韓国 浦項 私立中学校（2021年） 親日の学生が多く、毎日が楽しい日本語授業

韓国の中学校で日本語教師をするきっかけは、市役所で働いている友人の紹介でした。

普通は、中学校で日本語を教えるというと、放課後の授業のひとつとして、週に1～2回入ることが多いのですが、私は、市役所からの派遣ということで、中学校の授業に毎日入ることになりました。

韓国人の日本語教師の補助の立場で、授業に入ったり、日本の文化を教えるということで、私が主体で、授業することもあります。

教科書をもとに、パワーポイントや動画を使って、日本人の衣食住、習慣、文化（祭り、お盆、正月などの行事、世界遺産に登録されている物）の紹介をします。

また、ゲームや、アニメ鑑賞、日本の料理実習、浴衣経験、希望者には、九龍浦日本人家屋通りの日本人の暮らしや文化がみれる場所に見学に行ったりします。

生徒たちは、日本のアニメに関心が多く、日本人の私との挨拶をとても嬉しそうしたり、覚えたての日本語で、話しかける姿はこちらも気分がとてもいいものです。

中学生たちのふれあいは、面白いことが多くあります。
日本人と話をしたくて、『こんにちはございます』とあいさつしたり、朝なのに『こんばんは』とあいさつすることもあります。

私の顔を見ると、習いたての日本語で自己紹介を言ったり、『先生愛してる』と連発する学生もいます。
『お相撲さんは露出狂ですか』『日本の旗が赤と白なので、紅白歌合戦なの？』『君の名はは実話？』といった変わった質問をする学生のお陰で、日本語関連のネットの検索が日常になっている私は、とても楽しい毎日を送っています。

しかし、日本に関心を持っている生徒が多い反面、勉強としての日本語は勉強しようとしない生徒もいます。ひらがなをなかなか覚えない生徒も多いので、苦労します。

中学2年生の担当なので、思春期で難しい生徒や、学校でのカリキュラムに組み込まれている為、やる気のない生徒も結構います。その為、やる気を起こさせるという苦労がありますが、子供たちは基本的に日本について、よい感情を持って慕ってくれるので、いつの間にか9年という年月が経ってしまったように思います。

最近は、なくなりましたが、学生に対する言葉使いが悪い先生が多かったことや、教師の体罰がひどくてびっくりしました。

私が勤務を始めた9年前は、長い棒を持っている先生も多く、その棒でたたかれて、背中やふくらはぎがはれたり、頭や、顔をたたかれる生徒もいましたが、もっとびっくりしたのが、先生にひどい言葉を言われても、たたかれても５分後にはケロッとしている生徒も多くびっくりしました。

怖い先生に慣れているせいなのか、丁寧な言葉づかいや、怖くない先生のいうことは、きかない生徒が多く、授業ができなくなったりしたこともあり困りました。

思春期の生徒の中には、授業中に泣き出して、泣き止まず号泣する生徒もいてどうしていいかわからないこともありました。

最近は、他の先生から指導法を学んだり、私も経験を積んだので、あまり困らなくなりました。

韓国の中学校でもらう給料は12万円くらいになりますが、コマ給でもらっている為、夏休みや冬休みなど休みが続くと給料は減り、これだけでは生活は難しいです。

私の場合、この仕事以外にも、他の場所（企業、学校内の放課後の授業、文化センター、市役所など）の出張講師をしているので、合計すると生活できるレベルです。

ソウルや釜山では、家賃が高いので、月20万円では生活は難しいですが、私が住んでいる浦項市は、一人暮らしの家賃は4～5万円くらいで、光熱費や交通費は日本より安いので、20万円くらいあれば生活できると思います。

現地特有の習慣・文化は、一緒に仕事をしている人たちと食事をする場合、割り勘はあまりせず、年齢の上の人がおごることが多いので、若い人はおごってもらえることが多いです。

しかし、年齢の上、下というのはこの韓国では重要で、年が若いと周りの雰囲気をみながら、仕事をたくさんしなければならないということもあります。

また、初対面でも年齢を聞かれることがあったり、配偶者の仕事や、会社名を聞かれることも多々あり、日本との文化に違いに、初めはとてもとまどったことが多々ありました。

教科書の教えなければいけないページは指定されてますが、授業の内容については、細かい指示はほとんどなく、自分で考えて、授業を作らないといけない部分が多いので、初めはどのようにしたらいいのかよくわからず戸惑いました。

他の先生も相談にはのってはくれますが、基本的に指導をしてくれることはありません。

慣れると、自由にいろいろしてもいいので、楽しい授業構成ができるので、ネットや他の本を勉強していろいろ挑戦しています。

現地へ行く前に、ひらがなや名詞、動詞の絵カードを準備しておくと、よいと思います。

現地で、日本語だけでも、教えられますが、現地の言葉ができれば、教えやすいだけではなく、コミュニケーションがとれるので、学習者とよい関係がとれると思います。

基本的な現地の会話文を覚えたり、その国の習慣、文化も知っているとよいと思います。

韓国では、年上の前で、タバコを吸うことはダメです。年上の前でお酒を飲む時は、横向きで飲みます。年上に物を渡すときは両手で渡すなどをしますが、知らないと失礼にあたるので、こういった国特有の文化を前もって知ることが大事だと思います。

私の場合は、こちらの市役所で、働いている友人の紹介でした。
自宅から近いこと、給与条件も１コマ2500円(契約当時)と、そんなに悪くない条件でした。

企業での通訳の仕事もあり、どちらに就職しようか迷ったんですが、夫の出身校でもあり、夫が強く希望したため、ここに就職することになりました。

１，応募条件、雇用形態、雇用期間の確認。
ー補助として、入ること。
授業以外に中間、期末テストの準備の手伝い、放課後、別に授業をすることがあること。
給料について、1日2－4時間の授業があること。
健康保険は希望すれば入れること。など

２，職務経験　中学生対象だった為、中学生を教えた経験の有無を聞かれました。

３，その他ー通勤時間、通勤方法、健康状態など

継承教育については、韓国継承日本語教育研究会という機関はありますが、家庭内で母親がしていたり、母親同士が集まって勉強会をしているというのが現状です。

日本との関連企業はけっこう多い方だと思います。
鉄鋼や、建設、機械関係の企業での日本語教師や、通訳翻訳業務、観光地での就職はありましたが、コロナの影響で、最近は求人がかなり減ってしまいました。

コロナ前からも、戦時中の強制労働の問題で、不買運動が盛んになり、そのせいで、日本語の勉強をする学習者が減っていました。

また、韓国は政権によっても左右されます。
前の大統領は親日派だったのですが、今はそうでないので、いろいろな面で影響を受けるため、日本語学習者が減ってしまいました。

韓国の中学校、高校にて日本語教師をする場合、韓国の教育大学で、教員免許を取ると正式に働くことができます。

大卒でないと、ビザがおりなかったり、教育期間での就業ができない場所があるので、日本語の資格がなくても、大卒の資格は必要です。

又、外国人の就業に韓国語能力試験4級以上（中級レベル）が必要のところもあります。

韓国では、初めの契約時の雇用形態と変わることも多々あったり、（時間給が、人数によって給料が変わったり、雇用時間も減ったり、増えたりする）授業のカリキュラムも丸投げされるところが多いので、臨機応変な対処能力が必要です。

又、ここまではできるが、これはできないとはっきり表現する能力が必要です。
そうでないと、無理な仕事を急にさせられることも多いです。