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海外日本語教師経験談

中国 広東省 日本語学校(2018年) 経験と資格が無くても現地で鍛えられます!

👩 茉莉花茶さん・ 44歳

総評

  • 中国 広東省 日本語学校
  • 雇用形態:非常勤講師
  • 期間:2年 (2016~2018年) *退職
  • 月収:6~8万円 (3,500~5,000元) *それだけでは生活は難しい
  • 勤務時間:1日4時間 週4日勤務   *残業:残業なし

私が中国の日本語学校で働くようになったきっかけはそこで働いていた日本の友人が、日本人の先生が足らないのでぜひ応募してみないかと誘ってくれたからです。私自身以前から自分で中国語を勉強していましたので、いつか中国で働きたいと思っていました。

ですが、私の学歴は短期大学の外国語学科を出ただけで、教師の資格が有りませんでしたので多分駄目だろうと思ってましたが、学校側は非常勤講師として時間給での雇用で主に会話のレッスンをしてもらえるならOK、更に中国語を話せるなら歓迎だとのことでした。この辺は中国ならではなのかアバウトでちょっと拍子抜けしました。もちろん学校によって違うと思いますが。

当初私の働いていた学校は授業方法は先生が考えることになっていました、ですから最初は本当に苦労しました。(後に改定され学校からある程度の指示により統一されるようになりました)

グループレッスンの場合ある程度は生徒のレベルは同じですが、進歩の度合いや、やる気、目標も人それぞれ違いますので、予習時にそれぞれに合った質問を用意し、時にはモチベーションを上げるため、ゲームやリスニングミニテストなどをしました。

例えば初級クラスの場合生徒に順番に前に出てきてもらって私が話した単語を生徒にその文字をホワイトボードに書いてもらったり、特に盛り上がったゲームは日本語しりとりや、バナナと言ったら黄色!のような連想ゲームです。

大変だったことですが、毎週1時間文化を学ぶ授業が有り、学校からタイトルが与えられました。例えば、お花見、伝統的な遊び、習字、お正月、日本の美容院と流行の髪型、などなど。それを自宅に帰って自分で調べ、PPTを作らなければならないのです。真面目な私はほぼ毎日家で2〜3時間準備していました。

でも自分自身が改めて日本の文化を勉強する良い機会になってこれはこれで良い経験となりました。ある時歌舞伎についての授業があったのですが、自分もほとんど知識がなかったですし、生徒達もいまいち興味が無かったようで、私自らみんなの前で歌舞伎役者を演じたところ、何とも言えない雰囲気になりました。でも後から生徒に「先生の踊り面白かったですよ」と言ってもらい慰められました。

学生達にほぼ共通なのはとにかく日本が大好き!ということでした。特にアニメ、音楽、映画、ゲーム、ドラマなど、はっきり言って日本人よりも良く知っています。そういう話になるともうめちゃくちゃ盛り上がって話しが尽きませんでした。私はその方面にあまり興味がなかったのひたすら聞くことしか出来なかったのですが、学生と楽しく会話するにはそういった面も含めて幅広い知識が必要だと感じました。

また、私自身も言語を学ぶ点で良く感じますが、自分は何で全然進歩しないんだろうとか、何かもっと効率の良い勉強法なないだろうか。と悩む生徒もいます。

教えていて感じたことは真面目で一生懸命問題集を解いて予習もバッチリという生徒が必ずしも早く話せるようになるとは限らないということでした。

もちろん能力試験に合格するにはそれも必要ですが。中にはあまり勉強してないのにどんどん上達していく生徒もいました。耳がいいという生まれながらの才能がある人もいますが、あまり文法にこだわらず、授業中先生の話をしっかり聞いて、それを真似して積極的に発言して、間違っても笑ってすませる、そんな気楽さが上達の秘訣なのかなと感じました。

ですから会話担当の私はいつも教科書を閉じさせて生徒に「私の言うことをそのまま聞いて真似して話してみるように」と言い続けてました。とにかく耳と口を鍛えるような授業をしました。

何年も学校に通ってる生徒があまり進歩できず、もう一度初級クラスに戻ってくることもありましたが、一生懸命努力して、少しずつでも話せるようになる姿を見ていつも嬉しく感じました。

そして生徒が「先生、日本語能力検定◯級受かったよー!」とか「来月から日本で留学することが決まったよ!」など嬉しい報告を聞くと、こちらも本当に、よかった〜!っと思えますし、この仕事を続けていく力になりました。

お給料の面ですが、中国には国慶節や春節の季節に殆どの生徒や先生方が長期帰省をしますので、学校が休みになります。特に春節の時は1ヶ月弱ほど授業が殆ど有りませんので給料も半分ほどに減ります。また逆に夏休みなどは生徒が増えるため多い時は朝9時から夜21時まで出勤する事もありました。

