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日本国内 日本語教師経験談

国内 日本語学校 「先生のおかげです」と言ってもらえると教師冥利につきます

Nishikumi39さん・ 49歳・ 女性 👩 ・ 日本語教師歴 17年

総評

  • 国内の日本語学校
  • 雇用形態:常勤講師 *非正規雇用・フルタイム
  • 期間: 13年(2000~2013年) 現在も勤務中
  • 月収:15~22万円(手取り金額。同一機関での月給ですが、変動がありました)

Q:日本語教師をやってよかった!と、どんな時に実感しますか?
まずは、日々の授業で、計画を立てて実践したことが、うまく行った時、そして、その積み重ねで学生の日本語力の成長を感じたときは嬉しいです。

また、学生の進学先が決まったり、日本語能力試験に合格したりしたとき、「先生のおかげです」と言ってもらえると教師冥利につきます。

さらに嬉しいのは、卒業した学生が、ふらっとたずねてくれることです。帰国した学生が、日本へ旅行に来た時なども、わざわざ足を延ばしてくれ「日本の故郷です」と言ってくれるのも感動します。

「結婚して、子供を産んだから」と、見せに来てくれる学生もたくさんいます。帰国した学生とはFacebookでつながって、ときどき「コメント」や「いいね」をするのも楽しみです。

私は、日本へ来た人たちが、日本を好きになってほしいと思うので、学生達が何年たっても忘れないでいてくれるというのは幸せです。そして何より、「教師と学生」「日本人と外国人」という垣根を越えた「友人」関係になれるのが、「教師をやっていていちばんよかった」ことです。

日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

給料が安い、または不安定であるというのは、生活する上でいちばんつらいところです。たしかに、仕事はやりがいがあり、充実しているのですが、国の方針によって、外国人入国者数が増減すると、在籍学生数が不安定になり、結果、仕事の有無や給料の額に反映されてしまいます。突然クビというのも、珍しくないことでした。

また、かなりの専門知識を必要とする仕事であるのに、社会的に認められていないというのも辛いところです。特に、日本語学校は「ヘンな外国人がいるところ」という目で見る人もまだまだ多いのが実情です。自分も学生も、そういう目で見られるのは嫌なものがあります。

授業そのものは、初めこそ大変ですが、あとは経験するにつれて、コツがつかめていきます。ただ、専任講師になった場合、授業以外の業務が多く、教えることに専念できないことがあります。

日本語学校は経営が大変なところが多いので、日常的な業務をかなりこなさなくてはなりません。進路指導、学生管理、教室管理、広報活動、イベントの運営などから日々の清掃まであります。会議もかなりあります。

これらの業務が好きな方は苦痛ではないかもしれませんが、「教えたい」気持ちが強い場合は、他の業務に時間を割かれるのは辛いことかもしれません。私の場合がそうで、もっと授業に力を入れたい時に、「雑務」が多いと胃が痛くなります。ただ、それも、「勉強」だと思うことが大切です。

文化の違う、様々な国から来ている学生達ですから、日本にいる間には問題も出てきます。病気、事故、犯罪、人間関係トラブル、そして、最悪の場合は死亡といった、暗い面にも目を向けていかなくてはなりません。

これも教える以外に対処しなくてはならない大変なことですが、こういった場面での関わりを通して、人間同士として結びつき、その後、末永くつきあえるようになっていきます。

就職活動

仕事の探し方としてどのような方法をおすすめしますか?

ネット上で探すなら「日本語オンライン」(http://nihongo-online.jp/net/)は、草分け的サイトで、求人によく利用されています。幅広い募集がありますので、ここで求人している学校に挑戦してみたらいいのではないでしょうか。

日本語教育学会(http://www.nkg.or.jp/menu-job.htm)や、国際交流基金(http://www.jpf.go.jp/j/about/recruit/)にも求人情報がありますが、経験者や大学院卒の条件が必要なものが多いかと思います。ほかにも、求人サイトがあるので、利用する価値はあります。

日本国内での就職が難しい場合は、思い切って、海外で経験を積まれることをおすすめします。日本では、応募の条件として「経験者」とある場合が多いので、多少、お給料は低くても海外へ出ておくのは、年数としての経験だけでなく、文化的な経験も積むことができ、外国語も身につきます。中でもJICAの「青年海外協力隊」の日本語ボランティアはお勧めです。

