元日本語教師による
日本語教師の実態レポート

日本語教師になるにはどうすればいいの?資格はいるの?どんな風に教えるの?
具体的な経験を交えながら、教師の仕事について
"元教師"が実態をお伝えします。

国内の日本語学校 経験談

国内での日本語教師って忙しくて大変。それでも続ける?

公開:2019/02/25

タコス(男性・32歳) 
日本語教師歴 7.5年 (2012年~2019年) 
*現在も日本語教師として就労中
資格・課程 日本語教師養成講座420時間(KEC日本語学院)
日本語学校での
経験詳細
  • 月収:23万円
  • 常勤講師(非正規雇用・フルタイム)
  • 2,5年(2016年~2019年)

海外で日本語教師をしていると、学生から感謝されたり、いろいろなところへ行って、日本ではできない経験ができるのが大きな特徴だと思います。しかし、日本国内では状況が全く違います。大学などの教育機関は別ですが、日本語学校の日本語教師は海外とは全く別の仕事だと思います。

ビザの知識や学校に来ない学生への対応、進路指導などの海外ではない業務の方がメインになってくるからです。特に、学生がいなくなったりした場合も対応が色々あるので、そうならないように対策を考えるのも大きな仕事の一つです。学生のアパートを訪問したり、アルバイト先に出勤しているか、常に所在の確認が付いて回ります。いなくならないよう、学生とのコミュニケーションというか、駆け引きのようなものも大切です。

授業面でも、非常勤講師とのチームティーチングが入ってきます。海外でゆったり授業に集中していた私の場合、慣れない引き継ぎなどで覚えることが多すぎて、本当に大変でした。海外では会話中心の授業が多いのですが、日本ではJLPT対策の授業もメインで入ってくるので、海外での経験があまり役に立たないなと思ったこともあります。

授業とは別に卒業式やスポーツイベントなどの企画・実行もあります。担当になったら、残業で遅くまで残って準備をしなければならないです。

また、学生も海外の学生の方が総じて熱心です。日本国内だとアルバイトをしにきた出稼ぎの人が多すぎて、純粋に日本語を勉強したい人のほうが少数かもしれません。

日本で日本語教師をしたいなら、よく考えたほうがいいと思います。普通の会社で普通にサラリーマンをしているほうがお給料もいいだろうし、ストレスも無いと思います。

Q:他の教育機関と比較・検討しましたか?

私は地元に家族がいるのでこの地を離れることができないので、必然的に現在の教育機関にいます。地方だと日本語教育機関はほとんどないですから。関東や関西などの大都市圏では多くの教育機関があり、選択肢が多いと思います。

その場合、比べる基準として重要なのは職場の人間関係、教育方法(教科書)、学生の国籍の構成です。給与ははっきり言って、日本語教師なのでよくないです。しかし、使い慣れた教科書がいいなら、それを使っている教育機関に行けばいいし、漢字圏の多い学校のほうが教えやすいというなら、そういうところを探したらいいと思います。

Q:日本語教師として苦労した事、戸惑った事はありますか?

海外で日本語教師をしていると学生の母語や習慣、考え方もある程度一定であることが多いと思います。しかし、日本国内だと色々な国籍の学生がいることで、クラスの運営が非常に難しいです。それぞれの国籍に合わせた教育法、進路指導が必要です。

とくにビザに関しては丁重に説明していかなければなりません。アルバイトやアパートの管理なども入ってくると、もはや日本語教師ってなんだろう?という感じです。なんでも屋さんとして働ける覚悟がないとやっていけません。そういうのが嫌な人は、だいたい仕事をはなれていっています。

給与・待遇

月収 23万円
月収内訳 基本給:23万円
基本労働時間 1日8.5時間 週5日勤務
残業(時間外労働) 1ヶ月合計50時間
待遇
  • 交通費
  • 有給休暇
  • 賞与(年によって異なる)
  • 保険(私学共済)
  • 健康診断
クラスの長期休暇 長期休暇なし
仕事のかけもち かけもちしていない

待遇はよくありません。オリンピックが開かれる2020年までは外国人バブルで首都圏では日本語教師の給与が上がっているかもしれませんが、地方ではそれすらも期待できません。現状も今後も給与がよくなることはないと思います。さらに、全国的に仕事自体も減っていくと思います。これから就くとなると、本気で日本語教師をしたいという覚悟と熱意がないと、結局離職することになると思います。

ほとんどの場合、実家暮らしでないと暮らしていくのは大変です。一人暮らしで賃貸でとなると、日々暮らしていくのがやっとで、貯金などは無理でしょう。地方の場合は車など維持費や税金もかかりますから、本当に大変です。また、採点や準備の残業が出ることは非常に稀です。

はっきり言って、普通に暮らしていきたいのなら、普通の会社員になったほうがいいです。

授業形態・勤務スケジュール

授業形態 クラス授業:1クラス15~20人
学習者の年代
  • 高校生
  • 大学生
  • 社会人
主な学生の出身地 中国
1日の時間割 月~金曜日
9:10~12:25  
初級4コマ
休日 土日

Q:クラス運営(授業形態)で、ここは大変だった!と感じた点はどこですか?

