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日本国内 日本語教師経験談

国内 専門学校 現実とのギャップ。でも喜びはひとしお

cacao72さん・ 27歳・ 女性 👩 ・ 日本語教師歴 4.5年

総評

  • 国内の専門学校
  • 雇用形態:専任講師 *正規雇用
  • 期間: 3年(2016~2019年) 現在も勤務中
  • 月収:20万円

日本と海外どちらの日本語教育機関でも、日本語教師として日本語を教えた経験がありますが、2つは全く違うものです。国内の日本語教育機関は、日本語の授業はもちろん、それ以外に学生の進路指導、授業態度の指導、アルバイトの指導、寮生活での指導など授業以外にかなり時間を割かれます。

日本語教師になりたてで、初めてこれを経験する先生はたいてい「日本語を教えたくて日本語教師になったのに」と現実とのギャップに挫折してしまいます。私も初めは挫けそうになりました。

しかし、私の勤めている学校は、日本での就職を目指す学生ばかりなので、日本に来た頃から日本語を教えて一生懸命進路指導、就職面接の練習をした学生が内定をもらったときの喜びは海外の日本語学校では味わえないものでした。

また、海外の日本語学校では生活するのがやっとで、貯金などする余裕はありませんでしたが、こちらでは人並の給料はいただいているので生活は少し楽になりました。

他の教育機関と比較・検討しましたか?

もともと日本語教育機関が少ない地域だったので、求人が出ていたのは2校しかありませんでした。そのうち、一つは専任、もう一つは非常勤での募集でした。専任の方が生活の基盤が安定するし、身を固めたかったので専任を募集していた今の学校に応募しました。

日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

私の学校に来る学生はアジア圏からの留学生が多く、その中でも日本より物価が安い国から来る学生が多いです。

そのため、来日する前、来日してすぐは日本語の勉強に意欲的な学生も日本でのアルバイトを経験し、給料をもらうと、その給料の高さからアルバイトに励むようになってしまいます。その結果、授業中は寝ていたり、宿題をやってこなかったりしてその学生の指導は大変でした。

給与

給与:20万円/月 ・専任講師 *正規雇用

基本給は、日本語教師としては普通くらいの給料をいただいているのではないかと思います。ボーナスもあるので貯金もでき、生活ができないほど苦しくなったことはありません。

授業期間中は毎日授業があるので休むことはできませんが、夏休みなどの長期休暇期間には1週間ほど有給で休むことができます。

ただ、毎日の業務である授業準備や採点は、就労時間内には終わらないのでサービス残業をしています。残業代が出ないことに納得はできませんが、凝り始めると終わりがないので自分のキリのいいところでやめるようにしています。

給与の詳細 情報を読む...

月収 20万円

  • 基本給:20万円

待遇

  • 交通費
  • 有給
  • 雇用保険・労災保険
  • 賞与 年3ヶ月分
  • 健康診断
  • 年間昇給
  • 残業代

勤務時間

  • 1日8時間 週5日勤務
  • 残業 1ヶ月合計45時間

長期休暇中の給与保証

  • 勤務している教育機関で給与が発生する仕事がある

仕事のかけもち

  • かけもちしていない

授業形態・勤務スケジュール

クラス運営で大変だったことは?

専門課程なので、大学などと同じように1クラス40人ほどいるクラスもありました。日本語のクラスで40人いると全員に目を配り続けるのは難しく、席の後ろの方に座っている学生にどうやって授業に集中させるかで大変苦労しました。

そこで、授業内容はすべてパワーポイント化し、スライドも印刷して配りました。そうすることで授業の全体の内容を把握でき、学生はポイントだけ書き込み、他の時間は顔を上げて教員の話を聞くようになりました。

また、採点は相互採点とするなど人数が多いことがデメリットにならないよう工夫しました。

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主なクラスの授業形態

  • クラス授業  1クラス20~40人

学習者層

  • 大学生
  • 社会人

学生の主な出身地

  • ベトナム

スケジュール管理で大変だったことは?

