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日本国内 日本語教師経験談
国内 日本語学校 新設校はハード!でも、可能性無限大!
もふもふさん・ 34歳・ 女性 👩 ・ 日本語教師歴 8年
総評
- 国内の日本語学校
- 雇用形態:専任講師 *正規雇用
- 期間: 3年(2017~2020年) 現在も勤務中
- 月収:22万円
地元にある新設の日本語学校で勤務してます。
元々は都会の日本語学校に勤めていましたが、地元に日本語学校ができると知り、将来のことも考えてUターンしました。都会で1人暮らしをしながら専任の日本語教師の給料だけで生活していくのには金銭的に限界を感じていたからです。
正直、専任の日本語教師の給料は満足の行く額でない学校がほとんどです。経験を積むためにやる職種だと思っています。そのような背景があるため、家族のサポートを受けつつ、安定、安心して好きな仕事に集中できる環境を手に入れることができ、今でもこの転職の話には感謝しています。
実家やパートナーと一緒に生活できるのであれば、日本語学校の専任教師としての給料でも何とかやっていけると思います。この点はこれから日本語教師を目指される方はぜひ参考にして頂きたいです。
新設の日本語学校に勤めるということで、今までの日本語教師の経験を活かして理想の学校を作るという経験ができました。
それまでに勤務した学校では、学校の規模が大きかったり、歴史ある学校だったりして、役職のない教師の意見など通らないため、学生に本当に合った授業や教材を提供できず、歯がゆい思いをしてきました。
しかし、現在の学校は学生定員100名程度、教員も10名弱と小規模であるため、自分の意見を反映させてもらえる環境です。
ただし、学生にぴったり合った授業や教材を提供するために、オリジナルの教材を作ったり、行事の計画を立てたりと、今までは「例年通り」で済んでいたものを全くのゼロから作り上げていかなくてはならず、サービス残業の量は半端ではありまん。
それについてはこの3年の中でいちばん辛いことでしたが、この3年間、教師としての引き出しが増え、教師としてかなり成長できたと思います。少し経験を積んだら、新設校でゼロからいろいろ作り上げていく経験をしてみるのも悪くないと思います。
他の教育機関と比較・検討しましたか?
地元に初めてできる日本語学校だったので、比較・検討する日本語学校はありませんでした。
田舎にある地元で比較・検討するとすれば、大学の非常勤講師や技能実習生への日本語教育を行なう非常勤の日本語教師の職ですが、私としてはあくまでも正社員として安定した状態で日本語教師を続けたいという思いが強かったので、現在の勤務先に決めました。
日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?
小規模で田舎の学校ゆえに日本語の勉強とは直接関係のないプライベートなことまで世話をしなければならない点が辛いです。
地域の方や学生のアルバイト先の方も外国人とのコミュニケーションに慣れておらず、トラブルになったり、相談されたりすることが増えました。
都会で働いていた時は学生たちの同国のコミュニティの先輩が解決していたようなことも、教師が間に入ってあげなければなりません。このようなトラブルにあわないように、授業では対処方法を教えています。当然、このような授業は初めてで、戸惑いながら準備をしています。
給与
基本給に残業代が込みになっているのが本当に納得できません。みなし残業20時間分が基本給の中に含まれているのですが、それを引くと、私の専任教師としての職務の専門性に対する評価額は17万程度です。正直低いです。
基本給に残業代が含まれていることは入社後に知りました。これなら、残業代なしで職務に対する評価額を22万としてもらいたいと思っています。
残業代が出ない日本語学校は多く、入社前、その点は諦めていました。その代わり、職務に対する評価額は地方の割に高くしてくれていると感心しました。
しかし、入社してから、この現実を知り、モチベーションは低下しました。実家暮らしなので、この額でも十分に貯金できるため、我慢できていますが、新設校で残業時間がかなり長く、残業代を40時間分ぐらいまで引き上げてもらいたいところです。安い金額で使われているという気持ちが年々強まってきています。
給与の詳細 情報を読む...
月収 22万円
- 基本給:22万円
待遇
- 交通費
- 有給
- 雇用保険・労災保険
- 社会保険
- 健康診断
- 残業代
勤務時間
- 1日8時間 週5日勤務
- 残業 1ヶ月合計50時間
長期休暇中の給与保証
- 勤務している教育機関で給与が発生する仕事がある
仕事のかけもち
- かけもちしていない
授業形態・勤務スケジュール
クラス運営で大変だったことは?
