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海外日本語教師経験談

イタリア 語学学校(2020年) 収入よりもやりがいが大切

👩 Aranciaさん・ 51歳

総評

  • イタリア 語学学校
  • 期間:3.5年 (2015~2020年) *現在も勤務中 *途中離職期間あり
  • 月収:2万4,500円 (200Euro) *それだけでは生活は難しい
  •  アルファ国際学院
  • 勤務時間:1日1.5~3時間 週2日勤務   *残業:残業なし

日本語教師を始めたのは今から約5年前で、420時間の養成講座を修了してから15年近く過ぎていました。あまりにも時間が経ちすぎて、面接時に「動詞のグループ分け」について聞かれた時は頭が真っ白になってしまった思い出があります。

現在、民間の語学学校に勤務しています。日本人教師が多いため、教師一人あたりの担当授業数は少なく、私の場合は週2日、3レッスンのみ。収入面では全くメリットがありませんが、明るく勉強熱心、日本が大好きな学生たちと接するのが楽しくてこの仕事を続けています。

この学校の学生は個人的な趣味で勉強している人が多い印象で、比較的リラックスした雰囲気があります。年齢層は10代~70代と幅広く、毎週髪の色を変えてくる大学生、見事なタトゥーが腕と首にある会社員など個性も様々、生活環境も様々です。

「日曜日、何をしましたか?」の質問の答えが「父と昼ご飯を食べました。そして家へ帰って母と晩ご飯を食べました。」など、少し複雑な事情の高校生もいたりします。。

また初級レベルの男性と個人レッスンをしていた時、「今、誰に会いたいですか?」の問いに「彼に会いたいです!」と答えが返ってきたことがあります。”え、彼?彼女? 単語を間違えているだけなのかどうなのか…?”。結局あとで「彼」でよかったことがわかりましたが、プライベートなことにどこまで教師が踏み込んでいいのか難しいなと思うこともよくあります。

日本語教師は楽ではありません。準備も大変で、常に自分自身の勉強も必要です。異文化理解の面で戸惑うことも多々あります。それでも生徒と一緒に自分も成長できる、やりがいがある仕事だと思っています。

日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

・学生のサブカルチャー情報についていかれない
初級クラスで「日曜日、日本のアニメを見ました。」「昨日、日本の音楽を聞きました。」と言われて、”何を~?”と聞くと「○×□~△です!」と全く聞いたことのないタイトルやグループ名が返ってきます。自分が知っていれば話を発展されられるのになぁと残念に思います。

・漢字が出てこない
普段の生活で日本語を書く機会がほとんどないためか漢字がとっさに出てこないことがあります。「この言葉は漢字でどう書きますか?」と聞かれて、「う~ん…」とペンを持ったまま手がとまってしまうことが時々あります。

給与

月収:2万4,500円 (200Euro)
それだけでは生活は難しい

この国の平均月収は1500ユーロ前後。日本より低く、物価も比較的安いとはいえ、やはり日本語教師の収入だけで生計を立てるのは厳しいです。

通常の語学学校に勤務する場合、もともと日本語コースのクラス自体が少ないため、勤務できる時間があまりないというのが現状です。

例えば私の一週間の授業時間は3~4.5時間。報酬は授業時間に対してのみ支払われるため、ほんのお小遣い程度の収入です(数回外食をしたら無くなってしまう?!)。日本人の同僚も他の仕事を掛け持ちしているか、或いはパートナーの収入メインで生活しているかのどちらかです。

また、こちらでは業種に限らず基本的に交通費の支給がありません。私は往復3ユーロのバス通勤ですが、1レッスンのためだけに学校へ行く日は悲しくなります…。

授業形態・勤務スケジュール

スケジュール管理で大変だったことは?

勤務先の学校では全てのグループレッスンが夜間に設定されているため、グループレッスンと同じ日の昼間にプライベートレッスンが入った時など、中途半端に数時間あいてしまうことがあります。

授業形態やスケジュールの詳細を読む...

主なクラスの授業形態

  • クラス授業  1クラス4~5人
  • プライベートレッスン
  • 派遣授業

学習者層

  • 中学生
  • 高校生
  • 大学生
  • 社会人

スケジュール

  • 月:18:30~19:30 セミプライベート 1コマ
    19:30~21:00 初級クラス 1コマ
  • 木:19:30~21:00 中級クラス 1コマ
※いずれも授業準備は自宅 特になし。日曜でも依頼があれば授業可。

教案作りで参考にしているサイトは?

