元日本語教師による
日本語教師の実態レポート

日本語教師になるにはどうすればいいの?資格はいるの?どんな風に教えるの?
具体的な経験を交えながら、教師の仕事について
"元教師"が実態をお伝えします。

韓国の日本語学校 経験談

学生から学ぶことも。やりがいのある仕事です。

公開:2019/02/21

かおり(女性・34歳) 
日本語教師歴 6.8年 (2009年~2019年)
*途中育児休暇などで休職期間あり
*現在も日本語教師として就労中
資格・課程
韓国の日本語学校
経験詳細
  • 地域:チェジュ島
  • 月収:12万円(120万ウォン)
    なんとか生活できる
  • 非常勤講師(コマ/時間勤務)
  • 6年(2009年~2019年)
    *現在も就労中

韓国で日本語教師をしようと思ったのは、日本から近いこと、そして、初めて日本語教師として赴任するなら、教師を尊敬する文化のある韓国が教えやすいだろうと思ったからです。

学生の年齢層は中学生から60代以上の人と多様です。若い学生は、頭の中ではわかっているのに、恥ずかしがって発表しないことが多く、楽しい雰囲気にしたり、できるだけ質問を多くしたりして、発言の機会を増やすようにしています。また、年齢が高い学生からは、逆に教師の私が学ぶことも多く、とても勉強になります。

社会人の学生とは、週末にみんなで一緒にでかけたり、おいしいお店を教えてもらったりとプライベートでもお付き合いがあります。ホテルの日本食レストランでシェフをしていた学生さんには、授業が終わったあとに、クラスのみんなで日本料理の作り方を教えてもらったこともありました。

教室にはひらがな表と日本地図があり、ひらがなを覚える前の初級の学生が見られるようにしています。また、初級・中級・上級に合わせて、地図を使って会話をしたりします。

苦労したのは、親に無理やり来させられている中・高校生です。本人は勉強する気がないので、まずは授業を楽しんでもらえるように、簡単な日本語を繰り返し、「自分も話せる・わかる」という経験を積ませたり、他の社会人の学生がいない場合は、授業内容から少し脱線し、プライベートのことなど聞いたりしていました。
そうして段々日本語を勉強するようになり、一度も受からなかったレベルテストに合格し、上のクラスに進むことができたり、何年か勉強したあと、大学の日本語科に進むことにしたという学生を見たときは、本当にやりがいを感じました。

他に困ったのは、日本語学校は長期休暇がないことです。最長で5日しかなく、実家が韓国からの直行便がない都市にあるので、初日と最終日は移動でつぶれてしまい、ゆっくり帰省した気分になれません。

Q:現地で苦労した事、戸惑った事はありますか?

韓国の学生は勉強熱心で、苦労したことや戸惑ったことはほとんどありませんが、教育熱心な韓国では、本人はやる気がないのに、親が強制的に日本語学校に通わせている場合もあります。そのような場合は、まず本人のやる気を引き出すのが大変で、ひらがなを覚えてこなかったり、発言がほとんどなかったり、あっても一言だったりと苦労しました。

給与・待遇

月収 月収:12万円
月収内訳 1コマ50分:1,500円
基本労働時間 1日4コマ+50分 週5日勤務
残業(時間外労働) 残業なし
待遇
  • 保険(社会保険)
  • 健康診断
教育機関が
用意してくれたもの
  • 住居提供
  • 日本との往復航空券
クラスの長期休暇 長期休暇なし  

韓国の日本語学校では、住居提供が基本のところが多いと思います。家賃がかからず、給与のすべてを自由に使えるので、生活していくのに困ったことはありません。平日は自炊することが多いですが、週末外食したり、カフェに行ったり、たまに旅行に行ったりすることができます。

私が勤務する日本語学校は月20日間必ず授業をしなくてはならないので、5日以上の長期休暇が取れないことが一番困っています。旅行などに行きたい場合は、事前・事後に補講を行うか、空いている他の先生にお願いして授業を変わってもらっています。

Q:現地における他の日本語学校と比較し、違いは感じますか?

大学や学校で日本語を教える場合に比べると、日本語学校の給与は低いと思います。また、大学や学校は長期休暇があるので、その点でもお勧めできます。日本語学校で勤務した後、自治体の公募に応募して、学校勤務に変えるのも一つの方法だと思います。

授業形態・勤務スケジュール

授業形態
  • クラス授業:1クラス3人
  • プライベートレッスン
学習者の年代
  • 中学生
  • 高校生
  • 大学生
  • 社会人
  • 60歳以上の方もいます
1日の時間割 月曜日
  • 9:00~9:50  
    フリートーキング(初級)を1コマ
  • 10:00~10:50  
    初級クラスを1コマ
  • 18:10~19:00  
    初級クラスを1コマ
  • 19:10~20:00  
    フリートーキング(中級)を1コマ
火曜日
  • 9:00~9:50  
    フリートーキング(初級)を1コマ
  • 10:00~10:50  
    初級クラスを1コマ
  • 18:10~19:00  
    初級クラスを1コマ
  • 19:10~20:00  
    フリートーキング(中級)を1コマ
水曜日
  • 9:00~9:50  
    フリートーキング(初級)を1コマ
  • 10:00~10:50  
    初級クラスを1コマ
  • 18:10~19:00  
    初級クラスを1コマ
  • 19:10~20:00  
    フリートーキング(中級)を1コマ
木曜日
  • 9:00~9:50  
    フリートーキング(初級)を1コマ
  • 10:00~10:50  
    初級クラスを1コマ
  • 18:10~19:00  
    初級クラスを1コマ
  • 19:10~20:00  
    フリートーキング(中級)を1コマ
金曜日
  • 9:00~9:50  
    フリートーキング(初級)を1コマ
  • 10:00~10:50  
    初級クラスを1コマ
  • 18:10~19:00  
    初級クラスを1コマ
  • 19:10~20:00  
    フリートーキング(中級)を1コマ
※不定期でプライベートレッスン
休日 土日
週末は休みです

Q:日々のスケジュール管理で、ここは大変だった!と感じた点はどこですか?

