元日本語教師による
日本語教師の実態レポート

日本語教師になるにはどうすればいいの?資格はいるの?どんな風に教えるの?
具体的な経験を交えながら、教師の仕事について
"元教師"が実態をお伝えします。

日本語教師 経験談 国内の日本語学校

「やっててよかった」と感じさせてくれる職業

公開:2020/02/21

ひぃろ(女性・40歳) 
日本語教師歴 3.5年 (2016年~2019年) 
*現在も日本語教師として就労中
資格・課程 日本語教師養成講座420時間(千駄ヶ谷日本語教育研究所)
日本語学校での
経験詳細
  • 月収:15万円
  • 非常勤講師(コマ/時間勤務)
  • 2年(2017年~2019年)

日本語教師としての資格は持っていましたが、事務員として日本語学校で働き始めたのがきっかけです。その後、教師としても働いて欲しいという依頼を受け、非常勤としても働き始めました。

学生の質はバラバラでしたが、比較的質の高い学生が集まっていました。なので、授業中は学生からの質問も飛び交い、活発的な授業が行えたと思います。ですので、教師の授業準備がとても大変でした。

「この文法を導入すると、こういう質問が出てくるだろう」「以前勉強した文法と比較させよう」「この文法は難しいから、たくさん例文を作って提示しよう。多分学生はこう間違えるから、なぜこの文ではダメなのか説明しよう」など、いろいろ考えることがありました。授業準備は全て就業時間外だったので、慣れない頃は睡眠時間を削って教案作成をしていました。

休日は土日祝が休みで、休日出勤などはありませんでしたし、定時に帰らないと社員の方から「大丈夫ですか?」と仕事量を心配していただけることもあったので、無理な残業はありませんでした。ただ、「定時までに終わらさなければ」という緊張感を常に持って仕事をしていました。

給与面は、非常勤+事務員という形態だったので毎月ある程度の収入は確保されていましたが、就業時間外の授業準備や普段の仕事量を考えると少ないと感じました。また、冬休みやテスト期間で授業日数が減ると時給も下がるので、月によって2〜3万ほど減る時期も年に2〜3回ありました。

教師の育成については授業見学がいつでもできるのと、会話試験や教材作成に非常勤も関わることができたので、教師としてのスキルは上がりました。

また、自分の授業も常勤の先生が見学してくれてフィードバックをもらえるので、自分には何が足りないのかがすぐわかり、次の授業で対応することができました。教師のやる気があればどんどん成長ができる環境だったと思います。

Q:他の教育機関と比較・検討しましたか?

留学生に日本語を教える機関は日本語学校しか知らなかったので、特に他の教育機関とは比較しませんでした。ボランティアも考えましたが、実際にボランティア教室に参加して、自分が教えたいスタイルではなかったのでやめました。

Q:日本語教師として苦労した事、戸惑った事はありますか?

生活面で日本では非常識でも、学生にとっては普通のことということがあり納得してもらうまでに時間がかかりました。(自転車を決められたとこ以外に止める、ゴミを平気で道に捨てる、食べ歩きなど)「他の日本人もしている」と言われたときにはなんと返せばいいか迷いました。

学生のレベルの違いで授業が思ったように進まなかったことが何度もありました。また、できる学生から「あの人とはペアになりたくない」と意見があったときは対応に困りました。自分と意見が違う人とも話をすることが勉強だと納得してもらいました。

Q:なぜこの教育機関を退職しましたか?

入管が厳しくなって留学生の数が減ってしまい、勤務数を減らされたので生活ができなくなると思い退職しました。また増えたら戻ってきて欲しいと言われていますが、また同じことがないとも限らないのでどうするかは決めていません。

給与・待遇

月収 15万円
月収内訳
  • 1コマ45分:1,600円
  • 時給:950円(事務給料として)
基本労働時間 1日4コマ+4時間(事務)週3日勤務
残業(時間外労働) 残業なし
待遇
  • 交通費
  • 有給休暇
  • 保険(厚生年金、健康保険)
  • 健康診断
  • 年間昇給
クラスの長期休暇中の
給与保証
8時間を事務員として勤務
仕事のかけもち かけもちしていない

就業時間外の授業準備を考えると待遇は安いと思います。都内でこの給料で1人暮らしは無理だと思います。実家から通える、配偶者の給料があるという条件がないと厳しいと思います。

