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海外日本語教師経験談

モンゴル ウランバートル 大学(2020年) 熱意に溢れる学生、やりがいがある現場

👩 Rietさん・ 38歳

総評

  • モンゴル ウランバートル 大学
  • 雇用形態:専任講師 *正規雇用
  • 期間:1年 (2019~2020年) *退職
  • 月収:22万円 (575万トゥグルグ) *かなり生活に余裕がある
  • 勤務時間:1日8時間 週5日勤務   *残業:残業なし

<教育機関ならではの体験談>
モンゴルでは「モンゴル工学系高等教育支援事業」における「ツイニングプログラム」に携わっておりました。

学生は大学3年次に国立大学への編入を目指しており、日本語の学習と並行して専門科目も履修していました。そのため、寝る間もなく勉強漬けの日々を送っているところが、一般的な大学における日本語学科と異なる点です。

また、テストの成績や出席率を厳しく管理しており、基準に満たない学生はコースを続けることができませんでした。そのため、学習者側には相当なストレスがかかっていたと思います。

<学習者の熱意>
日本の国立大学への留学がかかっていたため、非常に熱心に勉強に取り組む学生が多かったです。逆に、熱意がない学生はどんどん脱落していきました。

<待遇>
モンゴル政府と日本政府、両国間で行われていた国家プロジェクトだったため、給与は現地の一般的な日本語教育機関と比べると、かなりよかったです。その他、月々の海外健康保険代金と、赴任時、離任時の際に発生する航空券代を負担していただきました。

<休日>
時々土、日に授業準備をすることもありましたが、基本は休めていました。

<苦労した点>
授業時にパワーポイントを利用しなければならなかった点に苦労しました。しかし、パワーポイントを利用することにより、日本語の使用場面がより明確に提示できたと思います。

その他、苦労した点は、非常に優秀な学生たちが集まっていたため、教師側もプレッシャーが大きかっところです。

日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

まず、苦労した点は、パワーポイントを利用して教えるスタイルだった点です。これまで、絵カードと板書で教えてきたので、各授業ごとのパワーポイント作成には時間がかかりました。しかし、パワーポイントを利用することにより、より効果的に分かりやすく日本語が教えられたと思います。

次に苦労した点は、学生たちが優秀で熱意に溢れていたため、教える側のプレッシャーもかなり感じた点です。特に、上のクラスになるにしたがって鋭い質問が来るので、中級クラスでは緊張感の中教えていました。

なぜこの大学を退職しましたか?

派遣時に確認した契約内容では、2021年3月までの勤務でした。しかし、就労ビザが2020年12月末までしか取得できなかったため、前倒しで契約満了となり帰国に至りました。

可能であれば、当初の予定通り2021年3月まで残りたかったのですが、コロナウイルスの影響もあり、実質不可能でした。

給与

月収:22万円 (575万トゥグルグ)
かなり生活に余裕がある

<給与と生活レベル>
給与は日本円で22万円でした。そのうち、こちらが希望する額を日本円で指定銀行に振り込む事ができました。

私は主人と2人暮らしでしたが、モンゴルトゥグルグで給与の中から毎月10万円分を受け取っており、10万円もあれば家賃の支払いも含めかなり余裕のある生活ができました。1人暮らしの場合、家賃+生活費で月6万円もあればゆとりがある生活ができると思います。

<福利厚生>
雇用されている機関から、海外旅行保険(上限:1万5千円/月)と、往復航空券代金を支給してもらいました。しかし、ビザ代、それに伴う健康診断代、在留許可証代はこちらで支払わなければならなかったので、負担していただきたかったです。

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給与

  • 月収:22万円

月収の内訳

  • 基本給:22万円
  • 海外旅行保険:15,000円/月

待遇

  • 保険(海外旅行保険)

雇用形態

  • 専任講師 *正規雇用

勤務時間

  • 1日8時間 週5日勤務   *残業 残業なし

学校が定める学生の長期休暇の有無

  • 夏休み:約1か月 /冬休み:約2週間

長期休暇中の給与保証

  • 仕事はないが、給与は3割減で支給される

授業形態・勤務スケジュール

スケジュール管理で大変だったことは?

パワーポイントで授業をしていたため、1つの授業のスライド制作に4時間ほど時間がかかりました。授業がある日は勤務時間ギリギリまで時間がかかったので、無駄をなくし、効率よく業務を行うのに苦労しました。特に、宿題チェック、テストの採点、作文の添削業務の効率化を工夫しました。

授業形態やスケジュールの詳細を読む...

主なクラスの授業形態

  • クラス授業  1クラス15~30人

学習者層

  • 大学生

スケジュール

月曜日
  • 9:10~16:10  初中級クラスを4コマ
火曜日
  • 9:10~12:30  初中級クラスを2コマ
水曜日
  • 13:00~14:30  初中級クラスを2コマ
木曜日
  • 9:00~18:00  授業なし 教務室にて授業準備
金曜日
  • 9:10~12:30  初級クラスを2コマ
休日:土・日曜日:一日休めていました

就職活動

この大学で働くきっかけ・決め手は?

当時勤めていた日本語学校での業務にやりがいを感じず、仕事を続けながら求人情報を毎日チェックしていました。その際、モンゴル国内で、「モンゴル工学系高等教育支援事業」に関する募集があることを知りました。将来、「モンゴル国を支えるエンジニアを育てる」というビジョンにやりがいを感じ、応募を決意しました。

面接ではどのようなことを聞かれましたか?

