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日本国内 日本語教師経験談
国内 日本語学校 ストレスフリーで自分自身を活かせる職場!
TK2005さん・ 28歳・ 男性 🧑 ・ 日本語教師歴 3.7年
総評
- 国内の日本語学校
- 雇用形態:専任講師 *正規雇用
- 期間: 3.7年(2017~2021年) 現在も勤務中
- 月収:22万円
私が現在勤務している日本語学校は、学生数200人程度の中規模校ですが、その分小回りが利き教師と学生の距離も近くアットホームな雰囲気の学校です。
日本語教師になる前は、周囲に経験者もおらずネットの情報もマイナスのものが多くて、正直どんなものやら?と思っていましたが、実際に働き始めると、私個人としては働きやすく環境もよく、ストレスフリーに働けています。
この職場で働き始めたきっかけは、日本語教師合同説明会で偶然ブースを訪問し話を聞いたことでした。ブースでの校長自らの熱心な説明と、授業見学に行った際の教務主任の懐の深い対応に感動し、即決しました。
今の勤務先には基本的に納得し満足しています。どのくらい満足しているかというと、「納得できなければすぐ他の学校に移ってやろう」と思っていた私が、4年近く働いているほどです。
その理由は大きく分けて5つあります。
一つ目は、常勤/非常勤問わず先生同士の関係がよく、風通しがいいこと。
二つ目は、経営陣も教師陣も地に足をつけた考え方をしており現実的で、安心できること。
三つ目は、一人ひとりの教師にある程度の裁量権(授業内容・教材・カリキュラムなど)が与えられており、個人レベルでPDCAを回しやすいこと。
四つめは、一般的な業種と比べて休みが多く(今回の冬休みは12連休でした)、残業も少ないこと。
五つ目は、若手の少ない業界だからこそ、若手の活躍できる幅が広いこと。
です。
日本語教師という仕事は、かなり向き不向きが分かれると思います。ネットの情報のように「食っていけない」なんてことは決してありませんが、確かに高給取りになるのは難しいでしょう。また教育は結果が数値化しにくい世界なので、「業績をわかりやすく把握したい」という人にも不向きです。
しかし、上記の5つの点に重きを置くようなタイプの人にとっては、非常にやりやすい仕事だとも思います。私も総じて満足しています。
他の教育機関と比較・検討しましたか?
検討しませんでした。理由は、「教師」の仕事がしたくて日本語教師を選んだわけではなく、最初から「日本語教師」を目指していたからです。均質性が高かったり、教え方がある程度定まっていたり、という一般的な教育機関では、私は楽しめなかっただろうと思います。
また他の日本語教育機関との比較、というのもあまりしませんでした。国内の募集のほとんどが日本語学校であり、他教育機関の募集はあまり見かけなかったからです。
日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?
苦労する点は、学習者の目的の違いです。
日本語学校には多様な目的を持った学習者がいます。日本で就職したい人、日本の大学に進学したい人、日本の大学院に進学したい人、日本に永住したい人、ただただ日本が好きで一定期間いられればいい人、数年間日本でアルバイトできれば満足な人……。
目的が変われば、教えるべき内容や方法も変わります。大きい学校であれば、目的毎にクラスを分けたりコースを変えたりということもできるかもしれません。しかし私が勤務している学校はそこまで大きくないため、彼ら彼女らが「レベル」という切り口のみでクラス分けされ一緒に学ぶことになります。
その際の授業の組み立て方や学習目標の設置、学生のモチベーションの維持などには、常に苦労させられています。
給与
今の給与には、基本的には満足しています(もちろん高ければ高いだけいいとは思ってしまいますが笑)。私は現在東京都23区内で一人暮らしをしていますが、普通に生活を送る分には全く問題ありません。また交通費や有休、各種保険、年二回の賞与など、最低限の物も揃っています。
希望を言うのであれば住宅手当がつくとありがたいなと感じますが、あまりこの業界で住宅手当を完備している学校は聞いたことがありません。
また、昇給についてはかなり不透明なので、問題は「給与が安い」ことではなく「給与が上がりにくい」ことなのではないかな、と最近は思っています。私はまだ年数が浅いのであまり気になっていませんが、これから10年も20年も同じ給与だとしたら、それは厳しいだろうなと感じます。
給与の詳細 情報を読む...