授業の間の休み時間は10分しかないのですが、学生が質問しに来たりすると、次の授業の準備をする時間がなくなることが多く、早めに出勤して準備するようにしています。フリートーキングの教材は、学生のレベルに合わせて単語や文法を調整し直すので、平日の準備だけでは足りないことが多く、週末も準備しています。

Q:教案作りで参考にしているサイトや書籍があれば、ぜひお聞かせください。

参考になるサイト
みんなの教材サイト
教え方や文法解説を参考にしています。
参考になる書籍

Q:現地に行く前に、準備しておくと良いものについて教えて下さい。

私が勤務する学院では、教材や使用するプリントなどはすべて準備されており、個人で準備すべきだったものなどはありませんでした。これは、どの教師の授業を受けても同じ授業を受けられるようにするためです。逆に、日本で準備していった教材が使えないこともありました。

就職活動

国選びで重視した点
  • 日本との距離
  • 国人の友人がいたこと
  • 教師を尊敬する文化があること
  • 言語が似ていること
  • ※初めて日本語教師になるので、まずは教えやすさを重視しました
現地における
日本語教師の需要
一部に人気があり、数は少ないが求められている
教育機関選びで
重視した点
給与(待遇)
応募時に
必要とされた資格
選考方法
  • 書類
  • 面接
面接地 日本国内:電話

Q:現地で、日本語教育の需要はありますか?

大都市圏では、日本語教師の需要はまだまだ高いようですが、私が住む地域は日本人観光客が少なくなり、趣味として日本語を学ぶ人がほとんどなので、日本語教師の需要は低くなっています。

反日の人が多いと言われている韓国ですが、実際に暮らしているとそんなことなく、日本の文化に関心があったり、日本に何度も旅行に行ったという人がたくさんいます。

Q:面接ではどのようなことを聞かれましたか?

電話面接をしたのですが、どうして日本語教師になりたいのか、日本語を教えた経験はあるか、「うれしい」と「たのしい」の違いをどうやって説明するか、わからないことがあった場合はどのように対処するかなどを聞かれました。

Q:強みになる資格や職歴、資質や語学レベルはありますか?

日本語教師としての経験があれば、もちろん優遇されると思いますが、社会人として働いた経験があるのも日本語を教える際に強みになると思います。日本に就職したり、日本人向けに仕事をする学生に、社会人としてのマナーや言葉遣いを教えることができます。

様々な世代の学生がいるので、どの学生にも合わせられるような資質があればいいと思います。私が勤務する学校は直接法で教えるので、特に持っていた方がよい資格や語学レベルはありません。

Q:その国の日本語教師に関する求人情報は、どこで得ましたか?

求人情報のサイト名
その他求人情報
  • 紹介:大学で日本語教育を専攻いている場合は、大学の教授などの紹介で、韓国の大学の講師の求人があるようです。
  • その国のホームページ:学校の日本語教師の場合は、住んでいる地域の市のホームページなどで欠員が出ると公募があります。

Q:この教育機関で勤務すると決めた決め手、きっかけを教えて下さい。

今の学校で勤務する事になった決め手は、まずは待遇面です。住居提供、日本への往復航空券の支給があること、決められたコマ数以上に授業をした場合、手当てがあるなどです。また、私にとっては位置も重要で、北海道出身の私は、できれば暖かいところに行きたくて、韓国で一番南にある今の学校を選びました。

日本語教師に関する全般の質問

Q:どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

子供のころから海外が好きで、いつか海外で働きたいと思っていました。教えることに興味があり、大学の教育学部に入学したあとは、留学生に日本語を教えたりして、日本語教育の楽しさを実感しました。

卒業語は2年ほど日本の企業で仕事をしましたが、やはり日本語教師になりたいと思い、退職して日本語教師になりました。

Q:日本語教師をやってよかった!と、どんな時に実感しますか?

授業中だけではなく、普段の生活の中でも「日本語教師をやってよかった」と感じることがあります。韓国では高校の第二外国語で日本語を選択した人が多く、日本語を少し話せる人がたくさんいます。

初めて会った人に「日本語教師をしている」と言うと、「私、高校のときに日本語専攻したんです!」と話が弾むことも。学校外での付き合いにも広がります。

Q:日本語教師になる為の進路についてアドバイスをください。

【学生の方へ】
できれば、独学で日本語教育能力試験に合格を目指すのではなく、養成講座に通うことをお勧めします。講座では実際のエピソードなどの経験を交えて、文法や教案づくりなどを教えてくれます。 一度就職して、社会人としての経験を積むのもいいと思います。

【社会人の方へ】
会社勤めをしながら勉強するのは大変かもしれませんが、週末の養成講座などに通いながら、少しずつ勉強するといいと思います。私は通勤時に音声学のCDを聞きながら、試験対策をしていました。

Q:日本語教師を目指す方へ、アドバイスをください。

一時の日本語ブームは冷めましたが、韓国は就職難で、日本の企業への就職を考えて日本に留学する学生が増えています。学生は熱意があるので、教師も熱意を持って教えれば、結果は伴ってくると思います。韓国人は情に厚く、教師を尊敬する文化があるので、教えやすい国だと思いますよ。

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