元日本語教師による
日本語教師の実態レポート

日本語教師になるにはどうすればいいの?資格はいるの?どんな風に教えるの?
具体的な経験を交えながら、教師の仕事について
"元教師"が実態をお伝えします。

日本語教師経験談:タイの民間日本語学校・高校・中学・企業

情報公開日:2014/08/10

海外での日本語教育経験に関する全般の質問

pongpong2003さん(43歳・男性) 
国名 タイ
期間 3年 (2010年10月~現在)
派遣先 民間日本語学校・高校・中学・企業
給料 月 16,000タイバーツ
日本円に換算して 月5万円
*なんとか生活ができる
滞在中、派遣先が負担したもの なし
派遣先での日々のスケジュール 平日 11時~20時/土・日・祝 休み
授業形態 ・クラス授業 1クラス 4~45 人ぐらい
・プライベートレッスン
・企業研修

Q:タイでの日本語教師経験について総合的な感想

タイには日系企業が数百社あり、そこに勤めているタイ人もかなりの数にのぼります。そのため日本語教師の需要は高いといえるでしょう。

とはいうものの2011年の大洪水以来、授業数がかなり減ったことも事実です。その中でコンスタントに仕事をとってくる営業力のある日本語学校に勤務することが、日本語教師としての経験を積む上でも重要だと思います。

学生たちは勉強した日本語を普段使う機会があまりありません。それで授業進度を気にし過ぎると学生たちのストレスが増すだけなので、ゆとりのあるコースデザインを考えることが求められます。

Q:どのような経緯でタイで勤務することになりましたか?

カンボジアに住んでいた経験もあり、もともと海外志向が強かったので養成講座を修了する前から、海外の職場を探していました。

養成講座の職員の方にも相談にのってもらって調査した結果、バングラデシュ、ネパール、カザフスタン、そしてタイの日本語学校が候補にあがりました。

スカイプで面接し、教育理念や生活環境、雇用条件を詳しく話し合った結果、タイの学校と合意に至りました。 日本やカンボジアと同じく仏教国で人々の気質も比較的類似しており、あまり時間をかけずに溶け込めるのではないかと思いタイに決めました。

Q:タイの日本語教育事情をお聞かせください。

やはり日系企業を相手にコースをもっている日本語学校は有利だと思います。毎年あるいは半年おきに新コースが始まると、切れ目なく仕事を続けることができるからです。日本語能力試験合格を目指すための、また日本への長期出張に備えての集中講座などもあります。

タイにおける一般的な日本語教師の給料は、2万バーツ、日本円で6万円くらいでしょうか。もちろん大学で教える場合は5万バーツ以上もらえるところもあるようです。非常勤だと自給100バーツから500バーツくらいでしょうか。

Q:現地でどのような日本語教師が求められると思いますか?

私がタイに来て間もなく4年になろうとしていますが、何人もの同僚が辞めていきました。中には数日で辞めてしまった人もいます。理由は様々ですが、生活環境になじめない人は続かないようです。

タイには都市部にも野良犬が多くいますし、排水溝からは何とも言えないにおいがいつもしています。化学調味料たっぷりの料理で体調を崩す人も少なくありません。体調管理がきちんとできていないと授業にも響いてきます。

海外生活経験者はわりと早く暮らしになじめるようです。いろんなことを気にしない、むしろ今の生活環境を楽しめることが長続きする秘訣だと思います。

Q:現地で苦労したことは?

タイ料理といえば激辛で有名です。辛さに慣れるのに1年ほどかかりました。「食事をするのにどうしてこんなに辛い(つらい)思いをしなければいけないんだろう」と思っていたことを覚えています。そのうち慣れてきて逆に辛くないと何か物足りない気がしてきます。そして日本料理がとても塩気の多いことに気づくようになります。

雨季にはスコールが降って、都市部でもあっという間にひざまで浸かるほど冠水することがあります。そんなときバスを乗り継いでの職場への行き帰りは、苦労します。

Q:現地に行く前にもっと準備すべきだったことはありますか?

タイ語の勉強をもっとまじめにしておくべきでした。タイ語は声調言語なので日本人にとって習得しにくい言語です。文法は比較的容易なのですが、同じ発音の単語でも声の高低で意味ががらりと変わってしまいます。

もちろん現在の日本語教育の主流は直接法といって、どこの国へ行っても現地語を使わず日本語だけで授業するといものです。

しかし現地で教える以上、ある程度現地語を話せると学生たちからも近づきやすい先生になることができます。学生たちも「自分たちだけが言語を学んでいるのではない、先生も自分たちの国の言葉を一生懸命学ぼうとしているんだ」と共感してくれて、より信頼されると思います。

Q:タイの求人情報はどこで得ることができますか?

問い合わせてみてすぐに連絡がとれる求人先がお勧めです。

Q:タイで今後日本語教師として働きたい人へ、
 どんなアドバイスをしますか?

