ヒューマンアカデミー 口コミ 公式サイト とにかく進め！講師の勢いに圧倒

ヒューマンアカデミーの日本語教師養成講座を選んだきっかけは、知人から良い評判を耳にしたからである。知人曰く、ヒューマンアカデミーで日本語教師養成講座を修了した人は、他社の養成講座を修了した人と比べて日本語教師としての質が高いそうだ。この話を聞いてヒューマンアカデミーの日本語教師養成講座の受講を決断した。

テキストは次のものを使用した。

講義では、日本語教育能力検定試験検定攻略ガイド第5版と日本語教育能力検定試験分野別用語集を使用した。前者は検定試験の出題範囲に含まれる重要な事柄を一つずつ丁寧に解説したテキストである。後者は検定試験で押さえておきたい用語を説明したものである。こちらは文字だけのテキストなので人によっては退屈な内容かもしれない。

実習ではみんなの日本語初級1第1版と、みんなの日本語初級2第1版を使用した。テキストの価格は講座申し込み時に支払う代金に含まれている。

満足した点は受講者に対する教員のサポートと、日本語教育能力検定試験の対策である。

前者について、教員は講義終了後１時間程度受講者の質問に対応していた。熱心な受講者は実習の準備や日本語教育現場の事情も質問していた。私は大した質問をしなかったけれども、教員の熱意に圧倒された。実習の教案作成で分からないことがあって尋ねると教員はヒントをくれた。

後者については、頻繁に検定試験対策講座が開かれており、検定に不可欠な知識の穴を埋めることができる。毎年6月頃から検定試験の対策講座が開講される。開講される講座の内容は検定試験の出題範囲を網羅するものである。特に日本語の文法に関する講座は充実していた。

講座の担当教員曰く、日本語文法は多くの人が中学又は高校を卒業後触れることのないものだから重点的に学ぶ必要があるそうだ。確かに教員が仰る通りである。大学で国語教育や日本語学を専攻しなければ日本語文法に触れる機会はまず無いと思う。私は大学で日本語に関連した専攻ではなかったので、この講座は有り難かった。

不満な点は就職サポートである。この点は後で述べるから省略する。

知人から聞いた評判と自身がヒューマンアカデミーで担当者から受けた説明を併せて考慮し、受講を決断した。決め手となったのは後者である。

ヒューマンアカデミー担当者の説明によれば、ヒューマンは実際の現場を意識した日本語教育理論の講義や教育実習を行なっているそうだ。実際に受講し始めると、担当者の説明が本当であることがわかった。欠席対応も社会通念上妥当なもので、欠席した講義の資料は担当者から配布された。

KECの日本語教師養成講座をヒューマンのそれと比較、検討した。KECに日本語教師養成講座の資料請求のため電話したところ、電話応対の印象が悪かったから。

講師は理論の講義でも最新の現場事情を話したり、学生が実際に就職したとき困らないように現場でのトラブル対処法を教えていた。講師は質問に丁寧に答えており、講義終了後1時間程度学生の疑問に対応していた。

模擬授業の前には教案の作り方を書いた見本の教案が配布される。この教案には模擬授業で意識すべきことが記されている。教員が口頭で模擬授業の際に意識すべき事柄を説明することもある。

また、模擬授業で使用可能なマテリアル、例えば文字カードや絵カードが配られることがある。但し毎回マテリアルが配布されるとは限らないので受講者のみなさんは注意されたい。

模擬授業は回数を重ねると予定通り進まないことが多いことを知っておくとよい。これは、受講者の予期せぬ欠席やモデルスチューデント(生徒役)の留学生の都合によるものである。

