元日本語教師による
日本語教師の実態レポート

日本語教師になるにはどうすればいいの?資格はいるの?どんな風に教えるの?
具体的な経験を交えながら、教師の仕事について
"元教師"が実態をお伝えします。

日本語教師 経験談 国内の日本語学校

非常勤は収入は不安定だが、自分の時間が持てる

公開:2019/11/26

みどり(女性・28歳) 
日本語教師歴 3.5年 (2016年~2019年) 
*現在も日本語教師として就労中
資格・課程
日本語学校での
経験詳細
  • 月収:19万円
  • 非常勤講師(コマ/時間勤務)
  • 3.4年(2016年~2019年)

日本語教師養成講座を修了し、非常勤として日本語学校で働いた経験は自分の人生の転換期だったと言えます。

仕事に対してネガティブなイメージを持っていましたが、転職してこの業界に入り、仕事が毎日楽しくやりがいがあり、ネガティブからポジティブなイメージに変化しました。学生に関しては所謂マンモス校での勤務だったので、良くも悪くも様々な学生と接することができました。

日本語学校は基本的に3か月ごとに授業のシフトが確定するのですが、この学校に合わないと感じたら3か月で他に移る非常勤の先生もいて、流動性が高いです。反対に専任よりも長く勤めている非常勤の先生もいます。自分に合った学校さえ見つけられれば、教え方に集中できると思います。

専任(正規雇用)と非常勤(非正規雇用)の立場についてですが、対等な場合と全て専任の意見に従わないといけないような上下関係のヒエラルキーが存在する学校もあるようです。私の勤めていた学校は専任と非常勤という枠にこだわらず、相談しやすい環境でした。

授業終了後の残業に関しては担当するレベルやクラスによります。学校によってLINEなどで学生や進度に関する連絡は入ることはありますが土日は基本的にしっかり休めます。

非常勤は収入が不安定ですが、自分のスキルを増やし、経験を積めば、複数の収入が持てます。正社員よりも自分の時間を優先できるので、メリットも多いです。何よりも進学や就職を目指して来日していることが殆どで、将来に希望を持ち、やる気に溢れている彼らを見ると、もっと成長して、自分の価値を高めよう、頑張ろうと自分自身も触発されます。

私は前職を辞め、日本語教師として生きることを選択してよかったと思っています。日本語教師は新卒一括採用ではなく中途採用がメインなので様々な経歴を持った年齢も性別もバラバラな同僚たちと一緒に働くことができる楽しさがあります。素敵な同僚に囲まれて働くのは幸せですよ。

Q:他の教育機関と比較・検討しましたか?

あまり検討しませんでした。専門学校の日本語別科だと自分以外の日本語教師が日本語学校に比べて少ないため、経験が浅い自分にはまだ早いと感じました。

プライベートレッスンは、未経験でしかも他の外国語で説明できるほどのレベルではなく、相手を満足させられるか不安だったので、これも選択肢から除外しました。

そして今後地元に戻っても働き続けられるところを考えたとき、一番手っ取り早く経験が積める日本語学校で働くのがベターだと思いました。幸いにも自分の通勤できる範囲には日本語学校がたくさんあり、まず正社員ではなく非常勤として働くことを決めました。

同じ養成講座を受けていた人たちも、まずは日本語学校で働きたいと思っている人が多かったです。

Q:日本語教師として苦労した事、戸惑った事はありますか?

戸惑ったことは学生からの質問にその場で答えられなかったことです。もちろん、次の授業までに自分の宿題にしたいという申し出を学生は快諾してくれるのですが、駆け出しの頃は授業準備した範囲外のことを訊かれると頭がフリーズして、どのように対処していいかわからず、学生からの信頼を失うような対応をしたかもしれません。

今は知識や経験がある程度積み上がり、迷わずその場で答えられることが増えてきました。

苦労したことは担当クラスによってサービス残業が1時間もあったことです。これに関しては1年ほど改善されず、収入も不安定だったので大きな悩みの種でした。

Q:なぜこの教育機関を退職しましたか?

