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海外日本語教師経験談

台湾 北部 日本語学校(2021年) 日本人より日本に詳しい?教師も日々勉強!

👩 かなこさん・ 24歳

総評

  • 台湾 北部 日本語学校
  • 雇用形態:専任講師 *正規雇用
  • 期間:2年 (2019~2021年) *退職
  • 月収:10万円 (2万7,000元) *なんとか生活できる
  • 勤務時間:1日8時間 週5日勤務   *残業:残業なし

もともと親日の人が多い台湾ならではだと思ったのは、日本語学習者は特に日本が好きで熱意がある人が多いことです。

好きなものは学習者によって芸能人・映画・ドラマ・アニメ・漫画・食べ物・文化・歴史・旅行など様々で、分野によっては日本人よりも知っていることが多いです。

学生の口から「秘密のケンミンshowでB級グルメを知りました。」や「あたしンちやドラえもんを子供の時から見ています。」と聞いた時は驚きました。

とはいえ、やはり台湾で日本人日本語教師として教えているからには、日本の流行りや時事ニュースに学生よりももっと敏感にならなければと感じました。意識して色々な分野の情報を入れ、学生に共有するようにする中で、少しでも日本語学習のやる気につながったら嬉しかったですし、こちらももっと勉強しようと思えました。

働いていた教育機関ならではの特徴は、小学生~年配の方まで学生の幅が広いことや企業派遣があったことです。こちらの経験としては色々な人と関われますからよかったですが、それぞれで学生の勉強意欲に差があることが気になりました。

先に述べた興味のある人と比べ、小学生や中学生だと親からやらされている感じ、企業派遣だと会社がお金を出してくれるから興味はないけど授業にくるという人も中にはいました 。

生活レベルは高いとは言えません。街中にあるタピオカ店のバイト広告の時給を見ると、日本語教師の時給よりも高く、心が折れそうになることもありました。そんな時はタピオカで糖分補給です。せっかく飲み物屋が多く安く買えますからね。

勤務形態の”フレックスタイム制”というと聞こえはいいですが、朝と夜に授業があれば間は空いていても、完全に仕事から解放される時間が短かったように感じました。休日は学校としての休みの日はありますが、慣れるまでは家で準備することも多かったのが大変でした。残業代やボーナスもありませんでした。

日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

最初の頃は特に現地の言葉が十分にできないため、学生から質問があった文法や細かいニュアンスの違いの説明は準備するのに苦労しました。

1つの例は「ありがとうございます」と「ありがとうございました」の使い分けです。この例も他の質問も、対訳をみて意味を理解したうえでフレーズとして覚えるよう言ったり、なんとか身振り手振りで伝える、漢字を多く使って板書する、細かい状況の例文を挙げるなどして対応しました。

小学生の授業には、漢字でも伝わらないことがたまにあるので写真のように板書に絵を加えていました。

慣れてくると学生の気になるポイントや質問の傾向がわかるようになってきましたが、やはり予想外の質問はありました。

なぜこの日本語学校を退職しましたか?

日本語教師としてのキャリアアップをしたく、日本語系の大学院への進学を目指すことにしたため。

同じ会社には在職しながら台湾の大学院へ進学される先生もいましたが、私は日本語系の大学院進学希望だったので、やはり日本の大学院に行きたく、退職してから帰国しました。もし、台湾の大学院に進学するなら退職しなかったかもしれません。

給与

月収:10万円 (2万7,000元)
なんとか生活できる

給与については、現地で生活はできますが、あくまで台湾人と同じような食事をするなどしないと厳しいです。日本食などの台湾以外の料理を食べたり、買い物をしたりはとても贅沢に感じていました。

ボーナスはありませんでした。旧正月の時期に”紅包(ホンバオ)”をもらえる年もありましたが、日本円で1万円以下でした。

貯金ができないわけではありませんが、その貯金を日本への帰国費にあてれるかというと微妙です。できて飛行機代くらいなので、帰国もあまりしませんでした。

有給は勤続年数によって変わるようですが(少しずつ増えていく)、一年目でも7日はあります。ただし、「できるだけ学生の休みと合わせて取ってほしい」と言われていたり、申請した日の有給の許可が下りないこともありました。

給与の詳細を読む...

給与

  • 月収:10万円

月収の内訳

  • 基本給:10万円

待遇

  • 有給
  • 交通費
  • 健康保険
  • 健康診断
  • 現地語学レッスン受講

雇用形態

  • 専任講師 *正規雇用

勤務時間

  • 1日8時間 週5日勤務   *残業 残業なし

学校が定める学生の長期休暇の有無

  • 春節:5日ぐらい

長期休暇中の給与保証

  • 勤務している教育機関で給与が発生する仕事がある

授業形態・勤務スケジュール

スケジュール管理で大変だったことは?

