元日本語教師による
日本語教師の実態レポート

日本語教師になるにはどうすればいいの?資格はいるの?どんな風に教えるの?
具体的な経験を交えながら、教師の仕事について
"元教師"が実態をお伝えします。

国内の私立大学 経験談

互いの国を大切にする日本語指導を目指して

公開:2018/08/27

Click&Clack(女性・33歳) 
日本語教師歴 3年 (2013年~2016年) 
*他業種に転職
資格・課程 大学 日本語教育主専攻
私立大学での
経験詳細
  • 月収:21万円
  • 常勤講師(非正規雇用・フルタイム)
  • 3年(2013年~2016年)

大学で、留学生向けに日本語を教えていました。もともと大学で日本語学を専攻していて、日本語を教えることに興味があったので、近くの大学で募集があったときにすぐ応募し、採用されました。

学生は、自分で日本語を学んできて簡単な会話が成立する人がほとんどでしたが、私の説明がわからないほどのレベルの人までさまざまでした。また、英語が通じない国出身の人もいたので、はじめはどのように授業を進めたらよいのか戸惑いました。

「日本語を教えたい」「日本の文化をつたえたい」という思いが強く、はじめは日本のことをどう教えるかばかり考えていました。しかし、学生と交流していくうち、学生が暮らしてきた母国のことも大切にしなければならないと思うようになりました。日本語で母国のことを説明させたり、日本との違いを文章にしたりするなど工夫しました。

日本語の指導を通し、「いまは日本に住んでいるけれど、母国のことも大切に思ってほしい」「他の人が住む国のことも大切に思ってほしい」と考えるようになりました。

Q:他の教育機関と比較・検討しましたか?

大学卒業時に日本語学校への就職も検討しましたが、当時住んでいた地域には日本語学校の数が少なく、募集もなかったため諦めました。

また、学生時代に見学をしたことがありますが、日本語学校には就職のために日本語を習いに来ている人が多いという印象があり、もっと目的意識のある学生と触れ合いたいと思ったからです。

Q:日本語教師として苦労した事、戸惑った事はありますか?

基本的には日本語で指導するのですが、日本語がどうしても通じないときは英語を使って説明していました。私は英語があまり得意ではなかったので、日本語指導をしながら英会話スクールに通いました。

また学生にはアジア圏の人が多かったので、大学に取り計らってもらい、学生に交じって中国語の勉強もしました。こうして英語、中国語、そして日本語と授業中さまざまな言語が飛び交うので、収拾がつかなくなることがままありました。

Q:なぜこの教育機関を退職しましたか?

大学での契約期間が満了すると同時に、結婚して遠方に転居することにしたため。日本語教師にやりがいを感じていましたが、これから結婚、出産を考えたときに、いつまで続けられるのか雇用が不安定な仕事でもあり、家事や育児との両立は難しいと感じたので思い切って退職しました。

給与・待遇

月収 21万円
月収内訳
  • 基本給:20万円
  • 交通費:1万円
基本労働時間 1日8時間 週5日勤務
残業(時間外労働) 1ヶ月合計20~30時間
待遇
  • 交通費
  • 有給休暇
  • 健康診断
仕事のかけもち かけもちしていない

給与は月額で指定されていたので、同じ大学でもコマで仕事をしている先生やアシスタントさんよりは安定した仕事ではありました。当時は独身でしたので、自分一人が暮らしていくには、不足ないお給料をもらっていたと思っています。

ただ、残業代はつきませんでしたし、自宅に持ち帰って教材やプリントを作ることもあったので、その分を考えるともっと給与をアップしてほしいという思いは常にありました。自分で小道具を購入したり、印刷代を出していたこともあったので、せめてその分の補填があればと思います。

授業形態・勤務スケジュール

授業形態 クラス授業:1クラス20人
学習者の年代 大学生
主な学生の出身地
  • 中国
  • アメリカ
  • フランス
  • シンガポール
  • ベトナム
1日の時間割 月曜日
  • 9:00~10:30  
    1コマ
  • 13:00~14:30  
    1コマ
火曜日
  • 9:00~10:30  
    1コマ
  • 10:45~12:15  
    1コマ
水曜日
  • 授業なし 授業準備や個人指導
木曜日
  • 9:00~10:30  
    1コマ
  • 13:00~14:30  
    1コマ
金曜日
  • 10:45~12:15  
    1コマ
  • 教員会議や指導の打ち合わせなど
休日
  • 土曜日:午前中は大学が開放されていたため、図書館等で勉強することが多かったです
  • 日曜日:時間があるときは英会話スクールに通っていました

Q:クラス運営(授業形態)で、ここは大変だった!と感じた点はどこですか?