月収 22万円
- 基本給:20万円
- 職務手当:2万円
待遇
- 交通費
- 有給
- 雇用保険・労災保険
- 健康診断
- 賞与 年2~3ヶ月分
勤務時間
- 1日8時間 週5日勤務
- 残業 合計20時間/月
長期休暇中の給与保証
- 勤務している教育機関で給与が発生する仕事がある
仕事のかけもち
- かけもちしていない
授業形態・勤務スケジュール
クラス運営で大変だったことは?
初級の最初のころは、学生のレベルの差が異なることが多く、また学生の自己認識と実際の能力の差が大きいことが多いので、全体を満足させつつ意欲を持たせるのがかなり難しいです。
プライドが高い学習者も多いので、「あなたがたくさん国で勉強したことはわかっている。しかし今は確認の意味も込めて初級をしっかりやり、早く次のレベルに行こう」と持ち上げるようにしています。
初中級になると、生活は問題なく送れるようになっている学生が多いため、さらに新しい文型や言葉を増やしていくことの意義を感じてもらうことが課題になってきます。また試験の対策が占める比重も多くなってくるので、学生のモチベーション維持も難しくなります。
中級以降になると、学習者の意欲や初級の定着のレベルによって、大きな差がついてきます。特に非漢字圏の学習者にとって、中級(N2相当)より先にいけるかどうか、というところに一つの壁があると感じていますが、ここをいかに乗り越えさせるかが大変です。
受け持ちのクラスの詳細を読む...
主なクラスの授業形態
- クラス授業 1クラス15人
学習者層
- 大学生
学生の主な出身地
- 中国
スケジュール管理で大変だったことは?
スケジュールで難しいと感じたことはあまりありません。現在は常勤として働いているので、授業以外の時間に自分の授業準備をすることができ、家に持ち帰ったり休日を費やしたりすることは全くありません。
強いて言うなら、一週間単位で自分の空き時間を把握し、そこでいかに効率的に自分の授業準備を済ませてしまうか、は常に意識しています。
1週間のスケジュールを読む...
スケジュール
- 9:00~12:30
教務事務/授業準備 - 12:30~13:20
昼休み - 13:20~18:00
学生対応/教務事務/授業準備
- 9:00~12:30
教務事務/授業準備 - 12:30~13:20
昼休み - 13:20~16:40
初級クラス4コマ - 16:40~18:00
学生対応/教務事務/授業準備
- 9:00~12:30
初級クラスを4コマ - 12:30~13:20
昼休み - 13:20~18:00
学生対応/教務事務/授業準備
- 9:00~12:30
初中級クラスを4コマ - 12:30~13:20
昼休み - 13:20~18:00
学生対応/教務事務/授業準備
- 9:00~12:30
中級クラスを4コマ - 12:30~13:20
昼休み - 13:20~18:00
学生対応/教務事務/授業準備
教案作りで参考にしているサイトは?
- 『日本語教師のN1et』
働き始めたころの教案作成に利用しました。 こちらのサイトには代表的な教科書である「みんなの日本語」の教案・教える際のポイントが公開されており、自分で一から導入や例文を考えなくて済むようになっています。経験ある先生が作っているものなので、素人が考えるよりもわかりやすく的確な教え方をすることができます。 情報量は減りますが初中級以上の文型の説明やクラスアクティビティの紹介もあります。
就職活動
この日本語学校で働くきっかけ・決め手を教えて下さい。
養成講座中に日本語教師採用合同説明会に参加し、そこで話を聞いた何校かに学校見学のアポを取り、見学に行きました。そこで見た学校の様子や先生たちの雰囲気、説明してくださった先生の熱意などを比較し、現在の勤務先を選びました。
面接で何を聞かれましたか?
