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海外日本語教師経験談

ドイツ 北部 市民学校(2019年) 市民のための日本語講座

👩 Rさん・ 33歳

総評

  • ドイツ 北部 市民学校
  • 雇用形態:非常勤講師
  • 期間:1年 (2018~2019年) *現在も勤務中
  • 月収:2万円 (160ユーロ) *それだけでは生活は難しい
  • 勤務時間:1日1コマ 週1日勤務   *残業:残業なし

私が勤務しているのはドイツのフォルクスホッホシューレという、市が運営する市民学校です。日本語のほか、各種外国語、料理、絵画、スポーツなど、いろいろなコースが開講しています。

ここに学びにくる方々は、年齢は様々、時には国籍も様々です。私のクラスでも15歳の中学生から定年退職後の年配の方まで、一緒に日本語を学んでいます。そのため一人一人がどのくらいできているか、授業についてこられているか、教科書の内容にさしつかえがないかなど、よく見ながら進めています。

例えば年配の方には難しそうだったらペアワークの難易度をペアごとに調整し、発音がうまくいかなかったら似ているドイツ語の単語の発音をヒントに練習してみるなどしています。

写真は参考にしているドイツ語版文法解説です。現地の出版社が発行している教科書もあります。それぞれ学びの量や速度は違っても、皆さんが授業の中で何かひとつでも身につけて帰ってもらえるよう授業を行っています。

日本語学習を始めるきっかけとなった興味も、マンガやアニメを日本語で読みたい見たい、日本の屋台注文して食べてみたいなど、人それぞれです。興味はさまざまですが、皆さんで話題がふくらみそうなこと、例えば最近日本で話題のニュースや、今日は日本では何の日かなど、授業の内容に関連付けて話したり、授業の初めに話したりします。

私もいろいろな人の考え方を聞き、教わることが多いです。ドイツではお互いを対等の関係として、自分の意見を主張し相手のことも尊重するというところが日本よりもあるので、私もクラスでは先生と生徒というより、学ぶことを助ける補助者のような存在となるよう努力しています。

こういったことは教育機関によって様々ですので、これから日本語教師になられる方はご自分がどのようなところで働きたいのか具体的に想像されてみるといいかもしれません。

日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

例えばアジアの国の日本語学習者は、日本への留学や仕事に活かすことを目標にしていることが多いと思いますが、ドイツでは趣味として日本語を学ぶ方が多いです。

人生を左右する勉学や仕事のためではないので、レベルが上がり内容が難しくなるにつれて継続して学習する方が極端に少なくなります。特に私の働いている町はあまり大きくないので、生徒の確保に苦労しています。

給与

月収:2万円 (160ユーロ)
それだけでは生活は難しい

現在子供がまだ0歳のため、子育てと両立できる程度しか働いていません。現在の1コマでも生徒集めに苦労しているので、もしコマ数をもう少し増やせたとしても、それだけで生活できるにはほど遠いと思います。給与は高くはないですが、すごく安いというほどでもないので納得しています。

福利厚生などの待遇はありません。このくらいの仕事量だと妥当なのではないかと思います。そのかわり、同じ地区のほかの市民学校と合同の講師向けセミナーなどに参加することができます。私は参加したことがありませんが、何か月かにわたるセミナーを終了すると修了証がもらえるものもあるそうです。

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給与

  • 月収:2万円

月収の内訳

  • 1コマ90分:5,000円

待遇

  • なし

雇用形態

  • 非常勤講師

勤務時間

  • 1日1コマ 週1日勤務   *残業 残業なし

学校が定める学生の長期休暇の有無

  • イースター休み:約3週間・夏休み:約2ヶ月・秋休み:約3週間・秋休み:約3週間・クリスマス休み:約3週間

長期休暇中の給与保証

  • 長期休暇中は仕事をしていない

授業形態・勤務スケジュール

スケジュール管理で大変だったことは?

勤務時間帯ですが、大学や高校以外の教育機関の日本語授業はだいたい平日の18時以降か土日です。私の夫は職業柄16時くらいには家に帰ってくるので、まだ小さい子供をたのんで18時からの授業に行きます。

夫が残業になってしまうときは家を出るのがギリギリになってしまうので、授業のある曜日のみは、私が仕事に行く時間に間に合うように予定を調整してもらっています。

授業形態やスケジュールの詳細を読む...

主なクラスの授業形態

  • クラス授業  1クラス8人

学習者層

  • 中学生
  • 高校生
  • 大学生
  • 社会人

スケジュール

  • 月曜日 18:00~19:30 初級クラスを1コマ
  • 土曜日 2~3時間程度、授業準備
日曜日 一日休めています

教案作りで参考にしているサイトは?

  • みんなの教材サイト
    授業内でできる活動を探しています。ぴったり当てはまらなくてもヒントをもらってアレンジすることもあります。
  • News Web Easy
    NHKによる、やさしい日本語で書かれたニュースのウェブサイトです。中級~上級の読み物として活用しています。最近の話題を扱えます。

教案作りで参考にしている書籍は?

就職活動

この市民学校で働くきっかけ・決め手は?

以前は自宅から30分以上かかる大都市の勤務先を複数かけ持ちしていました。しかし子供ができたことをきっかけに、保育園などにあずけなくても仕事が続けられる自宅から近い勤務先を探し、通勤時間徒歩15分の現在の学校へ履歴書を持っていきました。飛び込みでしたが履歴書を受け取ってくれて、後日面接への招待の連絡がありました。

面接ではどのようなことを聞かれましたか?

