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海外日本語教師経験談

中国 大学(2021年) 教師と学生の距離が近いのんびり生活

🧑 なっちゃんさん・ 30歳

総評

  • 中国 大学
  • 雇用形態:専任講師 *正規雇用
  • 期間:1年 (2020~2021年) *現在も勤務中
  • 月収:22万円 (13,000元) *かなり生活に余裕がある
  • 勤務時間:1日3時間 週4日勤務   *残業:残業なし
  • 日本語教師養成講座420時間修了  KEC日本語学院

中国の大学の特徴として、基本的に教員も学生も全員寮に住みます。そのために、授業時間以外も教員と学生の交流が盛んです。毎日のように学生から遊びに行こうと誘われます。このような学生と先生との距離の近さが日本と違うなと感じました。

また、中国の学生は教師を尊敬する気持ちが日本よりも強いと感じました。中国の「教師の日」に学生約50人近くが、一人一人様々な贈り物をしてくれたことが感動しました。中国の教師を尊敬する心に触れ、自身も学生のためにもっと尽くそうと思いました。

待遇についてですが寮費と光熱費が無料でした。給与額も日本とほとんど同等で、経済的にはかなり余裕がありました。また長期休暇が3カ月もあり、その期間は有休だったのでバカンスを楽しむことができ、公私共に日本よりも豊かな生活ができています。

苦労したこととしては、赴任当初は初めて会話授業を担当したために授業準備に苦労しました。実践報告の論文を参照したり、学生から意見を貰ったりして乗り越えました。また、私は日本語教育学が専門ではなく心理学の大学院を修了しています。そのため日本語教育に関する知識不足を感じたため、現在日本語教育学の大学院に入学しブラッシュアップしています。

日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

中国の大学では、ネイティブ教師は会話授業を担当するため、420時間日本語教師養成講座で学んだような文法重視の教授法は使えませんでした。そこでCiNiiのような研究論文が掲載されているサイトの授業実践の論文をヒントにして授業をつくりました。

また、学生にも授業について意見をもらい授業作成に役立てました。さらに、他の中国の大学で日本語を教えている先生のブログをみて参考にしました。

給与

月収:22万円 (13,000元)
かなり生活に余裕がある

十分余裕のある生活ができています。中国の大学は基本的に寮費が無料で、食費も学食で済ませば1月1万円程度で済むので、他の諸経費を合わせても月3万円程度で生活ができます。毎月15万円以上貯金できており、経済的な不安は一切なく働けています。

支給された寮については2LDKで、パソコン含む家具電化製品も完備されています。部屋の大きさはリビングが15畳ほど、寝室と書斎がそれぞれ8畳程度となっています。一人で住むには広すぎるほどです。また、寮にはスポーツジムとプールが併設されており、運動も気軽にできます。

大学は約2万人の学生、教員がおり、ほぼ全員が学内の寮に居住しています。そのため学内には生活のために、コンビニ、スーパーマーケット、病院、服屋などがあり、学外へ行かなくても生活できるように整備されています。また、広州は温暖な気候であり、広々とした学内には南国の雰囲気が漂っており、南国のリゾートのような場所です。

給与の詳細を読む...

給与

  • 月収:22万円

月収の内訳

  • 基本給:22万円

待遇

  • 健康保険
  • 健康診断
  • 9万円/年
  • 学内及び指定病院の受診料無料

雇用形態

  • 専任講師 *正規雇用

勤務時間

  • 1日3時間 週4日勤務   *残業 残業なし

学校が定める学生の長期休暇の有無

  • 夏休み:60日・冬休み:30日

長期休暇中の給与保証

  • 仕事はないが、給料は支給される

授業形態・勤務スケジュール

スケジュール管理で大変だったことは?

赴任した当初は授業準備に追われ大変でした。また、全寮制で先生と学生の距離が近く、多くの学生から遊びに誘われ応じるのも負担になりました。そこで、学生に試験の採点や授業準備を手伝ってもらい乗り切りました。

また、大学側からスピーチコンクールなどの審査員の仕事を依頼されることがあり、依頼されるのがいつも間際なのでスケジュール管理に苦労しました。このことに関しては大学側に抗議し前もって言ってもらうように依頼しました。

授業形態やスケジュールの詳細を読む...

