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海外日本語教師経験談

カナダ トロント 日本語学校(2017年) 様々なバックグラウンドを持つ生徒がいる

👩 まくらさん・ 36歳

総評

  • カナダ トロント 日本語学校
  • 雇用形態:非常勤講師
  • 期間:5年 (2012~2017年) *現在も勤務中
  • 月収:8万5,000円 (1,000カナダドル) *なんとか生活できる
  • 勤務時間:1日4.5時間 週3日勤務   *残業:1ヶ月合計3時間:授業の準備

トロントから日本は飛行機で14時間ほどかかる遠い国ですから、日本のイメージは「一生に一度は訪れてみたい国」という感じです。よって、実際に日本語の勉強を始める段階にある人はそれなりのはっきりした理由や目的があり、かなり熱心です。

トロントで教え始めて一番初めにびっくりしたことは生徒のバックグラウンドの多様性です。カナダは移民国家ですから、英語に加えて自分の両親の国の言葉を話すなど、複数の言葉を話す人がほとんどです。

日本語を学習するときにも既習の言語が影響しますから、レッスンを始める前には必ず話せる言葉を確かめなければなりません。韓国語やタミル語、トルコ語を話せる生徒は文法的に共通点が多く、上達も早いです。

日本語教師としての生活はミドルクラスになると思います。フルタイムで勤務できる学校を探すのは難しいので、掛け持ちをしている人やフリーランスで生徒を取っている人がほとんどです。私も非常勤としてある学校で働いていますが、そのほかにフリーランスとしても教えています。

合計した収入はちょうどカナダ人の平均収入と同じぐらいになります。生活の安定度は低いですが、教えることに集中できる環境は非常にありがたいです。

日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

日本やアジアの国で教えていた時は、アジア人ならではの「遠慮」を感じることが多かったです。例えば授業中に疑問点があっても、授業をとめたくないから授業の後で質問に来る生徒が多いということなどです。

しかし、こちらでは「分からないものは分からない」とその場ですぐ質問する生徒がほとんどです。

概ね良いことなのですが、クラス分けがあまりうまく行ってない時などは、授業についていけない生徒でも遠慮なくどんどん質問するので、余裕のある生徒を飽きさせないようにすることが非常に大変です。

給与

月収:8万5,000円 (1,000カナダドル)
なんとか生活できる

私が勤めている学校は非常に小さな学校なので基本的に福利厚生はありません。私は夫の会社の保険でカバーされる部分が多いので助かっていますが、そういう選択肢が無い場合はもしもの場合に備えて薬代などを常日頃から貯金しておいた方がいいでしょう。(州の健康保険があるので、基本的な医療費は無料です。)

また有給もないので日本に長期帰国する際には収入がなくなることになります。その代わり、自分の好きな時に好きな期間休暇が取れるのは自由度が高いので気に入っています。

給与の詳細を読む...

給与

  • 月収:8万5,000円

月収の内訳

  • 時給:1,600円

待遇

  • 賞与(年間50,000円)

雇用形態

  • 非常勤講師

勤務時間

  • 1日4.5時間 週3日勤務   *残業 1ヶ月合計3時間:授業の準備

長期休暇中の給与保証

  • 長期休暇がない

授業形態・勤務スケジュール

スケジュール管理で大変だったことは?

JLPT(日本語能力試験)の前になるとそれ対策をして欲しいという生徒が増え、時には21時ごろまで授業が入ることもありました。その反面、JLPTの後はクリスマスホリデーに入るのでお休みをする生徒が多く、ほとんど授業が入りません。

毎年かなり忙しい11月、かなり暇な12月という感じになってしまうので、仕事のバランスや割り振りに戸惑いました。これはどうしようもないことなので、今は割り切って12月は長期休暇を取り、日ごろはなかなか時間が取れない教材研究に当てています。

授業形態やスケジュールの詳細を読む...

主なクラスの授業形態

  • クラス授業  1クラス3人ぐらい
  • プライベートレッスン

学習者層

  • 高校生
  • 大学生
  • 社会人

スケジュール

月曜日
  • 9:00~10:30  初級クラス1コマ
  • 14:00~15:30  プライベートクラス1コマ
  • 15:30~17:00  プライベートクラス1コマ
木曜日
  • 9:00~10:30  中級クラス1コマ
  • 14:00~15:30  プライベートクラス1コマ
  • 15:30~17:00  プライベートクラス1コマ
金曜日
  • 9:00~10:30  上級クラス1コマ
  • 14:00~15:30  プライベートクラス1コマ
  • 15:30~17:00  プライベートクラス1コマ
休日 土・日
一日休めていました

教案作りで参考にしている書籍は?

