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海外日本語教師経験談

中国 南部 日本語学校(2020年) 学習者の状況によって教材準備に工夫が必要

👩 LiLi620さん・ 40歳

総評

  • 中国 南部 日本語学校
  • 雇用形態:非常勤講師
  • 期間:2年 (2018~2020年) *現在も勤務中
  • 月収:16万円 (1万元) *現地で生活をするのに十分
  • 勤務時間:1日5コマ 週2日勤務   *残業:残業なし

海外で日本語教師として働く前提として、“仕事として楽しい“だけではなく、そこで“生活“できるかどうかをしっかり考える必要があります。衛生基準、食べ物、水、住宅、それらすべてが毎日の生活でストレスとなることもあるからです。

移住する前に一度旅行してみるのもいいかもしれません。移住後の生活をイメージできてストレスも軽減できます。例えば日本の食品が入手できるスーパーがあるかどうか、すでにその地で生活している日本人がいるなら、生活の様子を聞くのも良いと思います。あと、その地に住む日本人が大抵ブログで日常生活を投稿しているのでそれも参考になります。私は移住後もブログを参考にしています。

日本語学習者が日本に留学するために勉強している、もしくは日系企業で日本語能力試験を受けなければならないという場合、基本学習態度は意欲的です。

でも中には親に言われて仕方なく留学する学生もいます。そのような学生に日本語を教えるには労力と工夫が必要です。日本語の授業が“楽しい“と思えるようにプラスαの準備をすると、生徒の興味と集中を保たせることができます。例えば毎回の授業に写真やビデオを使って日本の文化を紹介するなどして工夫していました。

教育背景も異なります。中国の場合、ひたすら“書いて覚える“詰め込み式の授業が一般的です。
それで日本語を同じように勉強してしまうと、会話力が弱くなってしまうので授業の方法をロールプレイ中心に変える必要があり、生徒にもそれに慣れてもらう必要があります。

日本の言語や文化に興味をもって目をキラキラさせて質問してくる生徒に出会えた時「この仕事をしてて良かった」と思える瞬間です。また改めて日本語の美しさ、日本文化の奥深さを認識できる事も、この仕事の良さだと思います。

日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

学習方法の違いです。

中国の場合ひたすら“書いて、覚える“詰め込み式の授業が一般的です。そうなると会話力が弱くなってしまいます。日本人と“自信をもってコミュニケーションする“ためには、会話中心の授業に切り替える必要があります。

例えば私は、生徒が日本語で自分の事を表現できるように、インタビュー形式でビデオを作ることにしました。自分が映るとなると、みんな声に出して真剣に練習しますし、出来上がったビデオを見て達成感も味わえて、「また次も頑張ろう」という意欲につながります。

給与

月収:16万円 (1万元)
現地で生活をするのに十分

生活する上で必要な収入が十分あります。

基本日本人講師はお給料が高めで設定されています、また学校によっては宿舎や食事もついていたり、家賃の補助もあります。仮にそのような補助がなくても、住宅は2LDKで内装や水回りも新品で日本人がストレスなく生活できる家も十分借りられます。

“節約して、切り詰めて“の生活ではなく、貯金をしながら十分ゆとりのある生活ができます。中国の場合、物価は日本よりも安いため出費が少なくて済みました。

給与の詳細を読む...

給与

  • 月収:16万円

月収の内訳

  • 1コマ45分:4,000円

待遇

  • なし

雇用形態

  • 非常勤講師

勤務時間

  • 1日5コマ 週2日勤務   *残業 残業なし

学校が定める学生の長期休暇の有無

  • 夏休み:30日・春節:14日

長期休暇中の給与保証

  • 長期休暇中は別の仕事をしている
  • 長期休暇中は別の仕事をしている

授業形態・勤務スケジュール

スケジュール管理で大変だったことは?

私の場合、非常勤講師として働いていたので、タイトなスケジュールではなく割とゆとりのあるスケジュールでした。ただクラスによってレベルも違うため、各クラスのレベルに合わせて事前にしっかり準備しないと簡単過ぎたり、逆に難し過ぎたりして後で反省する事も多かったです。

また生徒は“思春期真っ只中“だったので、良き相談相手として感情的なケアも余分の時間として充てる必要がありました。

授業形態やスケジュールの詳細を読む...

主なクラスの授業形態

  • クラス授業  1クラス20人

学習者層

  • 高校生

スケジュール

  • 月:8:20~12:00 初級クラス3コマ
    14:00~16:00 中級クラス2コマ
  • 木:8:20~12:00 初級クラス3コマ
    14:00~16:00 中級クラス2コマ
  • 土:授業の準備をしていました
  • 日:一日休めていました

中国で日本語を教える前に準備すべきだったことは?

準備しておいて良かったものは、カルタです。日本語をゲーム感覚で勉強できますし、実際生徒の反響も良かったです。

また日本の広告チラシ(例えば、スーパーのチラシなど)日本語学習者にとっては興味深いようです。

教案作りで参考にしているサイトは?

