元日本語教師による
日本語教師の実態レポート

日本語教師になるにはどうすればいいの?資格はいるの?どんな風に教えるの?
具体的な経験を交えながら、教師の仕事について
"元教師"が実態をお伝えします。

日本語教師 経験談 韓国の日本語学校

プラスワンの教師は需要があります

公開:2020/05/12

mimi(女性・46歳) 
日本語教師歴 7.2年 (2010年~2018年)
*現在は他業種に転職
資格・課程 日本語教育能力検定試験
韓国の日本語学校
経験詳細
  • 地域:ソウル
  • 月収:5万~15万円(60万~150万ウォン)
    それだけでは生活は難しい
  • 非常勤講師(コマ/時間勤務)
  • 5年(2013年~2018年)
    *現在は退職

以前よりは日本語の需要はかなり減りました。好きな芸能人がいるなどの理由で勉強する学生は減った印象です。大学入学や就職のために学ぶ学生は、まだ一定数いますし、民間の日本語学校では、講師の募集を定期的にしています。

ビザの問題がなければ、日本語専攻でなくても4大卒で、日本語教育能力試験に合格していれば、たいていの学校で、常勤としてはたらくことができます。

しかし、それだけでは給与が最低ラインなことと、今後需要が減ることを考えると、EJUや専門分野についてなど、プラスワンとなる資格や職歴があれば重宝されると思います。

韓国語か英語が話せれば言うことありません。英語を話せる学生は多いため、説明時にも使えることが多いです。

日本語教師になりたい目的は人それぞれかと思いますが、得手不得手がある職業だと思います。どちらかというと、教える技術よりも、コミュニケーション能力が高い方や他文化への理解や自分の考えをしっかり持っている方が、楽しく継続して働くことができると思います。

Q:現地で苦労した事、戸惑った事はありますか?

母国語でなく、日本語で教える直接法で教えていたため、細かい説明をするのは大変でした。とくに、初級レベルの学生への文法の説明は難しかったです。

仕事を始めたばかりのころは、現地の言葉を使用したり、簡単な日本で説明していましたが、いろいろ試した結果、初級レベルでは、とりあえず、この文型はこういうものなんだとルールを教え、何度も尋ねる学生にだけ細かい文法の説明をしました。

Q:なぜこの教育機関を退職しましたか?

日本語を学ぶ学生(ほぼ社会人)は減少傾向にあり、その教育機関も規模や授業形態を変える考えがある時期でした。その頃に、夫の仕事の都合で日本への帰国するかもしれないという話が出て、その準備などで忙しくなり、定期的にその教育機関での仕事に入れなくなったため、辞めました。

給与・待遇

月収 月収:5万~15万
月収内訳 1コマ50分:1,200円
基本労働時間 1日2~5コマ 週3~5日勤務
残業(時間外労働) 残業なし
待遇
  • 現地語学レッスン受講
  • 月1回の飲み会無料
教育機関が
用意してくれたもの
なし
クラスの長期休暇 長期休暇なし  

私は非常勤講師として、コマ単位で仕事をしていたため、自分の時間とも合わせたりと無理なく働けました。給与は、コマ単位では平均的な額が支給されたと思いますが、週単位、月単位で学生の人数が変動するため、安定した収入とは言えませんでした。

専任や常勤の講師は、年単位で契約し、月ごとに給与をもらっていました。ボーナスや教材作成などの手当ても出ていましたが、基本給が安いため、生活はぎりぎりだったようです。また、残業や追加での仕事も頼まれることが多かったようです。

Q:現地における他の日本語学校と比較し、違いは感じますか?

民間の日本語学校は多数あり、年に数回(多いところでは毎月)講師を募集しています。ビザや4年制大学卒業は法律で決まっているので必須ですが、養成講座420時間や日本語教育能力検定試験が必須ではない学校もありました。

民間の日本語学校では、EJU担当の講師でしたら、生活するのに十分な給与をもらっていたようです。

授業形態・勤務スケジュール

授業形態
  • クラス授業:1クラス10人
  • プライベートレッスン
  • 企業研修
学習者の年代
  • 高校生
  • 大学生
  • 社会人
1日の時間割 月~金
  • クラス担当時(週2回)
    9:00~16:00  
    中級クラス2~3コマ
  • 1:1もしくは1:2のプライベートレッスン担当時
    週6~20コマのプライベートレッスン
休日 土日 :
職場にはいかなくてもよかったですが、プライベートレッスン用のカードやその他教材を作成したりと準備はしました。平均して、週末に3時間以上は時間をかけていました。

Q:日々のスケジュール管理で、ここは大変だった!と感じた点はどこですか?