  • みんなの日本語 対象: 初級・中級
    特別なことがない限りは、「みんなの日本語」をメインテキストとして使用しています。細かい点での不満はありますが、総合的にみて今一番優れていると思われるテキストだからです。また、一切英語が使われていないのも生徒にとっては「勉強をしている!」という雰囲気がでて良いのではないかと思っています。
  • 初級日本語 げんき I 対象: 初級・中級
    英語の解説があるためか、「げんき」をメインテキストとしている学校がトロントには多いです。私は個人的にはほとんど使用しませんが、途中から学校を変わる生徒のために参照することがあります。

就職活動

この日本語学校で働くきっかけ・決め手は?

この学校の先生と偶然知り合ったところから勤務することになりました。カナダは就職も知り合いからの紹介やコネクションで決まることが多く、日本語教師も人づてで決まることが多いです。実際に、今でも年に1度か2度ほど、「○○学校で働いてみない?」といった声かけをもらいます。

この日本語学校で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

日本では大学の学部と職業が必ずしも一致しない人が多いですが、こちらでは大学で学んだことを仕事にするのが一般的です。ですから、日本語学部を出ているとそれだけで信頼度が上がります。

語学レベルですが、やはり英語は必須です。細かいところの説明はどうしても英語になりますし、授業以外のやり取りは英語です。上級レベルまでは必要ありませんが、日常生活レベルには達しておいたほうがいいでしょう。

就職活動で参考にしたウェブサイトは?

  • e-maple
    日系の情報があつまります。継承校講師の募集広告も出ることがあります。

就職 教育機関選びで特に重視した点

  • 給与・待遇
  • 通勤時間

応募時に必要とされた資格

  • なし

就職 選考方法

  • 紹介のため試験なし

日本語教師全般に関する質問

どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

高校生の時に習っていた国語の先生が退職される時に「退職後は中国に渡って日本語教師になるのが夢だ」と語ってくださったのが日本語教師という仕事を知るきっかけです。

それまでは漠然と教える仕事がしたいと思ってはいたのですが、中学の国語教師になるか高校の国語教師になるかぐらいしか考えていませんでした。

その後、日本語教師について本格的に調べ始め、大学も日本語学部へ進みました。

日本語教師をやってよかった! どんな時に実感しますか?

初めは日本語が全く話せなかった生徒と日本語だけでコミュニケーションが取れるようになった瞬間、やっていてよかったとしみじみ思います。

それも授業中の会話練習のような内容ではなく、もっと事務的な「来週は出張があるので日本語のレッスンにでられません。すみません。」のような内容を日本語でメールをもらえたりすると、しっかり伝えたいことが日本語で伝えられるようになったな、とうれしく思います。

日本語教師を辞めたいと思ったことはありますか?それはどうしてですか?

日本語教師として稼げる額には限界があると実感する時に、他の仕事をした方がいいのではと思うことがあります。

日本語教師だとどうしても時給やコマ単位の待遇になります。有給があるところも珍しいので、そのような福利厚生はほぼ望めません。教えることが好きなのでこれが天職だとは思っていますが、現実はなかなか厳しいです。

学生のみなさんへ 進路についてアドバイス。

海外で働こうと思っているのであれば、日本語関連の学科を卒業しておくことは非常に有利です。大卒の資格があれば就職やビザ申請に有利になることが多いですし、日本語関連であるとなお良いです。

また、経験が重視されますので、学生のうちにボランティアでも何でもいいので、履歴書に書けるような経験を積んでおいてください。

社会人のみなさんへ 進路についてアドバイス。

私は養成講座を受けたことがありませんので、どれくらい現場で役に立つか分かりません。ただ、実際に教えることで上手くなる面もあるので、機会を見つけてたくさん教えること、そして上手な先生の授業をたくさん見学することだと思います。

私は日本で社会人経験がないので、社会人経験がある先生が会社での具体的なやりとりなどを教えているのを見るとうらやましく思います。今の社会人としての経験を活かせる先生を目指してください。

カナダで日本語教師を目指す方へ心構え・アドバイス。

日本語に関する知識ももちろん必要ですが、英語の勉強もしっかりしてきてください。話せなくてもなんとかならないことはないですが、困ることが多いと思います。また、英語の文法を知っておくことで生徒のミスの解説もしやすくなります。

あとは、コネクションが大切なので「日本語教師になりたいです!」と機会があるごとにアピールしておくことが大切です。チャンスはどこからやってくるかわかりません。

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