授業以外の空き時間は、面談や進路指導に追われて十分に授業準備や採点などの時間を取ることができなかったので、できるだけその授業のことはその授業の時間内に終わらせるようにしていました。

例えば、作文の添削は学生同士で評価しあったあと、私はコメントはつけずにルーブリック評価をして返却することによって効率化を図りました。

1週間のスケジュールを読む...

スケジュール

  • 月~金:9:00~12:30 上級クラスを4コマ
    午後:進路指導、面談、授業準備等
  • 土・日:休日に取り組んだ仕事:授業準備や学校行事の準備などをしていました

教案作りで参考にしているサイトは?

  • いらすとや
    授業で使うパワーポイントやプリントに使いました。語彙の説明や文法の導入あどに役に立ちました。

教案作りで参考にしている書籍は?

  • みんなの日本語初級I 第2版 教え方の手引き 対象:初級
    文法の導入方法の確認 練習問題の使い方の確認 導入するときのポイントや注意点の確認。
  • 初級を教える人のための日本語文法ハンドブック 対象:初級
    文法を教える時は必ずこの本で自分の作った例文が正しいかチェックします。また学生から類似表現の使い方の質問があったときも、間違った答えをしないようにあらかじめ質問内容を予測しておいてこの本で調べておいたりと、とにかく重宝します。中上級バージョンもあるので初級が終わった学生のクラスの授業にはそちらを参考書籍として使います。

就職活動

この専門学校で働くきっかけ・決め手を教えて下さい。

海外の学校での勤務を終え、日本に帰国した際、私の住んでいる地域で求人を募集していた学校が2つしかなく、そのうち専任で募集していたのは現在働いている学校だったので応募しました。履歴書と日本語教育経歴書を送り、その後面接を受け無事に採用されました。

面接で何を聞かれましたか?

基本的な情報の他に、前に働いていた学校ではどんな教え方をしていたか、チームティーチングの経験はあるか、それの難しさはどこにあると思うかなどを聞かれました。また、将来的に日本語教師としてどんなキャリアプランを考えているかについても聞かれました。

この専門学校で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

私の勤務している学校では資格などを持っていても手当が出るわけでもないので特に必要だと思いませんでした。日本語教師の資質としては、人前に出ることが好き、大きな声で話ができる、人を自分の話に引き込むための努力を惜しまない、ルーティン作業にしない向上心があるなどが必要だと思います。

就職活動で参考にしたウェブサイトは?

  • 日本村
    都道府県別に求人載っている。海外の求人情報も国別に載っているので探しやすい。
  • 日本語オンライン
    地方別に求人が載っている。表になっていて見やすい。

就職 教育機関選びで特に重視した点

  • 給与・待遇
  • 通勤時間

応募時に必要とされた資格

  • 日本語教師養成講座420時間修了
  • 日本語教育能力検定試験合格
  • 大学 日本語教育主・副専攻
  • 上記のいずれか一つ以上該当

就職 選考方法

  • 書類
  • 面接

日本語教師全般に関する質問

どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

昔から漠然と海外に住みたいという夢がありました。高校生のとき、海外でできる仕事を考えたとき、日本語教師という職業があることを知りました。そのため、日本語教師になるための勉強ができる大学を選び、進学しました。

「日本語教師をやってよかった!」どのような時に実感しますか?

日本に来たばかりの頃からずっと教えていた学生が、日本で内定をもらい目標を達成したときです。一緒に喜びを分かちあえ、自分自身も達成感があります。また、学生が「先生のおかげです。ありがとうございます」と素直に伝えてくれるところも可愛くて、日本語教師をやってよかったと思う瞬間です。

学生のみなさんへ 進路のアドバイスはありますか?

まだ、大学に入る前なら、ぜひ日本語教師養成のコースがある大学で専門的に日本語教育を学んでほしいです。大学では、模擬授業の機会なども多く指導も細かくしてくれるはずなので実践的で身のある学びができると思います。

社会人のみなさんへ 進路のアドバイスはありますか?

日本語教育能力検定試験に合格するだけでは、教える技術も身につかないし、自信も持てないと思います。なので、模擬授業をたくさんしている評判のいい養成講座を探して講座を受けるのが日本語教師になるための一番の近道だと思います。

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