掲載日:

日本国内 日本語教師経験談

国内 日本語学校 授業に失敗して気づけたこと

yuraさん・ 43歳・ 女性 👩 ・ 日本語教師歴 16年

総評

  • 国内の日本語学校
  • 雇用形態:専任講師 *正規雇用
  • 期間: 10年(2011~2021年) 現在も勤務中
  • 月収:30万円

日本語教師を初めてしばらくは初級を教えることが多く、初めて中級のテキスト(写真参照)を使用した時に、準備不足から学生への質問に的確に答えられずあやふやな回答をしてしまったり、作文の添削で添削しすぎてしまい学生に「もう、私の作文でなくなってしまっている」と言われてしまうなどで学生の信頼を失ってしまったことがあります。

その後、そのクラスでは本当に思うように授業ができなくなり、毎日が苦痛でたまらなかった経験があります。

それがきっかけで、自分が教える部分だけ教案を準備するのではなく、初級から上級までを体系的に網羅することがいかに大切であるかを知ることができました。

また、今となっては当たり前のことですが、使用テキストをしっかり読み込んでおくことの必要性をその当時はわかっていませんでした。学生が今まで何を勉強してきて、今後何を勉強していくのかということを踏まえて授業を準備することで学生の今、必要なことがわかるようになり、学生が質問しそうなことも予想しやすく準備できるようになりました。

最初の頃は準備にかかる時間も多く、勤務時間外にする作業も多かったですが、ある程度の教案や教材が手元にあれば、あとはそのクラスに合わせてマイナーチェンジをしていけばいいだけなので、後々は楽になります。

その他では、クラス運営をしていると授業態度が悪い学生がいることがありますが、学生もお金を払って授業を受けにきているので、自分に必要なことだとわかれば授業に参加するようになります。

私たち日本語教師はお金をもらって日本語を教えている以上、学生のニーズに答える必要もあり、学生が何を求めているのかをきちんと理解しサービスすることが大事だと思いますし、それがやりがいにもなります。

他の教育機関と比較・検討しましたか?

他の教育機関への転職も一度検討したことがあり、日本語教師の求人をよく見ていたこともあります。

しかし、給料面、勤務時間、年間休日数など今以上のところもなく、今の職場の人間関係も悪くないので転職するまでに至りませんでした。

日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

日本語教師として苦労したことは、学習する気が全くない学生に対しての指導です。出席率のためだけに学校に来て授業中は寝るというような学生もいます。

しかし、学生も来日した当初からそうだったわけではありません。私たちも授業料をもらってる限り、また、その教室にいる限り寝ているからと言って放置するわけにもいきません。

また、その学生を注意することで周りの学生の勉強する時間を奪ってしまうことにもなりかねません。そうなれば、周りの学生のモチベーションを下げる原因にもなります。

授業を中断せず、また教室の雰囲気を壊さずにその学生のモチベーションをあげることに苦労しました。

そうならないためには、日頃からの学生との信頼関係をきちんと築き上げていくことだと思います。授業の技術はもちろんのこと、学生一括りにせず学生個人としっかり向き合っていかなければならないことを痛感しました。

給与

給与:30万円/月 ・専任講師 *正規雇用

最初の頃は、経験も浅く給料もなかなか上がらず賞与もなかったのですが、今では申し分なくいただいているので、贅沢をしなければ問題はありません。私は夫と子供2人の4人家族で私の給料は住宅ローンと学資保険、生命保険、子供の習い事代などに当ています。

授業準備に関しては、日本語教師に成り立ての頃や、新しいテキストを使う場合やオンライン授業などをするときにはかなりの時間がかかりました。

類似文型や助詞の使い分けなどをどう説明すれば良いのかなど何週間にも渡って考えることもありました。仕事の帰り道に本屋に寄っては参考になりそうなものはないかと探すことも多かったです。インターネットで調べることもありました。

しかし、なかなか自分自身がしっくりと理解することが出来なければ学生に教えることも出来ないので、悩みに悩んだこともあります。最後の最後には主任に聞いたり、同僚と一緒に考えたりして解決してきました。

採点などは、最初の頃は宿題の文作の添削だけでも頭を悩ませました。なぜ、非文なのかをきちんと説明しなければならないからです。明らかに非文であっても説明がつかない、そんな文が多かったと思います。それも、自分の知識不足からなるとこで、経験が上がるにしたがってそのようなことはなくなり、事務作業のように添削もできるようになりました。

給与の詳細 情報を読む...