新設校で新たなことにどんどんチャレンジできる環境なのはいいのですが、今までの日本語教師経験にはなかった、ICT教育の領域に足を踏み入れた時は大変でした。
前任校までは、添付の写真にあるように、非常にアナログな教え方をしていました。手作りの手書き教材を大量に作り、マグネットでホワイトボードに貼り付けて授業中の時間短縮を図っていました。
現在の学校では、基本的にパワーポイントで授業をして行こうという方針だったので、初めてそれを聞いたときは絶望的な気持ちになりました。
それまでパワーポイントなど使ったことがなく、はじめは授業準備に何時間もかかってしまい、本当に辛かったです。
しかし、パワーポイントでの授業に慣れるに連れ、ICTを取り入れると、教室内でできることが各段に増え、充実した授業ができることに気づかされました。
パワーポイントにアニメーションをつけたり、動画やインターネットの画面を実際に見せることで、リアルに日本語や日本文化を感じさせることができました。諦めずにパワーポイントを作り続けて、本当によったです。
受け持ちのクラスの詳細を読む...
主なクラスの授業形態
- クラス授業 1クラス15~20人
学習者層
- 10~30代の留学生
- 地域に住む定住者ビザや配偶者ビザの外国人
学生の主な出身地
- 中国
- 台湾
- 韓国
- ベトナム
スケジュール管理で大変だったことは?
基本的に人不足のため、1週間の稼働時間のうち半分は授業に取られています。そんな中、非常勤の先生に休まれてしまい、急に代講が入った時はいつも大変です。
急に代講が入ることを常に念頭に置き、自分の担当授業の準備は余裕を持って終わらせておくようなスケジュール管理が必要です。
そのため、常に授業準備に追われ、準備間に合わなかったらどうしよう…という恐怖との戦いです。しかし、忙しいからこそ、効率的に仕事ができるよう、優先順位をつけて計画を立てる癖がついたと思います。
1週間のスケジュールを読む...
スケジュール
- 月~金:
8:45~12:50 午前4コマ(1コマ50分)中2~3コマの授業担当(中級クラス)
午前空きコマ 回収した宿題チェック、授業準備、テスト採点、作文採点、時間割作成、文房具発注等の授業以外の事務仕事
13:25~17:15 午後4コマ中2~3コマ(1コマ50分)の授業担当(初級クラス)
午後空きコマ 回収した宿題チェック、授業準備、テスト採点、作文採点、時間割作成、文房具発注等の授業以外の事務仕事
午前クラスの学生の進路指導指導面談(進路を決めなければならない学生のクラスは午前に設定しているため) - 土・日:土日どちらかは必ず1日何も仕事をしない日を設けて休むようにしていましたが、残り1日はほぼ1日中授業準備や作文の添削、テストの採点、時間割作成に追われていました。
教案作りで参考にしているサイトは?
- 『小学校で学習する文字のPower Pointスライド』
漢字の書き順がアニメーションで見せられます。コロナ対策でオンライン授業をするようになってから、手書きで書き順が見せられなくなったため、このサイトで代用しています。 無料でPPTをダウンロードでき、それを自作のPPTと合体させればいいだけです。慣れないオンライン授業の準備を短縮でき、かなりおすすめです。 - 『日本語教育のためのイラスト教材』
導入や学生に例文作りをさせるときに見せる絵が豊富です。わかりやすく、おもしろいシチュエーションのも多く、授業を活気あるものにするのにかなり役立ちます。フリーで使用できるので、絵が苦手な私には大助かりのサイトです。
教案作りで参考にしている書籍は?
- 『どんなときどう使う 日本語表現文型辞典』
対象:全レベル
各文型の意味、例文、類似文型を調べられます。 - 『ベネッセ表現読解国語辞典 』
対象:全レベル
語彙の意味、類義語対義語を調べられます。他の国語辞典より語彙の解説文が易しく、理解しやすいです。
就職活動
この日本語学校で働くきっかけ・決め手を教えて下さい。
帰省した際、たまたま会った地元の友人が、学校の設立者の方と仕事の取引があって、日本語教師を募集しているらしいと言っていたよと教えてくれたのがきっかけです。そのまま設立者の方を紹介してもらい、履歴書送付後に面接をして頂き、難なく内定をいただきました。
面接で何を聞かれましたか?
学校を設立された社長との面接では、Uターンすることになるので、地元へ戻ってからの生活環境をどのように整えるつもりか(実家から通うのか、一人暮らしをするのか等)の確認や、都会で今勤めている学校は翌年3月で退職可能かどうかという確認から始まり、日本語教師以外の職歴もあったので、今までの職歴についても聞かれました。
校長と主任との面接では、事前に提出を求められた教案について質問されたり、今までの日本語教師としての経験(使用教科書や経験した授業の科目等)を聞かれました。
この日本語学校で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?
英語が話せれば、役に立つと思います。とくに、ほぼゼロ初級で来日した学生に事務連絡をする時、楽です。これは他の言語にもあてはまります。
ただし、少し日本語が話せるようになってきたら、学生と英語(またはその他言語)で会話することはやめるべきです。少しでも日本語を話させる機会をこちらから増やしていかないと、学生の日本語はいつまでたっても上達しません。
以上のことから、日本語以外の言語は必要最低限話せれば、来日して間もない頃の関係作りに役立つと言えると思います。
就職活動で参考にしたウェブサイトは?