しばらく海外に滞在するため退職しました。1年で戻る予定です。

職業柄、日本語教師は海外で働いていた経験や留学・ワーキングホリデー経験のある人たちが多く、そういった人たちに囲まれた環境で働いていたので、自分も海外で生活してみたいという気持ちが大きくなったことが一番の理由です。

給与・待遇

月収 19万円
月収内訳
  • 1コマ45分:2,050円
  • 担任手当:10,000円
  • 会議手当:3,000円
基本労働時間 1日4~8コマ+20分 週3日勤務
残業(時間外労働) 20~60分 その日によって違います
待遇
  • 交通費
  • 有給休暇
  • 賞与 非常勤ですが継続年数に応じて年1回支給されました
  • 保険・健康診断
    (社会保険加入は非常勤でもコマ数の条件クリアできれば希望すれば加入できました。私は加入していません。)
  • 年間昇給(1コマ 50~100円単位で昇給)
クラスの長期休暇中の
給与保証
給与が発生する仕事がある
仕事のかけもち
  • かけもちをしている:日本語学校(計2校に勤務)
  • 日本語教師以外の副業に就いている

日本語教師(非常勤)として働くなら、最初の内は正直生活するのは厳しいと思います。初めてなので授業準備にかかる時間も長く、担当できるクラスも多くないので、収入は少ないです。

慣れてきて、掛け持ちなどできるようになれば一人暮らしの人でも安定すると思います。進学目的の日本語学校の場合長期休みが被ったりするので日本語学校での掛け持ちともう一つ派遣かプライベートレッスンなどの収入があると安心できるかと思います。中には有給と長期休みを利用して旅行する非常勤の先生もいました。

給与に関しては継続年数に応じ上がります。どのように査定されているか不明です。また、日本語教育能力試験に合格したことを報告して、昇給できました。

学校によっては試験の合否は給与に影響がないことがあるので、この点に関してはいいと言えます。

GWや長期休みの間は、専任の先生の補助的な作業をして、時間給でお金を貰っていました。上層部の計らいで、優先的にシフトにいれてもらっていました。ただ、希望者が多くいれば1人あたりのシフトは減るのであまり当てにできませんでした。

未だに契約書がないとんでもない日本語学校もあるみたいですが、待遇改善に取り組み、若い日本語教師でも働きやすい環境の学校が増えてきていると思います。深刻な日本語教師不足だと言われているからこそ様々な学校を見学し比較することをオススメします。

授業形態・勤務スケジュール

授業形態 クラス授業:1クラス18人
学習者の年代
  • 大学生
  • 社会人
主な学生の出身地 中国
1日の時間割 月曜日
  • 13:00~16:30  
    初中級クラス4コマ
火曜日
  • 今回レポートする教育機関での仕事は無し・2時間程度 授業準備
水曜日
  • 9:00~12:30  
    中級クラス4コマ
  • 13:00~16:30  
    初中級クラス4コマ
木曜日
  • 今回レポートする教育機関での仕事は無し・2時間程度 授業準備
金曜日
  • 9:00~12:30  
    中級クラス4コマ
  • 13:00~16:30  
    初中級クラス4コマ
休日 土日
休日に取り組んだ仕事:1時間程度 授業準備

Q:クラス運営(授業形態)で、ここは大変だった!と感じた点はどこですか?

進度の進み具合に対して学生の理解が追いついていなかったことです。分からないのに進度表に従って行うのは学生のためにならないと言うことで、専任に相談して来学期もクラスメンバーそのままで学生の理解度に合わせてゆっくり進められるように変更してもらいました。

専任の先生は該当クラスの授業を持っていなかったのでベテランの先生が指揮をとり動いてくれました。学生達が三か月わからないまま過ごすことにならなくてよかったです。

Q:日々のスケジュール管理で、ここは大変だった!と感じた点はどこですか?

三か月ごとにシフトが出るのですが、今回レポートする学校は教師の数が多いせいか、いつもギリギリにシフトが決まります。担当するレベルによって使用教材も変わるので、正直常に休みの日に教材研究している訳にもいかないので、シフト希望用紙を提出する時点で担当したいレベルを記入していました。。

非常勤はシフトのコマ数が収入に直結するので、あまりシフトに関してワガママは言えません。打ち合わせと授業開始前の休みはなるべく予定を入れず、授業準備に費やせるようにしていました。

Q:教案作りで参考にしているサイトや書籍があれば、ぜひお聞かせください。

参考になるサイト
  • 日本語教師のN1et
    文法の解説と例文を参考にするため。最初の頃みんなの日本語教案をつくるときここをよく参考に授業を組み立てていました。
  • みんなの教材サイト
    文法の解説と例文を参考にするため。また、絵やワークシートなどもあるので授業内で使用する場合もあります。
参考になる書籍

就職活動

教育機関選びで
重視した点
  • 給与(待遇)
  • 通勤時間
  • 学校設備
応募時に
必要とされた資格
選考方法
  • 書類
  • 面接
Q:この教育機関で勤務すると決めた決め手、きっかけを教えて下さい。

養成講座を受講中、日本語教師の求人サイトもあまり知らなかったので、ハローワークで通勤時間が短いところや受講中でも応募可能だったので応募しました。書類審査と面接も無事合格できたので、まずは日本語学校で働いてみようという気持ちで働きました。

経験を積んでからは知り合いの教師からの紹介で働くことが多かったです。

Q:面接ではどのようなことを聞かれましたか?

