元日本語教師による
日本語教師の実態レポート

日本語教師になるにはどうすればいいの?資格はいるの?どんな風に教えるの?
具体的な経験を交えながら、教師の仕事について
"元教師"が実態をお伝えします。

オーストラリアの企業 経験談

子どもの学びたい気持ちは万国共通!

公開:2018/11/18

Queenslander(女性・27歳) 
日本語教師歴 2年 (2016年~2018年)
*現在も日本語教師として就労中
資格・課程 なし
オーストラリアの企業
経験詳細
  • 地域:クイーンズランド州
  • 月収:約34万円(約4,000 AU$)
    現地で生活をするのに十分
  • 専任講師(正規雇用)
  • 2年(2016年~2018年)
    *現在も就労中

オーストラリアの保育園で、様々な国籍の子どもたちに日本語を教える保育をしています。オーストラリアの多国籍社会を反映するように、園には様々な文化背景を持った子どもたちが在籍しています。

中には3つの言語を操るトリリンガルの子どもたちもいます。複数の言語を話す子どもたちに新たな言語を教えるとさらに混乱させてしまうんではないかと最初は不安に思っていましたが、教え始めてみるとバイリンガルやトリリンガルの子どもたちの方が比較的に覚えが早く日本語の執着力が強いように思います。子どもたちの記憶力には驚かされることが多く、本当に興味深いです。

日本の保育園とは大分雰囲気の異なるオーストラリアの園で教えているので戸惑うこともたくさんあります。団体行動や忍耐力などを身につける保育を展開している日本は、子どもたちの集中力も長く先生の話をよく聞ける子どもが多いように感じます。

反対にオーストラリアでは子どもたちの意思や自由を尊重する保育が主流なので、子どもたちがやりたくないと言ったら子どもたちが決めた「やらない」という判断を尊重します。

またグループ活動も日本と比べて少ないのが特徴です。その為、集中力や団体行動力がやや弱い為、教える際に苦労することもあります。しかしそこは郷に言っては郷に従えということで私も柔軟に対応することを心がけています。

一歳児以下、一歳児から二歳児のクラスは20〜25分のレッスンでプランを組んでいます。2歳児以上のクラスは30分のレッスンを行います。3歳後半から4歳児以上のクラスではアートの時間と座学も取り入れてレッスンを組みます。異なる年齢層に対するレッスンプランを組むのは苦労しますが、反応がよかったり子どもたちの笑顔を見れると頑張ってよかったなと思います。以上のレッスン時間範囲内でしっかりレッスンプランを組めば、子どもたちはきちんと座り落ち着いて集中し話を聞けることが出来ます。

オーストラリアはとても親日国で、小学校や中学校でも外国語の選択肢に日本語の教科があります。その為私の日本語レッスンは保護者に好評で、保育園から日本語に親しみを持つ機会があるということはとても喜ばれます。

Q:現地で苦労した事、戸惑った事はありますか?

日本人の子どもが英語を学ぶ時は全て英語で授業を行うのが主流ですが、こちらの子どもたちにはそのメソッドは通用しないということをレッスンを始めて1日で気づきました。英語をメインに授業を進めて要所要所で単語や文などで日本語を使う形が一番効果的な学習方法だと思います。そのためある程度の英語力が必要になると思います。日本語の文の構造や単語、文化などの説明を英語で出来ることが求められるように思います。

多い日は1日7セッションのレッスンを行うので、体力的や精神的に疲れを感じます。同じことを何回も繰り返し繰り返し行うので(異なる子どもを対象に)、自分自身が飽きてしまわないようにレッスン内容を少しだけ変えています。

給与・待遇

裕福ではないが贅沢をしなければ十分暮らしていける程度の給与だと思います。月によって変動はありますが貯金も頑張ればきちんと出来ます。オーストラリアは物価が比較的に高いのですが、給与もそれに見合って高めの設定になっています。

日本の保育士労働状況と比べても待遇はよく、時間外労働は全くなくシフト通りに仕事を始めて終われます。病気手当もありますし、有給も年に4週間確保されており好きなときに休みがとれます。ボーナスはありませんが、有給をとった時に有給手当でお金が少しだけ出ます。昇給は年に2回あります。

Q:現地における他の日本語学校と比較し、違いは感じますか?