クラス担当時は、1クール(約3カ月)の保証がされているので、スケジュールも収入もわりと安定していました。1:1もしくは1:2のプライベートレッスンでは、月ごとに担当学生の人数が変わるため、月末になると、翌月の予定がわからず、他の仕事や私事の予定を組むことができず不便でした。

学生が休むときに、事前通知がある場合は別日に振り替えとなりました。当日突然休んだり、連絡なく休むと給与はでたので、スタッフルームで休んでいました。

Q:教案作りで参考にしているサイトや書籍があれば、ぜひお聞かせください。

参考になるサイト
みんなの教材サイト
登録制のウェブサイトで、教材作成のためのイラストを印刷したり、授業方法のアイディアを参考にしていました。基本的には教科書を使って教えていましたが、初級では、学校にはない教材や素材をネット上のイラストや写真などを使って教えていました。プライベートレッスンでは、具体的な目標のある学生が多いため、それに関する教材をそろえるため、このサイトをよく使っていました。
参考になる書籍
日本語教師必携ハート&テクニック    
対象者:全レベル
この本の内容に、直接的な教案づくりに参考になることは、書いてありません。しかし、知っていはいるけれど、何のために教科書があるのか、どういう教材や教具が効果的なのか、授業の組み立て方などを、より現実的に落とし込んで理解できる本でした。

Q:現地に行く前に、準備しておくと良いものについて教えて下さい。

季節行事に関するもの(説明や写真の入ったチラシや物)、申請に関する書類や写真、日本語のチラシやメニュー、切符やはがき、チケットなどなど、日本では用が済めば捨ててしまうようなものが、ほしいときに手に入れにくかったです。

日本は行事やライフイベントでのルールが多く、結婚式の招待状や写真、葬式の流れがわかるものなどは、機会がないと手に入らないので、手元に残しておくと、役立つと思います。

就職活動

国選びで重視した点 夫の転勤のため在住
現地における
日本語教師の需要
一部に人気があり、数は少ないが求められている
教育機関選びで
重視した点
通勤時間
応募時に
必要とされた資格
選考方法
  • 書類
  • 面接
面接地 海外:現地

Q:現地で、日本語教育の需要はありますか?

以前よりは日本語の需要はかなり減りましたが、民間の日本語学校では、講師の募集を定期的にしているようです。条件や学校の人間関係が悪くてやめるというのは、学校によってはあるようですが、講師自身が帰国するという理由も多い印象です。

EJUを目的とした高校生は一定数いますし、仕事上の目的のために日本語を学ぶ社会人もまだまだいます。

Q:面接ではどのようなことを聞かれましたか?

非常勤講師だったため、今までの経歴などはほとんど聞かれませんでした。必須項目(ビザ、大卒など)を確認され、具体的に働ける曜日や月の回数を尋ねられました。面接といっても、応募者が少なかったため、採用ありきの面接だったようです。

Q:強みになる資格や職歴、資質や語学レベルはありますか?

ビザの問題がなければ、日本語専攻でなくても4大卒で、日本語教育能力試験に合格していれば、たいていの学校で、常勤としてはたらくことができます。しかし、それだけですと、給与は最低ラインなので、EJUが教えられる(とくに理系や小論文)資格や職歴があれば重宝されると思います。

現地の言語か英語が話せれば言うことありません。

Q:その国の日本語教師に関する求人情報は、どこで得ましたか?

求人情報のサイト名
Konest
韓国情報が集まるサイトのコミュニティです。そこの生活交流掲示板で日本語講師をよく募集しているのを目にします。
その他求人情報
Japan Foundation:日本語教師の研修やサロンなど開催されています。直接的な求人はほとんどありませんが、日本語教育に関する情報が入ってきます。リンクが役立ちます。

Q:この教育機関で勤務すると決めた決め手、きっかけを教えて下さい。

韓国に転勤が決まり、ネットで韓国に関する情報を集めていました。そのときに、韓国情報サイトに、日本語学校の募集が数件出ており、条件に合う学校に応募しました。

ほとんど韓国語が話せなかったので、日本語で問い合わせや面接ができたことも大きな決め手でした。その日のうちに働くことが決まり、翌週には働き始めました。

日本語教師に関する全般の質問

Q:どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

日本では医療職で、専門職の強みを知っていたので、海外への転勤の可能性が出てきたときに、日本語講師の資格取得をしておきました。通訳や翻訳も考えましたが、取得に時間がかかるため、それよりは短期間であると思い、日本語講師の資格取得を目指しました。

Q:日本語教師をやってよかった!と、どんな時に実感しますか?

目的のある学生が多かったため、その目的や目標に向かって学生を手伝い、それらが叶ったと聞いたときはとてもうれしかったです。

劇団四季に入ることを目標としていた社会人の学生は、自分の日本語の歌や面接の質疑応答のために通っていました。その方の演技などの実力が高いこともありましたが、余裕で合格したと聞いてとてもうれしかったです。

Q:日本語教師になる為の進路についてアドバイスをください。

【学生の方へ】
得手不得手がある職業だと思います。教える技術よりも、コミュニケーション能力が高いほうがうまくやれると思いますし、他文化への理解も必要だと思います。まずはボランティアなどでもいいので、教えることや外国の方との関わりに対して、自分がどのように感じるのか体験することをお勧めします。

【社会人の方へ】
4大卒であれば、日本語教育能力試験に合格するのが一番早い方法だと思います。通う時間があり、海外で働くのであれば養成講座420時間取得でもよいと思いますが、どうせなら日本国内で働くことのできるほうをお勧めします。

Q:日本語教師を目指す方へ、アドバイスをください。

何を目的として日本語教師になりたいのかにもよりますが、得手不得手がある職業だと思います。教えることが好きなのか、他国で暮らすためなのか、金銭的な理由なのかはわかりませんが、気持ちだけやっていける職業でもないと思います。

教える技術よりも、コミュニケーション能力の高い方のほうが人気のある、楽しい授業を演出できる教師になれると思います。他文化への理解や自分の考えをしっかり持っていることも重要だと思います。

自分もいろいろなことを学ぶことを楽しめれば、とても有意義に過ごせると思います。

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