元日本語教師による
日本語教師の実態レポート

日本語教師になるにはどうすればいいの?資格はいるの?どんな風に教えるの?
具体的な経験を交えながら、教師の仕事について
"元教師"が実態をお伝えします。

日本語教師経験談:中国の民間日本語学校・大学・企業

情報公開日:2013/09/05

海外での日本語教育経験に関する質問

海外での教育経験に関する項目
国名 中国
期間 7年 (2002年8月~2009年12月)
派遣先 ・海外の民間日本語学校
・大学
・企業
給料 月5000~10000元
日本円に換算して 月7万~14万円
*現地で生活をするのに十分
滞在中、派遣先が負担したもの ・住居提供
・住居費用負担
・家具、電化製品
・インターネット代
・ビザ申請費用
・日本との往復航空券
派遣先での日々のスケジュール 平日 7~18時/土・日・祝 休み
夜間に自習時間があったためそれにも協力
授業形態 ・クラス授業 1クラス 30人ぐらい
・プライベートレッスン
・企業研修

Q:中国での日本語教師経験について総合的な感想

30人程度しかいなかった民間の小さな日本語学校に講師として赴任し、7年で300人程度の学校へ発展させ副校長にもなりました。20代で教えるということ以外にいろいろなことを経験させてもらったと思っています。

後半は学校経営や教務カリキュラムの作成といったことに従事しましたが一貫して現場にも立っていました。

今考えると現場を退くというのも一つの手段ではなかったのかと思いますが、とにかくなんでも自分でやってみて体験できたことは非常によかったと思います。

Q:どのような経緯で中国で勤務することになりましたか?

インターネットで募集広告を見て応募したのがきっかけです。そのあと理事長が日本へ来た際に面接があり、その場でOKがでてすぐ現地へ行ってほしいということだったので7月末日養成学校が終了次第、赴任しました。

理事長は日本語が堪能な方だったので、面接はすべて日本語。中国語は一言も話さなかったので語学能力によって採用されたわけではなかったようです。

しかし、現地にいってからはスタッフに日本語ができる人が一人もいなかったので留学経験がかわれていたのかもしれません。

Q:中国の日本語教育事情をお聞かせください。

私が赴任していた当時は多くの日本の企業が中国に進出しており、たくさんの日本語人材が必要とされていました。その駐在員のサポート役、もしくは日本人監督者の意思を伝える役目をするチームリーダーとしての人物が必要でした。

また、上海には日本人が多く在住していましたのでサービス業方面でも需要がありました。これらの職業に就く中国人は大学出身者ではなく地方出身の高卒もしくは中卒の人材なので、多くは民間の日本語学校で学ぶのが一般的です。

大学で学んだ者は翻訳家や通訳をめざし、一流企業への就職を希望します。日本語教師が必要とされるのはどちらかだと思います。ただ、大学は学校間での提携、都道府県からの派遣などもありますので、民間学校の方が需要があると思います。

Q:現地でどのような日本語教師が求められると思いますか?

日本と比べてしまえば、居住環境は劣悪ですし、町へでれば反日感情が強いです。暴行、窃盗事件もよく耳にしますので、決して住みやすいわけではありません。

中国が好きな方、住んでみたい方にはいいかもしれませんが純粋に日本語教師になりたいという思いだけで赴任するのは辛い国かもしれません。

ただ、海外の中では最も需要のある国なので、1年以上の海外経験を積まなければと考えているような方は修行のつもりで耐えてみるのもいいかもしれません。とにかく逃げ出さない人が求められます。

Q:現地で苦労したことは?

私は中国という国を知っていて赴任していたので少々のことでは動じないのですが、日本語教師をするという目的で来てしまった日本人の対応に一番苦労しました。

入学当初はあからさまに日本人を嫌悪する学生がいたり、町で物を売ってもらえなかったり、指を差されてののしられたりといろいろあって精神的なダメージを受けた同僚のケアに一番頭を悩まされました。

その中でも、学生の集団エスケープによる教師交代が一番かわいそうでした。

体力的に一番大変だったのはSARDが流行し、同僚がほとんど帰国してしまった際の代講です。

Q:現地に行く前にもっと準備すべきだったことはありますか?

