掲載日:

海外日本語教師経験談

中国 南部 日本語学校(2020年) 独特の苦労もある分、やりがいのある仕事

👩 ureshi33さん・ 40歳

総評

  • 中国 南部 日本語学校
  • 雇用形態:非常勤講師
  • 期間:3年 (2016~2020年) *現在も勤務中
  • 月収:8万円 (5,000元) *それだけでは生活は難しい
  • 勤務時間:1日3時間 週5日勤務   *残業:残業なし

私が就職した日本語学校は、おもに、これから留学や就職のために、日本へ渡ることを目標とした人達のためのクラスです。若い年齢層の学生さんたちが多く、夢や希望や目標を達成しようと日々頑張っているので、雰囲気もとてもよく、活気にあふれています。

最初クラスを担当した時には必ず、何がきっかけで日本語を学ぶようになったのかを聞くようにしています。日本のソフトパワーとも言うべき、アニメや漫画、ドラマなどに触れて日本の文化や、日本語そのものに関心を持つようになった学生さんがほとんどですが、それが単なる趣味の領域を超えて、現実的な目標となり、熱心に学んでいる様子を見ると、とてもやりがいを感じます。

学生たちの背景も様々で、特に私の学校は、外地からきた人が多く、中国国内でもそれぞれの地域によって考え方の表し方に差があるなと感じます。個性も様々で、自己主張もはっきりしていますので、クラス討議になると時に白熱した議論になることもあります。

そんな時は、あまりうろたえないで、自由で活発な発言を促し、その上で今話したことを日本語で言い表すように勧めています。すると学生自身が、自分らしい日本語を使っての意思表示の方法に気づくこともあり、新たな発見があって、とても面白いです。

独特の苦労もありますが、全体としては、とてもやりがいがあり、楽しみながら仕事ができています。

日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

日本ですと、同じ部署のもの同士、連携したり、情報を交換したりするものですが、中国は基本個人プレーです。同じでも情報の共有があまりなされず、連携もされないことがあります。

もう慣れてしまい、普段はあまりなんとも思わないですが、何かの決定事項がある場合、もう少し連携がされていたら、すんなりことが進むのになと思う事もしばしば…でもそれはお国柄仕方がない、今ではある種のおおらかさだと思って受け止めています。

給与

月収:8万円 (5,000元)
それだけでは生活は難しい

私が勤めている日本語学校は、現地の中でもあまり待遇は良くありません。
給料も周辺の学校が1時間100元のところ、それに満たない状況です。

ですがその分と言ってはなんですが、自由は効きます。長期休暇はありません。

休日も中国の祝日に準じたものになります。外国から、教えにきている先生が多いため、帰国のタイミングも異なります。各自融通性を効かせて、それぞれで話し合い、その休暇で生じた穴を埋めるようにさえすれば、上司も日本のようにそこまで厳しい時間管理はしません。

不都合に感じる面も確かに存在しますが、その一方で、そのアバウトさゆえに、気楽に働けるのも事実です。

給与の詳細を読む...

給与

  • 月収:8万円

月収の内訳

  • 時給:1,500円

待遇

  • なし

雇用形態

  • 非常勤講師

勤務時間

  • 1日3時間 週5日勤務   *残業 残業なし

学校が定める学生の長期休暇の有無

  • 長期休暇なし

長期休暇中の給与保証

  • 長期休暇がない

授業形態・勤務スケジュール

スケジュール管理で大変だったことは?

スケジュール管理などにはあまり苦労した経験はありません。
スケジュール管理は全てチーフの仕事です。

基本的に、帰国等の際に、長期休暇を貰う必要がありますが、その際も個人的に連絡して変わってもらいます。そして、その連絡をチーフに行います。それで完了しますので、そこまで大変ではありません。

同じ学校の中で、ビジネスクラスを主として担当している先生たちは夕方から夜にかけての勤務が多く、場所も週に一回学校とは別のところで行なっています。そのため、スケジュール管理には、他のクラスより気を遣っていると思います。

皆で協力してできるところは穴埋めしていく事で乗り越えていけるかなと感じています。

授業形態やスケジュールの詳細を読む...

主なクラスの授業形態

  • クラス授業  1クラス20人

学習者層

  • 高校生
  • 大学生
  • 社会人

スケジュール

  • 月~木:13:30~16:30 初級クラスを3コマ
  • 金:16:30~17:30 ビジネスクラスを1コマ
  • 土・日:基本的に代課が入りません

中国で日本語を教える前に準備すべきだったことは?

実際に授業を担当してみないとわからないことではありますが、特に初級クラスを担当する場合、やはり、視覚に訴える教材選びは重要かなと思います。

先輩の先生たちは、日本語の単語カード、挿絵のついたものや、かるたなど、興味を引きつける様々な道具を駆使して教えておられました。

私の場合は何を用意したら良いかわからなかったので、その都度用意することになりましたが、そう言う小道具を用意しておけば、もっとスムーズに授業を担当できたかなと思います。

教案作りで参考にしているサイトは?

