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海外日本語教師経験談

韓国 高校(2010年) すべて良い経験

👩 コスモポリタンガールさん・ 40歳

総評

  • 韓国 高校
  • 期間:2年 (2007~2010年) *退職
  • 月収:10万円 (120万ウォン) *なんとか生活できる

楽しいこと、つらかったこと、いろいろありましたが、すべて良い経験となったと思います。日本語教師として、高校生に教えていた時は、あくまでも「教師」と「生徒」という立場があり、生徒自身から相談されても、立ち入れない問題などもあり葛藤もありましたが、大人相手に教える時は、人間対人間として教えるので、いい友人を得ることができました。

韓国自体は何度か行ったことはありましたが、海外で住んだり、働いたりするのは初めてだったので、旅行はあちこち行っていても、カルチャーショックというものを受けたことがありませんでした。

しかし、同じアジア人でも、同じようで違うんだなぁと学びました。また、基本的に、韓国人は仲良くなると、本当に家族のように接してくれます。少し遠慮がちな日本人には慣れないですが、海外での一人暮らしには大きな励ましとなりました。それゆえ、本当にいい経験になったと思います。

日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

少しカルチャーショックと言うものを感じました。まず、韓国は日本以上に、縦社会で、私が紹介された私立の高校は家族経営で、校長先生の息子が英語科の部長、娘が日本語科の部長で、パワハラのようなものを受けました。

授業がすでに済んでいる分の教案を3度も書き直させられたり、日本で普通に使っている表現が、韓国の日本語教育では違うように取られているようで、その表現はおかしいと言われたりしました。

【例】:「さようなら」という表現ですが、日本では、学校から帰る時「先生、さようなら、皆さん、さようなら」と使ったり、普通に目上の人に会って別れたりする時、使うと思いますが、その韓国人の日本語科部長の先生は、二度と会わない場合のみ使うということで「じゃあ、また」と教えています。

しかし、生徒が先生に、「じゃあ、また」というのはおかしいと思います。しかし、私がネイティブなのに、何度言っても聞き入れてもらえませんでした。

しかし、これは特別なケースだともいえるかもしれません。他の日本語教師の友人に話したら、めったにそんなことはないと言うことらしいので…。

また、計画性と言うことにもカルチャーショックを感じました。きちんと決まっている授業の予定もころころ変わり、急に1日の授業が15分授業ずつになり、午後からゲストスピーカーを招くことになったり、夕方4時過ぎに会食の予定が入ったり(小さなグループの集まりではなく教師全員での会食)、と予定を立てるのに苦労しました。

これは、よくあることで、同じような日本語教師の友人も、企業研修の時でも、予定が変わることが多いと聞きましたので、国民性の問題だとも思います。

そして、それは、個人レッスンも同様で、急にドタキャンになったり、連絡が通じなくなったりします。なので、個人レッスンは基本的に前払いで、授業料が高い場合(ある生徒は1時間35000ウォン、当時日本円で3500円程度)は、振替は自由にしましたが、低い場合、連絡がなく来ない場合、そのまま1回分キャンセルということにさせていただいていました。しかし、変更も多く、収入の予定が立ちにくいのも苦労した点でした。

授業形態やスケジュールの詳細を読む...

主なクラスの授業形態

  • クラス授業  1クラス30人
  • プライベートレッスン

学習者層

  • 高校生

スケジュール

高校でのスケジュール: 平日8~6時、土日祝 休み 語学学校 専任の場合 6~9時・17~22時、土 時々授業あり 日 休み

韓国で日本語を教える前に準備すべきだったことは?

実物レッスンじゃないですが、日本の文化に関する資料などをもっと準備していけばよかったと思いました。

今は便利な時代で、インターネットで、何でも情報を得ることや、画像をプリントアウトすることができますが、実物の観光のガイドブックや金閣寺など入場したらくれるもの、など持っていけばよかったなと思いました。

また、特に直説法で初級に教える場合のイラストなども準備が大変だったので、ある程度、イラスト集など買って持っていけばよかったと思いました。同様、文法書も現地で購入すると高いので、日本で買って持っていけばよかったと思いました。

歌、ドラマや映画も良い教材になりますが、ドラマや映画は、私もDVDを持っていたりしましたが、歌の歌詞が、その時点で流行しているものは、現地ではなかなか楽譜が手に入りにくいので、持っていけばよかったと思いました。

就職活動

この高校で働くきっかけ・決め手は?

上記にも書きましたが、今回が日本語教師として勤務するのが初めてで、韓国人の知人を通しての紹介でした。

その韓国人の知人とは、私が以前から参加し学んでいるキリスト教系の子どもの宣教団体のアジア・太平洋地区のカンファレンスで出会い、連絡先を交換したのですが、韓国では3月から新学期なのですが、1月にネイティブの教師が必要と言うことで紹介を受け、メールにて、履歴書、自己紹介書などを送付し、日本語教師として勤務することに至りました。

その高校を辞めた後、語学学校(学院:ハゴォンと呼ばれています)の専任教師として1か月勤務し、あまりに過酷なスケジュールだったので、退職し、後は、交流センターや個人レッスン、語学学校のパート勤務などをしました。

現地で日本語教師の需要はどのくらいありますか?

