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海外日本語教師経験談

タイ 西部 中等教育機関(2020年) 文化を理解し、言語を学ぶ

👩 マリさん・ 25歳

総評

  • タイ 西部 中等教育機関
  • 雇用形態:常勤講師 *非正規雇用・フルタイム
  • 期間:1.5年 (2018~2020年) *現在も勤務中
  • 月収:7万6,000円 (2万3,000バーツ) *現地で生活をするのに十分
  • 勤務時間:1日9.5時間 週5日勤務   *残業:残業なし

私が勤務しているのは、タイ人が通う公立の中等教育機関で、第二外国語として中国語・日本語を教えている学校です。そのため、日本語を勉強したくはないけど中国語は難しいという生徒も多く、日本語を本気で勉強したい生徒は学年に2,3人いたら良い方です。全校生徒は約2500人いましたが、校舎は小さめの学校です。

親日国のため、生徒や先生方だけでなく町の人もみんな優しく接してくれます。タイ人はとても元気でおしゃべり好きが多いため、授業中はとても賑やかです。最初は日本人や日本語を話すことに恥ずかしがる生徒が多いですが、慣れたらどんどん積極的に話しかけてくれます。

最初は生徒のまとめ方や指導法に戸惑うことも多かったですが、現地人日本語教師も手助けてしてくれます。

タイは仏教徒がほとんどなので、学校でも仏教の行事が多くあり、そういうものも体験できるのが公立校の良いところではないかなと思います。

授業は直接法で教えますが、学生とより深く関わるためには現地語を勉強し、現地の言葉でコミュニケーションをとることも大切だと思いました。自分自身も現地語を学ぶ上で言葉だけではなく文化を知り、理解することも大切だと気付いたため、日本語だけでなく日本文化も紹介するようになりました。

日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

中等教育機関だったため、生徒が仕方なく日本語を選択・履修している生徒がほとんどでした。そのため、生徒を授業へ集中させることに苦労しました。

また、現地人日本語教師はそれを特に問題視していなかったため、先生同士でも意見を合わせずにいましたが、よく話し合い教育方法を見直すことができました。

給与

月収:7万6,000円 (2万3,000バーツ)
現地で生活をするのに十分

給与面では困ることはありませんでした。家賃手当てがあったので、自己負担しなければいけないものは食費と光熱費のみです。

タイのアパートにはキッチンがないところも多く外食した方が安いので、全て外食か屋台のものを持ち帰りしています。

アパートはコンドミニアムタイプだったので常に清潔に保たれていて、ヤモリはいましたが虫などはいません。お湯も出ます。たまに近所で大きな祭りなどがあると、断水になることがありますが、三時間ほどで元に戻ります。

給与の詳細を読む...

給与

  • 月収:7万6,000円

月収の内訳

  • 基本給:6万円
  • 家賃手当:1万2,000円

待遇

  • 有給

雇用形態

  • 常勤講師 *非正規雇用・フルタイム

勤務時間

  • 1日9.5時間 週5日勤務   *残業 残業なし

学校が定める学生の長期休暇の有無

  • 学期休み:14日・夏休み:45日

長期休暇中の給与保証

  • 仕事はないが、給料は支給される

授業形態・勤務スケジュール

スケジュール管理で大変だったことは?

タイの学校では予定が変わることは日常茶飯事のため、他学科や部活のイベントがあり授業に来れない生徒も多くいます。その際には、来れない生徒には放課後や休み時間に職員室に来てもらい課題をしてもらっています。

年間の授業日程や予定表は大まかにありますが、私の学校ではそこまで厳しくないような気がします。そのため、行事などで授業数が十分でなくても無理に進めないようにと現地人日本語教師に言われています。

授業形態やスケジュールの詳細を読む...

主なクラスの授業形態

  • クラス授業  1クラス30人

学習者層

  • 中学生
  • 高校生

スケジュール

月曜日
  • 10:20~12:10  中学生1年生から高校3年生のクラスを2コマ
  • 12:10~13:05  学生と食堂でランチ
  • 13:05~14:00  授業準備
  • 14:00~15:50  中学生1年生から高校3年生のクラスを2コマ
火曜日
  • 8:30~11:15  中学生1年生から高校3年生のクラスを3コマ
  • 11:15~12:10  授業準備
  • 12:10~13:05  学生と食堂でランチ
  • 13:05~14:00  授業準備
  • 14:00~15:50  中学生1年生から高校3年生のクラスを2コマ
水曜日
  • 9:25~11:15  中学生1年生から高校3年生のクラスを2コマ
  • 11:15~12:10  授業準備
  • 12:10~13:05  学生と食堂でランチ
  • 13:05~14:00  授業準備
  • 14:00~14:55  中学1年生から高校3年生のクラス1コマ
  • 14:55~15:50  高校生の日本語クラブ活動
木曜日
  • 10:20~12:10  中学生1年生から高校3年生のクラスを2コマ
  • 12:10~13:05  学生と食堂でランチ
  • 13:05~14:00  授業準備
  • 14:00~15:50  中学生1年生から高校3年生のクラスを2コマ
金曜日
  • 10:20~12:10  中学生1年生から高校3年生のクラスを2コマ
  • 12:10~13:05  学生と食堂でランチ
  • 13:05~14:00  授業準備
  • 14:00~15:50  中学生1年生から高校3年生のクラスを2コマ
休日:土日:一日休めていました

タイで日本語を教える前に準備すべきだったことは?

