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海外日本語教師経験談
アメリカ 中西部 大学(2019年) アメリカの田舎の学校だからこそ求められている日本語の先生!
👩 ななさん・ 28歳
総評
- アメリカ 中西部 大学
- 雇用形態:非常勤講師
- 期間:1年 (2018~2019年) *退職
- 月収:20万円 (2,000ドル) *それだけでは生活は難しい
- 勤務時間:1日2コマ+240分 週2日勤務 *残業:残業なし
アメリカの大学に通っていてきっかけは当時通っていた大学に日本語専攻があったことでした。そこで日本語の先生からお声をかけていただき日本語を副専攻に選択することにしました..。
ほとんどのアメリカの大学では、セカンドランゲージの授業の選択をすることがよくあるのですが、日本語の選択はよくあると思います。私の大学の日本語の先生のもとでインターンもさせていただき、大学院卒業後日本語の先生のつながりから私立の大学の日本語の先生のポジションを紹介してもらいました。
私の就職は田舎の大学だったのでほとんどの生徒が日本と触れたことのない生徒ばかりでした。なので、日本語だけでなく日本の文化もまじえてクラスを進行するようにしていました。
例えば新年のはじめの授業は新年の挨拶の練習をしながらお互い書きあった年賀状を渡したり、春にはお花見をしたり、秋には少し遅めのお盆祭りを学校で開催した事もありました。このような行事を通して生徒たちが日本の文化に触れ合えた事をうれしく思います。
語学の授業なので単語の暗記や漢字の暗記ばかりの宿題や小テストになってしまう事が多かったので授業中は覚えてくれた単語や文法をなるべく使う:話すを中心に授業を進めました。
毎回、授業の最初は宿題からの小テストで始まり、その後教科書にそりながら会話中心の授業でした。生徒たちが覚えた単語を使いながら話しているのをみるとすごくやりがいを感じました。
なるべくオフィスアワー内で仕事の準備、採点などをするようにしていたので、休日は休日として過ごしていました。そうすることでオンオフがはっきりと区別できていたと思います。
給料の面ですが、私は非常勤講師という立場でしたのであまりよくありませんでした。本音で話すとこのお仕事だけでは生活をするのは少し難しいと思います。私は結婚した立場でしたので、主婦の方には家庭と仕事の両立の面ではおすすめのお仕事です。
日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?
苦労したことは日本の文化に慣れてもらうことです。
例えば授業の最初、起立、礼から始めるようにして授業の終わりも起立、礼からの感謝の挨拶で終わるようにしていましたが、個人主義のアメリカは団体行動が苦手な子もいて、みんなと同じことをするのが嫌という点から起立の時に立ちたくないという子もいました。
文化の違いからかとは思いますが違う文化を教える難しさを考えました。
なぜこの大学を退職しましたか?
主人の転勤により違う州に引っ越すことになったためにその州を離れることになってしまいました。それに伴いこの学校を離れることになりました。もし引っ越すことがなければそのまま続けていたと思います。
私立大学でしたので他の州には提携校はなく同じ教育機関での就職は違う州ではできませんでした。
給与
それだけでは生活は難しい
このお仕事だけでは生活するのは少し難しいと感じます。私の場合は主人からの収入と仕事場からの保険があったので生活ができていましたが、私の仕事からは保険待遇もなくどちらかというとパートタイムな感覚でした。
交通費などもなく、私は大学の近くに住んでいましたが、隣の州から毎日2時間ほどかけて運転してきている同僚もいましたが交通費はありませんでした。
アメリカの文化では残業などはあまりないのでその点ではとても助かりました。自分の時間と仕事の時間がはっきりと区別できたと思います。
給与の詳細を読む...
給与
- 月収:20万円
月収の内訳
- 1コマ95分:約8,000円
- オフィスアワー:時給2,000円
待遇
- なし
雇用形態
- 非常勤講師
勤務時間
- 1日2コマ+240分 週2日勤務 *残業 残業なし
学校が定める学生の長期休暇の有無
- 夏休み:80日程度
長期休暇中の給与保証
- 給与保証がない
- 長期休暇中は仕事をしていない
授業形態・勤務スケジュール
スケジュール管理で大変だったことは?
セメスターが始まってしまえば日々のルーティンができるのですが大きな休み、特に夏休みはお仕事がない中次のセメスターの準備(プリント作成、テスト、宿題作成)に追われているため、夏休みは完全に休みとはいきませんでした。
もちろん夏休み給料手当はでないので、ほぼ無給で準備という感じでした。
授業形態やスケジュールの詳細を読む...
主なクラスの授業形態
- クラス授業 1クラス10人
学習者層
- 大学生
スケジュール
- 10:00~13:00 授業の準備や事務作業
- 13:00~14:45 3年生のクラスを1コマ
- 15:00~16:45 4年生のクラスを1コマ
- 17:00~18:00 オフィスアワー的な時間
(主に生徒の質問に答えたり採点や成績表などの事務作業)
- 10:00~13:00 授業の準備や事務作業
- 13:00~14:45 3年生のクラスを1コマ
- 15:00~16:45 4年生のクラスを1コマ
- 17:00~18:00 オフィスアワー的な時間
(主に生徒の質問に答えたり採点や成績表などの事務作業)
一日中休めていました。
アメリカで日本語を教える前に準備すべきだったことは?