海外の生活は、日本と異なり不自由な点が多々あるが、そこは大丈夫か。
※面接では雑談が多く、非常にリラックスした雰囲気でした。そのため、上記以外の質問ははっきりと覚えておりません。

この大学で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

<強みになる学歴>
大学院修士課程/博士課程卒業。
日本語教師を一生の仕事にしたい場合、修士号がないと、応募できる求人がかなり限られてしまいます。給与、労働環境がよい職場を求めるなら、修士号の取得をお勧めします。

<語学力>
1.簡単な日常会話ができる英語力
2.海外で生活する場合、就労国の公用語

就職活動で参考にしたウェブサイトは?

  • 日本語教育学会
    国内外の大学求人が多く掲載されている。また、実績がある教育機関の掲載が多い。

就職 教育機関選びで特に重視した点

  • 学校の規模
  • 給与・待遇
  • 日本語学習目的

応募時に必要とされた資格

  • 日本語教師養成講座420時間修了
  • 日本語教育能力検定試験合格
  • 大学 日本語教育主・副専攻

就職 選考方法

  • 書類
  • 面接
  • 模擬授業

面接方法

  • 日本国内にて実施

日本語教師全般に関する質問

どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

学生のころから、海外旅行が趣味でした。海外を旅行する度に、自分自身が「井の中の蛙」であることを知り、もっと広い世界を知りたいという欲求が強く生まれました。そのため、日本国内だけではなく、世界を股にかける仕事はないかと探した結果、日本語教師という仕事にたどり着きました。

日本語教師をやってよかった! どんな時に実感しますか?

日本語教師という仕事に自信が持てず、日々授業の事で悩んでいたときに、学習者から「授業が分かりやすくていい」と感想をもらいました。自分が今までやってきたことは間違っていなかったと自信が持てたと同時に、悩みから解放されました。

また、学習者を通して、その国の文化や、歴史、社会などを知ることができます。例えば、モンゴルには「先生の日」という記念日があり、学生から教師にプレゼントが渡されます。私は学生が描いた似顔絵をもらいました。

また、学生団体が主催した活動では、ウランバートル郊外にあるチベット寺院に行き、文化や自然に触れる機会を得ました。

日本語教師を辞めたいと思ったことはありますか?それはどうしてですか?

日本語教師になって間もない頃は、授業がうまくできず、自分は向いていないと常に悩んでいました。

エジプトで仕事をした際、自分が同僚たちの足を引っ張っているという劣等感がぬぐえず、帰国後別の仕事に携わったことがあります。

しかし、「例え自分に自信が持てなくても、日本語教師の仕事は数年続けてきているじゃないか」ということに気づき、もう一度頑張りたいと奮起するきっかけになりました。

学生のみなさんへ 進路についてアドバイス。

日本語教師の働き方は様々です。そのため、どのような日本語教師になりたいのかをしっかりイメージすることが大切です。

もし、国内外での大学で働きたい、政府系の仕事を請け負いたいというビジョンがある場合、大学院への進学が必須です。例え、学部生の時点で日本語教育関係の授業を受講したことがなくても、大学院への進学を決めた時点で、大学内の留学生の授業を見学したり、日本語ボランティアに参加したり、個人で日本語教育について勉強したりして、卒業後すぐに進学を目指すことをお勧めします。

社会人になってから大学院への進学を目指そうと思っても、仕事を辞めて最低2年の時間を学業に費やすのは容易ではないからです。

自分がしたい「働き方」をしっかりイメージして、学生という時間を有効的に使いましょう。

社会人のみなさんへ 進路についてアドバイス。

日本語教師という仕事は待遇面では良いとは言えないのが正直なところです。そのため、日本語教師として転職する場合、「本当にこの仕事が好きだ」という強い思いが必要になります。その上で、どのような日本語教師を目指すのか、ビジョンをしっかりさせる必要があります。

日本語教師の働くフィールドは様々です。国内の日本語学校をはじめ、海外の語学学校や大学で働く、海外における日本語教育のネットワークを構築するなど、活躍の場は多岐に渡ります。まず、自分がどのような働き方をしたいのか、ビジョンを描いた上で、日本語教師になる手段を選択することをお勧めします。

日本語教師の仕事を「一生の仕事にしたい」と考えている場合は、大学院への進学をお勧めします。修士号をとれば、教師として活躍できる場が大きく広がるからです。現在は、働きながら通信教育で大学院の授業を受けることも可能です。是非、自分に合った働き方を見つけてください!

モンゴルで日本語教師を目指す方へ心構え・アドバイス。

モンゴルは日本語教育がかなり盛んな国です。小学生から日本語学習を取り入れているため、若年層の教育に関われる機会が得られるかもしれません。

また、現地モンゴル人、日本語教師で構成されている「モンゴル日本語教師会」の活動も活発で、授業面で悩みがある場合、比較的、相談しやすい環境が整っていると思います。有志による研究発表も行われており、教師として学びになる活動が自主的に行われております。

生活面では、私はウランバートル在住でしたが、不便を感じることはほとんどなく、気候も予想よりはずっと過ごしやすかったです。

モンゴルは情報が少なく、働くとなると不安に感じる事も多々あるかもしれませんが、きちんとした教育機関で働ければ、充実した時間が過ごせると思います。

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