初めて勤務した日本語学校では、なぜこの業界に入ろうと思ったのか訊かれました。また、前職を辞めた理由、現在実家ぐらしか一人暮らしかなど訊かれました。日本語教育能力試験はまだその時受けていなかったので、試験を受験する気持ちはあるかどうかも訊かれました。

掛け持ちするようになってからは殆ど入れるコマ数や代講をお願いできるかどうかの話をされることが多かったです。

Q:模擬授業では、どのような課題が与えられましたか?

与えられた課題はみんなの日本語の条件形の導入です。導入文は3つ用紙して、実際には2つの文を導入し、1つは予備として準備して行きました。把握しやすいように、教案とは別に略案と大まかな板書計画を書いた紙も持っていきました。

Q:この教育機関で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

やはり日常~ビジネスレベルで話せる言葉があると強いと思います。国内の日本語学校は直接法ですが、プライベートレッスンや企業レッスンは学習者の母国語ができる人を優遇している傾向にあります。

それから外国人雇用が増えている介護やITエンジニアの仕事経験がある人は日本語教育業界において需要があるのではないかと思います。

Q:日本語教師(国内)の求人情報は、どこで得ましたか?
求人情報のサイト
日本語ピック
殆どの求人サイトをここのサイトがまとめてくれています。解説もあるので自分にあった求人を見つけられると思います。
その他求人情報
  • 養成講座時代の講師からの紹介:
    採用確定で面接が受けられる・面接というよりも授業に入れる日、担当レベル・進度表など打ち合わせに近いです。
  • 養成講座や同じ学校の同僚:
    非常勤目線での学校の雰囲気などがわかる

日本語教師全般に関する質問

Q:もともとはどのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

前職を辞める時に、今の自分には特筆すべきものが何もないことに不安を感じたことがきっかけです。

30歳過ぎると就職難しいよと友人が言っていたことを思い出し、このまま転職先を探すのではなく、資格を取って、その資格を活かした仕事に就こうと思いました。

Q:日本語教師をやってよかった!と、どんな時に実感しますか?

学生からの文法の質問に対して答えられたときです。初級の学生で、「~たり~たり」と「~て~て」の違いを訊かれたのですが、絵で示したところ納得した顔で帰っていきました。

質問を受けて説明しても、わからないままの学生がいるのですが、こちら側に遠慮し、その場では「わかりました」と応える学生もいます。しかし、こちらの説明でうまく理解できたときの明るくなった顔を見るのが嬉しくてたまりません。

できる学生にはヒント程度で、手助けが必要な学生には分かりやすく教えられる教師でありたいものです。

Q:日本語教師を辞めたいと思ったことはありますか?それはどうしてですか?

なし。3年以上働いていますが今のところ日本語教師そのものを辞めたいと思ったことはありません。

Q:日本語教師を目指す方へ、アドバイスをください。

【学生の方へ】
大学に入ってから日本語教師になりたいと思ったのであれば、日本語教師養成講座の受講をオススメします。また、今のところは日本語教育能力試験に合格しておいた方がいいです。

社会人経験のないまま日本語教師になってもいいのか不安に思う人がいるかもしれませんが、日本語教師も立派な社会人です。今は新卒を積極的に受け入れている学校などもあります。若いあなたを待っています。応援しています。

【社会人の方へ】
日本語教師は様々な年代の人がいます。若いから経験が浅い、年配だから経験があるということは絶対にありません。物事を柔軟に考え、誰に対しても謙虚な人であれば、いつでもこの業界に入れると思います。

今いる業界をやめて日本語教育の業界に入るのではなく、二足の草鞋を履くことはできないか考えてみるのもいいかもしれません。実体験を基に、学生に対して就職や大学選びに関してアドバイスできるのは強みになるでしょう。

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