元日本語教師による
日本語教師の実態レポート

日本語教師になるにはどうすればいいの?資格はいるの?どんな風に教えるの?
具体的な経験を交えながら、教師の仕事について
"元教師"が実態をお伝えします。

国内の大学 経験談

学生の成長が何よりの対価

公開:2017/05/17
ぽんた(女性・26歳・神奈川県) 
日本語教師歴 約4年 (2012年~2017年) 
※途中休職期間あり
*現在も日本語教師として就労中
資格・課程
  • 大学院 日本語教育
  • 大学 日本語教師専修
大学での
経験詳細
  • 月収:28,000円
  • 非常勤講師(コマ/時間勤務)
  • 2年(2014年~2016年)

私が勤めていた大学はそれほどレベルの高い大学ではなかったので、いろいろな学生がいました。

留学生の多くは、1,2年日本語学校で勉強して大学に入ってきます。日本語のレベルは入学時ではN4程度で、非漢字圏(東南アジア)の学生がほとんどだったため、学生の多くは漢字が苦手で、日本人学生と一緒に受ける授業にはついていけていませんでした。

ですが、多くの留学生は学費や生活費の一部をアルバイトで賄っていたので、家に帰ってから日本語を勉強する時間なんてありません。日本語の授業の時間が日本語を伸ばす唯一の時間と言ってもいいくらいでした。

そんな中で、私が気を付けたのは、授業で使う専門の語彙を増やすことです。もちろん漢字も一緒に教えます。語彙を増やすことで、授業中聞き取れる言葉が増えます。プリントの読める漢字が増えます。学生に授業がわかるようになったと言われることが何よりやりがいを感じる瞬間でした。

非常勤という雇用形態だと、授業の準備時間にはお給料が発生しませんし、授業時間外に学生に相談された時も、完全にボランティアになってしまいます。

お給料が出ないことはやりたくないという方には、非常勤は向いていないかもしれません。けれど、授業準備をしっかりすることはもちろん、授業時間外に学生の相談に乗ったり、課題の添削をしたりすることも、学生との信頼関係を築く上で大切な仕事の一部です。

学生の成長を見守る喜びこそが何よりの対価だと思える方には、最高の職業だと思います。

Q:他の教育機関と比較・検討しましたか?

日本語学校で働くことも検討しました。

私が検討していた日本語学校ではカリキュラムを自分で決めることができませんでした。大学だと使用教材から全て自分で決め、コースをデザインできるので、そちらに魅力を感じ、そちらを選ぶことにしました。

Q:日本語教師として苦労した事、戸惑った事はありますか?

せっかく大学に入学したのに、学費が払えず、退学していく学生がいました。勉強したいのにできない学生を見ることはとても辛かったです。

他には、アルバイトが忙しくて日本語の宿題ができないと言う学生もいました。そのような学生には授業内でどうにかして宿題分まで勉強させなければならないので、最終的には1人ずつ違うプリントを作るに至りました。これが一番苦労したことだと思います。

Q:なぜこの教育機関を退職しましたか?

大学院生時代にしていた非常勤なので、大学院修了とともにやめました。

できればそのまま働きたかったのですが、常勤講師を募集していなかったので、続けることができませんでした。非常勤講師では生活するのが難しいので、今は別の大学で常勤講師をしています。

給与・待遇

月収 28,000円
月収内訳 1コマ90分:7000円
残業(時間外労働) 残業なし
クラスの長期休暇
  • 夏休み:8~9月
  • 春休み:2~3月
クラスの長期休暇中の
給与保証
長期休暇中は別の仕事をしている
仕事のかけもち 日本語教師以外の副業に就いている

私が働いていた大学では非常勤講師は1コマ(90分)で7000円のお給料をもらうことができました。それだけ見ると、悪くないように見えますが、実際は割に合わないと感じることもありました。

まず、交通費の支給がありません。大学が休みの間は仕事がないので、お給料ももらえません。さらにいうと、授業のはじまる1時間前には大学に着いていなければならなかったので、実質的な拘束時間は150分でした。それでも、日本語学校で非常勤をするよりは大学の方がお給料はいいのではないかと思います。

Q:給与や待遇面でお勧めできる、国内のその他教育機関を教えて下さい。

一番良いのは、大学で常勤以上の職に就くことだと思います。非常勤でも掛け持ちをすれば生活できるくらいのお給料はもらえますが、できれば常勤以上を狙うべきです。

その場合、修士号あるいは博士号は必須になります。新卒でいきなり国内の大学で働くのはハードルが高いので、海外の大学で何年か勤めてから、国内の大学に勤務する方が多いようです。

授業形態・勤務スケジュール

授業形態 クラス授業:1クラス20人
学習者の年代 大学生
1日の時間割
  • 11:30~12:30  
    大学にて授業準備
  • 12:30~14:00  
    授業 1コマ
休日 水曜日以外
休日に取り組んだ仕事:授業は週に1回水曜日。それ以外の日も、授業準備をしたりしていました。

Q:クラス運営(授業形態)で、ここは大変だった!と感じた点はどこですか?

