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海外日本語教師経験談

中国 山東省 日本語学校(2020年) 身近なものと自分が教材です

👩 在中日本語教師さん・ 28歳

総評

  • 中国 山東省 日本語学校
  • 雇用形態:専任講師 *正規雇用
  • 期間:3年 (2017~2020年) *現在も勤務中
  • 月収:12万円 (7,500元) *現地で生活をするのに十分
  • 勤務時間:1日8時間 週5日勤務   *残業:残業なし

日本で日本語教師の勉強をしたわけではありませんでしたが、「海外に住みたい」という想いだけで単身中国へ渡りました。

私が授業をしていた学生たちは、三か月ほど勉強をした後仕事をするために日本へ行くので、まじめに勉強する学生が多かったです。三か月という短い期間で基礎を身につけなければいけないので、なかなか勉強についてこられない学生もいましたが、あいさつや数字などの最低限のことは覚えてもらうようにしました。

クラスの入れ替わりが早いほうでしたので、様々な学生とコミュニケーションをとることができましたし、私自身そのおかげで成長することができました。女性だけのクラスは恋愛の話も少し盛り込んでみたり、若い子が多いクラスは流行語や日本の歌なども授業に取り入れたりしてみました。歌もただ聞いて歌うのではなく、歌詞を穴埋め形式にして、学生に聞いて書いてもらうようにしました。

学校の中で役割分担があり、日本人教師は日本の礼儀と会話力の練習を主に行っていました。

礼儀ですが、まずは学生がまねしてくれるように、毎回きちんとお辞儀をしたり、「ありがとうございます」「どういたしまして」をはっきりと言うようにはしていました。

学生にとって難しいのは母国語にない発音です。日本語の「つ」や「ひ」、長音、促音などです。
ですから毎日聞いて慣れてもらうように、早口言葉の練習をしながら、楽しく発音を勉強したりしました。

日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

学校に日本人教師が私だけだったので、初めは相談する人もおらず、自分で考え、がむしゃらに仕事を行っていました。ですが半年ほどたつと仕事にも慣れてきて余裕が生まれます。そこでネットで他の日本語教師の方のブログなどを見て、参考にしていました。

給与

月収:12万円 (7,500元)
現地で生活をするのに十分

日本に比べると交通機関の料金が安く、バス1~2元、地下鉄2~5元、タクシー8元~で乗ることができます。

普段の食事は、ワンタン、水餃子、焼きショーロンポー、マーラータン、牛肉ラーメンなど様々な中華料理でした。このような食事は20元以下で買うことができますし、主食となる饅頭などは一つ2~3元ほどです。

ですから自分の工夫次第では安く抑えることができますし、特に困ることもありませんでした。ですが、日本料理は現地の料理に比べると割高なので、頻繁に食べていると食費は厳しくなるかもしれません。

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給与

  • 月収:12万円

月収の内訳

  • 基本給:12万円

待遇

  • なし

雇用形態

  • 専任講師 *正規雇用

勤務時間

  • 1日8時間 週5日勤務   *残業 残業なし

学校が定める学生の長期休暇の有無

  • 国慶節:1週間・春節(中国の正月休み):2週間

長期休暇中の給与保証

  • 仕事はないが、給料は支給される

授業形態・勤務スケジュール

スケジュール管理で大変だったことは?

学校の仕組み的に、中国人の先生がクラスを持っていたため、日本人教師の私は、すべてのクラスに携わっていました。ですから、クラスごとの内容を把握することが少し大変でした。多い時で7つのクラスがあり、それぞれ進度も違うので進度表などを自作していました。

授業形態やスケジュールの詳細を読む...

主なクラスの授業形態

  • クラス授業  1クラス10人

学習者層

  • 社会人

スケジュール

  • 月~金:9:00~10:50 2コマ・13:30~15:20 2コマ
  • 土・日:一日休み

中国で日本語を教える前に準備すべきだったことは?

現地の言葉は文化などは覚えておいて損はないと思います。例えば中国は正月に餃子を食べるのですが、そのことを知っているだけで日本との比較をすることができますし、一つの話題になります。

また、なにか趣味や自分の好きなことについて、詳しく話せるようにしておくといいと思います。まず趣味があるとそれだけで一つの話題になり、学生とのコミュニケーションの幅が増えます。

例えば「趣味は野球」でしたら、いつから好きなのか、いつから野球を始めたのか、何年やっていたのか、好きなチームはどこか、好きな選手はだれか、野球に関するおすすめのドラマや映画など、「趣味は野球」を細かく分解して言語化して頭に入れておくといつでもすらすらと相手に伝えることができます。

教案作りで参考にしているサイトは?

