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海外日本語教師経験談

タイ チョンブリー県 企業(2021年) 日本語を教えることのやりがいと課題点

👩 suzu37さん・ 38歳

総評

  • タイ チョンブリー県 企業
  • 雇用形態:非常勤講師
  • 期間:4年 (2016~2021年) *現在も勤務中
  • 月収:10万円 (3万バーツ) *なんとか生活できる
  • 勤務時間:1日2~8時間 週5日勤務   *残業:残業なし
  • 日本語教師養成講座420時間修了  WJLC

私は現在個人で経営している小さな会社で日本語インストラクターとして働いています。私が住んでいるチョンブリー県という所は大きな工業団地があり、そのほとんどが日本の企業です。

日本語教師は日本の企業の会社 例えばトヨタ自動車、三菱電機、デンソーなどの会社へ派遣されてそこで日本語を教えています。生徒はすべてタイ人の会社員です。対象としては日本に研修へ行くことが決まっている人や現地に働きに来ている日本人(駐在員)とコミュニケーションをとる必要がある従業員です。

生徒のほとんどはまったく日本語を勉強をしたことがないので皆同じレベルからスタートします。

授業の時間や内容は会社の要望に合わせて組みます。大体の企業が生徒に日本語の能力試験を合格させることが目標なので、ひらがなから始まり カタカナ、文法、漢字もコースに合わせて教えていきます。

生徒達は目標を持ち、また1からの勉強なので学ぶ意欲があります。彼らは仕事と勉強を両立しながら頑張っています。定期的にミニテストや宿題もありますが彼らはきちんと提出します。

このようなやる気のある生徒に教えるのはとても楽しくやりがいがあります。彼らが成長していくのを見るのはとても楽しいですし彼らの将来が楽しみです。

ただ、教える方として大変なのが同じレベルからスタートしたはずなのに差が開いてしまうことです。ある生徒は言語が苦手で途中でついていけないという人もいます。ついていけなかったり出来る人との差が開いてしまうと言語が苦手な生徒はストレスを感じてしまうので差が開きすぎないようにすること、また生徒に毎回の授業が楽しみだと思ってもらえるように、教える側は日々研究と改善をすることを課題としています。

これまで10年間教えてきましたが振り返ってみますと、会社で大人たちに教える時に大切なのはそのクラスごとのスピードに合わせること、教科書をよく読み込み、予習準備に時間を使うことです。それが生徒に言語を習得することの喜びを教え彼らを成長させるカギではないかと思っています。

私は現在この仕事にとてもやりがいを感じていて毎日楽しく過ごすことができています。

日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

企業で教えていますので生徒たちはすべて大人です。ほとんどの人が大学をでていますので、勉強することにそれほど抵抗はありませんが、20歳を過ぎてから言語の勉強を習得することはとても大変です。

日本語で日本語を教えても生徒達は小さな子どもたちと違って自然には上達することはできません。それで教科書は日本語の文法を現地語で説明しているものを使っています。

教える時も、はじめはタイ語と日本語を混ぜながら会話し、徐々に日本語を増やしていくという方法を取っています。

経験があまりなかったときは戸惑いましたが今は教える技術が上達したと思います。

給与

月収:10万円 (3万バーツ)
なんとか生活できる

コロナウイルスの第3波が来た時(ちょうど現在)ですが 教育省から「学校、企業、施設などで1か月半の間教育をしてはいけない」という指示が来ました。その次の日から入っていた授業がすべてキャンセルになってしまいました。

私は小さな個人の会社で働いていますのでその間の保証はありません。時給も高いですしそれまでは生活に問題はありませんでしたが、日本と違い国民の生活の保護や保証はないという点では今の状況では生活がしにくいというのが現状です。

給与の詳細を読む...

給与

  • 月収:10万円

月収の内訳

  • 時給:1,200~1,500円
  • 交通費:900~1,200円/日

待遇

  • 交通費
  • 社会保険

雇用形態

  • 非常勤講師

勤務時間

  • 1日2~8時間 週5日勤務   *残業 残業なし

学校が定める学生の長期休暇の有無

  • 企業のスケジュールに合わせた休暇あり  

長期休暇中の給与保証

  • 給与保証がない
  • 長期休暇中は仕事をしていない

授業形態・勤務スケジュール

スケジュール管理で大変だったことは?

企業の休日やスケジュールに合わせていますので授業時間、授業日数は週によっても月によっても違います。不定期なので予定を立てるのは大変です。

また、企業側からその日にキャンセルというのもよくあるので気持ちの切り替えが大変なこともあります。

授業形態やスケジュールの詳細を読む...