指導とは直接関係ないのかもしれませんが、はじめて親元を離れたり、国を出てきた学生が多かったので、ホームシックになったり情緒不安定になる学生も多くいました。そういう学生が一人いると、他の学生にも影響があり、クラス運営が難しくなります。本当に困ったときは、学生と同じ母国語が話せる大学内の先生やほかの学生に相談していました。

日本語に対して不安感をぬぐえるように、できるだけ学生のレベルに合わせ、全員が目標をクリアできるように設定し、満足感や達成感のある授業を心がけていました。

Q:日々のスケジュール管理で、ここは大変だった!と感じた点はどこですか?

スケジュール的にはそれほど詰まっていなかったので、基本的には余裕があり授業に追われるという印象はありませんでした。

ただ、学期末になると校務分掌で事務作業が多くなったり、テストの採点があったりしたので、残業も多くなりがちでした。

Q:教案作りで参考にしているサイトや書籍があれば、ぜひお聞かせください。

参考になる書籍
【新版】日本語の作文技術 (朝日文庫)    
対象者:全レベル
日本語の文章の組み立て方が丁寧に書かれているので、言葉の順番を考えたり、修飾語や助詞を指導したりするのに役立った。

就職活動

教育機関選びで
重視した点
  • 給与(待遇)
  • 学習者が学生
応募時に
必要とされた資格
大学 日本語教育主・副専攻
選考方法 紹介のため試験なし
Q:この教育機関で勤務すると決めた決め手、きっかけを教えて下さい。

もともと大学で日本語教育について学んでいて、大学の教授にも「卒業したら日本語教育に携わりたい」と伝えていました。しかし大学卒業時には就職先がなく、一般企業に勤めていました。

数年後、懇意にしていた教授から「今度大学で募集があるのだけど、ぜひやってみないか」と声をかけてもらいました。

Q:この教育機関で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

大学で中学・高校の教職免許も取得していたので、教育実習を経験していました。学生時代に学内で模擬授業は経験しましたが、いきなり授業を任されると壇上で緊張することもあるので、もし可能ならこうした経験があれば役立つと思いました。

Q:日本語教師(国内)の求人情報は、どこで得ましたか?
求人情報のサイト
日本語教育学会
首都圏もしくは海外の求人が多い

日本語教師全般に関する質問

Q:もともとはどのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

小さいころ、近所に中国から渡ってきた家族が住んでいました。田舎だったため、偏見の目もありましたが、子どもだった私はその家族が話す中国語が面白く、自分で中国語の本を借りて挨拶や簡単な単語で話しかけるようになり、子どもながらにコミュニケーションの楽しさを感じました。やがて中国人の家族も日本語を話せるようになり、家族ぐるみで仲良くなりました。

その経験から、日本語や外国語に興味を持ち、たくさんの人と言葉を通じてコミュニケーションできる楽しさを教えたいと思うようになりました。

Q:日本語教師をやってよかった!と、どんな時に実感しますか?

仲良くなった学生とは、授業後にご飯を食べに行ったり、カフェでお茶をしながら日本語での会話を楽しむことが良くありました。

はじめは私が店員さんに注文をしていましたが、ある日一人の学生が「きょうは先生の分も私が頼む」といって、一人でカウンターへ行き、注文を伝えてきてくれました。頼んだメニューがテーブルに届いたときは、「日本語で注文できたよ!」と二人で大喜びしました。

Q:日本語教師を目指す方へ、アドバイスをください。

【学生の方へ】
日本語教育に力を入れている教授について勉強するのが一番だと思います。大学の教授はさまざまな指導法や教育機関について知っているので、技術を身に付けたり、就職をしたりするのにも一番の近道になると思います。

【社会人の方へ】
日本語教員の養成課程を科目履修できる大学での勉強が一番身になると思います。民間の養成講座もありますが、周囲の卒業生を見ていると、正直指導のレベルにばらつきがあると思います。

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