それまでに勤務してきたところでどんな授業をしていたのか履歴書に書いていたので、それについて聞かれました。新しく何かいろいろ聞かれたというより、履歴書の内容の確認と、私が勤務できる条件の確認という感じでした。

この市民学校で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

日本語教師としての職歴が絶対に必須ではないと思いますが、あればあるほど任せられる授業は多くなると思います。

また、ほとんどの教育機関で日本語の授業は週1コマ、多くても2コマだと思うので、日本語のみでは学習の進みに限界があり、ドイツ語での授業を求められることが多いです。生徒の母語によっては英語でも可能という場合もあります。

ドイツ語が流暢であれば有利だとは思いますが、語学教師としての経験があり、授業を運営できる最低限のドイツ語力さえあれば大丈夫と判断する学校も多いと思います。

私自身、ドイツに来て間もないころ、まだ初級後期くらいのドイツ語の状態でも雇用してもらえました。語学教師としての経験がなく、ドイツ語力もないと難しいかもしれません。

ドイツ人は自己主張をしっかりする人が多いようで、生徒が何でも言われたようにやってくれるとは限りません。それはできません、と言われてしまったら感情的にならず、冷静で柔軟に受け入れられるといいと思います。逆に無理な要求をしてくる方には、何ができて何ができないか、はっきりした態度を示すことも大切です。

就職活動で有効な手段は?

  • 『日本語教育関係者からの紹介』
    求人情報は現地日本語教育関係者の間のみでやり取りされることが多いです。現地での日本人の人脈を大切にし、日本語教師会などに所属してセミナーや勉強会に参加し、知り合いを増やすといいと思います。
  • 『現地語学学校のウェブサイト』
    講師募集と書かれていることがあります。書かれていなくても履歴書を持っていけば受け取ってくれ、ちょうど日本語教師に欠員があったり興味をもってもらえれば日本語コースを持たせてもらえることがあります。

就職 教育機関選びで特に重視した点

  • 通勤時間

応募時に必要とされた資格

  • 特に日本語教師を募集していたわけではなく自分で履歴書をもっていきました。経験は重視していたようです。

就職 選考方法

  • 書類
  • 面接

面接方法

  • 現地にて実施

日本語教師全般に関する質問

どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

海外で働いてみたいと思ったのがきっかけです。親が外国に縁のある仕事をしており、もともと外国へのあこがれは強かったと思います。前職では会社員をしていましたが、内勤を続けていく中で、一度だけでいいから海外へ出てみたいという気持ちが強まりました。

ちょうどそのころボランティアで地域の外国人に日本語を教えていたので、これで専門性を高めていこうと、働きながら勉強しました。その後日本語教育能力検定試験を受け、アジアで働き始めました。

日本語教師をやってよかった! どんな時に実感しますか?

生徒が、わかった!と理解する瞬間を見ると、教える仕事でしか味わえないと思える喜びを感じます。

日本語能力試験の後、先生と勉強したことが試験に出ました!と生徒がうれしそうに報告してくれたときや、日本語スピーチ大会の準備を一緒にがんばって、当日生徒が立派にやりとげたときも、日本語教師をしていてよかったと思いました

日本語教師を辞めたいと思ったことはありますか?それはどうしてですか?

給料が高いとは言えないので、ときどきほかの仕事をした方がいいのではないかと思うことがあります。でも給料が安くても仕事があまりなくても、幸い続けていかれる環境があるので、コツコツ続けていくしかないと思っています。仕事自体が嫌で辞めたいと思ったことはありません。

学生のみなさんへ 進路についてアドバイス。

大学などの教育機関では、日本語教育やそれに関連する専攻で大学院卒というのが応募条件になっています。私は大学院には行っていないので具体的にどのようなことがどのくらい身につくのかはわかりませんが、そういったところで教えたい場合は大学院をおすすめします。

社会人のみなさんへ 進路についてアドバイス。

働きながら養成講座に通うことをおすすめします。養成講座に通えるお金や時間の余裕がない場合は、日本語教育能力検定試験を受験するのもいいと思います。独学でもいいと思いますが、検定試験対策の集中講座などを受けるとコツがつかめますし、現役の先生方にお話を聞けるチャンスにもなるのでおすすめします。

とにかく今の仕事は辞めず、お金をためながら日本語教師を目指すといいのではないかと思います。お金の問題はずっとついてまわりますので・・・。

また、勉強をしながら地域の日本語教室などでボランティアで教えると、具体的にどんなことを学べばいいのか見えてきますし、初めての就職活動でも多少アピールできる点になるのではないでしょうか。

ドイツで日本語教師を目指す方へ心構え・アドバイス。

ドイツで日本語教師だけで生計を立てるのは、大学で専任講師としての勤務以外ですとはっきり言って難しいです。ほかの日本語教師をされている先生方は、副業をもっているか、そもそもほかの本業があって日本語教師は副業という方が多いです。

とにかくドイツが好きで、ドイツで日本語教師として働きたいという方は、現地へ来て仕事を探してみるといいと思います。

小さな仕事でも何件かあれば、最初の就労ビザを取るまではそれほど難しくはありません。そのビザを更新し、生活を成り立たせていくには努力が必要ですが、チャンスはくれる国だと思うので、ぜひがんばってください!

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