元日本語教師による
日本語教師の実態レポート

日本語教師になるにはどうすればいいの?資格はいるの?どんな風に教えるの?
具体的な経験を交えながら、教師の仕事について
"元教師"が実態をお伝えします。

国内の日本語学校 経験談

学生に元気をもらえる環境が魅力!

公開:2018/08/27

shun(女性・3年0歳) 
日本語教師歴 2年 (2015年~2017年) 
*他業種に転職
資格・課程
日本語学校での
経験詳細
  • 月収:10万円
  • 非常勤講師(コマ/時間勤務)
  • 2年(2015年~2017年)

私の所属した学校は、教案のチェックや模擬授業の指摘が細かく、何度も修正を重ねて授業に臨んでいました。特に、話すスピードが速すぎないか、板書が見やすいか、イントネーションが間違っていないか、初級では既出でない単語を使っていないか、念入りに注意しました。厳しいとは感じましたが、おかげで基礎が固められたので、しっかりと教育してくれる学校を選ぶのも大切なポイントだと感じます。

また、特に初級授業では、どんな気持ちで文法を使うか、に焦点を当てて導入していました。例えば、「~てしまいました」は「残念な気持ち」の時に使う、などです。こうすることで学生は単なる文法としてではなく、ニュアンスも感じ取れるようになっていたと思います。

学生の国籍は様々でしたが、特にベトナム・スリランカの学生が多かったです。一概には言えませんが、同じ国籍の学生が集まるとどうしても授業中の私語や、カンニングが多くなる傾向があると思います。国によっては、テスト中に教えあうことを良しとする文化のあるところもあり、はじめは驚きました。日本のルールを教えることがとても重要でしたが、苦労した点でもありました。

日本語教師として働くことは、給与面や拘束時間を考えると大変なこともあると思います。特に、教案作成、教材作成、授業後の採点には労力を使いました。また、私は非常勤講師として働いたので日本語教師としての収入は安定していませんでした。非常勤講師を選んだ理由は、学生との授業に集中したかったからです。常勤講師であれば収入は安定しますが、どうしても学生の生活面での管理をしなければなりません。自分に合った働き方が大切だと思います。

日本語教師の魅力は何と言っても、学生とのコミュニケーションです。明るく素直な学生が多いので、疲れていてもいつもこちらが元気をもらえますし、笑って授業をすることも多い現場です。日々自分も勉強し、学生と共に自分も成長できる、素敵な職業だと思います。

Q:他の教育機関と比較・検討しましたか?

いくつかの民間学校と比較しましたが、その中でも教育機関としての母体がしっかりしていること、給与が高かったことが今回の学校を選んだポイントでした。また、他よりも日本語教師の育成がしっかりしていることも大きかったです。

Q:日本語教師として苦労した事、戸惑った事はありますか?

まず、習慣の違いによるテスト中のカンニングです。特にベトナム人学生の間では教えあう習慣があるのか、毎度「日本のテストだと0点ですよ!」と言って注意していました。

また、学生のレベルに差があると、全体モチベーションの低下にもつながり、授業を進めにくいことがありました。中には、分からないからとあきらめて眠る学生も。

アルバイトに疲れて、授業中寝てばかりいる学生を起こすのも日常茶飯事でした。

Q:なぜこの教育機関を退職しましたか?

他にも仕事をしており、両立が難しくなってきたタイミングで辞めました。すでにやったことのある授業内容であれば教案作成に時間がかからないので良いのですが、中級以上になってくるとそうもいかず、空き時間で教案を作るのが難しくなりました。

また、学校の方針なのか、非常勤講師は「お客様」の様な扱いであったことがなんとなく居心地が悪く、他の教育機関でも経験を積みたいと思ったことも理由の一つでした。

給与・待遇

月収 10万円
月収内訳 1コマ45分:1,850円
基本労働時間 1日4コマ 週3~4日勤務
残業(時間外労働) 1ヶ月合計6時間
待遇 交通費
クラスの長期休暇中の
給与保証
給与保証がない
仕事のかけもち 日本語教師以外の副業に就いている

専任講師であれば生活できると思いますが、非常勤講師1本で生活していくのは難しいと思います。(実家住まいであれば別ですが。)授業の準備、授業後の採点など、時間外で拘束が多い時もあるので、トータルの時間を考えるとアルバイトの方が時給が良い場合もあります。

また専任講師は休日も学生対応に追われることがあります。私の学校では、休日になると交代で専用の携帯電話を持って帰っていました。日々学生管理に追われる場面を見ていると、なかなか授業の準備も満足にできないのでは、と思いました。専任も非常勤も、慣れるまでが大変だと思います。

授業形態・勤務スケジュール

授業形態 クラス授業:1クラス10~25人
学習者の年代
  • 高校生
  • 大学生
  • 社会人
主な学生の出身地 ベトナム
1日の時間割 月曜日
  • 9:15~13:30  
    初級クラスを4コマと、採点や日誌など
  • 午後 授業準備(約1時間)
火曜日
  • 9:15~13:30  
    初級クラスを4コマと、採点や日誌など
木曜日
  • 午前 授業準備(約1時間)
  • 13:30~18:00  
    中級クラスを4コマと採点や日誌など
  • 帰宅後 授業準備(約1時間)
金曜日
  • 9:15~13:30  
    初級クラスを4コマと、採点や日誌など
休日 木・土・日
土日は翌週の教案作成

Q:クラス運営(授業形態)で、ここは大変だった!と感じた点はどこですか?