  • 日本語教師のN1et
    授業の内容に迷ったとき、どのように授業を進行していけばよくわからないとき、授業前簡単なウォーミングアップをしたいときなど参考にしていました。自分と違う考え方の文章を読むと、そこから新しいアイディアが出てくることもあります。

教案作りで参考にしている書籍は?

就職活動

この日本語学校で働くきっかけ・決め手は?

ネットで求人を探し、メールで応募しました。後日スカイプで面接することになり、そこでこれまでの経歴、どのような学校か、今後の学校としての展望などを聞かせていただきました。そして後日20分ほどの模擬レッスンをオンラインで行い本格採用となりました。

面接ではどのようなことを聞かれましたか?

今までの経歴(部活動、大学での専攻、留学経験、中国へ来た理由、今の仕事の現状など)、今後のやりたいことなどを聞かれました。それぞれ自分の思っていることを素直に話しました。(具体的に、新しい環境へ飛び込んでみたい、留学経験はないなど)

現地で日本語教師の需要はどのくらいありますか?

やはり中国は広いのでその分学校の数も多いですし、種類は大学や語学学校など様々です。

以前に一度、今働いているところとは別の学校の面接を受けたとき、そこは生徒が100人ほどいるが日本人の先生が一人しかおらず、しかも代わりの人がなかなか見つからないのでずっと同じ先生がそこで働いていると聞きました。

その際、自分の希望などもありますが、場所を選ばなければ働き口はまだまだ多くあると感じました。

この日本語学校で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

私は上司から、現地での経験を大切にしなさいということで資格がなくても働くことができました。でもやはり日本語に関する資格は持っていて損はないでしょう。自分が勉強したことばかりに頼るのではなく、現地での学びも吸収し、次回の授業の肥やしにすることで、成長していけるのだと思います。そのためには日本語に関する資格という基礎があったほうがいいかもしれません。

就職活動で参考にしたウェブサイトは?

  • 日本村
    日本語教師、職員に特化した求人が掲載されている。
  • 日本語教師の集い
    求人だけでなく、意見などを交換できる場も設けている。

国選びで重視した点

  • 日本との距離

現地における日本語教師の需要・将来性

  • 人気があり、一定数の学校で求められている

就職 教育機関選びで特に重視した点

  • 給与・待遇
  • 行きたい都市だった

応募時に必要とされた資格

  • なし

就職 選考方法

  • 面接

面接方法

  • skypeやzoomなどのインターネットツールを使用して面談

日本語教師全般に関する質問

どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

中国へ来る前、三週間ほど韓国へ行ったのですが、自分にとって初めての長時間滞在で、海外に住むということを体験することができたと同時に、本格的に海外に住んでみたいという思いが強くなりました。韓国から帰国してから、ネットで求人を探して今のように中国に住むことになりました。

「日本語教師をやってよかった!」どのような時に実感しますか?

普段から身の回りの日本語に疑問を持つようにはしていますが、それは考えたことがなかった…という質問を学生からもらったとき、自分はまだまだだと気付かされると同時に、こんなことにも気づくのかと感心させられ、その視点が非常に面白いです。

学生のみなさんへ 進路についてアドバイス。

現在大学に所属しているのであれば、資格が得られる講座などが身近にないか探してみてください。また、卒業後も大学の通信講座などで日本語学科卒に要する必要な単位を取得することができるのでまずは今できることから行ってください。あと、助詞「は」「が」の違いなど、身近な日本語に疑問を持ち考えてみてください。

社会人のみなさんへ 進路についてアドバイス。

求人などはネットで検索することができますし、都市部から離れているところでしたら資格が必要ない地方もあります。先に経験を積んでから資格を取るということもできます。ですから、もし日本語教師になりたいのであれば、関連する求人などを検索する小さな行動から始めるといいと思います。

中国で日本語教師を目指す方へ心構え・アドバイス。

突然のことにも臨機応変に対応でき、固定概念にとらわれない方がおすすめです。どうしても日本と違う部分はありますが、それを「日本のほうがよかった」と思うか「この国はこうなんだ」と思うかで見え方が全く変わってくると思います。

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