勇気がある方は、私のように、直接、電話をかけ、履歴書を送ってみるというのもいいと思います。

私の学校には、年に2~3人、そういった方からの応募の電話がかかってきます。その時にタイミングが悪くても、あとから声をかけてもらえることもあります。

大学に在学中の方は、「実習」として、日本語学校へ行かれるといいと思います。このケースも、私の学校では、ここ数年で4人を採用しています。ご自身も、その学校の様子や仕事の概要がわかります。

面接の際には、あわせて「模擬授業」を課せられることもあるかと思います。これは経験者のほうが絶対に有利ですが、「伸びしろ」や「キラリト光るいい面」がみられるかどうかがポイントです。

表情がいい、はきはきしている、コミュニケーション上手など、未経験者は、これから教師をやっていく上で必要な素養が表現できればいいでしょう。

ほかの就職もそうですが、伝手がなくても、とにかく行動して、面接をしてもらうことではないでしょうか。そして、自分に足りないものに気がついたら、学び直して再チャレンジするのみです。

日本語教師全般に関する質問

どうして日本語教師を目指しましたか?

アルバイトを探していた時に、求人情報を見て「何となくできそうな仕事だから」と思ったので、気楽に始めました。ところが、外国人と接することや、日本語の教え方を工夫することがとても面白く、自分にあっている仕事だと感じたので、以来、一貫して日本語教師です。

日本語教師になるからには、本格的に学んで「日本一の日本語教師になりたい」と思い、通信教育で420時間の養成講座を修了し、大学の日本語学科に入り直し、日本語能力検定試験もとりました。今もまだ、新しい分野を開拓するために学んでいます。

途中一度、諸事情により職を退きましたが、復職する際に選んだ仕事は、やはり「日本語教師」です。

大変なことは多いのですが、他の仕事をやることを想像しても物足りない感じがしたのと、それまで積み重ねてきた自分の経験や、作成した教材などを生かせる場だと思ったので、日本語教師を選び、以来、続けています。

これから日本語教師を目指したい方たちにアドバイスをお願いします。

できるなら、大学院へ進学したほうがいいです。大学で教える場合に、修士が必要なところが多いからです。それは、海外の大学でも同じです。

何らかの形で資格が取れたら、非常勤講師をするなり、ボランティアをするなり、現場での実践経験を積みながら、それを院での研究に生かすことです。

もうひとつは、「海外で教える経験をする」ことだと思います。自分が海外にいた経験が、来日して日本語を学ぶ外国人の気持ちを理解したり、学びの問題点に気づくのに役立ったりするからです。また、そこで身についた語学力は、日本語教師としての価値を高めます。

外国語に関しては、英語はある程度できたほうがいいです。他の言葉は、ハイレベルではなくてもいいので2~3カ国語の知識があるといいと思います。学習者の母語を理解すると、コミュニケーションに役立つだけでなく、教える際にも示唆を与えてくれることがたくさんあります。

また、できれば「教育」をしっかり学んでおいた方がいいと思います。「日本語を教えるテクニック」は教師の問題であり、表面的なことで、すぐに身につきます。

けれども、「学習者がどうやって学びを獲得するか」という視点に立った時に、認知学、心理学などをなどの「教育」の考え方が必要です。

日本語教師の仕事は不安定ですが、ここまでやれば、必ず「求められる教師」になります。がんばってほしいと思います。

今後どんな日本語教師になりたいですか?

長いこと日本語教師をやってきたので、教えることなら、だいたいのことはできます。けれども、学びたい人のニーズにあった学びを提供してあげることは難しいと感じています。

そこで、これからは「eラーニング」を使った日本語教育をやってみたいと思っています。物理的に、時間的に教室に通いにくい人、自習に役立てたい人、海外で先生がいない人など、「eラーニング」には、そういったニーズにこたえられる大きな可能性があると思います。

最近では、筑波大学や国際交流基金が「eラーニング」に力を入れています。そのような大きなプロジェクトに参加したいとも思いますが、もっと、個人的なサイトに「eラーニング」を組み込み、世界の人と日本語学習を通じて友達になることが、今の私の夢です。そのために、目下、勉強中です。

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