元日本語教師による
日本語教師の実態レポート

日本語教師になるにはどうすればいいの?資格はいるの?どんな風に教えるの?
具体的な経験を交えながら、教師の仕事について
"元教師"が実態をお伝えします。

日本語教師 経験談 国内の日本語学校

緊張の日々の中「話せた」喜びに感動!

公開:2019/05/23

日本語大好き日本語教師(女性・32歳) 
日本語教師歴 4.7年 (2012年~2017年) 
*現在は休職中
資格・課程
日本語学校での
経験詳細
  • 月収:12万円
  • 非常勤講師
  • 3年(2012年~2015年)

日本語教師は日本の窓口です。
初めて日本に来た学習者が日本を好きになってくれるかどうかがかかっていると思うと、日本語教師としての毎日は緊張の連続でした。

仕事を初めて最初の一年はとにかく大変で、授業準備が朝方までかかることもほとんどでした。しかし、授業が始まれば時間はあっという間。その日の文型を使って学習者のことを知ることができるのでとても楽しく、学習者との会話に夢中になります。

日本語学校では、主に初級の授業を担当していました。初めての授業はいつも、学習者の緊張を強く感じます。そんな学習者の前では、とにかく笑顔で明るく授業をすることを第一としていました。日本語は楽しい、そう思ってもらえるように、教科書をあまり使わず、前を向いて発話できる空間を作りました。
ある日、授業後にある学習者が話しかけてくれました。
「先生、その本…貸してもいいですか。」
惜しい!

間違いがあっても、その日に教えた文型を使ってくれることが一番嬉しいです。「こんにちは」から勉強を始めた学習者が、上手に日本語を話す姿を見ると感動します。初めて日本語を教わったのが先生で良かったと言われた時の嬉しさは忘れられません。

毎日発見があり、感動もある。何より話すのが楽しい。日本語教師は日本を伝える窓口であり、外国のことも知ることができる日常にはない経験ができる職業です。

Q:他の教育機関と比較・検討しましたか?

初めて勤務した学校は養成講座のスタッフの方からの紹介だったこともあり、他の教育機関と比較・検討はしませんでした。まずは経験を積むことが第一と考えたこと、実際に授業を行うための準備に追われ、考える余裕がなかったというのも事実です。

後から考えると、学校にはそれぞれ特色があり、学習者の目的も違うので、比較・検討をもっとすれば良かったと思います。

Q:日本語教師として苦労した事、戸惑った事はありますか?

日本語学校の学期は三カ月単位で、期末の試験の結果で次の学期のレベルが決まります。学習者の中には次のレベルに上がれずまた同じ勉強をしなければならない人もいます。

学校のルールでもあり、仕方のないことでもあるのですが、三カ月頑張っている姿を見てきた学習者に、再履修を伝えなければならないことに、戸惑いと自分の無力さを感じました。

あるクラスで同じ勉強をしても意味がないと意欲をなくしてしまった学習者がいました。最初は授業に出席しても、ふてくされている様子でした。

意欲的に授業に取り組んでもらえるよう、クラスの模範として接することにしました。授業内では一番最初に答えてもらったり、少しレベルの高い課題を特別に与えたりしました。動詞の活用が弱いなど、理解が足りていない点も明確にして伝え、補修も行いました。

三カ月後にはクラスの中でも高得点をとり、自信を持って次のレベルに進めたようでした。勉強だけでなく、学習者の心のケアも大切だということを学びました。

Q:なぜこの教育機関を退職しましたか?

学校を二校掛け持ちしていたので、一校に絞る形で退職しました。掛け持ちをしていると、学校にいる曜日が限られてしまい、担任をしているクラスの学習者対応が十分にできないと感じたからです。同じように掛け持ちをしている先生も多く、退職の理由を快く理解してくださいました。学習者の出身国がより多様な学校を選びました。

給与・待遇

月収 12万円
月収内訳
  • 時給:1,800円
  • 担任手当:5,000円
基本労働時間 1日4コマ 週2日勤務
残業(時間外労働) 残業なし
待遇
  • 交通費
  • 年間昇給
クラスの長期休暇中の
給与保証
給与保証がない
仕事のかけもち かけもちをしている:日本語学校(計2校に勤務)

非常勤講師は、授業のない日は給与もありません。学校は三カ月単位で学期が変わり、学期の間には休みもあるので、給与は月々変動します。安定した収入を得られないので、日本語教師だけで生活を続ける不安は常に感じていました。結婚して、扶養控除内で働くと考えると無理なく働くことができました。

午前か午後どちらかのみの授業でしたが、授業時間以外に、教案の準備や次の授業の先生への引き継ぎ、採点、学習者対応などで、授業がある日は1日学校にいることがほとんどでした。採点などは家でもできるので、拘束時間は自分次第ではありますが、準備にかかる時間も考えると、給与は満足できるものではないように感じました。

授業形態・勤務スケジュール

授業形態 クラス授業:1クラス20人
学習者の年代
  • 大学生
  • 社会人
主な学生の出身地 ベトナム
1日の時間割 月・水
13:00~16:30  
初級クラスを4コマ
休日 土日
授業準備や採点をすることもありました。

Q:クラス運営(授業形態)で、ここは大変だった!と感じた点はどこですか?

初級クラスの学習者数はだいたい二十人前後でした。
初級はとにかく日本語を話すことが大切なのですが、一人一人に話を聞いていると時間がかかってしまいます。一人の発話量を増やすためにどうすればいいのかを常に悩んでいました。

教室内を歩き回って学習者同士で話す機会を増やしたり、休み時間にも教室で学習者と話すようにしていました。レベルの違う学習者同士でも、授業内で話す機会が多いとだんだん打ち解けていきます。三カ月後にクラスがまとまっている様子が見られると、クラス担任として嬉しく思いました。

欠席が多かったり、授業に集中しなかったり、クラス運営では毎回悩みがつきませんでしが、成績をつけるために三カ月を振り返る時にはいつも、楽しかったことが思い出されてクラス担任をして良かったと思いました。

Q:日々のスケジュール管理で、ここは大変だった!と感じた点はどこですか?

