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海外日本語教師経験談
コロンビア ボゴタ 日本語学校(2021年) 熱心な学生が多く、労働環境も比較的良い
👩 Lonさん・ 35歳
総評
- コロンビア ボゴタ 日本語学校
- 雇用形態:専任講師 *正規雇用
- 期間:1年 (2020~2021年) *現在も勤務中
- 月収:5万円 (160万コロンビアペソ) *なんとか生活できる
- 勤務時間:1日8時間 週6日勤務 *残業:残業なし
スペイン語を使用した間接法であるため、語学ができないと厳しいが、今スペイン語に堪能でなくてもサポートがある。また上級レベルの担当をするなど、学校側の配慮もある。生徒からスペイン語を教えてもらうことも多々あり、間接法ならではだと感じている。
日本企業勤務の生徒もいるが、生徒の殆どが自主的に日本に行きたい、日本文化に興味があるなどといったモチベーションで日本語を学習している人たちであり、真面目に勉強する人が多い。
子どもや10代の学生が最近増えていることも特徴的で、特に現在はフルオンラインであるためその指導方法やモチベーションアップのための手法などに苦労はしているが、熱心な人が多いことは非常にやりがいを感じる。
国全体で労働環境は悪いところが多いが、ここは日曜・祝日は役職についていない限りは完全に休みであるなど、全体的な労働環境は良いほうだと思う。
日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?
スペイン語力の不足によるもの。生徒に自分が説明する点は事前に準備することができるが、生徒からの質問が理解できず、困ることは多い。
英語が話せる生徒も多いため、他の生徒に通訳してもらったり、どうしても理解できないときはチャットに書いてもらい、google translateを使ったりすることもある。
給与
なんとか生活できる
他の語学学校勤務経験のある人によると、日本語教師は時給であることが多いため、月給契約なのは安定していて良い。ただ、どんなにクラスが多くても少なくても給与は変わらない点や、時給換算すると非常に低くなる点は、複雑な気持ちになる。
この月給で、家族2名の生活はギリギリ。ダブルインカムや一人暮らし・ホームステイならさほど問題ない程度だが、余裕のある生活はできないと思う。
有給は法定どおりにあるが、国の長期休暇(クリスマスとイースター)で自動的に消化されてしまうため、自分の好きなタイミングで使うことはできない(できるが、その分欠勤扱いになる)。
給与の詳細を読む...
給与
- 月収:5万円
月収の内訳
- 基本給:5万円
- 通勤(現在は電気代などに該当)手当:3,500円
待遇
- 有給
- 交通費
- 現地語学レッスン受講
- 賞与(年間10万円)
- 保険(民間の健康保険・年金・仕事保険)
雇用形態
- 専任講師 *正規雇用
勤務時間
- 1日8時間 週6日勤務 *残業 残業なし
長期休暇中の給与保証
- 長期休暇がない
授業形態・勤務スケジュール
スケジュール管理で大変だったことは?
基本は週48時間勤務のうち、24時間までを授業時間、残り半分を準備にあてられるように授業が振り分けられるが、講師の急病や急にクラスが増えてしまった場合などは週24時間を超えたクラス時間になることがあり、効率的に授業準備をする必要があった。
また終日自宅で仕事をしているため、ダラダラと仕事をしがち。何時から何時までで準備をする、この1時間で宿題チェックを終わらせる、などとメリハリを付けたスケジュール管理が必要。
授業形態やスケジュールの詳細を読む...
主なクラスの授業形態
- クラス授業 1クラス10人
学習者層
- 小学生
- 大学生
- 社会人
スケジュール
- 7:00~8:30 初級(日本企業勤務者対象)クラス
- 10:00~11:30 会議
- 14:00~16:00 授業準備
- 18:30~20:00 初級クラス
- AM 授業準備
- 16:00~18:00 十代クラス
- 18:30~20:00 初級クラス
- 7:00~8:30 初級(日本企業勤務者対象)クラス
- 14:00~16:00 授業準備
- 18:30~20:00 初級クラス
- AM 授業準備
- 16:00~18:00 十代クラス
- 18:30~20:00 初級クラス
- 10:00~11:30 勉強会
- 14:00~16:00 授業準備
- 18:30~20:00 初級クラス
- 8:00~10:00 初級クラス
- 10:00~12:00 初級クラス
- 13:00~15:00 十代クラス
- 17:00~17:30 会議
教案作りで参考にしているサイトは?
