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日本国内 日本語教師経験談

国内 日本語学校 待遇は厳しいが、やりがいがある仕事

なつさん・ 44歳・ 女性 👩 ・ 日本語教師歴 12年

総評

  • 国内の日本語学校
  • 雇用形態:非常勤講師
  • 期間: 3年(2015~2018年) 退職
  • 月収:9万円

今まで複数の日本語教育機関で働いてきましたが、今回は専門学校に併設されている日本語学校についてレポートしたいと思います。

歴史の長い学校で学生募集がしっかりとしているため、勉強熱心な学生が多かったです。初級は一つのクラスに漢字圏と非漢字圏の学生がバランスよく在籍していて、「日本語を使う」という意識が芽生えやすい環境でした。年間の授業時間数も多く、カリキュラムがゆったりしていたので学期中に4技能をしっかり指導することができました。

しかし中級になると、漢字圏と非漢字圏の学生で差が出始め、授業について来られなくなる学生がいました。漢字や読解などでつまずく学生がいても、特にフォロー体制もなく、ほぼエスカレーターで上級まで上がってしまうため、上級クラスに中級前半レベルの学生がいる、という状況がたびたび見られました。

上級クラスには進学希望ではない学生もいて、厳しく指導する必要がないので課題の評価などに神経を使いました。評価にダブルスタンダードをとることもあり、クラス管理の難しさを感じました。

上級クラスを担当した時は授業の準備も大変でした。初級、中級までは学校が作った教材があるのですが、上級になると時事ネタなどを扱うこともあり、授業の担当講師がカリキュラムを作成し教材を準備しました。

そのため休日も授業準備をすることが多く、なかなか休めませんでした。ただ、学生が熱心なので、学生たちの日本語力を上げる方法を考えるのが楽しかったです。

一方、テストや課題の採点に対し手当がなく、学生のテストの準備などもあり業務量と給与が見合っていないことに対し不満はありました。ただ、手当付きの教師研修が1年に何回かあり、特にグループ校全体の研修ではこれまで触れたことのないテーマが多かったので勉強になりました。教師研修の有無、待遇については学校を選ぶ際に非常に重要なポイントになると思いました。

他の教育機関と比較・検討しましたか?

家族ビザや定住者ビザを持っている外国人向けの日本語教育機関と比較・検討したことがあります。留学生とは違う日本語教育に興味がありましたが、労働時間が短く、学校よりも待遇が低かったので選びませんでした。

日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

留学生の中には、メンタルの問題を抱えている学生もいます。突然学校に来なくなったり、話さなくなったりする学生にどう対応したらいいか専門的な知識がないため難しいことがありました。

また、本人は努力しているのに文字が覚えられない、日本語が読めない、など、学習障害と思われる学生もいて、どのようなアプローチをしたらいいかわからず困ることがありました。

なぜこの日本語学校を退職しましたか?

非常勤講師は担任になることができませんでしたので、専任講師になって責任のある仕事をしたいと考え退職しました。

また、学校行事やコースデザイン、カリキュラムにも関わりたいと思いましたので、新規に開設された日本語学校を探し、専任講師として転職しました。

給与

給与:9万円/月 ・非常勤講師

非常勤の日本語講師の待遇は本当に厳しいです。授業の準備やテストの採点に時間がかかっても、コマ給しかもらえないため、時給換算すると300円ぐらいにしかならないこともあります。

また、災害による休校や長期休暇に給与保証はありません。長期休暇に短期の派遣の仕事をしたこともあります。

非常勤講師で1週間20コマ働いた場合でも、年収250万ぐらいにしかならず、自立は難しかったです。また、授業で使用するテキストを自分で購入しなければならず、書籍代もかさみます。せめてテキストぐらいは貸与してほしいと思います。

給与の詳細 情報を読む...

月収 9万円

  • 1コマ50分:2,200円

待遇

  • 交通費
  • 有給
  • 研修手当

勤務時間

  • 1日5コマ 週2日勤務
  • 残業 無給での時間外業務が1日1時間程度

長期休暇中の給与保証

  • 給与保証がない

仕事のかけもち

  • かけもちしていない

給与や待遇面でおすすめできる、国内のその他教育機関を教えて下さい。

大学の日本語学科や別科で日本語講師として働くのをお勧めします。大学で教えるには大学院修士以上の学位が必要で、学位は言語学か日本語教育学で取得するのが望ましいです。大学で専任以上になるには、学会などで研究を発表した実績が必要です。

授業形態・勤務スケジュール

クラス運営で大変だったことは?

学生の中には、授業の流れを気にせずに自分の質問に固執したり、関係のないことを突然話し始める学生もいます。その学生にかかりきりになると授業が止まってしまいますが、学生が消化不良なまま授業を受け続けるのもよくありません。

特に初級だと学生は疑問点についてうまく説明できませんので、何がわからなくて止まっているのかすばやくキャッチし、いろいろなアプローチをする、それでも納得しないようなら切り上げて休み時間に対応するなど、臨機応変に対応することが求められました。

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主なクラスの授業形態

  • クラス授業  1クラス18人

学習者層

  • 大学生
  • 社会人

学生の主な出身地

  • 中国
  • 台湾
  • 韓国
  • ベトナム

スケジュール管理で大変だったことは?