月収 30万円

  • 基本給:30万円

待遇

  • 交通費
  • 有給
  • 社会保険
  • 賞与 年3ヶ月分
  • 健康診断
  • 年間昇給

勤務時間

  • 1日6時間 週5日勤務
  • 残業 1ヶ月合計10時間

長期休暇中の給与保証

  • 勤務している教育機関で給与が発生する仕事がある

仕事のかけもち

  • かけもちしていない

授業形態・勤務スケジュール

クラス運営で大変だったことは?

クラス運営で難しいところは、学生との信頼関係を築くところだと思います。

学生は先生のことを本当によく見ています。どんなことかといえば、自分達に関心があるかないか、自分達のためにしてくれていることなのかなどです。教師側がカリキュラムに追われている、余裕がなく独りよがりの授業をしているなどです。

そうなると学生側も授業を聞かず、寝たり携帯電話で遊びだしたりします。そこで教師が注意すると悪循環です。

学生も上手になりたい、教師も上手になってほしいということで気持ちは同じはずです。そのために、今何をしなければならないかということを考えると気持ちが通じ合い信頼を得ることができると思います。その結果、クラス運営が楽になり、ほとんどの学生側が授業に積極的に参加するようになります。

受け持ちのクラスの詳細を読む...

主なクラスの授業形態

  • クラス授業  1クラス20人

学習者層

  • 母国で高校、大学卒業後の留学生

学生の主な出身地

  • ベトナム

スケジュール管理で大変だったことは?

週5~6×4コマ授業を受け持っていた頃は、金曜日の夜から夜中にかけて一週間分の教案を書き上げていました。平日の業務は授業、採点、添削、学校事務の仕事もあり授業準備の時間は金曜の夜、子供が寝てからの時間でした。

その時が一番大変でしたが、そのおかげで教案&教材という財産も増え今では、そんなに時間に追われることもなくなりました。

1週間のスケジュールを読む...

スケジュール

  • 月:9:00〜12:30 中上級クラスを4コマ。午後は進学指導。
  • 火:9:00〜12:30 初級クラスを4コマ。午後は進学指導
  • 水:9:00〜12:30 中級クラスを4コマ。午後は進学指導
  • 木:9:00〜12:30 初級クラスを4コマ。午後は進学指導
  • 金:9:00〜12:30 中級クラスを4コマ。午後は進学指導
  • 土:進学指導の時期になると面接の内容や志望理由書の添削
  • 日:しっかり休んでいました。

教案作りで参考にしているサイトは?

  • 日本語NET
    N1、N2、N3の文型の例文や宿題を作成するとき参考にさせてもらっている。

教案作りで参考にしている書籍は?

  • くらべてわかる日本語表現文型辞典 対象:全レベル
    類似文型を比較し、どこが違うのか、同じような意味の文型でも例えば、文末の表現で意志表現が使用できるかどうかなどがあります。私たち日本人が当たり前にできているルールを外国語として説明するときに役に立ちます。
  • 中上級を教える人のための日本語文法ハンドブック 対象:中級・上級
    非文や新しく導入する文型を調べるときなどに使用します。助詞の使い方などを調べるときに、なぜこの学生の文がおかしいのか、おかしい理由があっているかどうかを確認するためや、新しく導入する文型の使い方、使用するにあたっての制限がないかなどを調べたり確認したりするための文法書として利用しています。
  • 初級を教える人のための日本語文法ハンドブック 対象:初級
    初級の文型がほとんどなので、主に助詞の使い方や、文型を導入するときに、その文型を調べるときに参考にしていました。また、学生の宿題などの非文を訂正する時に確認のためにもよく参考にしていました。

