ヒューマンアカデミー養成講座420時間見学レポート

私が養成講座を受けたのはかなり昔のため、今回最新の420時間コースのリサーチと併せて、ヒューマンアカデミーにて授業見学&取材をしました。
日本語教師養成講座の中でも20年以上の運営の人気校ということもあり、「実際のところどうなのか?」と言ったお話も含めて、かなり突っ込んだ質問をさせていただきました。
以下、今回の取材・授業の見学を通じて、私なりに「良かった点」とまた正直に「気になった点」も含めてまとめました。
気になった点:受講料は高め

取材や他社のリサーチをして、特に気になった点が1つありました。受講料です。
私は主に8つの養成講座を比較しまとめていますが、平均受講料は56万5800円でした。テキスト代等すべて込みです。
それに対して、入学金 3万2400円+授業料57万2400円=合計60万4800円。ママ割引と学生割引(5%)該当者であれば、54万3780円となりますが、額面だけを見ると通常価格はやや割高感があります。
※最大60回払い等、大手ならでは支払方法は充実していました。
良い点1:欠席補講のシステムや教材が非常に充実
特に良いと思ったのは「教材に全講義DVD38巻が含まれる」という点です。
- 4枚ずつ収納できる非常にコンパクトなDVDケース
- パッケージデザインもおしゃれ
- スタジオで別途撮影されたもので、画質が良い。テロップ入りで見やすい。音も聞きやすい。
HPに「永久保存版」とあったのは納得な教材でした。養成講座受講中の理解をさらに深めるための繰り返し授業や補講としてはもちろん、養成講座修了後改めて復習するにも非常に役立ちそうです。
大手ならではの振替制度・補講
振替等の制度は大手ならではで大変充実しています。
- 全国30拠点。急な引越しでも安心。
- 新宿校は毎日開講しており、振替しやすい。
- 東京近郊は、近隣校への振替が可能。
- 通学クラスの変更や受講期間の変更が可能。
読みやすいオリジナルテキスト+現場で広く活用されている教材を使用

オリジナルテキストの中身を見させていただきましたが、文字も大きく読みやすいかったです。(受講生より文字を大きくしてほしいと要望があり、大きくしたそうです)
プラス、良かった点はテキストはオリジナルテキストももちろん使用しますが、それに固辞せず、日本語教師が現場で実際に使用しているものを積極的に採用しているそうです。そのため、養成講座修了後もすぐに、そして末永く現場で使用できます。
実際に教材を見ても、オリジナル教材と、現場を離れた私でも知っている有名教材が揃っていました。
私が通った養成講座はほぼすべてオリジナルテキストでしたが、読みにくくわかりにくかったため、結局、修了してから目を通すことはありませんでした。現場に出てからは市販の有名教材を買い直しましたため、養成講座でも現場によく使用されている教材を使うのはとても魅力的です。
その他のテキストではヒューマンアカデミーの講師陣により作成された『日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド』がありました。

シリーズ膨大な出題範囲を、1冊で学習できる内容で、Amazonや楽天ブックスのレビューでも高い評価を受けています。
授業で使用する教材も充実

今回の取材協力いただいた際に「中級クラスの教え方」の授業を見学したのですが、その中で実際の日本語教師の授業をDVDで見ることができました。また、授業の中では、DVDの授業の実際の書き起こした教案も配られていました。
ここまで見本を見せてもらったら、模擬授業もすごくやりやすいだろうなぁ・・・
私自身、何度もお伝えしていますが、養成講座でベテランの講師が実際にどういった教え方をするのか、420時間の最後の最後に一度だけ見ることができました。しかもたまたまのアクシデントで、15分程度だったと思います。早い段階で一度でいいから一度実際の講師の授業を見てみたいとよくクラスメートとも話をしたものです。
ヒューマンアカデミーでは実技の授業で2・3回に1回は全員が毎回模擬授業を行うとのことでしたので、模擬を多く行えるのは心強いですね。
*余談ですが、私が見学した授業では前の週が模擬授業があったらしく、講師の先生が「今日は模擬授業もなく、みなさんリラックスムードですね~。」とおっしゃってました(笑)。
理論の授業でもできるだけ実践的な内容も盛り込む

理論の授業で研究を主にされてきた講師だと、理論の説明に終始してしまうことがあります。それはそれで興味深い内容ですが、実際にこの授業で学んでいる内容がどう役立つのかが想像できず、よくモヤモヤしたものです。ヒューマンアカデミーでは
- 研究に加え、実際に日本語を教えた経験が豊かな講師を採用する。
- 授業のカリキュラムでは文法の話だけに終始せず、多角的に説明する。
例)動詞の活用:「活用ができた背景(歴史)」「活用のルール(文法)」「多言語との比較(対象言語学)」「実際の教え方 (教授法)」を同時に学べる。
一方的な講義だけではなく、ワークを取り入れた課題解決型授業
私自身、実践でも模擬以外はひらすら講義形式の養成講座に通っていたため、ヒューマンアカデミーで私が見学した「中級の教え方」では講義+グル―プで考えて授業を組み立てる考えさせるワークが多いのも印象的でした。
課題や演習の中で分析力を養い、「考える力」のある講師を育てるためのカリキュラムを意識されているそうです。
実習の先生と曜日が選べる!
ヒューマンアカデミーでは実習のクラス(講師・曜日)が選べます。もちろん、授業が多い首都圏で、選ぶだけの講座数があるというのが前提だと思うのですが。
しかも、実習の講師のクラスを見学して、決めることができます。
私自身実は最後の実習で苦手な先生に当たり、少し苦い思い出です・・・
その点、実習も受講生側に選ぶための環境(見学)まで整えられているのは非常にありがたい制度だと感じました。
最後に、ヒューマンアカデミー以外にも特に首都圏には多くの養成講座があります。選択の余地があれば、個人的には複数の養成講座の資料請求や説明会等を受けて比較し、自分が「これだ」と思う養成講座にみなさんが出会えればと思います。