初級の授業のためほとんど直接法で教えていますが、最初は現地語が全くわからなかったため生徒と深くかかわること出来ずにいました。授業中にも質問する生徒は毎回決まっていたため、クラス内での差がどんどん増えていったように感じたため現地語はもう少し勉強しておけばよかったと思いました。

教案作りで参考にしているサイトは?

  • 日本語教師の教案
    例文が多く載っているため、生徒へ指導や説明するために活用しています。正しいアクセントも載っているため、指導前に確認し教えることができます。
  • みんなの教材サイト
    イラストを探したり、教室活動のアイディアを探すときに活用しています。

教案作りで参考にしている書籍は?

  • まるごと 日本のことばと文化 入門 A1 かつどう 対象: 初級・中級
    授業中のアクティビティ、ペアワークなどに使用しました。文法ばかりの授業だと退屈になる生徒がほとんどなので、日本文化を学びながらの会話練習などに役に立ちます。イラストや写真が多くあり、生徒が理解しやすかったように感じます。

就職活動

この中等教育機関で働くきっかけ・決め手は?

大学で留学生サポートをした際に日本語を勉強しているタイ人学生と知り合い、卒業後に彼女から知り合いの学校で日本語教師を探しているとの連絡が来たため興味を持ち始めました。タイは治安が良く距離的にもそう遠くはないことと、学校が家賃補助をしてくれるということが決め手となりました。

現地で日本語教師の需要はどのくらいありますか?

タイは親日国で日本に出稼ぎへ行く方が多いため、日本語の需要はとてもあり、中学校から日本語を選択科目として取り入れている学校が多くあると感じました。

実際、勤務している学校の先生のみならず食堂の人にも親族が日本で働いているという方が多くいました。

この中等教育機関で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

日本語だけでなく文化についても質問されることが多いため、文化についてよく知っている方が良いと思います。

イベントで、浴衣着付け体験や茶道の体験ができるブースを企画しました。その際に、着付けや茶道の資格があったことがとても役に立ちました。

就職活動で参考にしたウェブサイトは?

国選びで重視した点

  • 治安
  • 日本との距離
  • 渡航経験があった

現地における日本語教師の需要・将来性

  • 人気があり、一定数の学校で求められている

就職 教育機関選びで特に重視した点

  • 学校の規模
  • 学習者が学生
  • 給与・待遇

応募時に必要とされた資格

  • 大学卒業

就職 選考方法

  • 書類

日本語教師全般に関する質問

どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

大学で留学生に日本語を教えるボランティアをしていたことから日本語教育に興味を持ちました。海外に旅行へ行くと「日本で働きたいから日本語を勉強している」という方が多くいることを知り、日本語教師を目指すことにしました。

「日本語教師をやってよかった!」どのような時に実感しますか?

生徒が日本語コンテストで良い成績を残せたときや、日本に興味のなかった生徒が授業を通して日本文化へ興味を持ち、日本語学習に意欲的になったときはやりがいを感じました。

また、先生方も、日本語学科のイベントで日本文化を楽しく体験しているのを見たときは、とても嬉しく思いました。

学生のみなさんへ 進路についてアドバイス。

大学で日本語教育の授業があれば履修しておいた方が良いと思います。いきなり現場に出るのではなく、学校内外での留学生サポートや海外ボランティアなどに参加し、指導経験を積んだり、実際の授業を見学しイメージを膨らませたりして、各国での日本語教育の在り方を知っていた方が良いと思います。

社会人のみなさんへ 進路についてアドバイス。

養成講座を受けることをおすすめします。独学で日本語教育能力検定試験を取得した方もいますが、養成講座の方が詳しく教えてくれると思います。模擬授業などもすると伺ったので、授業のイメージやアイディアが沸きやすいと思います。

タイで日本語教師を目指す方へ心構え・アドバイス。

タイでは日本語教師が不足しており、毎年いくつも募集が出ます。タイは、親日国でタイ語が少ししかわからなくてもみなさん優しく接してくれます。困ったことがあれば、町中で助けてくれることもあります。

生徒もとても素直でおしゃべりが好きなため、楽しく授業をすることができます。しかし、自主的に学習する生徒は少ないため目に見えた成績アップはありません。もし一生懸命学習する生徒を指導したい場合は、中等教育機関ではなく大学や日本語学校で働いた方が良いと思います。

また、タイは物価が安く住みやすいですが、給与が低いので貯金などはあまり期待できません。金銭面はじっくり考えた方が良いと思います。

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