中国の物価は少しずつ上がってはいますが、それでも日本に比べればだいぶ安く、私は主婦で夫と二人暮らしシンプルな生活をしていましたので(住む場所によっても違いは有りますが)それほどハイレベルな生活を望まなければ二人合わせて月10〜12万円もあれば快適に生活できます。

今も日本に留学したいという学生や、高校から第二外国語として日本語が選択科目に含まれている学校もあるので、日本語はとても人気があると思います。大変なことも多々有りますが、日本では経験できない事が沢山あり、自分の見方を広げる機会にもなりました。

また中国人の人懐っこい、気楽な性格、美味しい料理にはいつも元気付けられます!私も今後日本語教師能力試験などにチャレンジしてまたいつか再開出来ればいいなと思っています。

日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

ある時クラスの学生全員に授業をボイコットされた事がありました。理由はクラスの中の一人の学生がその日は誕生日だからみんなをカラオケに連れて行くとのことでした。日本ではありえない事です!頭から湯気が出るほど怒りがこみ上げました。それに生徒がいないと授業はキャンセルとなり1時間お給料もらえなくなるからです。学生にすっかり舐められてました。

その時先生はただ優しくて面白いだけでなくやはり威厳が必要だと思い知りました。そういうドタキャンが時々あったのでその点は学校側と良く意思の疎通を交わして改善をお願いする必要もありました。

また中国の教育方針は日本より厳しく中高生は毎日朝7時からよる9時まで学校で勉強しています。そしてほとんど生徒自身が自分で想像力や判断力を働かせて学ぶというより、ほとんど丸暗記方式、言われたことを言われた通りに行うという教育方針です。

それに長年政府は一人っ子政策を行なっていましたから、一人っ子が多く、親が子供に期待する度合い、お金のかけ方も日本と違います。

ですから学生はかなりストレスを抱えていて疲れています。彼らの日本語学校での勉強の動機も良い大学に入るため、日本語能力試験1級を取るため、という理由の学生も多いようです。

そのような学生は想像力や柔軟性が乏しくなかなか日本語で会話をしたがりません。その結果クラスの雰囲気を悪くしたり、他の学生と歩調を合わせられず迷惑をかけたりする問題が発生します。

ですから、いかに外国語で外国人と話す事が楽しいことかを味わってもらうよう工夫し、喜んで楽しく授業に参加してもらえるように、まずは常に自分のテンションを最大限に上げて、身振り手振りはもちろん、自ら踊ったりモノマネをしたりと、生徒に面白いと感じてもらえるような授業をするよう心がけました。

なぜこの日本語学校を退職しましたか?

日本へ帰国しなければならなかったから

給与

月収:6~8万円 (3,500~5,000元)
それだけでは生活は難しい

待遇に関する事ですが、交通費は1日往復(バスと地下鉄)150円程度必要でした。私の場合支給されなかったのですが、中国は交通費がとても安いのであまり気にならなかったです。

ところが出勤したのに授業がキャンセルになったとか、学校側の連絡ミスで今日はもともと授業がなかった、という時はそのまま帰ることもありましたがそういう場合も交通費がでないのでちょっと困りました。そこはきちっと雇い主と補償を貰えるように主張すればよかったと反省しました。

給料の面ですが、もちろん私の雇用形態では自分一人の学校の収入だけでは外国人が暮らすレベルから考えるとかなり経済的に厳しいかもしれません。現地の方からすればかなり高収入だと言われますが、やはり治安のことを考えるとあまり生活レベルを落とすのはオススメではありません。

私の場合夫も同業の仕事をしていましたので二人合わせて月平均10〜12万円程、大都会のど真ん中では無かったため家賃も比較的リーズナブルでシンプルな生活を送ればとても楽しく、快適で良い生活レベルを維持できました。ただし市の中心にある職場までは通勤に片道1時間は必要でした。

給与の詳細を読む...

給与

  • 月収:6~8万円

月収の内訳

  • 時給:1,200円

待遇

  • なし

雇用形態

  • 非常勤講師

勤務時間

  • 1日4時間 週4日勤務   *残業 残業なし

学校が定める学生の長期休暇の有無

  • 帰省休暇:年2回 1回14日程度  

長期休暇中の給与保証

  • 給与保証がない
  • 一部補填される

授業形態・勤務スケジュール

スケジュール管理で大変だったことは?