私は渡米当時日本語の先生の仕事に就くと思っていなかったので何も持ってきませんでしたが、もっと日本の文化の本や歴史の本を持ってくればよかったなと思いました。
また着物や浴衣など日本のものがあると文化を教える時に役に立ったかなと思います。
教案作りで参考にしているサイトは?
- 『上級へのとびら』
教師用サイトにテストや課題のテンプレートがでており実際に使うこともありました。
教案作りで参考にしている書籍は?
- 『初級日本語 げんき II 』
対象:
初級
3年生(初級〜中級)生徒用の教科書として利用していました。単語クイズと漢字クイズをこの教科書の各章に合わせて作成していました。ペアワーク用のページもありこちらを用いて日本語を話す練習を取り組んでいました。こちらのワークブックがあり、そちらを宿題として課題を出していました。 - 『上級へのとびら ―コンテンツとマルチメディアで学ぶ日本語 』
対象:
中級・上級
4年生(中級〜上級)の生徒用の教科書に利用していました。主に読む練習と書く練習の教材を作るのに利用していました。こちらも元気同様ペアワーク用のページがあるのでそちらを利用して生徒に会話の練習をしてもらいました。とびらのテキストは文法がひとつひとつ丁寧に説明されているので、文法の勉強をする時にもこちらを参考に教えていました。
就職活動
この大学で働くきっかけ・決め手は?
ご紹介をしていただいた仕事だったのですが、就職先の大学は私のやりたいように授業のカリキュラムも組ませていただいて、自分らしくそして生徒中心に授業を進める事ができそうな場所だったのでそこで働こうと決めました。
現地で日本語教師の需要はどのくらいありますか?
大体の大学で日本語をセカンドランゲージとして教えているので日本語の先生としての需要はとてもあると思います。漫画やアニメの文化から日本に興味のあるアメリカ人が多くそれをきっかけに日本語をとる生徒が多くみられました。
この大学で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?
日本語の先生の元で授業をお手伝いしていたという経験が就職がスムーズに行ったきっかけでした。また、TOEIC900点を持っていたので現地の職場でのコミュニケーションにも問題ないと判断していただいたのも就職するのに大きかったので英語の資格があると就職に便利です。
就職活動で有効な手段は?
-
『日本語の先生からの紹介』
アメリカでの大体の日本語の先生はコネクションが多く、常に日本語の求人情報を持っている事が多いです。そのため日本語の先生とのコネクションを作りそこから紹介していただくという事があります。
国選びで重視した点
- 結婚により住んでいた地域だったため
現地における日本語教師の需要・将来性
- 一部に人気があり、数は少ないが求められている
就職 教育機関選びで特に重視した点
- 必須資格
- 学校の規模
- 通勤時間
応募時に必要とされた資格
- 大学院卒業
就職 選考方法
- 紹介のため試験なし
日本語教師全般に関する質問
どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?
きっかけは私が通っていた大学の日本語の先生と出会った事だったのですが、インターンをしながら授業のお手伝いをさせていただいて、日本の事を知らない生徒に日本や日本語を教える事に喜びを感じた事でした。それをきっかけに日本語の先生を目指そうと思いました。
「日本語教師をやってよかった!」どのような時に実感しますか?
生徒が日本語を話している瞬間はすっごくうれしくなります。また生徒の中にはJプログラムを使って卒業後に日本に就職した生徒もいました。その話を聞いたときは日本語の先生をしていてよかったなと思います。
また、休みの時に帰国したさいに会いに来てくれる生徒もいて成長した姿を見たときは感無量でした。
日本語教師を辞めたいと思ったことはありますか?それはどうしてですか?
給料の面では考える事がありました。もう少し給料が高いといいなと思います。このお仕事1本では生活をするのには少し厳しいかなと思っていたのと、大きなお休みの時は完全に無給料の状態になってしまうので、もう少し給料的に待遇のいいところに転職したいなと思ったことはあります。
学生のみなさんへ 進路についてアドバイス。
アメリカの大学での話になってしまいますが、日本語の先生をしている方を師匠にして、その方の元でインターンをしたりお手伝いをすることによって経験が得られまた、コネクションもできますので就職に役立つと思います。特にアメリカでの日本語の先生としての就職はコネクションが有利に働きます。
社会人のみなさんへ 進路についてアドバイス。
アメリカでの就職は経験重視の採用が多いです。ですので今経験されている職を元に日本語教師としての経験を積んでいくと就職のキーになります。またアメリカではボランティア活動も採用重視に関わります。日本でアメリカ人の観光案内をした経験があるや日本でイベントの通訳をした経験があるなどはこちらでの日本語教師としての就職に有利だと思います。
アメリカで日本語教師を目指す方へ心構え・アドバイス。
アメリカはいろいろな文化があり、その中で日本語を教えることはとてもやりがいを感じる仕事です。中には日本にまったく触れたことない人もいます。
そんな中で日本語や日本の文化を教えられる事で日本の大切なことを世界に伝える事ができる場所です。
またそれをきっかけに日本語を使いながら世界に羽ばたく生徒の姿を見られるのはアメリカでの日本語の先生としての特権だと思います。
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