- 『まるごと』
実際にこの教材を使用することがあるため、オーディオを聞くためがメイン。
教案作りで参考にしている書籍は?
- 『初級を教える人のための日本語文法ハンドブック』
対象:
初級
説明の仕方に困ったとき。「〇〇と☓☓の違いは」などといった質問が出たときなど、体系的に学習していないためにうまく説明できなかったり、良い例文が思いつかなかったりしたとき。
就職活動
この日本語学校で働くきっかけ・決め手は?
こちらに引っ越してくる前から、日本人として活かせる仕事があればいいなと思い、日本語教育機関や文化センターのようなところをチェックしていた。
そのときにこの学校のFacebookページをフォローしており、「講師募集しています。履歴書を送ってください。」の投稿を見つけて応募。履歴書を送ったところすぐに面接が決まり、即日研修がスタートした。
面接ではどのようなことを聞かれましたか?
私自身はもともと講師の経験があったため、どんな人に教えたか、その仕事に対してどのようなモチベーションだったかなど。
かなり急で講師を探していたようで、その他は待遇や契約内容などの確認。また、後日家族との面談もして、家族がこの仕事をすることに対して同意しているかどうかも確認された。
現地で日本語教師の需要はどのくらいありますか?
特に最近、子ども(小学生~中学生くらい)の需要が増えている。アニメや漫画の影響が大きいが、親御さんも日本のしつけを期待していることが多いらしい。大人は趣味程度で習っている人もいるが、日本で働きたい、通訳になりたいといった人もいて、関心の高さを感じる。
国全体的には、日本という国や言語に対する知識や関心が高いとは感じないが、「好きな人は好き」という雰囲気。
この日本語学校で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?
スペイン語は絶対にできたほうが良い。少なくとも英語はできないと、かなり厳しい。できなくても採用されるが、クラス内で実際苦労する。
スペイン語のレッスンを講師に提供するサポート体制はあるが、それでは追いつかない場合が多いため、語学は事前にやっておくことを強くすすめる。
日本語教師としての経験、資質はあまり重要視していないように感じる。
国選びで重視した点
- 現地に行ってから就職した
現地における日本語教師の需要・将来性
- 人気があり、一定数の学校で求められている
就職 教育機関選びで特に重視した点
- 給与・待遇
- 通勤時間
応募時に必要とされた資格
- 日本語教師養成講座420時間修了
就職 選考方法
- 書類
- 面接
面接方法
- 電話・ウェブ会議ツールなど
日本語教師全般に関する質問
どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?
もともと英語を教えた経験があり、さらに語学に興味があったため、日本語教師という仕事には関心があった。
「語学を教える仕事」としてこの求人をたまたま見つけたため、「偶然」という方が実際の経験に近いが、「母国語」を教えるということに対する難しさや、いかに母国語を何も考えずに使っているかがよくわかった。
「日本語教師をやってよかった!」どのような時に実感しますか?
生徒から感謝されたとき。
私は「自分のファンを作る」ことを目標に毎日クラスをしているが、「あなたのクラスが一番楽しい」「たくさん学べてとても良い」などと普段メッセージをもらったり、クラスの講師が交代する際に「交代しないでほしい」などと言われることは、教師として本望だなと思う。
学生のみなさんへ 進路についてアドバイス。
大学にそのコースがあるなら、今始めたほうがいい。必ずしも資格を持っている必要はないと思うが、 資格に合格していれば選択肢は広がる。
社会人のみなさんへ 進路についてアドバイス。
資格合格をしていなくても、働けるところはたくさんある。まずは420時間の養成講座を、仕事と並行して受講してみたらどうか。オンラインで、自分の好きな時間で受講できるものもある。
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