日本人先生不足のため常にギリギリで授業を回してる状態ですので前日の夜中に急に他の日本人先生が風邪をひいたので急遽次の日の朝9時から授業に来れないか?などと急なスケジュール変更依頼が多々ありました。

又、これは日本人同士お互い様の事ですが、日本に帰省する時2〜4週間留守にしますのでお互いにそれを埋め合わせして授業を引き受けなければならないので、時には朝9時から21時まで働くこともありました。もちろん休憩は2時間もらえます。

どうしても引き受けられない時は空いている中国人の先生に授業を受け持ってもらって、その時間は問題集を解いてもらったりしましていました。

授業形態やスケジュールの詳細を読む...

主なクラスの授業形態

  • クラス授業  1クラス6〜7人
  • プライベートレッスン

学習者層

  • 幼児
  • 小学生
  • 中学生
  • 高校生
  • 大学生
  • 社会人

スケジュール

月曜日
  • 9:00~13:00  初級 中級をそれぞれ2コマずつ
木曜日
  • 15:00~17:00  初級2コマ
  • 17:00~19:00  休憩
  • 19:00~21:00  中級2コマ
土曜日
  • 9:00~11:00  上級2コマ
  • 11:00~12:00  未就学児プライベートレッスン1コマ
  • 12:00~13:00  休憩
  • 13:00~15:00  日本文化2コマもしくは体験レッスン1コマ
日曜日
  • 13:00~15:00  日本語能力試験1級コース2コマ
  • 15:00~17:00  中級2コマ
休日
  • 火曜日:自宅で2時間ほど授業の準備
  • 水曜日:自宅で2時間ほど授業の準備 その週の日本文化の授業の資料作成
  • 金曜日:休日

中国で日本語を教える前に準備すべきだったことは?

日本の文化の授業の時に折り紙や和紙、筆ペンを使ったことがあるのですが、現地ではなかなか入手困難でネットで見つけたとしても日本の価格の2倍ほどしました。ですから私は帰省した時に出来るだけ日本にしか売ってなさそうな文具や和紙、調味料などを購入して授業で使用しました。

国によってはYouTubeやGoogleが制限されているためそれらを使って資料を準備できません。そのためそれを利用できるように専用のアプリをダウンロードしておくといいと思いました。

生徒は私に日本のオススメの〇〇は何ですか?や、先生が好きな〇〇は何ですか?、先生は〇〇を知ってますか?と度々日本についての質問を投げかけてきました。日本人なら日本のことをなんでも知ってるだろうと思っているのでしょうか?恥ずかしながら私は全然答えられなくて良く家に帰ってから調べたりしました。

ですから、まず自分が日本人として日本の基本的な歴史、地理、政治、文化、音楽、芸能、などの知識を取り入れておくことや、少なくとも自分の好きな分野については何でも答えられるぐらい知っておく事も必要だと感じました。

教案作りで参考にしているサイトは?

  • NHKニュース 速報・最新情報
    中級上級クラス向けですがNHK NEWS WEBというのがあります。例えば「NEWS WEB EASYやさしい にほんごの ニュースというコーナー」では外国人が分かりやすいように簡単、且つふりがな付きで朗読も聞くことができます。私はよくニュースをコピー用紙に印刷して生徒に配り朗読やリスニングレッスンをしたり、ニュースの内容について質問してみたりしました。また上級クラスでは「特集」というコーナーを使い日本で話題や問題になっている事柄についてディスカッションしました。

教案作りで参考にしている書籍は?

就職活動

この日本語学校で働くきっかけ・決め手は?

私の学校では資格や職歴などについては何も要求はされなかったのですが、中国人は本当に驚くほど学歴を重視します。日本でもそうですが、例えば学校には先生紹介パネルがあったんですが、必ず学歴が掲載されます。体験レッスンなどに来られた生徒や親御さんは学校の先生の素性をとても重視するので先生に資格があればあるほど学校の宣伝にもなるようです。

ですから4年生大学の卒業資格や日本語教育能力検定試験の資格があれば学校にとっては宣伝になり、生徒たちの先生を見る目も変わる場合もあります。

面接ではどのようなことを聞かれましたか?

面接では中国語がどれくらい話せるか、日本語を教えた経験があるか、週にどれくらい働けるか、長期で働けるか、給料や待遇に不満はないか、学校の規則を守れるか、どんな性格か(明るいかなど)聞かれましたが、プライベートな事は特に聞かれなかったと思います。

現地で日本語教師の需要はどのくらいありますか?