-
『 日本村』
国内外の日本語教師の求人が見られます。とくに国内の求人は数が充実していると思います。見やすいレイアウトで探しやすいです。 -
『 日本語オンライン』
国内外の日本語教師の求人が見られます。とくに国内の求人は数が充実していると思います。見やすさはいまいちな気がします。
その他就職活動で有効な手段は?
-
ハローワーク
田舎の企業であれば、必ずハローワークに求人を出すので、地方の日本語学校も例外ではありません。U・Iターン狙いの学校も多いので、掲載されている確率は高いです。
就職 教育機関選びで特に重視した点
- 学校の規模
- 給与・待遇
- 通勤時間
応募時に必要とされた資格
- 日本語教師養成講座420時間修了
- 日本語教育能力検定試験合格
就職 選考方法
- 書類
- 面接
日本語教師全般に関する質問
どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?
大学では英語専攻でしたが、ビジネスで使えるまでには上達しませんでした。しかし、外国人と関わる仕事がしたいという思いは消えませんでした。そんな時、学内の留学生や自分が語学留学に行った先の大学生に日本語を教える機会がありました。これがきっかけとなり、日本語教師を目指すことになりました。
しかし、大学外の学校へ通いなおし資格を取らなければならないこと、日本語教師の金銭的な待遇が悪いという事実を知り、一旦は諦め、一般企業に就職しました。
就職後、貯金も貯まり、やはり日本語教師がやってみたいという気持ちも強くなったため、退職し、養成講座に通い始めました。そして、今に至ります。
「日本語教師をやってよかった!」どのような時に実感しますか?
時には厳しい指導もするのですが、それを真摯に受け止めて、改善し、上達していく学生の姿を見ると、本当にうれしく、日本語教師をやっていてよかったと思えます。
「いちばん厳しいけど、いちばん優しい先生」とか、「厳しいけど絶対◯◯先生がいい」と言ってもらえることが年々増えてきて、自分のやり方は間違っていないんだと自信になります。
「自分の仕事は学生に好かれることではない、学生の日本語を上達させることだ」という信念を持ってこの8年間この仕事に取り組んで来ましたが、この思いが学生に伝わり、学生もJLPTや大学・専門学校の合格など結果で返してくれるので、本当にやりがいのある職業だと感じます。
日本語教師を辞めたいと思ったことはありますか?
本当に日本語教育が必要な人に日本語を教えられていないという現実にぶち当たった時、辞めたくなります。
日本語学校に入学する留学生の中で、東南アジアの学生の多くは出稼ぎ目的であることが多いです。経営側もそれを承知で、収入確保のために彼らを連れて来ます。
日本にいられるだけいて、お金を稼ぐことが目的なので、日本語の上達は二の次。そのため、クラス内でも他の学生の足を引っ張り、授業崩壊の原因になってしまうことが多々あります。
学生が子どもならまだ我慢できますが、いい大人がこのような授業態度では、私一体何やってるんだろうと思ってしまい、辞めたくなります。
その一方、本当に日本語教育を必要としている定住外国人(子ども・配偶者ビザの方等)にとって、日本語学校の学費は高額で、しかも週5日も通えないのが現状です。
このような現実を目の当たりにすると、もういっそこの仕事や業界から目を背けたくなってしまいます。
学生のみなさんへ 進路のアドバイスはありますか?
まずは一般企業で普通の会社員の経験を積むべきです。その後、養成講座に通い、日本語教師としてスタートを切るのがベストだと思います。
大変残念な話ですが、日本語教育業界は一般的なビジネスシーンとはかけ離れた狭い世界です。日本語教師はビジネス日本語や日本の会社組織の文化について教えることもあるので、その際に他の業種について知っているとかなり強みになります。
日本語を勉強したい外国人は、将来的にビジネスシーンに出て行きたい人が多いです。そのため、実際のビジネスシーンで使われる表現や、大事にされている考え方を知っているか否かで仕事のしやすさが各段に変わると私は思っています。新卒じゃない方が日本語教師を長く続けていくには有利だと思います。
社会人のみなさんへ 進路のアドバイスはありますか?
社会人として企業で3~5年経験を積み、貯金もある程度貯まったのであれば、養成講座に申し込み、日本語教師としてスタートする準備を始めればいいと思います。
日本語教師はビジネスシーンで使う表現も教えるので、他業種の会社員経験は絶対あったほうが有利です。
ただし、日本語教師を目指すに当たり、日本語教師になれたとしても、基本的には非常勤講師からのスタートがほとんどなので、生活は楽ではないという覚悟だけはしたほうがいいです。
逆に、非常勤講師と他業種を掛け持ちする複業の形態での働き方を目指すと、前向きな気持ちで日本語教師の道に進んで行けるのではないかと思います。
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