生活習慣が定まらないことや平日にゆっくり体を休められる時間が少ないことが大変でした。

毎日22時退勤なのに、朝8時に出勤する日もあれば昼過ぎに出勤する日もあるなど定まらない生活習慣でした。そんな生活にも慣れたかと思えば、クラスの授業時間が変わって、日程も変わります…

また、”授業時間だけ出勤”と聞くとよさそうですが、8時と22時に授業があれば、結局一日中気を張っておかなければいけませんでした。

授業形態やスケジュールの詳細を読む...

主なクラスの授業形態

  • クラス授業  1クラス4~8人
  • プライベートレッスン
  • 企業研修

学習者層

  • 小学生
  • 中学生
  • 高校生
  • 大学生
  • 社会人

スケジュール

月曜日
  • 13:00~22:00  
    授業のある時だけ出勤
  • 大体1.5時間~2.5時間で1コマの授業を3コマ~4コマ 初級~上級クラス
    授業のない時間は準備や移動
火曜日
  • 8:00~22:00  
    授業のある時だけ出勤
  • 大体1.5時間~2.5時間で1コマの授業を3コマ~4コマ 初級~上級クラス
    授業のない時間は準備や移動
水曜日
  • 12:00~22:00  
    授業のある時だけ出勤
  • 大体1.5時間~2.5時間で1コマの授業を3コマ~4コマ 初級~上級クラス
    授業のない時間は準備や移動
木曜日
  • 12:00~22:00  
    授業のある時だけ出勤
  • 大体1.5時間~2.5時間で1コマの授業を3コマ~4コマ 初級~上級クラス
    授業のない時間は準備や移動
金曜日
  • 9:00~22:00  
    授業のある時だけ出勤
  • 大体1.5時間~2.5時間で1コマの授業を3コマ~4コマ 初級~上級クラス
    授業のない時間は準備や移動
休日
  • 土曜日:最初の1年目は毎週学校か家で準備。慣れてきたら1日休めていました。たまに学校か家で準備もしました。
  • 日曜日:最初の1年目は毎週家で準備(学校は休み)慣れてきたら1日休めていました。たまに家で準備(学校は休み)もしました。

教案作りで参考にしているサイトは?

  • スリーエーネットワーク
    『みんなの日本語』の音声が無料でダウンロードできたり、期間限定で動画も無料で見れるときもある。この無料音声はCDからダウンロードする手間も省けるし、携帯でもパソコンでも使えるため本当に便利。
  • にほんご教師ピック
    『みんなの日本語』の課ごとにイラストがたくさんある。初級から上級までのレベルに対応している。
  • 日本語NET
    『みんなの日本語』だけでなく、JLPTのN5~1の文法もある。教案だけでなく、時間が余ったときや文型定着に使えるゲームや活動なども紹介されている。

教案作りで参考にしている書籍は?

  • みんなの日本語初級I 第2版 教え方の手引き 対象: 初級
    みんなの日本語を使う場合、慣れるまでは特に、これに本当に助けられました。課ごとに一通りチェックしてから教案を書いていました。そのままではなく、自分で工夫して変える場面もありましたが、教科書作成者のそれぞれ練習の目的や意図などがわかるのでよかったです。
  • 児童・生徒のためのわいわい日本語活動集―外国人の子どものための日本語 対象: 初級
    活動ありきで授業をするよう学校から指示があったので使っていました。”子供のための”とあるが、大人の授業でも十分使えました。練習を全部終えた後に活動として使っていました。文型の索引がついているので、使いたいものが探しやすいです。
  • みんなの日本語 初級I 第2版 導入・練習イラスト集 対象: 初級
    文字だけでは少しわかりにくい文型は、これのイラストを見て考えてもらったりしていました。逆に文字でわかりやすい文型(漢字が同じなど)は教科書の練習A→Bの後の追加練習に使っていました。みんなの日本語と完全に対応して作られているので、一緒に使いやすいです。

就職活動

この日本語学校で働くきっかけ・決め手は?

”台湾に行く!”と決めてから、求人サイトで台湾の求人情報を追っていた時に、時期(大学を卒業して3月からすぐ行ける)や条件(新卒もOK)、待遇(研修あり、現地語授業の提供あり、ビザの手続きや費用補助ありなど)がちょうどいいところだったため。

面接ではどのようなことを聞かれましたか?

