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海外日本語教師経験談
タイ バンコク 日本語学校(2015年) 文化の違いにあたふたしたけれど人の優しさに救われました
👩 kitaさん・ 29歳
総評
- タイ バンコク 日本語学校
- 雇用形態:専任講師 *正規雇用
- 期間:1年 (2014~2015年) *退職
- 月収:6万円 (2万バーツ) *なんとか生活できる
- 勤務時間:1日10時間 週6日勤務 *残業:1ヶ月合計15時間
まず驚いたのは、タイで日本語がこんなにも必要とされているのかということでした。学校にもよりますが、中学校から、選択科目として日本語が導入されており、プライベートレッスンでも日本語は非常に人気でした。
プライベートレッスンで出会った生徒の多くは、日本のアニメが好き、日本の企業で働きたいなどの理由で日本語を勉強しに来ていました。ただなんとなく勉強しているというよりは、きちんと目標を持っている生徒が多く、積極的に学んでいる印象でした。そのため、教える側としてもやりがいがあり非常に楽しかったです。
苦労したのは文化の違いです。タイ人はのんびりとした性格で、時間に対してルーズな人が多かったので、授業の開始時間が遅れるのは日常茶飯事でした。「今日はここまで教えよう」と計画していたのに、なかなか進まなかったり、突然のキャンセルはもちろん、無断欠席もありました。
逆に、突然授業を頼まれることもありました。最初の頃は、予定がころころ変わってしまうことにストレスを感じていましたが、だんだんと慣れてくると、それもこの国の文化なのだと割り切れるようになりました。
私は、プライベートレッスンから、中学校や高校のクラス授業、企業のグループレッスンと、様々な授業を経験をさせていただきました。授業の準備は大変でしたが、いろんな世代の方に出会えたので、日本語教師として良い経験となりました。
タイは「ほほえみの国」と言われていますが、そのとおりで、とても優しい人ばかりです。慣れない授業であたふたしていても生徒の方からフォローしてくれたりと、随分助けられました。親日国のタイを選んで本当に良かったと思っています。
日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?
タイ人はのんびりとした性格なので、急に予定が変わってしまうことがよくありました。突然授業を頼まれることもあり、ほとんど準備のないままで生徒の前に立つこともありました。最初はそれがストレスでしたが、その状況を何度も経験することで度胸がつきました。
また、学校の設備にも苦労させられました。学校によって設備は様々ですが、写真に写っている教室は黒板でした。しかし、この黒板は磁石がくっつかず、それを知らず、準備していった活動ができないこともありました。
その他にも、この学校では、コピー機は自由に使えるものではなく、ワークシートを使いたいときは1週間くらい前にコピーを頼まないといけなかったので、授業の予定を立てるのがとても難しかったです。
なぜこの日本語学校を退職しましたか?
結婚のため帰国しました。もう少し続けたいとも思いましたが、その学校でずっと働き続けるのは金銭的に難しかったかなと思います。現地での生活はなんとかなっていましたが、日本での年金や保険は自分の貯金を切り崩しながら払っていましたので…。
給与
なんとか生活できる
タイは物価が安いので、なんとかやっていけるくらいでした。住むところは安全な場所が良かったので、少し家賃が高めのところにしました。給料の3分の1くらいの家賃です。
タイは基本的に家で料理をしないので、コンロがありませんでした。レストランで食事をすると高いので、屋台などの安い料理も食べていました。私は平気でしたが、屋台の料理が合わない人は、食費が多くなってしまうでしょうね。
贅沢をしなければ、現地での生活はやっていけますが、日本での年金や保険などを掛け続けるとなると厳しいです。
給与の詳細を読む...
給与
- 月収:6万円
月収の内訳
- 基本給:6万円
待遇
- 残業代
雇用形態
- 専任講師 *正規雇用
勤務時間
- 1日10時間 週6日勤務 *残業 1ヶ月合計15時間
長期休暇中の給与保証
- 長期休暇がない
授業形態・勤務スケジュール
スケジュール管理で大変だったことは?
予定が変更になっていても、連絡ミスで伝わっていないことが度々ありました。突然の授業にも対応できるように、どの生徒が今どんなことを学んでいるのかきっちりと把握しておくようにしていました。
また、空いた時間に、テキストをしっかり読み込んでおいたり、ワークシートなどの資料は大めに作ってキープしていました。
授業形態やスケジュールの詳細を読む...
主なクラスの授業形態
- クラス授業 1クラス40人
- プライベートレッスン
- 企業研修
学習者層
- 小学生
- 中学生
- 高校生
- 大学生
- 社会人
スケジュール
- 8:30~12:00 プライベート初級クラス ※空いている時間に教材作成
- 13:30~15:00 高校中級クラス
- 17:00~19:00 企業グループレッスン
- 8:30~12:00 中学校初級クラス
- 13:30~17:30 プライベート中級クラス
- 9:00~12:00 プライベート中級クラス
- 13:30~15:30 高校上級クラス
- 17:00~19:00 プライベート上級クラス
- 9:00~10:00 プライベート初級クラス
- 13:00~17:00 プライベート中級クラス
- 8:30~12:00 プライベート上級クラス
- 13:00~15:00 プライベート初級クラス
- 15:00~17:00 プライベート中級クラス
- 18:00~20:00 プライベート中級クラス
- 8:30~12:00 プライベート初級クラス
- 15:00~17:00 プライベート中級クラス
- 17:00~19:00 プライベート上級クラス
休日に取り組んだ仕事:教材作りをしていました
タイで日本語を教える前に準備すべきだったことは?