  • 日本語教師のN1net
    「みんなの日本語」の課ごとに検索でき、授業の流れや説明のポイントなどが記載されています。QA例文などを活用しています。
  • てんぷらせんせい
    文法説明が簡潔でわかりやすいです。中級用教案の参考にしています。例文作りのヒントにもなります。

教案作りで参考にしている書籍は?

就職活動

この語学学校で働くきっかけ・決め手は?

インターネットで日本語コースがある近隣の外国語学校を検索しました。日本語コースに歴史があり生徒数も多そうだったことから当校を選び、直接連絡を入れ面接の依頼をしました。

途中、間が開いた期間もありましたが、復職して現在に至っています。

面接ではどのようなことを聞かれましたか?

・養成講座420時間を修了しているか。
・企業で働いた経験があるか。→日本での社会人経験があるほうが採用確率は高いです。
・提示された待遇に対して了承できるか。
・動詞のグループ分けについて説明できるか。→ミニ模擬授業のような形で実際に説明をしました。

この語学学校で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

日本語教師養成420時間、教員免許はアピールできます。検定試験合格はあまり問われたことはありません。

現地語は基本会話レベルがあるといいです。簡単な単語や文法は、たとえ指導方針が直説法であっても無理に日本語だけで説明して時間を費やすより、現地語で説明したほうが生徒の理解も早いです。

就職活動で参考にしたウェブサイトは?

  • Indeed
    語学講師募集は常に掲載されていますが、日本語はあまり出ていないようです。
  • Subito.it
    求人・求職・売買など。求職は個人レベルで記事の登録ができます。

就職活動で有効な手段は?

  • 『紹介』
    教育機関に関わっている/詳しい人から求人情報が得られることもありますが、一部の人に限られるかもしれません。

就職 教育機関選びで特に重視した点

  • 学習者数
  • 給与・待遇
  • 通勤時間

応募時に必要とされた資格

  • 日本語教師養成講座420時間修了

就職 選考方法

  • 面接

面接方法

  • 現地にて実施

日本語教師全般に関する質問

どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

日本語教師という職業を具体的に考え始めたのは20代後半です。勤めていたIT企業に、派遣社員として来ていた中国やインドの人たちが流暢に日本語を話すのを聞いて驚き、同時に「日本語を教える仕事がしたい!」と思ったのを覚えています。

大学で言語学を学んでいたことと、外国の人とコミュニケーションを取るのが好きだったことがリンクしたのかもしれません。

そして仕事に行き詰まりを感じていた30歳のとき、転職を考えて日本語教師養成講座を受講しました。
もともと、いつか海外で働きたいという漠然とした願望があり、年々その思いが強くなってたこともあります。

結局それから10年近く仕事を続けましたが、日本語教師になる夢は常に持っていました。

日本語教師をやってよかった! どんな時に実感しますか?

街中で日本人観光客をみて日本語で話しかけてみたり、日本旅行中に日本語だけで会話をしようとしたり、普段日本語や日本人に接する機会がほとんどない学生たちが積極的に学んだことを生かして楽しんでいる姿を見ると嬉しくなります。

また、彼らにとって最初「記号」にしか見えなかったひらがな・かたかなが上手に書かれたノートを見たときなども成長を実感します。

学生のみなさんへ 進路についてアドバイス。

大学での専攻が日本語学に関連していなければ養成講座に通うのがいいでしょう。社会人・実務経験をしておくことも必要だと思います。

社会人のみなさんへ 進路についてアドバイス。

仕事を続けながら養成講座を受講することをお勧めします。検定試験合格は海外ではあまり重要視されません。経済面重視で生活の釣り合いをとりながら、徐々に日本語教師にシフトしていくのがいいと思います。

イタリアで日本語教師を目指す方へ心構え・アドバイス。

420時間養成講座を修了している、教員免許を取得している等は採用の面で優位だと思います。現地の言葉も事前に勉強しておいた方がいいですし、ある程度生活できる資金を事前に用意しておくことも大切です。

でも一番の難関は「どうしたら日本語教師として働けるか」よりも、「どのような形で居住するか」。当然ですが観光ビザでは働くことはできません。有効な滞在許可証を取得する必要があります。

また、旅行者と生活者とでは国の印象もガラッと変わることもあります。まずは情報収集を兼ねて、一度数ヶ月滞在してみるといいかもしれません。

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