教案作りで参考にしている書籍は?

  • みんなの日本語 初級I 第2版 本冊 対象: 初級
    「みんなの日本語」は日本語学習が使用している代表的なテキスト。初級から上級まで各レベルのテキストがあるので、一貫して教えることができます。 課の最初には、単語(絵がついているので初級レベルにとっても分かりやすい)、文型を理解させてから応用、という順番になっていて段階的に教えることができます。 また、このテキストは“学習者用“と“教師用“とに分かれていて、教師用のテキストには教案が載ってるので日本語教師のビギナーにおススメです。

就職活動

この日本語学校で働くきっかけ・決め手は?

日本語教材開発に関係する仕事をしていた時に、現地で学校を立ち上げるため日本人の講師を募集しているという事を友人の紹介で知りました。

その友人とは、元々中国語を勉強していた時にその国の文化や習慣、生きた中国語に触れてみたいと思い、短期で中国に渡った時に知り合った方でした。

面接ではどのようなことを聞かれましたか?

学歴、職歴、今までどのような教育に携わってきたか?など聞かれました。またどんな教科書を使っているか?お勧めの教科書はあるか?日本人から見て信頼して使える教科書は何か、どのように教えるか?授業方法など具体的に聞かれました。

なぜこの国を選んだのか?といった質問もありました。

現地で日本語教師の需要はどのくらいありますか?

中国には日本へ留学したい学生や、日本の漫画やアニメを通して日本語に興味を持った人、日系企業で働くうえで日本語が必要な人など、需要はまだまだ十分あります。

また実際生活していて、日本人ゆえに偏見を持たれたり、嫌な思いをした経験がないので親日国として安心して働ける国だと思います。

この日本語学校で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

初級レベルの学習者にとって、日本語だけで授業についていくのはかなり難しくストレスになるため、中国語の初級のレベルは身につけておくと良いと思います。

四大卒の資格はそれだけで強みになりますが、結局は生徒が興味をもって日本語学習を継続していくうえで必要な人材を求めているので、教育の現場での経験値が多いのもかなり強みになります。

就職活動で有効な手段は?

  • 『紹介』
    現地の日本語学校で働いている友人の紹介

国選びで重視した点

  • 治安
  • 気候
  • その国の母国語が得意

現地における日本語教師の需要・将来性

  • 人気があり、一定数の学校で求められている

就職 教育機関選びで特に重視した点

  • 学校の規模
  • 給与・待遇
  • 学習者数

応募時に必要とされた資格

  • なし

就職 選考方法

  • 書類
  • 面接
  • 模擬授業

面接方法

  • 現地にて実施

日本語教師全般に関する質問

どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

私には日本に住む中国の友人がいました。その友人を通して日本にたくさんの“中国人日本語学習者“がいる事、また彼らが日本で生活するうえでコミュニケーションの壁があり、生活面でサポートが必要だという事を知りました。

彼らに日本語を教えて生活をサポートする仕事をしたいと思うようなったのがきっかけです。

「日本語教師をやってよかった!」どのような時に実感しますか?

日本の言語や文化に興味をもって目をキラキラさせて質問してくる生徒に出会えた時「この仕事をしてて良かった」と思える瞬間です。また改めて日本語の美しさ、日本文化の奥深さを認識できる事も、この仕事の良さだと思います。

ある生徒は学習が苦手で周りの生徒ともレベルの差がありました。でも、インタビューの録画をしたとき、自分の伝えたい事を何度も練習して、最後は自信をもって発表でき「あきらめずに、頑張りたいたいです!」と日本語で言っている姿を見た時に、心からこの仕事に携われて良かった!と思えました。

学生のみなさんへ 進路についてアドバイス。

日本語教育能力試験受けて資格を身につけるのが良いと思います。独学で合格することもできますが、ただ資格取得だけで実技はない為、実技も含まれる日本語教師養成講座420時間コースを受講して教育現場での経験をしておくのも良いと思います。

社会人のみなさんへ 進路についてアドバイス。

今の仕事を続けながら、日本語講師を目指しているのであれば、独学で日本語教育能力試験を受けて資格を取得する事ができると思います。

雇用保険に加入しているのであれば、ハローワークで日本語教師養成講座の受講料を支給してくれる制度もあるので活用してみるのも良いと思います。

中国で日本語教師を目指す方へ心構え・アドバイス。

海外での生活は大変な事もありますが、新しい発見が毎日あって飽きません。嬉しい発見もあれば、びっくりするような発見など様々です。その発見を楽しめるポジティブさが長く続ける秘訣だと思います。

また、いざ教育現場に立った時自分に自信がなくなったり挫折することもありますが、いつも“自分はなぜ日本語教師“になりたいと思ったのか?その答えが必ず自分を支えてくれます!

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