主なクラスの授業形態

  • クラス授業  1クラス30人

学習者層

  • 大学生

スケジュール

  • 月:8:00~9:30 日本語会話授業(学部1年)1コマ
    10:35~12:00 日本語会話授業(学部1年)1コマ
  • 火:8:00~9:30 日本語会話授業(学部2年)1コマ
    10:35~12:00 日本語会話授業(学部2年)1コマ
  • 水:8:00~9:30 日本語会話授業(学部3年)1コマ
    10:35~12:00 日本語会話授業(学部3年)1コマ
  • 木:授業準備
    自身の研究
  • 金:8:30~9:30 ビジネス日本語(学部3年生)1コマ
  • 土・日:気が向いたときに授業準備

中国で日本語を教える前に準備すべきだったことは?

ビジネス日本語の授業を担当したのですが、ビジネス会話は独特なので日本のビジネスマナーの書籍やビジネス敬語の書籍を持ってくるべきだと思いました。また、日本の会社について説明するために四季報も持って行った方がいいと思います。

教案作りで参考にしているサイトは?

  • 毎日のんびり日本語教師
    中国の大学で日本語教員をされている方のブログです。会話授業の教案が公開されており、授業準備の参考にしています。
  • CiNii
    授業実践報告の論文を探すのに役立てています。
  • J-stage
    授業実践報告の論文を探すのに役立てています。

教案作りで参考にしている書籍は?

就職活動

この大学で働くきっかけ・決め手は?

この大学で働こうと思ったきっかけは給与の高さや福利厚生が充実していることです。将来大学院の博士課程に進学したいと思っているので、お金を貯める必要があり給与の高さにこだわりました。

また、マカオや深セン、香港などの大都市が近くにあり、観光も楽しめる立地に大学があることも魅力に感じました。

現地で日本語教師の需要はどのくらいありますか?

中国では日本語教育の需要はかなりあると感じています。中国には多くの日系企業が進出していて、日本語を話せる人材の需要は大きいです。また、中国の大学入試で日本語を選択できるようになり、高校での日本語教育需要も増加しています。

この大学で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

日本語教育資格(420時間養成講座、日本語教育能力検定試験)、大学院卒の学歴や日本の大企業での職歴があれば有利だと思います。特に院卒の学歴は優遇されるようです。私の場合ですが採用担当の先生によると計3名の応募がありましたが、私だけ院卒だったので私を採用したそうです。

就職活動で参考にしたウェブサイトは?

国選びで重視した点

  • 物価の安さ
  • 日本との距離
  • 時差

現地における日本語教師の需要・将来性

  • 高い人気があり、多くの学校で求められている

就職 教育機関選びで特に重視した点

  • 給与・待遇
  • 4年制大学であること

応募時に必要とされた資格

  • 日本語教師養成講座420時間修了
  • 日本語教育能力検定試験合格
  • 大学 日本語教育主・副専攻
  • 専攻問わず修士号以上の学位

就職 選考方法

  • 書類

日本語教師全般に関する質問

どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

私が大学生だった時に、交換留学制度でタイ人の大学生を家に数日間迎え入れたことがありました。その際、私に日本語を教えてほしいと頼まれ日本語を教えることの難しさを知りました。

また同時に外国人に自国の文化や言葉を伝える楽しさも知りました。このような経験がきっかけで日本語教師になりたいと考えました。

「日本語教師をやってよかった!」どのような時に実感しますか?

中国には教師の日という、教師に感謝の気持ちを伝える日があります。私は教師の日に数十人の学生から部屋がいっぱいになるほどのプレゼントや手紙をもらい中国の教師を尊敬する風習に触れ、学生のために尽くしていこうと思いました。

学生のみなさんへ 進路についてアドバイス。

大学院まで進学し日本語教育関係の修士号以上の学位を取得することをオススメします。海外は日本以上に学歴を重視する傾向があります。

社会人のみなさんへ 進路についてアドバイス。

学生の方向けのアドバイスと重複しますが、やはり大学院へ進学し修士号の取得をオススメします。今は働きながらでも通える通信制大学院があります。私自身日本の会社で働きながら、通信制大学院に通い修士号を取得しました。

中国で日本語教師を目指す方へ心構え・アドバイス。

今はコロナの影響で中国に入国しづらい状況かと思います。そのために、中国の大学の求人に応募する人が少なく競争率が下がっているかもしれません。今の状況をネガティブに捉えるだけでなく、チャンスとして考えて行動していってください。

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