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海外日本語教師経験談

台湾 中部 日本語学校(2019年) 楽しくやれば良いという浅はかさ

🧑 suzuki桑さん・ 37歳

総評

  • 台湾 中部 日本語学校
  • 雇用形態:非常勤講師
  • 期間:1.5年 (2017~2019年) *退職
  • 月収:28,000円 (7,500台湾元) *それだけでは生活は難しい
  • 勤務時間:1日2時間 週3日勤務   *残業:残業なし
  • 日本語教師養成講座420時間修了  アークアカデミー

好きな国、好きな街で日本語教師をできたということだけあって、毎日が素晴らしいものでした。

日本の日本語学校にいる学生と違い、生徒たちのやる気が違います。そして各自が日本語とはまた別に日本の何かしらに興味や関心があります。ですから、授業はやりやすいです。

ただ、やりやすいといっても、学生の要求に応えなければならないことが大前提になります。一人の学生に聞いたところによれば、ある先生は授業の度に毎回ギターで歌を歌うことしていたそうです。もちろん、先生の数だけやり方があるわけですから、それに対し何も言いたいことなどありません。ただ、私に話してくれた学生はその授業に対し「ただそれだけ」という感想も口にしていました。

要は楽しいだけでは足りないのです。どんなに何かの話題で盛り上がっても、教師である以上、何かを提供しなければなりません。時には突然、授業と無関係な質問も来ます。「日本文学史における野球の有り様』、実際に訊かれたことです。

こういった面白さが海外の学校にはあります。私は授業の準備をほとんどしませんでした。でも、学生の質問に応えられなかったことはなかった思います。もちろん上記のような質問も受けながら、初級のクラスでは随時「~になります」の活用の確認をするのも怠りません。

学生が何を求めているか。これを冷静に観察すること。これは台湾の楽しい雰囲気の中でこそ発見できた視線です。

苦労というほどものではありませんが、学校からの連絡、引継ぎ等が、本当にのんびりしていて困ったことが多々あります。

日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

苦労は教室内にはありませんでした。ただ、その学校の本部の人間にだけ苦労しました。彼らはもちろん日本語に堪能ですが、とにかく仕事が遅く、気が利きません。必要情報もいつも小出し。そのため二度手間、三度手間が何度もありました。

学校のスタッフも似ており、代講を頼まれ電車に乗って他校舎に行ったところ、同じように他校舎からやってきた先生とバッティングするということもりました。

なぜこの日本語学校を退職しましたか?

現地で彼女ができ、その彼女が日本に留学予定のある彼女だったため、彼女の入学に合わせて帰ってきました。本来の予定では次の年から同じ町にある大学で働くことが決まっておりました。

ですので、何かが嫌で辞めたというわけではありません。いずれにせよ辞めることになったということでした。

給与

月収:28,000円 (7,500台湾元)
それだけでは生活は難しい

所属した学校(=ビザをもらった学校)だけではバイトと同じようなものですからやっていけません。しかし、その街に友人が多かったため、仕事をいろいろもらってきてくれました。

政府で仕事をしている友人は市の市民講座の講師に推薦してくれたり、伝統文化の仕事をしている友人は日本人向けの映像の仕事、その他翻訳業務など。周囲がアシストをくれました。

ですので一か月の生活費は特に困りませんでした。一か月の賃金をトータルすれば正社員として台湾の日本語学校で働いている人の給料よりもずっと良かったと思います。

「待遇」といっても、実感できるほどの「待遇」はなかったです。求めてないからかもしれません。ですから待遇に困ったことはありません。

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給与

  • 月収:28,000円

月収の内訳

  • 時給:1,200円

待遇

  • 交通費

雇用形態

  • 非常勤講師

勤務時間

  • 1日2時間 週3日勤務   *残業 残業なし

長期休暇中の給与保証

  • 長期休暇がない

授業形態・勤務スケジュール

スケジュール管理で大変だったことは?

例えば家庭教師を求められ、一日に遠征のように違う県を三か所移動なんてこともありましたが、この場合は電車移動だったのでそれほど大変ではありませんでした。

むしろ同じ市内を一日に三か所移動する方が大変でした。というのも、都会ではないので鉄道網を伝って、現場へ行けないからです。バイクがあれば楽ですが、免許がありません。自転車を走らせるしかない、なんて状況もしばしば。いかんせん暑い国ですから大変です。

授業形態やスケジュールの詳細を読む...