主なクラスの授業形態

  • クラス授業  1クラス6~15人
  • プライベートレッスン

学習者層

  • 社会人

スケジュール

  • 月:8:00~12:00 初級クラス・17:30~19:30 中級クラス
  • 火:17:30~19:30 中級クラス
  • 水:17:30~19:30 中級クラス
  • 木:8:00~12:00 初級クラス・17:30~19:30 中級クラス
  • 金:17:30~19:30 中級クラス
  • 土・日:休日

タイで日本語を教える前に準備すべきだったことは?

私の場合、日本語教師になるための準備は何もしませんでしたが、教師になって教えるうえで必要なことは文法をしっかり理解しておくということだと思います。生徒に質問された時にはっきりと答える為です。使って覚えてください!もいいですが大人はそうはいきません。

例えば、助詞の使い方です。場所+「で」「に」「へ」どのように使い分けるのか説明できるようにしておくと有利だと思います。

教案作りで参考にしているサイトは?

  • 日本語教師お助け例文サイト
    このサイトではみんなの日本語の教科書の1課から50課までで使えるイラストや文型の例文などがアップされているのでイラストを使いながら分かりやすく授業を進めていくことができます。

教案作りで参考にしている書籍は?

就職活動

この企業で働くきっかけ・決め手は?

始めは留学ビザで1年、その後は観光ビザを何年間か持っていました。しかし、観光ビザの次回の許可がおりないと知った時に友だちの紹介で語学学校の塾で6年働き、そのあと今の会社にはスカウトされて働き、今に至っています。

現地で日本語教師の需要はどのくらいありますか?

需要はあります。
日本の企業だけでなく店も増えていますので日本語教育は必要とされています。

ある学校では日本語を教えていますし、ECCなどの塾もあります。最近では日本のマンガやアニメなども人気がありますので趣味で日本語を勉強する人も増えています。

この企業で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

私の場合は個人の会社ですので特別な資格は要りませんでしたが、塾などで働きたい方は大学の資格や日本語能力試験の資格または日本語教師養成講座420時間修了などの資格がいるところも多いです。持っていた方が有利だと思います。

就職活動で参考にしたウェブサイトは?

  • 日本語情報バンク
    求人情報だけでなく日本語教育事情などタイで日本語教師として働いてみたい方に必要な情報がいろいろ掲載されています。

国選びで重視した点

  • 治安
  • 物価の安さ
  • 日本との距離

現地における日本語教師の需要・将来性

  • 高い人気があり、多くの学校で求められている

就職 教育機関選びで特に重視した点

  • 学習者が社会人
  • 給与・待遇

応募時に必要とされた資格

  • なし

就職 選考方法

  • 紹介のため試験なし

日本語教師全般に関する質問

どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

仕事を探していた時に特に日本語教師の求人をさがしていたわけではありませんが、なぜか友だちの紹介によって日本語を教えるという道を歩むことになりました。

仕事を始めた時資格は何も持っていませんでしたが、教えるという仕事始めたからには真剣に取り組もうと思うようになりました。それで、日本語教師養成講座420時間を通信講座で受講し無事に終了することが出来ました。

「日本語教師をやってよかった!」どのような時に実感しますか?

これまで何百人もの生徒を教えてきました。その半数以上が日本へ1年から3年間の間、企業へ研修にまたはJLPTへ日本語の勉強をしに行きましたが、帰ってきた時に日本語がすごく上達していた時には感動します。日本語教師をやってよかったと実感しています。

学生のみなさんへ 進路についてアドバイス。

若くて時間があるうちに資格を取ってほしいと思います。YouTubeなどでも日本語教師になる方法や教え方がアップされているので経験者から教えるコツを学んでほしいと思います。

社会人のみなさんへ 進路についてアドバイス。

求人募集にはよく資格のほかに3年以上の経験者が求められています。なるべく早く日本語教師になって経験を積んでほしいと思います。

タイで日本語教師を目指す方へ心構え・アドバイス。

だれを対象に教えるかで教え方が変わってくることを覚えておいてほしいと思います。子どもに教えるのか、学生に教えるのかそれとも社会人に教えるのかで教え方は全然違います。

あとは、ユーモアがあるといいと思います。勉強だけではなくて時々ゲームをしたり、冗談を言ったり。日本語を覚えるコツも教えてあげてほしいです。わたしもまだまだ教え方の点では未熟ですが、これからも教える技術が上達していくように頑張りたいと思います。一緒に頑張っていきましょう。

南・東南アジアの国・地域別 経験談

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