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海外日本語教師経験談

オーストラリア ビクトリア州 小学校(2011年) 授業案の作成は大変。でも刺激的で楽しい

👩 とんぼさん・ 32歳

総評

  • オーストラリア ビクトリア州 小学校
  • 雇用形態:非常勤講師
  • 期間:2年 (2009~2011年) *退職
  • 月収:17万円 (2,000オーストラリア・ドル) *それだけでは生活は難しい
  • 勤務時間:1日7時間 週3日勤務   *残業:1ヶ月合計15-20時間: 授業の準備・レポートなど

オーストラリア留学中、「自分は子供達に何かを教え、共に学びたい」という気持ちがある事に気がつきました。それから、どうしたら現地の小学校で働けるかを調べ、それに必要なIELTSを受験し、大学で小学校教員免許を取得するためのコースに入学しました。

私が勤務した学校は、2校目に実習をさせていただいた所でした。実習当時は日本語の教科がない代わりに、クラスの先生方が協力し、一年を通じて4カ国語を教えていました。

幸い、日本語がこのうちの一つだったので、ボランティアで教えさせてもらいました。2−3クラスをまとめての授業だったので、始めはとても緊張しましたが、他の先生も一緒だったので、とても楽しかったのを覚えています。

就任時は日本語のカリキュラムがなかったので、州の第二外国語の教育基準に従い、一からカリキュラムを作成しました。週3日の勤務でしたが、それだけではカリキュラム作成から授業案までを準備する時間は足らなかったので、週末に集中して仕事をしていました。

先生と生徒達が楽しめた時間の一つは、日本の物を紹介する時間。通常、授業の始めと終わりに、全員が教室の前の方に集まり、床に座って先生の話を聞きます。

その時間を利用し、毎回、日本の物を一つ、紹介していました。ただ見せるのではなく、見せる前に箱に入れ、それを生徒が手で触り、感想を言います。

日本語で「おおきい/ちいさい」や「かたい/やわらかい」など簡単な日本語を使いながら、みんなの前で説明します。特に、低中学年の生徒達は、楽しみにしてくれていたようで、毎回、 準備しているかをチェックする生徒がいたほどです。

簡単ですが、これも生徒達の勉強意欲に良い影響を与えていたと思います。

仕事量はフルタイムの先生達と変わらない気もしましたが、授業はとても刺激的で楽しかったです。

日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

小学校では教科書を使いません。ですので、なるべく子供達が興味を持ちそうな日本の文化、日本語をどのように教えるか考えさせられました。

プレップ(5歳児のクラス)から6年生ではできる事やしたい事も違いますので、クラスの先生の授業内容を把握しながら、日本語の授業案を作成するように心がけていました。

例えば、プレップのクラスでは、文字を書く練習よりも、日本語の音楽にあわせて、体のパーツを日本語で覚えるという事に集中する。また、5、6年生では、自分の好きな人/尊敬する人に関して、日本語を使って説明するというプロジェクトをした事もあります。

簡単な定型文を使い、文章を作成し、それをA3用紙に書き出すという課題でしたが、意欲のある生徒は完成度の高い作品を提出していました。

日本の文化については、インターネットで色々と情報を収集し、ビデオやプリント作成などもしました。

前述したように、自由にカリキュラム作成ができたので大変でしたが、自分流に授業を進行できたので、良かったと思っています。

なぜこの小学校を退職しましたか?

勤務地では何度か、フルタイムで働くオファーをいただいていました。ですが、夫のサポートで忙しかったため、お断りしていました。

また彼の転勤があった事、また自身が妊娠し、仕事に支障をきたす可能性があったため、やむを得ず退職しました。

給与

月収:17万円 (2,000オーストラリア・ドル)
それだけでは生活は難しい

授業の準備や年2回のレポート作成にはプライベートの時間を使う事は必須ですが、その分、年4回まとまったお休みがあります。ですので、そのお休みを励みに、どうにか乗り切っていました。

休暇中は学校自体が閉鎖されているので、職員達の出勤は校長と事務員以外、呼び出される事はほぼありません。ですので、日本の学校に比べるとだいぶ恵まれているのではないでしょうか。

私は、日本でいう健康保険証を所持していたので問題ありませんでしたが、所持していない場合には医療費の出費が大きくなると思います。

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給与

  • 月収:17万円

月収の内訳

  • 週三日:170,000円

待遇

  • 健康診断
  • ワークショップや救急処置のコースなど

雇用形態

  • 非常勤講師

勤務時間

  • 1日7時間 週3日勤務   *残業 1ヶ月合計15-20時間: 授業の準備・レポートなど

学校が定める学生の長期休暇の有無

  • 春休み:約14日・夏休み:約42日・秋休み:約14日・冬休み:約14日

長期休暇中の給与保証

  • 仕事はないが、給料は支給される

授業形態・勤務スケジュール

スケジュール管理で大変だったことは?

自分の希望で週3日にしていただいたのですが、結果的には、プライベートの時間に授業準備をしていたので、私生活との切り替えが難しかったです。

工夫をした点は、何があっても6時以降は学校に残らないことでしょうか。また、週末はなるべく一日はオフの時間を作り、生活にメリハリをつけるように心がけました。

ですが、かわいい生徒達の事を考えると、自分で納得いくまで準備をしたくなってしまうので、先生をしている限り、しょうがないのではないでしょうか。

授業形態やスケジュールの詳細を読む...

