポートの添削やフィードバック等もあります。

さらに、年によって担当時間数が変動するほか、長期の授業休みがあるとその期間の収入はすべて絶たれるので、日本語教育とは関係のない短期のアルバイトをすることもあります。

給与の詳細 情報を読む...

月収 7万円

  • 時給:5,800円

待遇

  • 交通費

勤務時間

  • 1日3時間 週1日勤務
  • 残業 残業なし

長期休暇中の給与保証

  • 給与保証がない

仕事のかけもち

  • かけもちしている 他1ヶ所
  • 日本語教師以外の副業に就いている

授業形態・勤務スケジュール

クラス運営で大変だったことは?

漢字の習得レベルが違う時は、ひとりひとりに合わせたレベルの教科書をあたえ、各自のペースで学習させるようにしています。

ただ、学習漢字を習得したかを確認する際に、各学生に合わせた問題を作成しなければなりません。問題はできるだけ事前に準備するようにしていますが、漢字の学習には時間がかかるため、作った問題が使えず無駄になってしまうということもあります。

また集中力を維持するのは大変なので、息抜きはとても大切です。

受け持ちのクラスの詳細を読む...

主なクラスの授業形態

  • クラス授業  1クラス2~10人

学習者層

  • 大学生
  • 中国
  • 台湾
  • 韓国
  • ベトナム

スケジュール管理で大変だったことは?

掛け持ちをしているため、時期によってはとても忙しいです。授業と授業の間隔がつまってしまい昼ご飯を食べる時間がないということもあります。

教案や教材は数日~1週間ほど前倒しで準備をしておき、直前に慌てることがないようにしています。

ただ、急に交代要員としていつもの担当外の授業することもあるので、度胸も必要かもしれません。

1週間のスケジュールを読む...

スケジュール

  • 月:13:00~16:10 初級~中級を2コマ
  • 土:翌週の授業準備をします。
  • 日:基本的には休みですが、忙しい時は週末も授業準備をします。

教案作りで参考にしているサイトは?

  • みんなの教材サイト
    アイディアが浮かばないときや、絵カードを探すときなどに利用しています。ダウンロードして使えるものもたくさんあり困ったときに重宝しています。
  • Web版エリンが挑戦!にほんごできます
    主に動画を利用しています。文化紹介によく使います。字幕なども選べて便利です。

教案作りで参考にしている書籍は?

就職活動

この大学で働くきっかけ・決め手を教えて下さい。

今現在も所属している日本語教育機関で紹介されました。書類の審査と面談はありましたが、試験はありませんでした。

日本語教師養成講座を修了していたこと、日本語教育能力試験合格、これまでの日本語教師歴などが雇用条件にあっていたようです。

面接で何を聞かれましたか?

面談だったため面接ではありませんでしたが、どうして日本語教師になろうと思ったか、職歴、苦労したこと、やりがいなどについて聞かれました。

その他、この学校で日本語教育がはじまった経緯や学生の国籍、様子などについて説明を受けました。また、授業内容や教え方は教師にまかされていること、長年働く教師が多いことなどの話もありました。

この大学で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

資質に関しては、寛容性が大切だと思います。様々な背景を持った人々と接するわけですから、思い込みや身勝手な判断は慎んだほうがいいと思います。

また、感情的に怒ったり、自分が気に入らないことを態度で表したりというのは何の解決にもならないので、仮に気分を害するような出来事がおこった場合でもアンガーマネージメントができるスキルが必要だと思います。

就職活動で参考にしたウェブサイトは?

  • 日本語オンライン
    国内、国外ともに求人があります。最近はオンラインクラスの求人もあるようです。私の日本語教師デビューは海外ですが、ここの海外求人から見つけました。
  • NIHON MURA(日本村)
    国内・国外・在宅求人が紹介されています。

その他就職活動で有効な手段は?

  • 口コミ
    すでに日本語教育機関で仕事をしている場合に限ります

就職 教育機関選びで特に重視した点

  • 必須資格
  • 学校の規模
  • 給与・待遇

応募時に必要とされた資格

  • 日本語教師養成講座420時間修了
  • 日本語教育能力検定試験合格

就職 選考方法

  • 書類

日本語教師全般に関する質問

どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

もともと、海外に住んでみたいという漠然とした思いがありました。

ワーキングホリデーなども考えたのですが、その場合、事前にある程度まとまった資金が必要となりますし、帰国後の保証もありません。日本語教師の資格があれば、海外で仕事もできていいのではないか、というのが日本語教師を目指した理由です。

実際に海外で生活できるような日本語教師になるのがいかに大変なことか、というのは、資格を取って就職活動を始めてから知ったことです。

「日本語教師をやってよかった!」どのような時に実感しますか?

学生が充実した顔で卒業していく姿を見ること、自分の知らない世界や文化について一生懸命日本語で教えてくれること、日本語ゼロで来日した学生が、気が付いたら日本語だけでコミュニケーションが取れるようになっていること、卒業して何年もたつのに時々海を越えて顔を見せに来てくれる学生がいること、など、たくさんあります。

学生のみなさんへ 進路のアドバイスはありますか?

大学を卒業してから養成講座に入るのは経済的にも大変です。 大学で勉強する機会があるなら、是非そこで履修することをお勧めします。

社会勉強も必要なので、卒業後すぐにと焦るよりは長期的な視点を持つことも必要だと思います。

社会人のみなさんへ 進路のアドバイスはありますか?

やはり養成講座に通うのがいいような気がします。時間もかかりますし、一人で勉強するのは大変ですが、一緒に勉強する仲間がいれば続けやすいのではないでしょうか。

また、日本語教育能力検定試験には合格していたほうが就職に有利だと思います。

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