掲載日:
日本国内 日本語教師経験談
国内 日本語学校 何よりも学生との信頼関係が重要
myzyaさん・ 35歳・ 男性 🧑 ・ 日本語教師歴 2.8年
総評
- 国内の日本語学校
- 雇用形態:非常勤講師
- 期間: 3年(2017~2020年) 現在も勤務中
- 月収:20万円
現在、私は非常勤の日本語教師として、年間約800人規模の学生を抱える都内の民間学校(以下、本校)に勤務しています。
日本語教師として勤務することになったきっかけは、自分が日本語を外国語として学びたかったことと、これまでも大学生などを対象に、教育に関わってきたので、同じような分野で働きたいと思っていたことが関係しています。
本校で私が担当する学生は、上級のクラス(午前午後で20クラス以上あります)であることが多く、授業には真面目に取り組み、積極的に質問をしてくる学生が多いです。ですが、休み時間になれば、年相応に恋愛やゲームの話などに花を咲かせる一面も持っています。
私は主に上級クラスで大学受験用の読解を任されているのですが、学生の国にも同じような用語があると、それとこの日本の言葉はどう違うのかなど、日本人の学生とは異なった視点からの質問があり、興味深いです。そのような質問は、日本の学生とはまた違った意味で勉強になります。
教師として努力していることは、学生と信頼関係を築くことです。そのために、まずは学生の名前をできるだけ早く覚えられるよう、呼ぶときはフルネームに「さんづけ」で事あるごとに呼ぶようにしています。休み時間もできるだけクラスに残り、学生との雑談や、質問に答えるようにしています。
その結果、学生は先生が自分のことを覚えてくれていると喜んでくれ、休み時間なども積極的に話しかけてくれるようになり、学生との信頼関係が築きやすくなると思います。
他の職種に比べ、30代の男性が日本語教師だけで生活をしていくとなると、給料や待遇などの面から難しいと思います。同じ職場には男性の教員も幾人かいますが、みなさんも掛け持ちをしています。
授業準備は、時間を決めないと無限にできてしまうので、「ここまでは最低準備しておく」と決めたら、それ以上は時間を費やさずに休日を確保しようとし、行動することが大事だと思います。
他の教育機関と比較・検討しましたか?
他の学校と本学の比較や検討は行いました。日本語教師として最初の就職先を選ぶ際に、私が重視したのは、大学院に進学する学生や上位大学を希望する学生を教えたい、そして出来れば読解の授業を持ちたいということでした。ですので、なるべく進学実績のある学校を選びました。
日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?
日本語が比較的自由に使えるネイティヴの学生とは異なり、留学生は慣用句や日本語の教科書から外れやすい口語的な表現などを知らないことが多々あり、最初は戸惑いましたが同時に興味深く聞きました。
例えば、前者は、うまい冗談ばかり言う学生に「◯◯さんは口から先に生まれたんですかね」と言った時に通じなかった経験や、教科書で習う「私」以外の一人称を上級の学生に聞かれた時に驚いた時などです。
給与
他の職種に比べ、30代の男性が日本語教師だけで生活をしていくとなると、給料や待遇などの面から難しいと思います。
専任教師になれば、非常勤にはない有給や有償、社会保険なども付きますが、専任が受け持つ労働時間に対して基本給が低いことや、業務の内容に雑務が増え、授業のコマが減ることが大きな理由です。
同じ職場には男性の教員も幾人かいますが、みなさん掛け持ちをしたり、共働きであったりしています。
私個人のことで言えば、上記の掛け持ちや共働きであることもあり、現在の生活に特に不自由はなく、好きなものを買え、休日や連休には自由に出かけたりできています。
*クラスの長期休暇中の給与保証について補足:10日間程度ある学期間の区間休みは支給されないですが、休暇の理由によっては給料の6割が補償されます。
給与の詳細 情報を読む...
月収 20万円
- 時給:2,700円
- 交通費:1勤務で往復1,300円
- 授業前ミーティング 約10分:190円
待遇
- 交通費
- 雇用保険・労災保険
- 年間昇給
- 授業前ミーティング代
- 全体ミーティング代
- 勉強会代
勤務時間
- 1日3.5時間 or 7時間 週3~4日勤務
- 残業 1ヶ月合計3~5時間
長期休暇中の給与保証
- 一部補填される場合がある
仕事のかけもち
- 日本語教師以外の副業に就いている
給与や待遇面でおすすめできる、国内のその他教育機関を教えて下さい。
大学院における修士以上の学位を持っているのであれば、大学の非常勤をおすすめします。
非常勤であれば、言語学や日本語教育以外の分野であっても採用されますし、またその後に大学の専任講師の道に繋げられる可能性もでてきます。
授業形態・勤務スケジュール
クラス運営で大変だったことは?
何度も進級に失敗してしまって学習意欲を失ってしまった学生(1クラス12人ほど)に対する授業は、始めはタスクさえ手につけてくれなかったので大変でした。
授業中に寝てしまう、ワイヤレスイヤホンで隠れて音楽を聞き始めてしまうなど、これまではなかった事態に戸惑いました。
ですが、私が学生の名前を覚え、その人の好きなことや趣味の話を毎回聞くなかで、だんだんと学生が心を許してくれ、ちょっとずつではありますが、学生が私を信頼してくれ始めた時には本当に嬉しかったし、今までの苦労を忘れてしまうほどでした。
受け持ちのクラスの詳細を読む...