教案作りで参考にしている書籍は?

就職活動

この日本語学校で働くきっかけ・決め手は?

現地で、実際に働いている友達の紹介でした。
当時は、本当に人手不足で、猫の手も借りたい忙しさでしたので、ほとんど経験がなくても、採用していただけました。実際に働いている先生たちや生徒の雰囲気もとても良かったのでそれも決め手になりました。

今でも、周辺の学校はやはり人手不足で引く手あまたな学校も多いと聞いています。
ネットなどで調べてもあまり有効な情報が得られない場合、実際に現地へ足を運んで、飛び込み型で探していくのも有効な方法なのではないかと思います。

現地で日本語教師の需要はどのくらいありますか?

中国での日本語教師の需要はとても高いと思います。
なんと言っても、根強い日本への憧れ、日本文化への尊敬、日本への親近感があり、日本での留学や就職を希望している方はまだまだ大勢います。

そのような方達とって、現地の日本語学校は強力な味方であり、夢や目標を後押ししてくれる重要な機関であるわけで、そう言った意味ではまだまだ伸び代がある、需要のある職業だと思います。

この日本語学校で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

やはり、現地の言語を話せた方が有利です。
現地での言語を流暢に話すことができる証明として、HSKの資格を取っておくのも有効だとおもいます。

私が勤めている学校では、中国語が話せることは必須ではありませんでしたが、やはり言語習得者としての経験や、実績があると、生徒が寄せる信頼や尊敬の念は格段に違ってきます。

日本にいる間に、現地で話されている言語を少しでも習得しておく、それを証明してくれる資格を身につけるのは、やはり強みになると思います。

就職活動で参考にしたウェブサイトは?

就職活動で有効な手段は?

  • 『地元の日本人向けコミュニティ広報誌』
    上海などでは、随時日本語教師の募集がかかっているようです。

国選びで重視した点

  • 治安
  • 日本との距離
  • その国の母国語が得意

現地における日本語教師の需要・将来性

  • 強い人気があり、多くの学校で求められている

就職 教育機関選びで特に重視した点

  • 給与・待遇
  • 通勤時間

応募時に必要とされた資格

  • なし

就職 選考方法

  • 書類

日本語教師全般に関する質問

どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

日本に住んでいる時から、仕事上中国人研修生との接点があり、中国語を学ぶ機会に恵まれました。
主人の中国転勤を機に、私自身も、中国でできる仕事をと思い、日本語教師の資格を取るべく努力致しました。

実地で学んできたことも多いようには思いますが、中国ではとても需要が高く、目指す価値があ流と現地の友達も励ましてくれた事もあり、日本語教師を目指そうと思いました。

「日本語教師をやってよかった!」どのような時に実感しますか?

中国人の学生たちは、学ぶ意欲や意識が高く、ハングリー精神にも満ちているので、教え甲斐があり、こちらも学ぶところが多いのではないかと思います。

今ちょうど日本人にはかけてしまっているのではないかと思う、失敗を恐れず、挑戦する意気込みがあります。

彼らが夢や、目標を無事に叶えて、先生や、学生達と喜びを分かち合っているのを見た時は、彼らの助けになれてよかった、夢や目標の一旦を担えてよかったと思います。

学生のみなさんへ 進路についてアドバイス。

日本人だから日本語を教えるのは簡単なのでは?と聞かれたことがありますが、意外にそうでもありません。

ネイティヴだからこそ、文法や、語彙の何故?に疑問さえ持たず使っていることが、実は非常に多いのです。

ですから学生の方々には、学ぶ機会に恵まれている今だからこそ、母語である日本語の語彙や表現に数多く触れ、わからない表現は、放置しないで調べる、それでもわかならければ、他の人に聞くと言った主体的に学ぶ姿勢が、後々、いざ日本語を教えることになった時役立つと思います。

社会人のみなさんへ 進路についてアドバイス。

日本語教師とは全く関係のない仕事を幾年も行ってきたとしても、そう言う経験も実は無駄ではありません。

学生の多くは、日本での就職や、留学を目標に日本語を学んでいます。

留学生の場合、アルバイトをする計画もあるでしょうから、先生が、もし日本語教師意外の仕事経験を持っているなら、学生たちはそれを聞きたがりますし、参考にする事もできます。実際的なアドバイスをしてあげる事もできます。

どんな経験も無題ならないとプラスに考えて、前向きにトライしてほしいと思います。

中国で日本語教師を目指す方へ心構え・アドバイス。

日本語教師として働くのはとてもやりがいがありますし、自分自身も成長できるとても良い機会だと思います。

もし興味がある方がいましたら、色々情報を収集して、前向きに検討して見る価値があるのではないでしょうか?

それと同時に、中国人の考え方や、文化などに敬意を払い、お互いに学び合う姿勢を取っていくのも相手に日本語を吸収してもらう上ではとても大切な事です。

需要が高く、将来性もある仕事ですので是非前向きに検討していただきたいと思います。

アジアの国・地域別 経験談

当サイト人気スクール 420時間養成講座