日本語の書籍や正しい日本語の書かれたものがほとんど手に入らないので、重いですがなるべくたくさん用意しておくことをお勧めします。

日用品や文具などは質は悪いですが手に入りますし、日本の食品なども高価ですが場所によっては手に入ります。

しかし、文字に関するものはほとんど手に入りません。あと、郵送しようとしても税関で検閲されて没収される恐れがある上、届かない可能性もありますので、書籍は自分と一緒に持ち込む方が安心です。

Q:中国の求人情報はどこで得ることができますか?

私が使った方法は2つです。検索に日本語教師募集と入れて検索に引っかかったサイトをみて、そこに応募。もう一つは中国の大学に直接手紙を出す方法です。

インターネットと上の募集広告の方が対応が早くていいです。しかし、手紙を出しても返事はちゃんと来ます。(もちろんこちらは中国語で出したのですが)。)ただ、返事が来るまで1か月~2か月かかってしまうので、その間にネット上で申し込んだ方にきまってしまいました。

ただ、どうしても行きたい大学があるといった場合は、現地の言葉で直接手紙を出すといった方法をとってみるのもいいかもしれません。

Q:中国で今後日本語教師として働きたい人へ、
 どんなアドバイスをしますか?

中国が好きな方になら何も申し上げません。気を付けていってらっしゃい。ただ、経験を積みたいだけで中国を選ぶ方はちょっと考えなおしてみてください。ひどい目に合わない可能性の方が低いです。

そして、大陸よりも台湾や香港の方がいいです。 大陸内でも、北は反日感情がつよいが治安がまし。南は反日感情が薄いが治安が悪い。

同じ中国でも土地によって違うので歴史背景や滞在経験のある方に聞いて事前リサーチして場所を決めてください。

そして、赴任したらどんなに辛くても契約期間内は頑張って耐えてください。さもないと、また日本人に対する感情が悪くなり、次に赴任する先生への負担となってしまいます。

日本語教師に関する質問

ねくたんさん(36歳・女性)  *現時点
日本語教師歴 8年 (2002年8月~2011年3月)
*現在は日本語教師ではありません
その他の海外教師経験 なし
資格 日本語教師養成講座420時間
日本語教師へ転職前の職 自営 サービス業

Q: もともとはどのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

もともと教員志望でしたが、得意教科にむらがあり、特に英語と数学が全くできずに教員採用試験合格は不可能でした。しかし、人に教えることがしたいという夢はあきらめきれずにおりました。

中学生の頃から中国の歴史に興味があり、一番の希望は中国語を教える先生になりたかったのですがその語学を学ぶために留学した先で日本語教師について知り、1年の留学期間を終えいったん帰国。

もう少し語学が学びたいし、中国国内のことも見て回りたいと思い日本語教師の職を探してから上海の民間の日本語学校に赴任しました。

Q:日本語教師をやってよかった!と、どんな時に実感しますか?

対中国人に限ったことになってしまいますが、政策により反日感情が強い国ですが実際の日本人を知らない人がほとんどで、最初はお金儲け理由で日本語を始めた人も日本に対する考え方が変わってくれたことがよかったと思いました。

最初は日本語を勉強に来ていながらも、日本人を嫌悪している学生も多数おりましたが、1年後の卒業の頃にはみんなが親日家になっていたほどです。

あとは仕事をして収入を得ながら、中国国内旅行ができる上、中国語の勉強もできるというのがこの上なくよかったです。

Q:日本語教師を辞めたいと思ったことはありますか?

日本語教師をやめたいと思ったことはありませんが、私は中国に骨を埋めるつもりはもともとなかったので、30歳になるのを区切りに帰国し、教師はやめています。

日本で日本語教師をしたいという強い気持ちはあまりなく、教育という現場だけではなく、いろいろな現場を経験したいと思い、帰国後は別の職業についています。

ただ、教えることが好きで8年近く続けてきましたので機会を与えていただければいつでも教壇に立ちますし、作成した教材等もまだ捨てずにとってあります。

Q:今後どのような日本語教師を目指したいですか?

私は日本語教師とはいっても対中国人専門で、幸いなことに一番学習者が多い国なのでそれでも成り立っていけました。

今後も日中関係の悪化が予想されますが、20数年前に最初に中国に行った頃に比べれば今はかなり改善されておりその頃の状態に戻るとは考えづらいので、このまま日本語と中国語両方堪能な教師でいきたいと思います。

ただ、教授法は直接法で中国語は使わないという信念は崩しません。専任講師というより非常勤やセミナーのような形でできればと考えています。

また、中国人の学生に苦労をしている日本人教師のサポートもしてあげられればと思います。

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