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海外日本語教師経験談
フィリピン セブ 企業(2016年) 素直な生徒が多く理解が早い
👩 CrewsAgentさん・ 26歳
総評
- フィリピン セブ 企業
- 雇用形態:常勤講師 *非正規雇用・フルタイム
- 期間:2年 (2014~2016年) *退職
- 月収:18万円 (8万7,000ペソ) *現地で生活をするのに十分
- 勤務時間:1日6コマ 週5日勤務 *残業:1ヶ月合計45時間
私は2014年〜2016年までの2年間をフィリピンセブ島の日系企業でフィリピン人に日本語を教える講師として従事しました。フィリピンで日本語講師が不足して日系企業が困っているとテレビ番組を見て知り募集はないか様々なフィリピンに進出している日系企業に直接電話をかけ交渉し仕事を見つけたことがこの仕事に従事したきっかけです。
採用してもらえた企業としても初の取り組みであり私も大学を卒業して他の内定が決まっていた中での決心だったこともありこの仕事に対して熱意はかなりありました。
しかし日本語を全く勉強したことがない外国人にいきなり日本語の指導を行うことはかなりハードでした。単語の意味を分かる日本語の範囲でどう伝えるか。ある領域に達したときに限界がきました。専門用語を解説する言葉が出てこず次第に生徒たちが講義に対して飽きてきました。
そこで日本語の講義にあえて英語を多く取り入れて行きました。そうすることで現地語よりも英語は世界共通語なので日本語を媒介できる言語が多く格段に生徒たちの理解が早まることがわかりました。
フィリピンの生徒はすごく素直ですが飽き性で長続きしません。しかしそこであえて日本のドラマや映画を英語字幕でかつ音声も英語にしたことで反対に、日本語ではなんと言うのかと尋ねてくるようになり日本語に対する興味を持ってもらえるように努めました。
現地での日本語講師としての仕事ですが給料の面で言えば日本の企業よりも圧倒的に安いです。
賞与などはありますが国内と比較すると劣ります。しかし現地で生活していくことを考えればかなり贅沢な暮らしが可能です。ホテル暮らし、ベッドメーキング付き、プール付き、毎晩外食、マッサージに毎日通ったとしてもお金は貯まります。
生活のレベルで言えば現地であればかなりの富裕層の暮らしと言えます。また休日も基本的に企業が休みの土日はお休みです。いわゆる週休二日制度が導入されています。
セブ島での暮らしですがこの仕事をしている間は基本的にホテル暮らしをしていましたので治安面などで危険な目に合うなどはなく素晴らしい仕事をさせてもらったと思います。
日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?
当たり前のことですが文化や学習システムが異なるので講義のコマ数や時間を長くするとすぐに飽きてしまいスマホに夢中になってしまうことです。
初期の頃は初めて知る日本語に対して興味を持ってくれるのですが、ある領域になると大きく2パターンに生徒たちが分かれます。もっと興味を持ってくれる生徒と途中で飽きてしまうパターンです。後者がいる講義は特に大変です。
いかに飽きさせないかを毎日ネタ探しからはじめ、最終的にはSNSのフェイスブックの日本に関連することを講義の材料にして、身近なものに捉えてもらうことで、日本語に対する意欲を引き止めることに成功しました。また歌が盛んなフィリピンでは日本語の歌で教えることも大成功でした。
なぜこの企業を退職しましたか?