主なクラスの授業形態

  • クラス授業  1クラス10人

学習者層

  • 高校生
  • 大学生
  • 社会人
  • リタイア世代

スケジュール

  • 火曜日:15:00~16:30 中級1コマ/18:30~20:30 上級1コマ
  • 木曜日:18:30~20:30 上級1コマ
  • 日曜日:14:00~15:30 中級1コマ
休日
  • 月、水、金、土:授業準備なし

台湾で日本語を教える前に準備すべきだったことは?

児童書、そして難解な小説まで結構な量の本を持って行きました。児童書は発音練習に使えました。小説は「あなたの日本語力でここまで読めるんですよ」というように自信をもってもらうために抜粋するなりして使ってました。これはかなり使い勝手が良かったです。

準備すべきだったと思うのは日本語能力試験の問題集です。それも普段からよく使っていて、良問の揃った問題集を数冊でも良いから持ってくればよかった、と何回も思うことがありました。

就職活動

この日本語学校で働くきっかけ・決め手は?

旅行中、私は現地の街に住めないか考えた結果、その街にある語学学校のポストに履歴書を投函しました。大手そうだったので比較的仕事がもらいやすいと思ったからです。そして翌日、帰国しました。

すると後日、人事部から連絡が来たという次第です。求人サイトを見るのも一つの手段かと思われますが、「こんな奴もいるんだな」という感じで私の経緯をご参考にして頂けたら嬉しく思います。

現地で日本語教師の需要はどのくらいある?

年齢層は、日本の日本語学校では会う機会のない50代以上の方々でした。台湾にはその年齢層の学習者が想像以上に多くいました。これは私にとって発見でした。

仕事を退職してから学習を始めた人も多いです。この年齢層の方々に教える機会を頂いたことから学べたことは少なくありません。もちろん日本留学を控えた若者、現地の日本企業に勤めたい、転職したいと思っている20,30代、こういった学習者は多くいます。

つまり日本語の需要をはっきり感じとれます。

この日本語学校で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

語学ができるに越したことはありませんが、できなければならないわけではありません。語学ができるからと言って尊敬されない人間はたくさんいますし。資格も職歴も生かし方だと思います。

そんなことより人当たり、はっきりした態度、台湾への敬意、この国に対する最低限の知識という名のマナー(歴史や文化等)。大切に感じることは、そういったことです。資格も職歴も相手に貢献しなければ意味がありません。

就職 教育機関選びで特に重視した点

  • 台湾であること。自分の好きな街にあること。

応募時に必要とされた資格

  • 日本語教師養成講座420時間修了

就職 選考方法

  • 書類

日本語教師全般に関する質問

どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

精神衛生が非常によくない時があり、ある日ふと、嫌でも大勢の人と顔を合わせたほうが改善に向かうのではないか、と思い経ちました。

その時、養成講座を修了したのに、それを生かしてないことに気づきました。この思い立ちの印象が強過ぎるため、日本語教師養成講座を受講するにあたったキッカケを忘れているほどです。

「日本語教師をやってよかった!」どのような時に実感しますか?

目標を持った人にだけ会えることは日本語教師の幸せの一つです。無論、目標へのアプローチの仕方が上手じゃない学生もいますが、目標があるには変わりません。

そんな学生が「希望の学校に合格した」、「彼女ができた」などと報告してくれた時は、やはりとても嬉しくなります。

また学校を卒業しても付き合いがあり、今度は友人のように接してきてくれたりするのも、日本語教師ならではだと思います。

学生のみなさんへ 進路についてアドバイス。

もちろんある程度のまとまったお金を払わなければならないことを説明したうえで、「養成講座へ」と言うと思います。養成講座の良い点は様々な世代の受講者に会えること。加えて暗い顔をした人があまりいないこと。同じ目的があって来ている方々なので、話題明るく学べることが多いはずです。

社会人のみなさんへ 進路についてアドバイス。

養成講座を勧めると思いますが、人によっては時間の制約もある(はずの)ため、修了に時間がかかると一言添えるはずです。加えて、日本語教師の賃金が高くないこと、その代わり「やりがい」はあること。そんなことも話すはずです。なお、相手が思い付きのように日本語教師になりたいと思っているようなら、あまり勧めないと思います。

台湾で日本語教師を目指す方へ心構え・アドバイス。

少なくとも台湾が好きな人が行った方が良いと思います。そして観光客のような非日常を楽しむテンションは捨て、ごくごく普通の日常を過すに変わりないというような心持が大切だとつくづく感じます。

海外で働くことを人生の一大イベントのように劇的に考えて渡るのもおすすめしません。何かから逃げるように「海外」を手段として使うのも止めた方がいいでしょう。

待っているのは日常です。普段からごくごく平凡な日常を楽しめている人で、台湾が好き、そして好きだからこそ自分の言動に責任を持てる。そんな方が行った方が学生も幸せになるはずです。

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