就職活動

この日本語学校で働くきっかけ・決め手を教えて下さい。

もともとは別の場所で技能実習生を教えていました。技能実習生の集合研修はほとんどが初級です。

初級の繰りかえしばかりだったので中級、上級などを教えたことは全くありませんでした。このままでは、スキルが上がらないと思い留学生の日本語教育機関で働くことを決めました。

今の職場は通いやすいところにあったことと、ちょうど募集していたので応募したまでです。

面接ではどのようなことを聞かれましたか?

今までどんな人を対象に教えてきたのか、なぜ日本語教師を目指したのかなどです。また今までで大変だったことは何かを聞かれました。日本語教師になる前の仕事は何をしていたかなどです。

特にそれ以上のことも聞かれず、今の学校についての説明をしていただきました。

模擬授業ではどのような課題が与えられましたか?

模擬授業の注意点は、学生がいることを想定してきちんと授業を進めているかというところです。

模擬授業での課題の多くは初級文型です。初級文型での語彙コントロール、教師の目線、立ち位置など学生に配慮できているかどうか、学生が間違って解釈しそうな例文、導入は避けることなどです。

この日本語学校で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

最近思うことは、留学生たちも悩んでいることが多く、うつ状態になりやすいことです。なので、カウンセラーなどの資格は今後必要だと思っています。また、日本語教育機関の規模にもよりますが救命講習などもきちんと受け万事に備えることも大切かと思います。

語学に関しては、直接法を使って対面で教えている限りは必要ないかと思いますが、今後オンラインで教えようと考えている方などは、やはり語学ができた方がいいと思います。

また、大学院などで英語で研究計画書を提出できるところへ進学する英語圏の学生などを受け持つ場合はそれを指導できる英語のレベルが必要になると思います。

就職活動で参考にしたウェブサイトは?

就職 教育機関選びで特に重視した点

  • 学校の規模
  • 給与・待遇
  • 通勤時間

応募時に必要とされた資格

  • 日本語教師養成講座420時間修了
  • 日本語教育能力検定試験合格
  • 大学 日本語教育主・副専攻

就職 選考方法

  • 書類
  • 面接

日本語教師全般に関する質問

どうして日本語教師を目指しましたか?

もともと海外での生活に興味があったことがきっかけです。英語が大の苦手な私が外国で生活するのに武器になるものは何かと考えたとき、日本語教師という仕事を知りました。

日本語教師であれば世界中のどの国にも仕事としていけると思い、日本語養成講座に通い、日本語教育能力検定を受けることにしました。

日本語教師をやってよかった!どんな時に実感?

自分が受け持つ学生が希望の進学先へと合格通知をもらい本当に嬉しそうに報告に来てくれるときよかったなと思います。もちろん、学生自身が努力したことの結果であるのですが、私も学生の人生の役に立てたのだと思えるからです。

また、卒業したあとにも連絡をくれる学生が、日本語学校時代に先生が教えてくれたおかげで日本語の勉強が楽しくなったと言ってくれるときなども、やってよかったなと思いました。

学生のみなさんへ 進路のアドバイスはありますか?

日本語養成講座や主専攻、日本語教育能力検定に合格されているのであれば、募集している機関があれば、どんどん応募していくことだと思います。面接での模擬授業は、いい経験になるのでどんどん受けていくべきだと思います。

社会人のみなさんへ 進路のアドバイスはありますか?

今まで経験してきた全てのことが役に立つと思います。日本で人生を送ってきた先輩として学生にアドバイスできることが多いと思います。

就職したい学生への会社では何が大切かなどは社会人を経験してきた人でなければアドバイスできません。日本語を教えることはもちろんですが、プラスαを留学生たちに与えることができると思います。

ですから、今までご自身がどんな経験をしてきたか、自分の武器は何かなどをしっかり整理して募集している機関があれば応募していけばいいと思います。

当サイト人気スクール 420時間養成講座