すべてが大変です。アルバイト目的で日本に来ている学生の場合、学校に来させるだけでも大変です。アルバイトばかりの学生は来たとしてもクラスで寝ていることが多いです。授業以前の問題なので、日本語教師として働くのが好きな人にとっては、離職につながる大きな理由だと思います。これが嫌な人は海外へ行くべきだと思います。

よくできるクラスの場合でも、JLPT対策授業などを受け持った場合は準備が非常に大変です。遅くまでずっと文型や語彙の意味について格闘するので、好きな人ならいいのですが、毎日毎日それが続いたらノイローゼになってしまいます。

本当に、よく考えて日本語教師になったほうがいいと思います。覚える知識量も非常に多いですし、人を扱う仕事なので、ストレスもたまります。チームティーチングも大変です。

Q:日々のスケジュール管理で、ここは大変だった!と感じた点はどこですか?

学生が約束した時間を守らないのがつらいですね。仕事が詰まっているのに、なかなか来ないと殴ってしまいそうになります。

また、それとは別に常勤の会議、非常勤との会議、入学式やスポーツ大会などイベントの準備、学生のアパート訪問、授業準備と日々の仕事量が膨大で、しっかりと自分の仕事の量を調節して管理できないと、ずるずると仕事を引っ張って、うちへ帰れなくなってしまいます。その点については、ほかの仕事でも同じことではあると思いますが、給与面のことを考えると、これだけがんばってるのに、これだけかとつらいです。

Q:教案作りで参考にしているサイトや書籍があれば、ぜひお聞かせください。

参考になるサイト
みんなの教材サイト
教案を読むことができるので、参考になります。
参考になる書籍
日本語文型辞典    
対象者:中級
文型の理解がはかどります。

就職活動

教育機関選びで
重視した点
通勤時間
応募時に
必要とされた資格
日本語教師養成講座420時間終了
選考方法
  • 書類
  • 面接
Q:この教育機関で勤務すると決めた決め手、きっかけを教えて下さい。

家族から地元に帰ってきてほしいとの話があり、地元で働けるところを探していたところ、今の学校の求人を見つけました。もともと日本語教師を続けるつもりはなかったのですが、ほかにできそうなこともなかったので、現在に至ります。

給与面や待遇で不満はありますが、ほかに仕事もないので続けています。ただ、学生はかわいいですから、それを唯一のモチベーションにしています。

Q:面接ではどのようなことを聞かれましたか?

前職の日本語教師だったのですが、どのような授業をしていたか、教科書は何を使っていたのか、学生はどんな感じだったかなど聞かれました。

自己紹介や長所短所などの面接らしい面接ではありませんでした。形だけ、という感じでした。

また、学生のアパート訪問や長い残業もあるが大丈夫かと聞かれました。その時に大丈夫じゃありませんといえばよかったです。

Q:この教育機関で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

資格としては日本語教育検定でしょうか、日本語教育法により、国家資格化するのではないかと言われていますから、早めにとったほうがいいと思います。

それ以外だと、進学指導ができるかどうか。進学先の知識が非常に大切になってきます。また、留学以外、すべてのビザについて、入管法の知識も最低限の知識として必要になってきます。学生に何か聞かれた場合、必ずこたえられるようにしておかなければなりません。

Q:日本語教師(国内)の求人情報は、どこで得ましたか?
その他求人情報
口コミ:Webサイトはほかの方が書かれていますし、検索すればすぐに出てくるのでいいと思います。一番いいのは口コミだと思います。あそこなら待遇いいよ、とか授業教えやすいよ、とかいった情報を聞けるといいですね。
※※なければthごと削除※※

日本語教師全般に関する質問

Q:もともとはどのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

海外で働くのが子供のころの夢でしたので、すぐに、手っ取り早く働ける日本語教師の資格を取って、海外で働いていました。実際、海外で日本語教師をしていると、給与は低いのですが、学生がまじめなのもあってやりがいは結構感じられました。

しかし、国内は職場の人間関係も大変です。「先生」と呼ばれる方々はプライドが高く、自分が一番だと思い込んでいる人が多く、排他的です。そんな人たちが集まって働くので、人間関係の摩擦が非常に強くあり、ストレスになります。また、給与や待遇が悪いので、お勧めできません。

Q:日本語教師をやってよかった!と、どんな時に実感しますか?

学生から「就職しました」「先生に会えてよかった」「結婚しました」など、卒業後も連絡が来るとうれしいです。世界中に学生がいるので、世界とつながっているような感覚になります。待遇は悪いですが、非常に国際的な仕事だと思います。ボランティアのような感じもしますが。

国内の場合、自分が進学指導をして、その通りに学生が進学でき、就職できると非常にうれしいですね。学生の人生の手助けができた、という喜びになります。学生からも感謝されるので、日本語教師をするやりがいを感じます。

Q:日本語教師を目指す方へ、アドバイスをください。

【学生の方へ】
日本語教師にはならず、普通の仕事をまず、してみるのが一番いいと思います。若い先生は舐められることが多いですし、社会経験も人生経験もないので、先生として学生に向き合うのも限界があると思います。ふつうの仕事をして、満足できないようなら、何年か後に日本語教師の講座か検定をして、なればいいとおもいます。

【社会人の方へ】
給与の低下を覚悟し、納得できるのであれば、講座や検定を受けて日本語教師になればいいと思います。まずは非常勤から下積みをして、なれてきたら常勤になるのがふつうだと思います。いきなり海外に行くのもありだと思います。国内はオリンピック後、仕事が減ると思います。

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