学期は三カ月単位で授業は曜日固定なので、スケジュール管理で大変だと感じたことはあまりありませんでした。ただ、授業は準備が必要なので、日本語教師になったばかりのころは、休日も教案作成を行い、授業の前日は朝方まで準備をしていることも多くありました。

経験を積んで、準備にかかる時間は少なくなりましたが、やはり初めて授業をする文型の教案は同じだけ準備時間が必要で、休日でも教案のことが頭から離れないということはよくありました。

Q:教案作りで参考にしているサイトや書籍があれば、ぜひお聞かせください。

参考になるサイト
日本語教材図書館
文型を使った活動の参考にしました。
参考になる書籍

就職活動

教育機関選びで
重視した点
  • 給与(待遇)
  • 学習者が学生
  • 学習者が日本語を勉強する目的
応募時に
必要とされた資格
選考方法 面接
Q:この教育機関で勤務すると決めた決め手、きっかけを教えて下さい。

養成講座で通っていた学校のスタッフの方からお話をいただいたのがきっかけです。同じ養成講座の修了生の方が勤務している学校を紹介してくださいました。

実際に修了生の方にお会いして学校の話を聞きました。それから、実際にその学校に伺い、面接を受け模擬授業を行いました。学校では生き生きと過ごしている学習者の姿を見て、この学校で働きたいという思いが強くなりました。

Q:面接ではどのようなことを聞かれましたか?

どうして日本語教師になろうと思ったのかをまず聞かれました。また、会社を退職していたので給与が下がってしまうことに不安はないかどうかも聞かれました。紹介していただいた学校だったこともあり、どうしてこの学校なのかというようなことは聞かれませんでした。

当時は日本語教師が不足していたこともあり、一般の会社の面接とは違って和やかに話をしたというような印象です。

Q:模擬授業では、どのような課題が与えられましたか?

模擬授業では「〜てください」という文型の授業の課題が与えられました。教案は養成講座の受講中に作成したものを元にして作成しました。面接をしてくださる方は学習者になりきってくださると聞いていたので、課題の文型が自然と出るように、説明ではなくやりとりを中心に教案を作成しました。

まだ本当の授業を経験したことがなく、完璧な授業はできないので、とにかく明るく大きな声、そして笑顔を忘れずに模擬授業に臨みました。

Q:この教育機関で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

日本語学校では、採用の条件として養成講座の受講か日本語教育能力検定試験合格を挙げている学校が多いので、検定試験は受けた方がいいと思います。

また、学校によっては就職支援の授業もあるので、職種に関わらず社会人として働いた経験は日本語教師として活かすことができます。

学習者は日本語は上手に話せなくても大人です。大人として同じ目線で接するためにもコミュニケーション能力は求められます。

日本で日本語を勉強するので、媒介語はあまり使わないようにしていました。必ずしも英語が話せた方がいいということはないと思います。

Q:日本語教師(国内)の求人情報は、どこで得ましたか?
その他求人情報
  • 養成講座で通っていた学校:学校の掲示板に求人情報が貼られていました。
  • 日本語教師採用合同フェア:参加されている学校が多いので学校の情報を得ることができます。

日本語教師全般に関する質問

Q:もともとはどのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

きっかけは大学のゼミの教授が日本語教育を専門とされていたことでした。語学としての日本語の面白さに気づき、日本語教師になりたいと思うようになりました。

しかし、先輩からいろいろな話を聞いて、給与の面の不安が大きくなり一旦は諦めました。

働きながら通信講座を受講しましたが、勉強を続けることができませんでした。諦めることができず、会社を辞めて養成講座を受講しました。そこで紹介していただいた学校で日本語教師として働くことになりました。

Q:日本語教師をやってよかった!と、どんな時に実感しますか?

日本語学校にも、入学式や卒業式があります。
入学式で日本語が全く分からずに固まっていた学生が、卒業式で楽しそうに日本語を話している姿を見ると、とても嬉しく思います。

また、卒業した学生が学校に遊びに来てくれることがあります。ある日、「こんにちは」から勉強していた学生が、日本の会社に就職することを報告しに来てくれました。日本語の勉強を続けてくれていたこと、夢だった仕事に就職が決まったことを聞いて、その学生の努力に感動しました。

「初めて日本語を教わったのが先生で良かった。」と言われた時の嬉しさは忘れられません。
日本語教師をやっていて良かったと思った瞬間でした。

Q:日本語教師を目指す方へ、アドバイスをください。

【学生の方へ】
大学で日本語教育を専門としている教授のゼミに所属していました。ゼミでは、文法の違いやどういう時にその言葉を使うのかというような、教案作りに必要な知識を学ぶことができました。それだけでは日本語教師にはなれませんが、日本語教師として必要な考え方を学ぶことができました。

実際に日本語教師になるには、採用には大学の専攻か、検定試験、養成講座の受講を条件としている学校が多いので、対応した大学でなければ試験を受けるか養成講座の受講を考えるのが一番だと思います。

【社会人の方へ】
日本語教育能力検定試験は通信講座で勉強することができます。実際に受講しましたが、勉強の時間の確保や、内容の難しさから、続けることができませんでした。内容に関しては養成講座で勉強した方が理解が早かったです。

通信講座を受講して検定試験に合格された方はたくさんいらっしゃると思いますが、その後実際に働くことを考えると養成講座の受講をおすすめします。

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