留学生の人数が少なく、レベルごとにクラスを分けることができなかったので、全員一つのクラスで勉強していました。N4レベルの学生もいれば、N2を取得した学生もいて、勉強したいことも違うので、それぞれのレベルに合った教材を作るのがとても大変でした。宿題もそれぞれにあったものを作っていたので、準備には時間がかかりました。

他には、授業時間外に課題を添削してほしいという学生が多かったので、学期末はレポートの添削に追われていました。

Q:日々のスケジュール管理で、ここは大変だった!と感じた点はどこですか?

日本語教師の仕事だけでなく、他の仕事も掛け持ちしていましたし、大学院の授業もあったので、授業の準備をする時間を作るのが大変でした。毎日少しずつ準備して、どうにか1週間で準備が終わるようにしていましたが、毎回ギリギリの状態でした。

Q:教案作りで参考にしているサイトや書籍があれば、ぜひお聞かせください。

参考になるサイト
日本語教師の教案   

教案例 
教案を作る際、参考にしています
参考になる書籍

就職活動

教育機関選びで
重視した点
  • 給与(待遇)
  • 雇用形態(専任・常勤・非常勤)
  • 使用されている教授法
応募時に
必要とされた資格
大学院在学以上
選考方法 紹介のため試験なし
Q:この教育機関で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

資格としては大学院在学以上になると思います。大学で働きたい場合は知り合いからの紹介が一番確実だと思います。私は大学院の先生に紹介してもらいました。このような場合は、資格や経歴などは特に重視されないと思います。

Q:日本語教師(国内)の求人情報は、どこで得ましたか?
その他求人情報 大学院の教授からの紹介:私は大学院の教授からの紹介でした。大学院の卒業生からもよく紹介してもらえます。日本語教師は狭い世界なので、大学で働きたい場合は知り合いに聞いてみるのが一番いいと思います。

日本語教師全般に関する質問

Q:もともとはどのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

大学生の頃、留学先で日本語を教えてほしいと言われることが多かったのですが、上手く教えることができず、もどかしく思っていました。そこで、日本に帰国してから日本語教育の授業をとり、本格的に勉強しはじめました。その後、教育実習を経て、日本語教師という仕事にやりがいを感じ、日本語教師を目指すことにしました。

Q:日本語教師をやってよかった!と、どんな時に実感しますか?

日本国内で日本語教師をしているといろいろな国のいろいろなバックグラウンドをもった学生に出会いますが、海外で勉強する学生と違うのは、国内で日本語を学ぶ学習者は日本語を使って生活している点にあります。日本語が使えるようになればなるほど、生活が豊かになるのです。

大学の授業がわかったという報告を聞いた時や、日本人の友だちができたという話を聞くと、日本語教師をやってよかったなあとしみじみと思います。

Q:日本語教師を辞めたいと思ったことはありますか?それはどうしてですか?

私は日本語教師を辞めたいと思ったことは一度もありません。けれど、いつまで続けることができるだろうかとよく考えます。お給料は安いのに、やることは山ほどあります。体力勝負なところもあります。ずっと続けることができるか、今はまだわかりませんが、できる限りは続けるつもりです。

Q:日本語教師を目指す方へ、アドバイスをください。

【学生の方へ】
日本語教師になる為には、大学院に進むことをおすすめします。

私は大学院を修了し、いくつかの機関に書類を送りましたが、書類審査で落とされたところは一つもありません。経験が浅い分は学歴でカバーできます。また、大学院に進めば就職の幅も広がります。

【社会人の方へ】
社会人から日本語教師になる方は養成講座に行かれる方が多いように思いますが、やはり私は大学院をおすすめしたいです。

日本語教師という仕事は今までの社会人経験が必ずしも役に立つ仕事ではありません。教える前に、様々な理論を知っておく必要があります。理論のないうえに実践は成り立ちません。まずは、深く理論を学ぶところから、ゆっくりと日本語教育の世界に入って行っても良いのではないかと思います。

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