私は現地の保育士としての登録で、日本語を教えているという形の扱いなので他の保育士と同じ給与を受け取っています。なので、給与に対しては他の保育士と変わりはないです。

待遇はよくプログラミングという授業の準備や書類をやる時間がしっかり確保されているので、持ち帰って仕事をすることはほとんどないです。

授業形態・勤務スケジュール

授業形態 クラス授業:1クラス5~20人
学習者の年代 乳幼児
1日の時間割 月曜日
  • 9:00~11:30  
    乳児2クラス、幼児3クラス、年長児クラスを周り6セッション
  • 11:30~1:00  
    プログラミング
  • 1:00~2:00  
    ランチ
  • 3:00~5:00  
    授業の準備や他のクラスの手伝い
火曜日
  • 9:00~11:30  
    乳児1クラス、幼児4クラス、5セッション
  • 11:30~1:00  
    授業の準備など
  • 1:00~2:00  
    ランチ
  • 2:00~3:00  
    年長児1クラス 2セッション
  • 3:00~5:00  
    授業の準備や他のクラスの手伝い
水曜日
  • 9:00~11:30  
    乳児1クラス、幼児3クラス、5セッション
  • 12:00~1:00  
    ランチ
  • 1:00~2:00  
    年長児1クラス 2セッション
  • 3:00~5:00  
    授業の準備や他のクラスの手伝い
木曜日
  • 9:00~11:30  
    乳児1クラス、幼児3クラス、5セッション
  • 11:30~1:00  
    授業の準備など
  • 1:00~2:00  
    ランチ
  • 2:00~3:00  
    年長児1クラス 2セッション
  • 3:00~5:00  
    授業の準備や他のクラスの手伝い
金曜日
  • 9:00~11:30  
    乳児2クラス、幼児3クラス、年長児クラスを周り6セッション
  • 1:00~2:00  
    ランチ
  • 3:00~5:00  
    授業の準備や他のクラスの手伝い
休日 土日

Q:日々のスケジュール管理で、ここは大変だった!と感じた点はどこですか?

始めた当初はどのくらい導入をして、絵本を読んだりするのかというレッスンの時間配分が難しかったです。レッスンの終わりが遅れてしまうと次のレッスンの始まりが遅れてしまうので、今はこまめに時計に目を配りながら時間通りにレッスンが終われるようにしています。

Q:教案作りで参考にしているサイトや書籍があれば、ぜひお聞かせください。

参考になるサイト
  • Youtube
    乳幼児を対象にしているのでキャッチーな歌やビデオを探すのに役立っている。
  • Ready steady NihonGO!
    レッスンプランがすでに出来ているのと、リソースが揃っているので自分のレッスンに組み込んでいる。
  • Genki English
    年長児に対するゲームプランが豊富なのでよく参考にしている。年長児に対してはレッスンの終わりにゲームを設けているので役に立つ。

Q:現地に行く前に、準備しておくと良いものについて教えて下さい。

エプロンシアターや手袋シアター、パネルシアターなど日本独特の保育リソースをもっと準備してもってくれば良かった思います。こちらではなかなか手に入らないリソースで、子どもたちにもあまり馴染みがないので食いつきもよく導入に役立ちます。本や紙芝居も貴重な教材でもう少しバラエティを増やしたいと思います。保育園が年に一度アマゾンで大きなオーダーを入れてくれるので、自費で購入しなくてもいい点は助かります。

色や動物、数や形のフラッシュカードを日本で買っておけばよかったと思いました。こちらでフラッシュカードを入手しましたが、英語表記なので日本語表記のカードを使えたらいいなと思います。

こまや竹とんぼなどの日本工芸のおもちゃも子どもたちには物珍しくウケがいいです。

就職活動

国選びで重視した点
  • 治安
  • 渡航経験があった
現地における
日本語教師の需要
人気があり、一定数の学校で求められている
教育機関選びで
重視した点
紹介
応募時に
必要とされた資格
なし
選考方法 紹介のため試験なし

Q:現地で、日本語教育の需要はありますか?

親日国家であり小学校の外国語でも日本語の選択があります。先生たちや保護者の中にも学校で日本語を学んだという人がたくさんおり、知っている日本語で話しかけてくれます。日本語に対しての親しみがあり、子どもたちが日本語を早い段階から学ぶことを喜んでいる保護者がたくさんいます。なのでオーストラリアでの日本語教育の需要は高いといえると思います。

Q:強みになる資格や職歴、資質や語学レベルはありますか?