日本語教育の資格や課程、試験合格等の状況(日本語教師養成講座420時間、日本語教育能力検定試験合格、大学院、大学の日本語教育主専攻、大学の日本語教育副専攻のどれに該当するのか)、どうして台湾を選んだのか、中国語の学習歴とレベル(できる場合はその場で少し話す)などを聞かれました。

この日本語学校で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

日本で働くために日本語を勉強している学生も多いので、単純に”日本での社会人経験(特に会社勤め)”が求められる場面がありました。「日本の上下関係が厳しいと聞きますが、実際の上司と部下の関係はどうですか。」や「会社の飲み会はどのような感じですか。」など学生から質問されたことがあります。

語学レベルは高いに越したことはありませんが、できないからとあきらめる必要もないと思います。私は現地語ができずに行ったので、授業は日本語でするからいいにしても、授業後に現地語で学生とコミュニケーションがあまり取れなかったことは後悔しています。

就職活動で参考にしたウェブサイトは?

  • 日本語教師の集い
    機関名・職種・募集人員・勤務国・応募締め切りなどがきれいに図でまとまっているので、とにかく見やすい・比較しやすい。日本の求人も海外の求人もある。
  • 日本村
    都道府県別リスト・海外国別リスト・年別リストなどとリストに分かれているため、希望がある場合は特に検索しやすい。
  • 国際日本語研修協会
    日本語教師登録制度があり、登録していただいた方は、優秀な日本語教師を求める日本語教育機関の要請に応じて、登録情報を紹介してもらうことができる。

就職活動で有効な手段は?

  • 『大学の先輩の紹介(大学専攻・副専攻の場合)』
    卒業して就職した先輩が、大学の教授を通して求人情報を提供。

就職 教育機関選びで特に重視した点

  • 必須資格
  • 給与・待遇
  • 学習者が社会人 →実際は違いましたが…

応募時に必要とされた資格

  • 大学 日本語教育主・副専攻

就職 選考方法

  • 書類

面接方法

  • 現地にて実施

日本語教師全般に関する質問

どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

まず、日本語教師という仕事を知ったのは高校生の時で、実際に日本語教師の方が外国人学生に教えているところを偶然見かけたからです。教えているといっても楽しそうに会話をしているところを見て素敵な仕事だと思いました。

もともと教員志望(国語)だったので、”教師”といっても”日本語教師”になろうと決めて、目指すようになりました。

日本語教師をやってよかった! どんな時に実感しますか?

クラスの学生が日本旅行に行った学生が「勉強した日本語が言えました」と言ってくれたり、日本のテレビ番組を見た学生が「先生が言っていたことが出ていて面白かった」と言ってくれたりしたときはうれしかったです。

特に旅行の話はクラスで共有するとクラスのモチベーションも上がりますし、クラスメートで日本へ行った報告を聞いたこともやっていてよかったと思いました。

日本語教師を辞めたいと思ったことはありますか?それはどうしてですか?

今のところなし。逆にお金の面を何とかしてでも続けたいと思っています。

学生のみなさんへ 進路についてアドバイス。

私は高校生の時から目指し、日本語教員養成課程のある大学に入りました。ここでは文法や教授法などの座学のほかに国内外で実習ができたのがよかったです(学校によるかもしれませんが)。

また、先に日本語教師として就職した先輩の声も聞けたり、就職先を紹介してもらえることもあると思います。ですが、大学では全く違う専攻で養成講座に通い、Wスクールしている先生もいました。

自分の大学の専攻が違っても、まだ日本語教師になる道は色々とありますので大丈夫だと思います。

社会人のみなさんへ 進路についてアドバイス。

海外の日本語学校で”日本での社会人経験”を求める企業もあります。日本で仕事をするためにビジネス日本語・ビジネスマナーを勉強したい学生がいるからです。

日本語教師に興味があったらぜひあきらめないで養成講座に通ったり、日本語教育能力試験合格を目指したりしてみてほしいです。資格など何もなくてもオンラインで経験を積むこともできます。

台湾で日本語教師を目指す方へ心構え・アドバイス。

大らかで親切な人が多い・親日の人も多い・日本語学習者も多い・日本から近いなどといいことは多いです。繁体字の漢字を使いますから、中国語ができなくても漢字を書けば伝えたいことは結構伝えられます。

実際私がそうでしたが、初めて海外で日本語教師になる人にもおすすめです。また、2年間台北ではない北部の地域に住んでみて、台湾の中のどの地域に住むか(働くか)は大きなポイントになると思いました。家賃は高いと聞きますが、やはり一番便利なのは台北です。

”台湾で働く”と決めて探す場合、色々な地域の学校の求人を見比べるのに加え、その地域についても調べてみてください。

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