主なクラスの授業形態
- クラス授業 1クラス20人
学習者層
- 高校生
- 大学生
学生の主な出身地
- 中国
- 台湾
スケジュール管理で大変だったことは?
特にありません。
3コマに対する授業準備なども時間としても1時間くらいですみ、特に苦労したことはありません。
大学院に進学した経験によって、事前に何かをする準備をする習慣ができ、その時以降では、事前の準備に抵抗がなかったためと考えられます。
1週間のスケジュールを読む...
スケジュール
- 月:9:00~12:30 上級クラス 3コマ
- 火:13:00~18:00 大学の授業相談業務
- 水:9:00~16:30 上級クラス 6コマ
- 木:9:00~15:00 大学の授業相談業務
- 金:9:00~16:30 上級クラス 6コマ
- 土・日:休日
教案作りで参考にしているサイトは?
- 『webjapanese 日本語教育 日本語教育を考える』
日本語教育論や日本語教師の置かれた状況、個人事業主としてのあり方など様々なトピックに触れているので、駆け出しの頃にずいぶん参考にしました。
教案作りで参考にしている書籍は?
- 『初級日本語文法と教え方のポイント』
対象:初級
初級で担当の課を教える時にこれだけはやってはいけない間違いや、学生からこのような質問がくるということが書いてあり、参考になりました。
就職活動
この日本語学校で働くきっかけ・決め手を教えて下さい。
大学院生や上位校を狙う学生も受け持っている学校であったことで、大学院を出た人物を優先的に採用していたためと思われます。
また読解の授業を教えた経験があったことや、教育関係の仕事の経験があったことを重視されたのではないかと思われます。
面接で何を聞かれましたか?
「日本語教師はあなたがこれまで就いてきた仕事と若干異なる職種のように思えますが、なぜこの職種を選んだのですか。前の仕事との接点や差異はどんなところにありますか」など、前職との違いや同じ点など、あるいは「今までの仕事を今回の仕事にどのように活かせますか」など、今回の職場で自分が何ができるかを聞かれました。
模擬授業ではどのような課題が与えられましたか?
授受表現「くれる」「あげる」「もらう」の使いわけを模擬授業の課題にされました。
わかりやすいプレゼントの実物を使って、それぞれの用法の説明しながら、学生役の先生が誤用した際には、その時に使い分けを説明しました。初級の学生は、使える言葉が限られるため、混乱しやすいので、間違った時に伝えるのが効果的だと思ったためです。
この日本語学校で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?
私の場合は大学院における修士以上の学位が、採用の際の基準や、そのあとに任される授業をも左右したので、修士以上の学位が強みになったと思います。
また留学した経験や第二言語や第三言語が使えることは学生からも親近感を抱かれやすいので、おすすめです。
就職活動で参考にしたウェブサイトは?
就職 教育機関選びで特に重視した点
- 必須資格
- 学校の規模
- 給与・待遇
応募時に必要とされた資格
- 日本語教師養成講座420時間修了
- 大学院修了者優先
就職 選考方法
- 書類
- 面接
- 模擬授業
日本語教師全般に関する質問
どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?
前職でも教員関係の仕事についていたので、その経験を生かした仕事がしたかったためです。
また、私はそもそも外国の文化を感じることや他の言語を勉強するのが好きだったので、そのような環境に身を置きたかったため、日本語教師になろうと思いました。
「日本語教師をやってよかった!」どのような時に実感しますか?
学生と自分の間に大きなギャップを感じた時に、なぜそのような違いが生じるのか、とても興味深くて理由を知りたくなってしまいます。
月並みですが、卒業式の時にLINEの交換やお礼の言葉を言われた時には、とても感慨深くなってしまいます。
学生のみなさんへ 進路のアドバイスはありますか?
日本語教師になること自体が目標であれば、大学の副専攻や専攻で日本語教育や言語学を選ぶと、卒業後などに特に何かを学び直すことなく、日本語教師になれるでしょう。
社会人のみなさんへ 進路のアドバイスはありますか?
時間にある程度、余裕があるのであれば、日本語教師養成講座の受講をおすすめします。授業は大学の概要くらいのレベルなので、授業全体に対する予習などは特に必要無いと思います。
当サイト人気スクール 420時間養成講座
- 1位
-
ヒューマンアカデミー
最大手で人気No1!
無料説明会もオンライン対応 講座の40%が実技授業- 北海道から沖縄まで全国23校舎
- 授業は理論科目がオンライン
- 自分のペースでじっくり理論を勉強した後、通学で実践科目が学べる
- 開講3ヶ月前には満席になるクラスも
- ママと学生は最大28,620円割引
→ ヒューマンアカデミーの資料請求はこちら
- 2位
-
KEC日本語学院
1人50回以上の演習が出来る
- 理論より演習に重きを置いた講義
- 教案作成など演習の準備は大変だが指導技術を数多く学べる
- 6教室 新宿1校/他関西5校
- 3位
-
アルファ国際学院
充実の教育実習80時間
- 経験豊富な一流の専門家講師陣
- フレキシブルな受講スタイルで単位取得可
- 5教室 東京/大阪 他