特に休日が多い月や、学生が長期の休みに入ると給与も減るので毎月安定しているとは言えません。ボーナスや退職金もないので、退職後の生活も苦しくなります。

また、テスト評価や採点、学校行事への参加や事務作業も非常勤がする学校もあるので「授業だけやりたい」という考えだと厳しいかもしれません。

Q:給与や待遇面でお勧めできる、国内のその他教育機関を教えて下さい。

大学の講師や都内の日本語学校の教務主任は給与面もいいと思いますが、大学講師=「修士以上」や教務主任=「日本語学校で常勤3年以上の実績」などの資格が必要です。

一般企業で日本語教師として働く形態も増えていくと給料も安定していると思いますが、こちらは社会人経験がないと難しいと思います。

授業形態・勤務スケジュール

授業形態 クラス授業:1クラス15~20人
学習者の年代 社会人
主な学生の出身地
  • フィリピン
  • ベトナム
  • インドネシア
  • トルコ
1日の時間割 水曜日
  • 9:30~12:45  
    中級を4コマ
木曜日
  • 9:30~12:45  
    上級を4コマ
金曜日
  • 9:30~12:45  
    中級を4コマ
休日 土・日・祝
休日に取り組んだ仕事:翌週の授業準備に3〜4時間使っていました。

Q:クラス運営(授業形態)で、ここは大変だった!と感じた点はどこですか?

学生のコンディションが毎日違うので、やる気がない時の対応が大変でした。ペアワークなどをやらない、勝手に練習を終わりにして関係のない話をしているなど。ペアを変えたり、取り出して「何か生活で問題があるのか?」などヒアリングをしました。

国同士で学生が固まってしまうと日本語を話す機会が少なくなってしまうので、他の国の学生との交流を持たせるのも大変でした。ランチを利用して交流会を実施したり、運動会でいろいろな学生とペアを組ませて対応しました。

Q:日々のスケジュール管理で、ここは大変だった!と感じた点はどこですか?

最初の頃は教案作成に時間がかかってしまい自宅でも仕事をしていたので、毎日どこかで仕事をしている状態でした。休日に休んでいると罪悪感に襲われることもありました。何か仕事をしていないと落ち着かなくなりました。

Q:教案作りで参考にしているサイトや書籍があれば、ぜひお聞かせください。

参考になるサイト
参考になる書籍

就職活動

教育機関選びで
重視した点
  • 必須資格
  • 通勤時間
応募時に
必要とされた資格
日本語教師養成講座420時間終了
選考方法
  • 書類
  • 面接
Q:この教育機関で勤務すると決めた決め手、きっかけを教えて下さい。

前の日本語学校を退職して、まだ自分は日本語教師としてのスキルが足りないのではないかと日本語教師としてやっていくか悩んでいましたが、日本語学校の事務員募集があったので、まずは事務員として働いてみて、後々教師として働ければと思いました。

Q:面接ではどのようなことを聞かれましたか?
  • なぜ、前の学校を退職したのか。
  • なぜ日本語教師になろうと思ったのか。
  • あなたの日本語教師としての信念はなんですか。
  • 自宅で作業をしてもらうこともあると思うが、それは大丈夫か。
  • もし、教師として働くことになったらどんなことがしたいか。
Q:この教育機関で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

日本語教師養成講座420時間(教え方、教案作成などスキルが必要)
日本語教育能力検定試験(日本語教師としての知識が必要)
社会人経験(中級以上のビジネスクラスや技能実習生を教えるときに有利)

日本語教育能力検定試験合格のみでも日本語教師にはなれますが、検定合格だけでは知識しかなく、実習や教案作成がないので実際に働いたときに大変さをより感じるかもしれません。

Q:日本語教師(国内)の求人情報は、どこで得ましたか?
求人情報のサイト

日本語教師全般に関する質問

Q:もともとはどのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

韓国語を勉強していて、韓国語では表現できない日本語が多いことに気づいたことがきっかけです。難しい言葉を勉強している外国の方は凄いと感じ、日本語を勉強している方のサポートがしたいと思って日本語教師になりました。

Q:日本語教師をやってよかった!と、どんな時に実感しますか?

学生から「先生、今日の授業は楽しかったです」「ここをもう少し教えてください」と言われたときにやりがいを感じました。また、学生が誕生日にサプライズで寄せ書きをプレゼントしてくれたときはうれしかったです。一生忘れません。

Q:日本語教師を辞めたいと思ったことはありますか?それはどうしてですか?

最初に勤めた日本語学校は学生の質が悪く、授業中に寝たり、ゲームをしたりする学生もいました。あんなに授業準備してきたのに私は誰に向かって授業しているんだろうと虚しく感じ、退職しました。

逆に学生の質が高くても「私のスキルが足りないのでは?」と学生に申し訳なくなって私が教師では学生のためにならないのではないか?と感じ、辞めたくなりましたが、スキルアップをすることで対応しました。

Q:日本語教師を目指す方へ、アドバイスをください。

【学生の方へ】
大学に通って、大学で日本語教育について学んでください。大卒の資格は海外で就職するときに必要になるかもしれませんから、学生のうちに必要な資格は揃えておいた方がいいと思います。

【社会人の方へ】
養成講座に通うことが必要だと思います。養成講座で横の繋がりを作って情報交換もできますし、教案作成や実習ができる養成講座は強みだと思います。検定試験合格が最短の道ですが、日本語教師デビューをした後に実習経験がないので大変な思いをすると思います。

また、講座に通いながらボランティアとして地域の日本語教室に通って経験を積んでおくといいと思います。

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