休み時間も母国語での私語が禁止でしたが、同じ国の学生が集まるとなかなか規制できませんでした。日本語で話すように、自分から学生間の会話に入るなどの工夫が必要でした。

携帯電話は使用禁止としていましたが、隠れて使う学生の割合が高く、都度回収していました。普段から素行の良い学生が辞書変わりに使いたいということもあり、一概にすべて使用禁止にできずに判断に迷ったこともありました。

どのレベルでも、レベル差が大きいことによる学生のモチベーション低下がみられました。どちらの学生に合わせてもうまくいかないので、学生のレベルによって質問を分けたり、文法を補足的に説明するなどして対処しました。

Q:日々のスケジュール管理で、ここは大変だった!と感じた点はどこですか?

特に中上級の授業では、スケジュール通りに進まないことが多く、あらかじめ準備していた内容と違う内容をまた準備しなおす、ということが多々ありました。引き継ぎの連絡が遅くなったときには、深夜まで授業準備に追われていました。ある程度の範囲を準備しておけばよかったのですが、中々進められなかったのが現状です。

Q:教案作りで参考にしているサイトや書籍があれば、ぜひお聞かせください。

参考になるサイト
参考になる書籍

就職活動

教育機関選びで
重視した点
  • 給与(待遇)
  • 通勤時間
応募時に
必要とされた資格
選考方法
  • 書類
  • 面接
  • 筆記試験
Q:この教育機関で勤務すると決めた決め手、きっかけを教えて下さい。

大学4年次の就職活動の段階で日本語教師になろうと考えており、地元の別の民間学校に応募しましたが、年明けまで採用人数が決まらないといわれ、それならばと一般企業に就職しました。

その後ボランティアで海外へ行き、個人的に日本語教室を開いていました。そのこともあり、帰国後に日本語教師としてチャレンジしてみようと思い立ち、ちょうど募集があった学校ということで応募をしました。

Q:面接ではどのようなことを聞かれましたか?

どうして日本語教師になろうと思ったかの経緯と、私の場合は大学で日本語教育を専攻していたので、そこでの教授法や、授業の進め方など聞かれました。また、女性の場合は結婚して退職などが多いようで、その点は大丈夫ですか、とも聞かれました。

Q:模擬授業では、どのような課題が与えられましたか?

初級文法と、中級文法1つずつの模擬授業がありました。模擬授業では、学校の現職員の方々が学生役になり、実際の授業の様に学生の立場から質問をされ、それに返答することを求められました。

特に気を付けた点としては、質問されたことが分からなくてもおどおどしないこと、説明するときは、できるだけ短い文で簡単な内容で答える、ということです。

Q:この教育機関で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

日本国内であれば直説法が主ですので、外国語の資格がなくても問題ないと思います。ただ、学生の立場になって考えるという点では、自分自身も語学学習に対する工夫や、苦労を知っておいた方が役に立ちます。

資格としては、「日本語教育能力検定」がやはり強いと思います。ただ、実際の現場に出て初めて、勉強したことと繋がりを感じることが多かったので、実践を通して学ぶことが一番良いと思います。

資質としては、文法を理解する分析力、学生とのコミュニケーション力、動じない強い精神があれば問題ないと思います。

Q:日本語教師(国内)の求人情報は、どこで得ましたか?
求人情報のサイト
日本村
国内外の日本語教師の求人が多い

日本語教師全般に関する質問

Q:もともとはどのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

もともと語学学習に興味があったこと、外国の人と触れ合うことが好きだったことがきっかけで日本語教師という職業に興味を持ちました。また、働き方によっては国内外問わずどこでもできること、年をとってからでも可能であることも理由の一つでした。

Q:日本語教師をやってよかった!と、どんな時に実感しますか?

日々学生から、「先生!教えてください」と言われることに喜びを感じていました。また、他学生よりも進度の遅い学生と、休み時間中も文法の確認をしていた時期があり、その後その学生が無事進級できた時は、とてもうれしかったです。

授業はコミュニカティブな内容を多く入れるように努めたのですが、学生の発想力が豊かなことや、恥ずかしがらずに面白いこと発言してくれる姿に、こちらも元気ももらえることばかりでした。

Q:日本語教師を目指す方へ、アドバイスをください。

【学生の方へ】
大学の時に主専攻/副専攻で取ることをおすすめします。しかし、卒業後も養成講座などチャンスがありますから、他にも専攻したいと考えることがあるなら、まずはそちらを専攻してからでも遅くないと思います。実際に、養成講座で資格を取って働いている先生も多いです。

【社会人の方へ】
養成講座は比較的時間もかからずに取れると思います。専門的に学習したい場合は別ですが、そうでなければ時間や費用のことも考えると養成講座がおすすめです。

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