現地で教材を調達するのはとても大変でしたので、カードなどは日本でそろえて持って行った方が良いと思います。私は、名詞の絵カードを持って行ったのですが、とても重宝しました。
また、日本の何気ない写真が役に立つことが多かったので、もっとたくさん写真を撮っておけば良かったと思いました。(駅の風景とか学校の様子など)
教案作りで参考にしているサイトは?
- 『日本語教師の教案』
テキスト「みんなの日本語」の課ごとに文法や指導方法が掲載されているので、最初の導入などはこのサイトをよく利用していました。
教案作りで参考にしている書籍は?
- 『日本語の教え方ABC―「どうやって教える?」にお答えします』
対象:
初級
指導の仕方がとても細かく載っているので、そのまま授業に活用することができます。授業で使うワークシートもついており、とても便利です。 - 『みんなの日本語初級〈2〉教え方の手引き』
対象:
初級・中級
初級~上級まであり、それぞれの課の指導方法が載っています。テキスト「みんなの日本語」を推奨している国であれば、この手引きがそのまま活用できます。私も「みんなの日本語」タイ語バージョンで授業をしていたので、この手引きはとても重宝しました。
就職活動
この日本語学校で働くきっかけ・決め手は?
初めてだったので、プライベートスクールのような少人数から始めたいと思い、インターネットで検索しました。写真を見た感じ、とても和気あいあいとした雰囲気だったので応募しました。また、校長先生はタイ人なのですが、補佐役の方が日本人だったので安心しました。
面接ではどのようなことを聞かれましたか?
日本語教育に携わったことがあるかどうかや、大学で学んだこと、職歴などを聞かれました。面接の段階では、違う業界で働いており、ボランティアで日本語を教えていた程度だったのですが、特に深くまでは追及されませんでした。
その他にも、渡航費や生活していく上での初期費用など、金銭的な面で大丈夫なのか聞かれました。
現地で日本語教師の需要はどのくらいありますか?
タイでは日系企業が多く進出しているため、日本語が話せると給料があがるそうです。そのため、とても必要とされている言語です。
また、日本のアニメの影響もあり、日本語を学びたいという若者がたくさんいます。中学生や高校生と話すときに、アニメのキャラクターの話をすると、すごく距離が縮まりました。
この日本語学校で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?
もちろん、現地の言葉が話せれば授業もスムーズにいくと思いますが、「授業中は日本語だけで話す」というスタンスでいった方が生徒も頑張って日本語で伝えようとしてきます。特にプライベートスクールに学びにくる生徒の多くは会話を重視していたので、私はできるだけ日本語で授業をしていました。
また、私はそれまで日本の会社で働いていましたので、ビジネスマナーやビジネスで使う日本語なども自分の体験をもとに教えることができました。企業のグループレッスンのときはそういった経験が役に立ちました。
就職活動で参考にしたウェブサイトは?
国選びで重視した点
- 親日国
- 物価の安さ
現地における日本語教師の需要・将来性
- 高い人気があり、多くの学校で求められている
就職 教育機関選びで特に重視した点
- 学校の規模
応募時に必要とされた資格
- 日本語教師養成講座420時間修了
- 大学 日本語教育主・副専攻
就職 選考方法
- 書類
- 面接
面接方法
- 日本国内にて実施
日本語教師全般に関する質問
どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?
大学で取得できる資格の中に日本語教師があり、その頃はまだ夢が決まっていませんでしたので、いろんな可能性を広げるために挑戦しました。
大学を卒業して、一般の会社で働きながら週末にボランティアで日本語の指導をしていたのですが、やはり仕事として日本語教師に挑戦してみたいという想いが強くなり、海外に行くことを決意しました。
「日本語教師をやってよかった!」どのような時に実感しますか?
ひらがなを読む練習から始まった生徒と会話ができるようになったときです。
また、「先生、ありがとう」「日本語の勉強はとても楽しいです!」と言われたきや、先生の授業を受けたいと指名されたときは、とても嬉しかったですし、もっと頑張ろうと思いました。
学生のみなさんへ 進路についてアドバイス。
大学に通いながら、別の養成講座で勉強するのは時間的にも体力的にもしんどいかと思います。高校生であれば、まずは、資格を取得できる大学を探すことを私はおすすめします。
社会人のみなさんへ 進路についてアドバイス。
独学で勉強して日本語能力試験を受けるという方法もありますが、やはり、実際に生徒の前で授業をしてみることが必要だと思いますので、日本語教育の学校に通うことをおすすめします。私もあまり詳しくありませんが、そういった学校には年配の方もたくさん学びに来ていると聞いたことがあります。
タイで日本語教師を目指す方へ心構え・アドバイス。
タイでは日本語教師が不足しています。そのため、仕事はたくさんありますので、ぜひ自分に合った学校を見つけてください。タイは親日国ですので、日本人に対してとても好意的です。そのため、とても働きやすいと思います。
日本とは全く違った文化も、最初は戸惑うかもしれませんが、慣れてくるとだんだん楽しくなってきますよ。タイ語が分からなくても、日本語を教えているうちに、自然とタイ語も覚えていくので、怖がらずに飛び込んでください!
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