面接では、日本語教師という職を志望する理由、大学時代に何を学んだか、海外経験の有無、外国語学習経験の有無、養成講座での実習の経験、雇用形態の希望(常勤か非常勤か)、通勤時間、待遇などについて聞かれました。
模擬授業ではどのような課題が与えられましたか?
初級の文型一つを事前に伝えられ、その文型の導入と練習を15分程度で、と言われました。
養成講座の先生に相談に乗ってもらいながら、その文型で注意すべき点、おそらく突っ込まれるだろう点などを想定し、教案を作成しました。
練習についてはあまり力を入れずほぼ準備しなかったのですが、今考えればもう少し練習も工夫して準備すればよかったなと思います。
この日本語学校で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?
特記するほどの資格等は思い当たらないのですが、常に自分を相対化・客観視できる姿勢は大切だと考えています。
学習者にはそれぞれの目標や人生設計、挫折や悩みがあります。その一つ一つに寄り添い(感情移入する必要はありませんが)、「もし自分が学生の立場なら」「もし自分が一人異国で未知の言語を学ぶ立場なら」と自分を相対化できることが、日本で日本語教師にをする者に必要な意識だと感じます。(ましてや日本語学校に通う学習者の多くは、高校卒業以上の”大人”です。)
教える側というのは、得てして「私が正しい(教師だから)」「この日本語が正しい(日本人だから)」「この学生はできる、できない」と一方的な目線になりがちです。これは長く続ければ続けるほど陥りやすいものだと思います。私自身もその狭い視野に陥らないように気をつけています。
就職活動で参考にしたウェブサイトは?
-
『 日本村』
日本語教師界では有名な求人サイトです。求人数も多いです。1~2月頃には、日本村主催で日本語教師採用合同説明会が開催されることもあります。 -
『 日本語オンライン』
求人数が豊富です。地域ごとの求人が載っており、探しやすいです。 -
『 日本語教師の集い』
日本語教師のプラットフォームです。求人数も多く、国内外の求人を探すことができます。
その他就職活動で有効な手段は?
-
養成講座の求人
実際は上記サイトはざっと見るだけで、あまり活用していません。養成講座に通っている人は、そこで求人情報を得るのが一番よいかと思います。
就職 教育機関選びで特に重視した点
- 学校や先生の雰囲気
- 学校の規模
- 通勤時間
応募時に必要とされた資格
- 日本語教師養成講座420時間修了
- 日本語教育能力検定試験合格
- 大学 日本語教育主・副専攻
就職 選考方法
- 書類
- 面接
- 模擬授業
日本語教師全般に関する質問
どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?
語学力によらずに国内外を問わずできる仕事
自分の技術で稼いでいくことができる仕事
多文化共生社会への貢献に関与できる仕事
物を売る等ではなく人に寄り添い対話ができる仕事
という点で考えた結果、日本語教師という仕事に行きつきました。
「日本語教師をやってよかった!」どのような時に実感しますか?
一番は、学生から感謝されたとき・学生との信頼関係が深まったと感じられたです。
普通の仕事では、サービスの受け手から直接的な感謝・信頼を頻繁にもらうということはあまりないと思います。一方日本語教師は、サービスの受け手である学生からの感謝・信頼を日々もらいながら働くことができます。これは日本語教師の楽しさの一つだと思います。
また、学生の面白い答えを見たり、かわいい一面を見たときも、学生に”萌え”るので、この仕事はやめられないなと感じます。
学生のみなさんへ 進路のアドバイスはありますか?
養成講座をオススメします。実戦的な指導が多く、就職サポートも手厚いからです。
大学や大学院は、実践力(授業力)という点では弱く、即戦力を期待する現場では心配されることがあります。また日本語教師の就職活動は少し特殊なので、大学の就職支援センターが把握していないことも多いです。
社会人のみなさんへ 進路のアドバイスはありますか?
養成講座をオススメします。実戦的な指導が多く、就職サポートも手厚いからです。私が通っていた養成講座も、8割が社会人の方でした。
日本語教師業界は、新卒/中途という概念はあまりありません。もう何年も働いてしまったから…という理由で日本語教師を諦める必要はありません。
また、どんな業界であろうとその経験が日本語教師の場でも役立つと思います。
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