学校のある高校生の生徒の話によると最近中国の一部の高校で第二外国語が英語のみではなく、日本語や韓国語など選択出来るようになっているそうです。そのため留学希望者以外でも学校のテスト対策として日本語学校に通う高校生も増えてきているように感じます。

また日本へ留学させたいと熱心に子どもを学校に通わせる親御さんも増えています。もちろんほとんどの学生は自分の意思で来られてます。

また小さい頃から日本の漫画を見て育ったという若い方が自分の趣味として仕事をしながら夜や休日に学校に通うという方も大勢おられます。その中にはいつか日本へ旅行したい、日本で働きたい、中国の日本企業に就職したいという目標を持っておられる方もおられます。

中国の都市部では日本の企業が増えています。そのため仕事の都合上日本語が必要で始める方もおられます。特に日本企業とのメールでのやり取り、日本人上司とのコミュニケーションなどの必要があるので個人レッスンで商業日本語を勉強される社会人の方も増えています。

そのような授業の場合教師の側にも高いレベルが必要になります。特に尊敬語、謙譲語を徹底的に勉強しなければなりません。

この日本語学校で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

私の学校では資格や職歴などについては何も要求はされなかったのですが、中国人は本当に驚くほど学歴を重視します。日本でもそうですが、例えば学校には先生紹介パネルがあったんですが、必ず学歴が掲載されます。体験レッスンなどに来られた生徒や親御さんは学校の先生の素性をとても重視するので先生に資格があればあるほど学校の宣伝にもなるようです。

ですから4年生大学の卒業資格や日本語教育能力検定試験の資格があれば学校にとっては宣伝になり、生徒たちの先生を見る目も変わる場合もあります。

国選びで重視した点

  • 友人がいた
  • 渡航経験があった
  • その国の母国語が得意

現地における日本語教師の需要・将来性

  • 人気があり、一定数の学校で求められている

就職 教育機関選びで特に重視した点

  • 必須資格
  • 学習者数
  • 学校側の融通性

応募時に必要とされた資格

  • 中国語能力
  • 日本語ネイティブスピーカー

就職 選考方法

  • 書類
  • 面接

面接方法

  • 現地にて実施

日本語教師全般に関する質問

どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

私の学校では資格や職歴などについては何も要求はされなかったのですが、中国人は本当に驚くほど学歴を重視します。日本でもそうですが、例えば学校には先生紹介パネルがあったんですが、必ず学歴が掲載されます。体験レッスンなどに来られた生徒や親御さんは学校の先生の素性をとても重視するので先生に資格があればあるほど学校の宣伝にもなるようです。

ですから4年生大学の卒業資格や日本語教育能力検定試験の資格があれば学校にとっては宣伝になり、生徒たちの先生を見る目も変わる場合もあります。

「日本語教師をやってよかった!」どのような時に実感しますか?

私の学校では資格や職歴などについては何も要求はされなかったのですが、中国人は本当に驚くほど学歴を重視します。日本でもそうですが、例えば学校には先生紹介パネルがあったんですが、必ず学歴が掲載されます。体験レッスンなどに来られた生徒や親御さんは学校の先生の素性をとても重視するので先生に資格があればあるほど学校の宣伝にもなるようです。

ですから4年生大学の卒業資格や日本語教育能力検定試験の資格があれば学校にとっては宣伝になり、生徒たちの先生を見る目も変わる場合もあります。

学生のみなさんへ 進路についてアドバイス。

日本語の勉強や資格を取る事はもちろん日本文化や歴史、地理、政治、音楽、映画など幅広い知識を取り入れ、外国人と交流を持つことをお勧めします。

社会人のみなさんへ 進路についてアドバイス。

もし大学卒業資格や日本語教師の資格がないとしても、行きたい国の言語や英語を少しでも話せるように自分で勉強する事や、実際に日本語の教材を使ってどうやって教えるか練習してみたり、日本で暮らす外国人と出来るだけ沢山交流を持ち実際に日本語を教えてみたりするなら、資格よりも重要な実際的な経験や知恵が役に立つと思います。資格がなくても採用してもらえる日本語学校は沢山あります。

中国で日本語教師を目指す方へ心構え・アドバイス。

中国での日本語教師の需要はまだまだこれから増えると思います。ですがほとんどの民間日本語学校は新しく、きちっと組織化されてない部分も多々あると思います。ですから学校方針の急な変更やカリキュラムの変更などという事もあります。

それにお国柄上物事の決定と実行がとても早いです。ですからついていけないと感じることもありますが、そこは中国人の良いところ。こちらもあまり神経質にならずに楽観的に、時には適度に手を抜きつつ(!?)柔軟に対応する事が楽しく長く続ける秘訣だと思います。

学生の皆さんは本当に純粋に日本が好きで、日本語で日本人と話したいと思っておられます。たとえ中国語が流暢に話せなくても、彼らは私たちの生の日本語をたくさん聞きたいと思っていますし、日本語が話せるスタッフもたくさんおられるので、現地の言語や生活に不安な方でも是非積極的に中国での日本語教師を目標にして頂ければと思います。

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