外国で母国語を外国人に教える経験を通して自分に対して自信が生まれ、人の前で発言をする仕事をやってみたいと思いはじめ、自分の言葉で自分の意思や考えを発信したいと考え、テレビメディアで働きたいと決心しました。
自分の故郷熊本が地震で被災し実家も被災した経緯もあり、外国に居続けるよりは、日本に帰国したほうが良いと思い、日系企業を退職しセブ島から帰国しました。
給与
現地で生活をするのに十分
セブ島での基準ですが月収18万円だと日本では高卒の初任給より少ないと感じるかもしれませんがセブ島で暮らしていく分には問題ない額です。むしろセブ島の日系企業の中では割と良い部類に入ります。
1年間家賃、光熱費、食費、ビザの更新費用など毎月支払っていましたが全てを支払っても14万円手元に残ります。つまり毎月14万円の貯金ができるので年間にして約170万円貯めようと思えば可能です。
これで生活できるのかと言う疑問に対しては大いに可能です。生活レベルですが毎月4万円全ての費用にかかると計算した時、現地だとホテル暮らしでご飯もかなり良いものが食べれます。しかし食文化で言うと野菜が少ないので栄養バランスの取れた食事となるともう少し費用が掛かります。
待遇ですが私がいた会社は2年目から家賃、光熱費、ビザの更新費用がかからなくなったので一年目より金銭的に余裕が生まれました。
困ったことをあげるとすれば医療面の保険です。大きな病気をした時に万が一入院するとなればフィリピンでは高額な医療費がかかります。ですので日本で対応している保険などの加入しておいたほうが良いです。
給与の詳細を読む...
給与
- 月収:18万円
月収の内訳
- 1コマ60分:1,500円
待遇
- 残業代
- 有給
- 現地語学レッスン受講
- 賞与(年間30万円)
雇用形態
- 常勤講師 *非正規雇用・フルタイム
勤務時間
- 1日6コマ 週5日勤務 *残業 1ヶ月合計45時間
長期休暇中の給与保証
- 長期休暇がない
授業形態・勤務スケジュール
スケジュール管理で大変だったことは?
基本的に毎日同じスケジュールなので管理においてそれほど大変だったということはありませんが強いて言えば1日に6コマ展開する中で以前やったことがある内容など被らないようにネタ探しをすることが一番大変だったと思います。
授業形態やスケジュールの詳細を読む...
主なクラスの授業形態
- クラス授業 1クラス5人
学習者層
- 大学生
- 社会人
スケジュール
- 9:00~12:10 日本語基礎クラス 3コマ
- 13:00~16:10 日本語応用クラス 3コマ
フィリピンで日本語を教える前に準備すべきだったことは?
上記にも出てきましたが私の最大の反省点はサイトで情報を得たり日本の書物をほとんど持ち込まず現地の本屋さんで購入できるものをテキストにしていた点です。
メリットとしては日本語→現地語といったものでしたがこれだと私が現地語を理解する手間がかかってしまうことです。行く国によって異なりますが日本語を教える上で少なくとも英語力をもう少し鍛えておけばよかったと感じます。
ビジネスレベルの英語が話せても日本語の専門用語を英語で解説するのは至難の技です。ですので日本語が完璧に教えることができるのは必須ですが同時に英語ができると負担は大きく減ります。
就職活動
この企業で働くきっかけ・決め手は?
最初のほうで紹介してしまいましたが大学を卒業後内定をもらっていた企業に就職する予定でした。
しかしながらそこで働くことに対して実感があまり湧かずにいました。
そんな中テレビ番組で偶然に、フィリピンで日本語講師をやっている方のコーナーがあり、不思議と見入ってしまいました。
もともとから人に教えることが好きでもあったのと、海外で母国語を教えることができることに魅力を感じ、さらには海外で生活してみたいという動機から日本語講師を募集している日系企業を探すことにしました。
しかし、現実はそう簡単には甘いはずもなく、募集している企業はありませんでした。
その頃には内定を蹴っていたこともあり、何とか見つけなければ仕事が見つからない事実もあり、一大決心して自ら企業に電話をかけ、自分なりのプランを考えて、担当者に直接かけあってみることにしました。
英語に困らないことや、現地での生活に耐えることができるとの旨を自分なりに一生懸命説明し、奇跡的に二件目の会社に直接採用してもらえることになりました。
そこでフィリピンのセブ島にて、フィリピン人に日本語を指導する講師として勤めることができました。
面接ではどのようなことを聞かれましたか?