授業の準備に時間がかかる科目と、授業後に採点や評価などで時間がかかる科目とがあるので、一週間を通して時間を管理する必要があります。

小論文や作文の担当になると、課題の評価に時間がかかるため、次の日に授業が入っている場合はその授業の準備は週末にしておくなど、授業の準備をスケジューリングしておく必要がありました。

1週間のスケジュールを読む...

スケジュール

  • 月:1日、翌日の授業の準備
  • 火:9:00~15:30 中級クラス5コマ
  • 水:2時間ぐらい、前日の授業の残務処理
  • 木:1日、翌日の授業の準備
  • 金:9:00~15:30 上級クラス5コマ
  • 土:2時間ぐらい、前日の授業の残務処理
  • 日:5時間ぐらい、翌週の授業の準備

教案作りで参考にしているサイトは?

  • 日本語教師のN1et
    文法の授業で、例文や文法の説明の仕方を参考にしています。

教案作りで参考にしている書籍は?

就職活動

この日本語学校で働くきっかけ・決め手を教えて下さい。

日本語学校によって教材や教え方、ポリシー、待遇が違いますので、どのような学校か調べて勤務先を決めました。学校によっては明確なポリシーがなく学生のペースに合わせてその日にできるところまで教える、という所もあります。

その場合、引き継ぎ連絡を受けてから翌日の授業の準備をしますので、準備が大変で、そのような学校は避けたいと思っていました。

面接ではどのようなことを聞かれましたか?

今までの日本語教育の経歴と、使用していた教材、担当していたクラス、留学生の国籍、どのような教え方をしていたか、授業で気を付けていることはなにか、と言うことを聞かれました。

また、模擬授業についてどのような目的、意図で授業を計画したか説明を求められました。

模擬授業ではどのような課題が与えられましたか?

初級の可能形の課が模擬授業で割り当てられました。模擬授業では、可能形が使われる場面、機能を学生にわかりやすく提示できるように工夫しました。気を付けた点は、その学校でどのような教え方をしているのか調べておいて、なるべく学校のやり方に近づけて授業を組み立てました。

この日本語学校で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

母国で大学を卒業後、日本語学校で日本語を学び、日本で就職したいという学生が増えています。今後ビジネス日本語を教えることができる教員の需要が増えると思いますので、一般企業での就労経験やビジネス検定、キャリアコンサルタントの資格があると有利だと思います。

日本語教師の資質としては、多文化を受け入れることができる柔軟さが必要だと思います。

就職活動で参考にしたウェブサイトは?

  • 日本語教師の集い
    日本語教師の求人の情報量が多い。時々学校事務の求人情報も掲載される。
  • 日本語教育学会
    大学や国際交流基金など、修士課程以上の学位を持っている教師向けの求人情報が掲載されている。
  • 日本語オンライン
    勤務地別に求人情報が掲載されていて、検索しやすい。

その他就職活動で有効な手段は?

  • 自治体が発行する情報誌
    小学校の日本語補助教員の求人が掲載されている。(小学校教員の免許が必要なことが多い)

就職 教育機関選びで特に重視した点

  • 使用されている教授法
  • 給与・待遇
  • 通勤時間

応募時に必要とされた資格

  • 日本語教師養成講座420時間修了
  • 日本語教育能力検定試験合格

就職 選考方法

  • 書類
  • 面接
  • 筆記試験

日本語教師全般に関する質問

どうして日本語教師を目指しましたか?

海外旅行が趣味で、アジアを周遊していた時に日本語を勉強している方に何人も会いました。地方の小さな町にも日本語を身につけていい仕事につきたいと考えている方がいて、そういう方たちの役に立ちたいと思い日本語教師を目指しました。

日本語教師をやってよかった!どんな時に実感?

日本語が全く話せはなかった学生の成長をみると、この仕事をしていて良かったと感じます。初級クラスの時は教師と学生という上下関係が強いのですが、中級・上級になるにつれ学生も言いたいことが言えるようになり、こちらにアドバイスをくれるようにもなります。

私は学期末に疲れが出て体調を崩しがちになるのですが、「先生はいつもそうなんだから、体を大事にして下さい」と言われたときは、気にしてくれているんだなと、嬉しく思いました。

学生のみなさんへ 進路のアドバイスはありますか?

大学で日本語教育を専攻していないようだったら、大学在学中に日本語教師養成講座に通って、本当に自分にできるかどうか、収入面も含めて考えたほうがいいと答えます。

理想と現実のギャップが激しい職業ですので、現役の教師の実情を知って、就職後続けられるかどうか真剣に考えたほうがいいと思います。

社会人のみなさんへ 進路のアドバイスはありますか?

日本語教育業界は情勢によって急激に縮小することがあります。今はコロナ禍でビザの発給が停止されており外国人留学生が来日できず、教師が余っている状態です。

そのような時に未経験で日本語教師一本でやっていくのはリスクが高すぎるため、仕事を続けながら日本語教師養成講座に通った後、副業として日本語教師を始めるのがいいと思います。

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