理論と実践はバランスがとれており、模擬授業の数や内容は充分だった。模擬授業の事前準備に対するフォローは充実していた。

また模擬授業の翌週には担当教員が模擬授業のフィードバックを受講者ひとりひとりに返却していた。教育実習の数や内容は満足いくものだった。

教育実習はコロナ禍の影響で当初の予定より規模を大幅に縮小して実施された。やむを得ないけれども、オンラインで実習を行えば規模の縮小は必要がなかったと思う。当初の予定ではさまざまな出身のモデルスチューデントを20〜30人集めて現場さながらの教育実習を行う予定だったが、コロナ禍の影響で規模が縮小され、モデルスチューデントの人数は5人程度だった。特定の国出身の留学生に偏っていたので、実習で発音指導を実践することが難しかった。

春の受講申し込みキャンペーンをやっていたので、お得な価格で申し込むことができた。

講義内容やテキストの質、就職サポートや受付窓口の対応は不満な点があったものの、可もなく不可もなくという許容範囲だった。お手洗いや自動販売機、休憩スペースはきれいに掃除されていた。ヒューマンアカデミーの対応は価格に見合ったものだった。

自分でテキストを買い集める手間を省けることがヒューマンの強みである。テキスト代金が受講料に含まれていたことは大変有り難いものだった。

理論のテキストは日本語教育能力検定試験対策を目的に編集されているので、検定試験対策の要点が分かりやすくまとめられていた。

実習のテキストは日本語教育の現場で実際に使用されているものだった。

通信教育を含むコースを申し込んだ人は、日本語教育能力検定試験対策のDVDを受け取ることができる。このDVDの費用は教材費に含まれている。DVDの内容は分かりやすく、テキストを読むことに飽きた時にDVDを見ると息抜きになると思う。DVDと検定対策テキストを一緒に見ると知識が定着しやすいと思う。

運営スタッフとサービスは満足できるものだった。

事務連絡は報連相が徹底しており、情報の齟齬が生じることはほとんど無かった。受講者への対応やコミュニケーションは適切であり、明るい対応のできる職員が多かった。

欠席補講のシステムや学習環境は基本的に問題無い。欠席者向けにビデオ補講があればなお良い。学習環境は申し分ないけれども、教室の椅子や机にがたつきが見られることがある。学習環境の改善を求める。

求人情報の数は可もなく不可もなくというものだった。コロナ禍というアクシデントが起きたから、仕方がない部分もあると思う。

面接対策は就職部からのサポートが無かった。面接対策に戸惑う人も多いと思うので、もっと就職部からサポートを呼びかけても良いと思う。具体的には模擬面接を実施したり、面接の要点をまとめた資料を配布したりするといったサポートがあれば良かった。

模擬授業対策は皆無だった。私が知る限りでは模擬授業対策というサービスは無かったし、私は模擬授業対策を経験していない。就職部と実習担当者の役割が不明確で、振り回される学生も多かった。

就職部はエントリーシートや履歴書、職務経歴書の添削指導をしていた。実習担当者は模擬授業で分からないことや不安なことがあれば気軽に相談してくださいと言っていたが、履歴書や職務経歴書の作成には一切関与しないという態度だった。実習担当者は忙しいと思うがあまりにも冷たい態度にあきれた。

進路相談は予約制だが内容は不十分だった。担当者は私の質問に答えず的外れな回答を繰り返した。当たった担当者によるので何とも言えないが、多少の当たり外れは覚悟して相談したほうが良いと思う。

知人の話を聞いたことが検討し始めたきっかけである。父の知人に日本語教師をしている人がおり、その人曰く、日本語教師になるならヒューマンアカデミーがおすすめとのことだった。

私は海外で働きたいと考えていたので、海外で働くための手段として日本語教師になろうと考えた。

人によって違うと思いますが、スパルタな教育方針のスクールはおすすめしません。そのような方針が好きだという人を否定するつもりは毛頭ありません。スパルタな教育方針は人によって向き不向きがあるので、実際に養成講座を見学することをおすすめします。

検定対策と教育実習がしっかりしている所を選ぶと良いでしょう。受講料は高ければ良いというものではありませんが、あまりにも受講料が安いスクールには気をつけてください。事務手続きが手抜きだったり受講者へのサポートが手薄であることもあるようです。