私は地元高校での授業が苦手ですが、何とかやっています。逆に企業での授業は楽しくできています。同僚の中には、逆に企業での授業よりも、高校の授業のほうが好きだという先生もいます。

向き、不向きというものはありますが、それを先入観で決め付けてしまうのではなく、まず現地に飛び込んで実際にやってみることをお勧めします。

もしタイの風土があわなくても、せめて半年くらいはがんばってみてください。新たな発見や喜びが見つかるかもしれません。

どうしてもだめなときは、日本語教師を必要とする国がいくらでもありますので、どこへでも行けるでしょう。。世界中、どの国へ行っても需要のある素晴らしいやりがいのある職業です。

いつか日本に帰って教えることになるとしても、海外での経験はきっと役に立つはずです。

日本語教師に関する全般の質問

日本語教師歴 3年 (2010年10月~現在)
現在も日本語教師の職に就いています
(民間日本語学校)
その他の海外教師経験 なし
資格・課程 日本語教師養成講座420時間
(学校法人福岡成蹊学園 日本語教師養成科)
日本語教師へ転職前の職 電力関連会社

Q: もともとはどのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

以前カンボジアで3年間ボランティア活動をしていたときに、プライベートで小学生に日本語を教える機会がありました。

反応のいい子供たちでとても楽しく教えられたのですが、反面、体系的かつ系統だった教え方が分からずに大変苦労したのを覚えています。どうすれば効果的に教えることができるのだろうかと悩みました。

その後、日本に帰国した際に日本語教師養成科の存在を知りさっそく受講を申し込みました。
もともと海外での生活を目標にしていたこともあり、現地の人々と深くかかわることのできるやりがいのある仕事として日本語教師職を目指しました。

Q:日本語教師をやってよかった!と、どんな時に実感しますか?

50音のひらがなを覚えることから始めた学生たちが、ある程度会話できるほどまでに上達したときにはとてもうれしく感じます。日本語でメールを送ってくれる学生もいます。

また学生の中には、いわゆる勘のいい人とそうでない人がいます。あるとき授業についてくるのがやっと、という学生が、休日にショッピングセンターの中にあるカフェで遅れを取り戻そうと一生懸命、一人で勉強している姿を偶然見かけたことがあります。その真剣に取り組む姿に感動を禁じえませんでした。

このように日本語教師は自分がやってきたことの成果が目に見えて返って来るやりがいのある職業です。

Q:日本語教師を辞めたいと思ったことはありますか?

本気で辞めたいと思ったことはないのですが、ストレスを感じるクラスを受け持つことはあります。

地元の高校に出向いて日本語クラスを教えるときは気分が落ち込むので、それを顔に出さないよう気をつけています。

一クラス30名から45名ほどいる学生の中で、本気で学ぶ意欲をもっている子は20%いるかいないか、という状況です。

少しでも日本語に興味を持ってもらえるよう視聴覚教材を使ったり、アクティビティをしたりするのですが、なかなか注意を引いてもらえません。 それでもまじめな学生のために授業は進めなければなりません。

日を追うごとにまじめな学生とそうでない学生との差が開く一方で、授業の進め方に相当頭を悩ませます。

Q:今後どのような日本語教師を目指したいですか?

以前学んだ養成科で「日本語教師は例文が命」と教えてくれた講師がいました。技術面における目標は、状況に応じた正しい例文がすぐに出てくるような教師になることです。

そして学生が日本語を臆せずに話せるように励ましたいと思います。生真面目な学生の中には間違いを恐れて、発話したがらない人もいます。

日本人が聞いて理解できる程度の言い間違いは、あまり指摘しないようにしてのびのびと会話できるように自信を持たせることが重要だと考えています。

また日本の文化を紹介したりもしますが、それを決して押し付けないようにしたいと気をつけています。教える立場にいますが、相手の国の文化を尊重し、ときにはこちらが教えてもらう、という謙虚な態度で学生に接したいと考えています。

Q:教案作りで参考にしている、重宝しているサイトや書籍はありますか?

授業の導入のやり方を参考にできます。コンテンツ「みんなの日本語の単語」はとても使えます。その中に「全単語と検索ツール」「項目別単語リスト」「課別単語リスト」はどの課にどの単語が出ているのかすぐに分かるのでとても便利で助かっています。

また例文や正しいアクセントも載っているので、テンポよく生き生きとした発声練習をすることができています。

文法の質問を受けたときには、ほとんどの答えをこの本から答えることができます。例えば「は」と「が」の基本的な使い分けについて説明することができました。

Q:通った日本語教師養成講座420時間コースの感想を教えてください。

日本語教師を目指す方にはぜひお勧めします。

そこで模擬授業をすることで教壇に立つことがいったいどういうことなのか、体感できるのは非常に重要な経験になります。

教案作りを何度もしたことも後々必ず役に立ちます。「日本語教育史」や「音声」の授業等、今まで知らなかった日本語の新たな面に気づかされ、母語である日本語を見つめ直す大変よい機会なりました。

養成科講師の中には、上から目線の人や、ただ資料を読み進める人もいましたが、それは反面教師として捉えて後に活かすことができます。

私が受けた養成科は、日本語専門学校と併設されていたので、実際の外国人学習者を相手に模擬授業を数回行うことができました。可能ならこのようなより実践的コースをお勧めします。

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