Skypeでの面接でしたので東京のマクドナルドから面接をしました。
聞かれたことは新卒の私に務まるのかなど会社としても初の取り組みかつベンチャー企業ということもありやり抜く自信があるかどうかの有無を何度も何度も確認されたことを覚えています。
また日本語講師としてのロールモデルがなかったのでそこをどのように作って行くのか、そして教材や時間はどのようにするのかを面接の時点で詳しく聞かれました。
現地で日本語教師の需要はどのくらいありますか?
フィリピンにおいてお話ししますが、この国では多くはありませんが日本語の需要はあります。第二言語が英語圏なこともあり、外資系と言えばアメリカやイギリスなどの英語圏の企業が多いのは確かな事実です。
近年の留学ブームやアニメ、またココナッツなどの特産品が日本で注目を浴び日本人に多く知れたことで、多くの日系企業や日本の文化が流入しフィリピン人における日本への興味や、日系企業への就職が増えたことや社内のコミュニケーションスキルとしての、日本語やビジネスのための日本語といった具合に日本を含め日本語に対する注目度は高い傾向にあると見ています。
英語圏ほどではないが間違いなく日本語の需要は高いです。
この企業で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?
これは日本語講師というよりも派遣される国で異なるのかも知れませんが、日本語を外国人に教えるにはその外国人の母国語あるいは共通語の存在がとにかく重要なのでマスターしておく必要があると思います。
強みになる資格ですが私はTOEIC800点 TOEFL80点 国連英検A級を持っていたことは日本語をスムーズに教える上でアドバンテージになったものだと思います。
国選びで重視した点
- 物価の安さ
- 気候
- 日本との距離
現地における日本語教師の需要・将来性
- 一部に人気があり、数は少ないが求められている
就職 教育機関選びで特に重視した点
- 学習者が学生
- 学習者が社会人
- 給与・待遇
応募時に必要とされた資格
- 大学 日本語教育主・副専攻
就職 選考方法
- 面接
面接方法
- 日本国内にて実施
- skypeやzoomなどのインターネットツールを使用して面談
日本語教師全般に関する質問
どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?
具体的にとのことですが、もともと日本語講師を目指していたわけではありません。
もともとはニュースを読むアナウンサーになりたくてそれを目指して大学時代を過ごしました。
そしてテレビ局にアナウンサー志望として内定をもらっている状態でしたがたまたまテレビ番組で日本語講師のコーナーを見て、そこに憧れを抱いたことから自分もやってみたいと本気で考え、目指したという経緯になります。
「日本語教師をやってよかった!」どのような時に実感しますか?
やってみてよかったと一番に思うことは教えた生徒たちが日本に興味を持ってくれて私たち日本人に普段の会話の中で多少間違っていても日本語で一生懸命話しかけてくるときです。
例えば休みの日に街で買い物などしているときに偶然見かけた生徒が日本語で話しかけてくれて一生懸命会話をしようと頑張っている姿をみたときに、普段は本当に誰かのためになっているのかわからなくなることもあるのですが本当にやっていてよかったと肌身に感じて思います。
学生のみなさんへ 進路についてアドバイス。
日本語教師になるベストな方法はないと思います。ただ私の経験からお伝えできることは日本語を教えたければどうしても見つからない場合、自分から直接かけあってあなた方の思いをぶつけてみるのが良いのかもしれません。
社会人のみなさんへ 進路についてアドバイス。
社会人の方で日本語教師を目指すのであればこれまでの社会的経験が大きく味方になることが多いと思いますので、募集があるところにかけあってみるのが良いかと思います。結論は挑戦すればいくらでも方法はあります。
フィリピンで日本語教師を目指す方へ心構え・アドバイス。
日本語教師になりたければまず、日本のことについて歴史から現在に至るまでのことを一通り外国人に説明できるくらい知識を身につけてください。
日本語を教えることは簡単ですがその意味を説明することは至難の技です。 また日本語教師は需要はあるにしても生計を立てていくには時間のかかる職業です。その代わりそのあといろんな分野で役に立つくらいの自信と経験を得ることができます。
本気で日本語教師を目指されるのであれば覚悟を決めて頑張って取り組んでください。
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