おそらく、一番需要があるのが、外国語や観光に特化したような高校でのネイティブ教師だと思われます。その次は、語学学校のネイティブ講師だと思います。

通常、初級は韓国人の先生とのダブルティーチングで、上級になると、教科書を使っての授業というよりフリートーキングや検定対策や日本への留学準備のためのクラスなどを受け持ちます。

しかし、給料は残念ながら、英語のネイティブ教師ほど高くなく、専任教師で1か月120~150万ウォンくらいが通常ではないかと思います。私が働いていた時もそうでしたし、現在、メーリングリストに載ってくる求人情報もそれくらいですので。

この高校で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

私が行っていたころは、標準語のイントネーションをきちんと話すことが求められました。特に、教授法を勉強して行っていないので、教科書を読むのに、イントネーションを整えることはできるのですが、フリートーキングの時は多少苦労しました。

交流センターや個人レッスン、語学学校の上級クラスでは、標準語だけでなく、関西弁のイントネーションでも特に問題がなかったので、初級に標準語のイントネーションが必要とされると思います。

また、現在、流行していて使われている表現(イケメンなど)、文法的には間違っているけれど、使っている会話表現(たとえば、ら抜き言葉など)を理由など説明も入れてきちんと区別して教えられる教師も求められると思います。

また、歴史認識やその国と日本の今までの諸事情などを把握して、きちんと嫌な質問に対しても、冷静に対処できる教師が求められると思います。

例:竹島問題など。私は、聞かれたら、「韓国では、そのように教育されているけれど、日本の外務省では、日本の土地だと公式発表しているので、国連の裁判所などできちんと話し合いをして解決できたらいい問題ですね」と個人的意見を言わずにスルーしてきました。

それ以上、突っ込んでくる学生には、この問題はこの授業で取り扱っても解決しないので、次の話題に行きましょう、と授業を進めました。

日本語教師全般に関する質問

どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

教育に関してもともと関心がありましたが、日本語教師というものに関しては、あまり関心がありませんでした。友人が日本で日本語教師として海外から来る留学生たちの世話をしているのを見て、大変だなぁと思っていました。

しかし、その反面、その友人が外国のあちこちに生徒がいて交流があるのを見て、少し羨ましいとも思っていました。

そんなある時、韓国の友人を通して、韓国にある観光に特化した私立の高校で働いてみないか、と紹介を受けました。日本に来ている外国人の友人に(主としてアメリカ人)日本語を少し教えた経験がありましたが、日本語教育に対して、経験はなかったのですが、せっかくのチャンスと思って引き受けました。

そして、そこで、日本語を学んでいる学生たちと出会い、正式に日本語教師としての勉強をしようと目指すことにしました。

「日本語教師をやってよかった!」どのような時に実感しますか?

いろいろありますが、日本語の表現を理解できない学生に理解してもらえた時、日本語教師をしてよかった!と思いましたし、教えていた学生たちと日本の文化や韓国の文化について(主としてドラマや音楽)フリートーキング授業で語り合った時も、日本語教師としての喜びを感じました。

また、日本に帰国後も学生たちの何人かとはメールやラインなどでやりとりをしたり、彼らが日本に来たり、私が韓国に行ったりすると会い、一緒に食事したり、遊んだりして、今でも交流をして、日本語教師をしてよかったなと実感します。

日本語教師を辞めたいと思ったことはありますか?それはどうしてですか?

どちらとも言えません。学生たちを教えたり、一緒に時間を過ごしたりすることは、授業の準備が大変だったり、時間の調整が大変だったりしますが、教師を辞めたいと思ったことはありません。

けれど、韓国で教えた時は、教師ということではなく、生活や常識の違いのようなカルチャーショックというものを感じて、辞めたいと思ったことはあります。

また、韓国の他、ボランティアで、中国の延吉で、日本語を教えたことがあるのですが、歴史問題のために、『教師』というより『日本人』という立場で、心苦しい思いをしたことがあります。けれど、歴史問題を自分で勉強するきっかけになりましたし、相手の国の立場、思いを知るよい経験となりました。

韓国で日本語教師を目指す方へ心構え・アドバイス。

時間や計画性などのカルチャーショックは、私だけでなく結構皆さん受けるようです。なので、自分は時間厳守でも、相手に関してや予定に関して、余裕を持って考える癖をつけるといいと思います。

また、歴史問題については、少しは勉強してから行くことをお勧めします。何にも知らないと、本当に何にも知らない常識のない人のように思われる可能性があるので。

また、近くても、外国です。韓国人はあまり現金を持ち歩きません。クレジットカードやデビットカードを使います。なので、外であまり、現金を持ち歩かない方がいいと思います。(犯罪もたまにあります。)

ソウルはタクシーが安いですが、ぼられることもたまにあるので、だいたいの地理は知っておくほうがいいと思います。また、同僚の教師などに大体いくらくらいかかるかきいてみて参考にするといいと思います。

でも、まず、何よりもチャレンジ精神です!あまり心配しすぎず、海外で住み、働くと言う経験を楽しみに行く!というように、何事にも新しいことにチャレンジする強い意志と柔軟性を持っていけば、何とかなると思います。頑張ってください。

食堂にて

高校の修学旅行の引率(日本への船旅)

今後どのような日本語教師になりたいですか?

まず、きちんと教授法を学びたいと思います。420時間の養成講座を受講し、検定試験もチャレンジしようと思っております。

また、海外で働く場合のため、その国の学生たちのニーズにこたえられるよう、日本について、歴史を始め、文化、流行しているもの、ビジネス日本語、日本での常識と思われていること(マナーなど)にも精通し、学生たちに伝えられるよう、準備したいと思っております。

そして、相手の立場に立って、教師と学生という立場ではありますが、ひとりの人間として、謙虚に学生たちに向かい合い、学生たちが楽しんで学ぶことができる授業ができる日本語教師を目指したいと思っています。

給食(ランチ)

高校での私の席

弁論大会

各高校での教師のスポーツ交流

朝礼の様子

高校の生徒たちと

交流センターの生徒たちと

アジアの国・地域別 経験談

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