主なクラスの授業形態

  • クラス授業  1クラス25人

学習者層

  • 小学生

スケジュール

  • 9:00〜15:30  プレップ(5歳児クラス)から6年生のクラスを5コマ 休憩時間に次の授業準備
  • 16:00〜17:00  スタッフの会議
  • 17:00〜18:00  授業案の作成など
休日
  • 木曜日
    休日に取り組んだ仕事:数時間ほど、授業案の材料をインターネットで探したり、本を借りたりしました。
  • 金曜日と土曜日
    オフの日にしていました。行事やレポートなどで忙しい時期は、これらの日も半日ほど仕事をしていました。
  • 日曜日
    週末の一日は授業準備やレポートなどに追われていました。

教案作りで参考にしているサイトは?

教案作りで参考にしている書籍は?

就職活動

この小学校で働くきっかけ・決め手は?

前にも述べましたが、現地の大学在学中に、実習をさせていただいた学校でした。基本的にはクラスの教員としての実習でしたが、ボランティアで日本語の授業も担当し、実習後も継続していたところ、オファーをいただきました。

この小学校で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

私の場合は、州認可の小学校教員免許が必要でした。大学で学ぶ以前は、オーストラリアの小学校教育に対して、 (お恥ずかしいですが) 無知に近かったです。

ですので、自分の時間を最大限に使い、色んな学校で授業を見学させていただいたり、小学校でボランティアをしながら、勉強しました。

日本に比べて、同僚達とはフランクな付き合いができ、冗談も飛び交うとても楽しい職場でした。ですので、何事にもポジティブ姿勢が必要だと思います。

また、当たり前ですが、分からない事は聞くことが大事です。そのことで、自分のできる事が2倍にも3倍にもなる事がありますからね。

就職活動で参考にしたウェブサイトは?

  • Seek
    色んな求人が掲載されています。非常勤の求人をよく見ます。

就職 教育機関選びで特に重視した点

  • 必須資格
  • 学校の規模
  • 通勤時間

応募時に必要とされた資格

  • ビクトリア州の小学校教員資格

日本語教師全般に関する質問

どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

当初、オーストラリアには、ホテル学を学ぶために留学しました。留学中、本当に自分のやりたい事とは何かと思い悩む時期がありました。人に相談するうちに、本当に挑戦したい事は、小学校教員ではないかと思うようになりました。

もともと人と接する仕事に就きたいと思っていたので、大学に入学後、すぐに教員の魅力に引き込まれていきました。

また、日本語と英語のバイリンガル小学校でのボランティア経験が、日本語教師の面白さを知り、目指すきっかけになったと思います。

日本語教師をやってよかった! どんな時に実感しますか?

日本語を全く知らない生徒達が、授業を通じて、 片言でも、楽しそうに使えるようになった時でしょうか。例えば、低学年の生徒に数字1−10を、体を動かしながら 、教える授業がありました。

子供達はゲーム感覚で 練習しました。授業後、自宅で親御さんたちに自慢げに教えくれたという事を生徒のご両親からお話を聞いた時など、嬉しく思います。

また、年に一度、日本語の日という学校イベントをしました。ある年は、空手の先生をお招きし、全校生徒の前で空手というものを紹介していただきました。

そして、その後はクラスの先生方に手伝っていただき、日本文化に関する色々なアクティビティをしました。 おにぎり作り、はちまき作り、盆踊り、絞り染めなど、生徒にとっては初めての体験が多かったようで、どれも楽しそうに取り組んでいました。

準備はとても大変でしたが、一日中、楽しそうに日本の文化にふれる子供達の笑顔は今でもよく覚えています。このお仕事やっていてよかった!と思います。

学生のみなさんへ 進路についてアドバイス。

州認定の教員免許取得に必要な基準が上がっているので、それに対応できる英語力が必要だと思います。

オーストラリアでは、IELTSのテスト結果が大学入学、また教員免許の資格を申請する際に必要(例外もあるかもしれませんが)となるので、日本にいる間に、英語の勉強やIELTSの受験をしておいた方が良いかもしれません。

社会人のみなさんへ 進路についてアドバイス。

学生の方と同様です。ちなみに、私が履修したコースでは20代から40代くらいのクラスメイトがいましたので、年齢は気にならなかったです。

日本に比べて、海外の方が、年齢よりも仕事に必要な実力があるかどうかをより重視してもらえます。ですので、社会で培った実力や経験を日本語教師の仕事で発揮していただければと思います。

オーストラリアで日本語教師を目指す方へ心構え・アドバイス。

他国同様、小学校からパソコンを使った授業を行います。そのため、日本語の授業でも、ITのスキルを取り入れた授業になります。

例えば、授業の始めに、その日に学習する内容を、パワーポイントを使って紹介したり、ウェブサイトを閲覧しながら、説明したりして、授業を進めていました。

また、生徒が日本の文化を勉強するために、インターネットで調査したり、アプリを使って、ひらがなの書き順を勉強したりと、パソコン&タブレット必須です。ですので、パソコンやタブレットに精通する事も勉強の一つになるかと思います。

オセアニアの国・地域別 経験談

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