日本語教師として小学校以上の教育機関に就職する際は何かしらの資格が必要になるかと思います。しかし、保育園での日本語教師枠では特に決まった資格はないです。

語学レベルは比較的高いレベルが必要になるかと思います。授業を行う上で英語は必須で、日本語を英語で説明する能力が必要です。アイエルツではオーバーオールで7以上が必要になるのではないかと思います。

Q:その国の日本語教師に関する求人情報は、どこで得ましたか?

求人情報のサイト名
  • Gumtree
    日系の求人は少ないが、日本語の家庭教師を探している広告が時々掲載される。
  • SEEK
    日系の求人があるかは疑問だが、地元民が求職する時に一番使われるサイト
  • 日豪プレス
    日経の主に飲食関係の求人が多い。

Q:この教育機関で勤務すると決めた決め手、きっかけを教えて下さい。

保育の大学を卒業した後は日本のインターナショナルキンダーガーデンで2年ほど担任として勤務をしました。外国で働きたいという夢を叶える為に、学生時代に留学をし保育士の資格を取ったオーストラリアに戻ることに決めました。(ワーキングホリデービザで)恩師の教授の紹介でオーストラリアの保育園で仕事をいただけることになり、それがきっかけで勤務し始めることになりました。

日本語教師に関する全般の質問

Q:どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

元々は保育士の一人として担任のクラスを持ち2年ほど働いていました。自分の担任のクラスで日本語の歌を歌ったり数の数え方を教えたりし始めたことがきっかけで、日本語を教えることの楽しさに目覚めました。せっかく世界に飛び出してきたのだから、日本人の私にしか出来ないことをやりたいと常日頃思っていたので「これだ!」と思いました。

園長とナショナルマネージャーに日本語教室を始めたいという旨を直接相談し、自分が出来ることや教えられることをレジュメに書き出しプレゼンテーションをしました。その結果が認められ今に至ります。

Q:日本語教師をやってよかった!と、どんな時に実感しますか?

子どもたちが家で日本語の歌を歌っていたり、日本語レッスンで習ったことを保護者の方々に張り切って教えてくれるというエピソードを保護者の方々から聞いたりすると、私の情熱や努力はしっかりと子どもたちに伝わっているのだなと思い日本語を教えてて良かった!と思います。

毎回レッスンを楽しみに待っていてくれる子どもたちの笑顔や歓声は何よりも私の励みになります。学ぶことは楽しい!新しいことにチャレンジすることは楽しい!ということを伝えられていたらいいなと思います。たくさん褒めて子どもたちの「出来た!」という自信を育てていきたいと思っています。

Q:日本語教師になる為の進路についてアドバイスをください。

【学生の方へ】
養成講座を受けられる環境にあるならば必ず受けた方がいいです。教育関係で働いたことが無かったり、専門が教育以外の方はアルバイトでもいいので教育関係に携わり「教える」ということを体験することをお勧めします。

基本的にはプログラムやカリキュラムに従って教えていくのですが、ただ単に物事を伝えるだけでは生徒は学んでくれません。やる気を引き出し生徒の学ぶ体制を整えることから始まります。私は学生時代に留学時代の英語を生かして、英語教室で英語教師としてアルバイトをしていました。今でもその当時の経験が役に立っています。

【社会人の方へ】
今持っているキャリアを捨てて新しいことにチャレンジすることは大変勇気がいると思いますが、やりたいと思ったことを見つけたら恐れずに飛び込んで見て欲しいと思います。やった後悔よりもやらなかった後悔の方が大きく残ります。

社会人の方は養成講座をオンラインなどで受けてみることから始めてみてはいかがでしょうか。

Q:日本語教師を目指す方へ、アドバイスをください。

親日家が多く働きやすい環境が整っているオーストラリアで働けている私はとても幸せ者だと思っています。日本語教育も割と盛んなのでチャンスを掴むのは不可能では無いと思います。

コネクション、経歴が就職活動時に大きなキーとなるので、経験を積んでたくさんの人と関わり繋がりを作っていきましょう。努力を惜しまず日本人らしく勤勉に働いて結果をしっかり残して行けば、きちんと認めてくれます。頑張ってください!

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P C S P
月収 月収:34万円
月収内訳 時給:約2,500円
基本労働時間 1日7.5~8時間 週5日勤務
残業(時間外労働) 残業なし
待遇
  • 有給休暇
  • Sick leave
  • Super annuation
教育機関が
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ビザ申請費用
クラスの長期休暇 長期休暇なし